lemar さん プロフィール

  •  
lemarさん: 信義 the faith as fan fiction
ハンドル名lemar さん
ブログタイトル信義 the faith as fan fiction
ブログURLhttp://ameblo.jp/lemar/
サイト紹介文信義の二次小説です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供228回 / 365日(平均4.4回/週) - 参加 2016/02/02 19:11

lemar さんのブログ記事

  • HUNDERT100
  • 狎鴎亭の高級イタリアンの店を出てブランドショップの明るいショーウィンドーの並ぶ街を歩くとそこは昼と変わらない。 夜になると直ぐに暗くなる毎日に慣れ始めていた今のウンスはこの街の輝きに目が眩みそうだった。 ― ここは10時を過ぎても誰も眠らない。 数か月前まではここにいたのにそれがもう何万光年も昔の事に思えた。 携帯で話すチェ・ヨンを待ちながらショーウィンドーの中に王冠のように飾られたルブタンを眺めて [続きを読む]
  • NEUNUNDNEUNZIG99
  • 黒いヒョースンが重低音の響かせて南海郡に入った頃には、国道が山の東斜面を迂回するたび昇り始めた陽の光がプリズムのようにチェ・ヨンの前方に角ばった光を散りばめた。 ― 到着は、あの太陽が昇りきったころだろうか。 緩やかなカーブを描きながら道が再び山陰に入ると、ヒョースンのヘッドライに反射する白線以外は周囲の薄い闇に溶け込んでチェ・ヨンの視界から消えていった。 起きた時に朝焼けだったから今日は一日、 [続きを読む]
  • ACHTUNDNEUNZIG98
  • キム看護師が出勤して来るまでどのくらいそうしていたのか。 昨日の朝、二人の刑事を見送ったウンスは急に灰色になってしまった雨を見ながらずっと保健支所の入り口に立ち尽くしていたようだった。「おはようございます。」と声を掛けたキム看護師にその時何と返事したのかも覚えていなかった。 しかし、診察開始の時間が来て毎日のroutineが始まってしまうとベルの音で唾液を出す犬と同じで条件反射のようにして仕事をこ [続きを読む]
  • SIEBENUNDNEUNZIG97
  • サプレッサーを使用すると弾速が落ちる為15mmの強化ガラスに阻まれて失敗することを懼れたチェ・ヨンはそのまま引き金を引いた。 ボディーガードがたとえ銃声で気付いたとしてもキ長官の命は救えない。ただ、弾の軌跡からチェ・ヨンの位置を知られるのが何秒かは早くなるだろう。 ― 逃げればいいだけだ。  かけっこは子供の時から得意だった。 しかし、静かな夜に響いた乾いた銃声はソウルの街並みに不似合いな程大きく鳴 [続きを読む]
  • SECHSUNDNEUNZIG96
  • FAKEの中にそのFAKEのFAKEがいればそれは何だろう。FAKEの贋物は本物なのか? チェ・ヨンが銃を握ったまま左腕のスイス製の時計を確認すると針が八時五九分をさしている。 就職祝いに叔母に貰った時計はあちこち傷だらけだったが何とかまだ動いていた。時間なら携帯の方が正確だったが一度この時計を着けずに行った任務で手痛い失敗をしてからまるでゲン担ぎのようにして着けていた。 ― もうすぐ…  …3…2 [続きを読む]
  • FÜNFUNDNEUNZIG95
  • 「っく。」 防犯カメラを避けるように階段の手すりを乗り越えたチェ・ヨンは激しい痛みに思わず声を漏らした。それは、微かな着地の足音よりも大きく聞こえた。 外付けの非常階段は夕方まで降り続いた雨に濡れて鉄製の踊り場は滑りやすくなっていた。着地の時に不自然な体勢になったチェ・ヨンは、声が漏れる程の痛みに暫くは硬く目を閉じて耐えねばならなかった。 そうしていると、あの男の顔が浮かんで来た。 夜中に拉致同然に連 [続きを読む]
  • VIERUNDNEUNZIG94
  • チョがずっと不思議に思っていたその答えがここにあった。 帰国してからは、何度もソウルとここを往復しながらずっとユ医師の警護を続けていた。 今回のこのまどろっこしいまでに手の込んだ遣り口。 侵入者の死を偽装したり、あたかもそこに何らかの証拠があったかのように装ってチェ警監自らが囮になったりしていたのはそういう事だったのだとチェ警監の上着を羽織って立ち尽くすウンスを見て納得した。 ― きっと、この人を守り [続きを読む]
  • DREIUNDNEUNZIG93
  • 暗くなってから配電盤の修理の手配が済んだと言いに来たチョ刑事は、電話がかかってくると怖い顔をして直ぐに行ってしまった。 キム看護師も帰ってしまうと支所の仮眠室で独りになったウンスは目が冴えて眠れなくなってしまった。 椅子に掛けたままだったチェ・ヨンのジャケットはベッドからよく見えるように仮眠室のハンガーにかけなおしてあった。 「電気が来ないんじゃあ仕方ありませんね。」 官舎に侵入した男が配電盤を壊 [続きを読む]
  • ZWEIUNDNEUNZIG92
  • キ長官を囲んだ男たちがホテルの中に消える時その一団が玄関先で滞留するとチェ・ヨンは思わず物陰に隠れるように身を低くした。 こちらが見えるはずもないのに何かぞっとするような視線が投げられた気がしたのだ。 ホテルに隣接するオフィスビルの屋上では電気設備が大きな機械音を立てていたがその一瞬だけは急にその音も聞こえなくなった。 ずっとこの国の闇にいたキ長官にとって初めての表舞台だ。きっと今の地位を守る為には [続きを読む]
  • EINUNDNEUNZIG91
  • 「…ご両親に感謝すべき…」 ― 癇に障る声だ… 「…数週間“安静に”…。」 ― ああ、病院…  ウンスの代わりに撃たれて…   あの医者の… ― いや、あれはもう何か月も前だ。 「…気付かない…」 ― アン警正?  ああ、そうアン警正の“あの赤いの”で  ソウルに向かって… ― だったら何故… 「なんであんたが。」 ―  この男がいるんだ。 「久しぶりですね、チェ・ヨンさん。」 よりによってこんな時に現れて [続きを読む]
  • NEUNZIG90
  • ムン警正が手に入れたTimelineによればもう間もなくキ長官の乗った車が到着するはずだった。 長官の警護体制は王譓の死で一旦は緩められていたが政権の暗部を知り尽くしたこの男は普段から自分の身辺警護には余程気を配っていると見えてなかなかチャンスは訪れない。 今こうして潜んでいる場所も細心の注意を払っていても尚、危険であることは否めない。 しかも、今は胸を圧迫固定するサポーターが自由な動きを妨げる為いつもより [続きを読む]
  • ブログ道緊張中 7/7追記しました。
  • 今から大学の保護者連絡会でござる。初参加でドレスコードがわからんから緊張するなり。チョコミントで気合い入れていってくるなり。 コメントありがとうございます。 上写真はCAFE DE CRIE ミントドリンクとアボカドとエビのサンド下写真 上はやっぱりCAFE DE CRIEでエクストラの方のミント      下のはミントのドームケーキです。 最近の嵌りもの…チョコミントにパクチーとアボカドが加わりました。KALDIのパクチ [続きを読む]
  • NEUNUNDACHTZIG89
  • 「…俺が生きている事はムン警正以外、誰にも言うな。 そうだ、チーム内の者にもだ。」 ― また泣くんだろうか。 チェ・ヨンは電話を切ると折れた肋骨が動かぬように手で押さえながら車道にはみ出すように生えた木の陰に隠れるように凭れかかった。 木に寄り掛かったままずるずると滑るように腰を下ろすと自然とため息が漏れる。 痛みの為に額に浮かんだ脂汗を拭うのも面倒な程疲れていた。 ― だが、泣かれないと寂しい気もす [続きを読む]
  • ACHTUNDACHTZIG88
  • 「…勿論。天網恢恢疎にして…なんだっけ?…えっ、違う?とにかく、探すも何もこれなら骨も残りませんよ。ええ、ああ今来ました。じゃあソウルで。」 トラックの影から出てきた男は話し終わった後の携帯で火に包まれたチェ・ヨンの車の写真を何枚か撮り終えると走って来た黒いセダンに合図した。 チェ・ヨンは、折れた肋骨を庇いながら燃え上がる火柱を挟んで対角にその男や車から見えないようにゆっくりと移動する。 断続的に続 [続きを読む]
  • SIEBENUNDACHTZIG87
  • 気化したガソリンが陽炎のように歪めて見せる景色は幼い頃に亡くなった両親の顔やムン警正、そしてチームの者たちの顔に次々と変化し最後はウンスの泣き顔になった。 ― …ウンス パノラマ記憶とも言われるこうした臨死体験は死に直面した脳がその事実から逃れるために引き起こす防衛機制の一種「解離」だ。 ― だが、俺は死ぬつもりなどない。 あの淡い夢のような唇の柔らかさを、抱いているつもりが抱かれていたあの腕の優しさ [続きを読む]
  • SECHSUNDACHTZIG86
  • 最終のフェリーから出てきたそのダークスーツの一団がやってくると彼らをよく見知っているチョでもこの鄙びた港では異様な気がした。 「これか?」 先頭のアン警正が待っていたチョに近づくといきなり聞いた。 「はい。」 チョがバンの中の青いビニールケースの大きな塊を指すとそのジッパーを引き下げて中を覗いたアン警正は顔を歪めた。 開いた隙間からは大量の二酸化炭素が白い煙になって流れ出てきた。 「これでは入れ過ぎだ。 [続きを読む]
  • FÜNFUNDACHTZIG85
  • 緩くカーブする国道は時折追い越していく長距離トラックがいるくらいですれ違う車はほとんどいなかった。この世に存在するのはただ自分一人という気にさせた。 ― ああ、奴がいた。 カーブの切れ目毎にちらちらと黒いセダンがバックミラーに映り込んで来ていた。 国道に入ってからずっとついてくるその黒い影はどこで仕掛けるつもりか一定の距離を保ちながらまだ必要以上には近づいてこなかった。 この辺りの山は岩盤が固くトンネ [続きを読む]
  • VIERUNDACHTZIG84
  • 「チェです。ユ医師が襲われた原因がわかりました。ソウルのユ医師の部屋に香港から差出人不明の郵便物が届いていました。中身は…。」 ― お腹がすくと不機嫌になるから…。 チェ・ヨンはムン警正への報告が済むと食堂の横の売店に入っていった。 海から風が吹くとチェ・ヨンの唇に残ったウンスの香りが鼻腔をくすぐった。 チェ・ヨンからの通話が切れると溜息をついたムン警正はそのまま自分の携帯を使った。 「イ局長、連絡 [続きを読む]
  • DREIUNDACHTZIG83
  • 「先生、大丈夫ですか。さっきトクマンさんが心配して先生を探してましたけど。」 ウンスが支所の扉を押すとキム看護師が電話を片手に持ったまま、出迎えてくれた。 多分、世界ではこの瞬間もいろんなことが起こっている。 「知ってる、会ったから。」 キム看護師の安堵した表情がウンスには嬉しかった。 「今電話しようと思ってたんです。ミンさんが破水したらしいです。」 誰かが誰かの優しさに気付いて喜んだり、どこかの誰かは [続きを読む]
  • ZWEIUNDACHTZIG82
  • チェ・ヨンに手をひかれるまま進んだ先は、木陰が途切れて明るい陽が溢れていた。 チェ・ヨンは、姿を見せると直ぐにずっと日陰にいたウンスの心までも陽の差す場所に連れ出してくれた。 今も、逆光の中、さっきまでの親密な行為の残滓をその目に漂わせながらもチェ・ヨンは何かを決めたように笑っている。 しかし、ウンスには、このまま二人で進んで行く方角にこれまでのチェ・ヨンの人生の続きがあるようには思えなかった。 「貴 [続きを読む]
  • EINUNDACHTZIG81
  • ウンスが背にしている樹の上からバサバサと羽音が聞こえて鳥が盛んに鳴きながら雨上がりの空へ舞い上がり、そのせいで夢見心地の二人の頭上に樹の葉から落ちた雨の雫が降って来た。 我に返ったようなチェ・ヨンがぎこちなく体を離すとその匂いも余韻を残してウンスから消えていった。 「今から聞くことには全部『はい』で答えて。」 粘性の高い上質なワインのように絡みつくようなチェ・ヨンの眼差しがウンスに自分の鼓動を否応 [続きを読む]
  • ACHTZIG80
  • 草いきれがチェ・ヨンとの間に厚い壁を作っていた。 チェ・ヨンがその壁を取り払うように視線を合わせたが、その時、ウンスに向けてぶつけてきた感情は”怒り”だった。 けれども、その後触れたチェ・ヨンの唇は怒りに任せて荒々しく抱き寄せたくせにその時頬に落ちてきた道端の樹が落とした雫よりも微かなものだった。 そのどこか試すような、探るような浸食は、今にも離れていきそうでその温もりを失いたくなかったウンスは、チ [続きを読む]
  • NEUNUNDSIEBZIG79
  • 侵入者は荒れ放題の部屋を残したまま二人の刑事によって乱暴に連れていかれた。 雨がやんで外が明るくなっていた。部屋の惨状は思った以上だった。あらゆる引き出しが開かれてその中にあったものが部屋いっぱいに散乱していた。 「事情があって、郡警には巡回しか頼めないからソウルからうちのチームの鑑識が来るまで部屋はこのままになりますが、いいですか。」 チェ・ヨンが腕を解いてからもウンスはずっと部下たちに指示を出す [続きを読む]
  • ACHTUNDSIEBZIG78
  • 窓の外で稲光がフラッシュをたいたように室内を照らし黒い大きな影は ピカッ と雷が光る度にコマ送りのようにウンスに近づいてきた。 物が散乱したリビングにいた黒い影がキッチンまで来てもまだ足が凍ったままのウンスは 『逃げなきゃ』 と頭の中で鳴り響く自分の声のリフレインが大きくなる程体が動かなくなっていった。 そして黒い影の生臭い息が顔にかかった時には脚から力が抜けて ― もう逃げられない その場に座り込んだウ [続きを読む]
  • SIEBENUNDSIEBZIG77
  • 開け放したドアから灯りの漏れるその部屋からはゲームの電子音とテレビの音と共に時折、若い男のものらしいぼそぼそと話す声も聞こえる。 階段の影に身を隠しながらクラキが携帯を出して、どこかにメールをすると直ぐに部屋の中で電話が鳴った。 「くそっ。オヤジの車がやられた。おい行くぞ。」 部屋にいた男たちが怒りながら出て行くと消し忘れたテレビの音だけが楽し気に笑っていた。 「何したんだ。」 「まあ、ちょっと。」 曖 [続きを読む]