lemar さん プロフィール

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lemarさん: 信義 the faith as fan fiction
ハンドル名lemar さん
ブログタイトル信義 the faith as fan fiction
ブログURLhttp://ameblo.jp/lemar/
サイト紹介文信義の二次小説です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供166回 / 365日(平均3.2回/週) - 参加 2016/02/02 19:11

lemar さんのブログ記事

  • SIEBENUNDDREIBIG37
  • 在米韓国人の両親を持つイ医師は、一年程前に、大学時代の恩師に引き抜かれる形で今の職に就いた。 それまではずっと米国で育ち政治的な傾向に特に顕著なものは見られない。政治にはどちらかというと無関心な典型的な理系タイプだった。 ウンスの行動確認には、訪問者の確認も含まれていて、特に、イ医師は、ウンスに現職を紹介した経緯から殊に詳細な調査がされている。 しかし、イ医師には派手な女性関係以外、特 [続きを読む]
  • SECHSUNDDEIBIG36
  • イ医師は、無関心を装ったウンスの返事に感心しないように黙ったまま、キム看護師の淹れたコーヒーを啜った。 こうして左膝の上に右足首を載せて、長い足を持て余すように組んでいる自分が「女の子」たちにどんな風に見られるかはハイスクールに入る前から知っていた。 それに、大体の女医は医者の肩書に弱い。看護師や普通のOLより余程医者に反応する。 韓国社会は、学歴によるヒエラルキーがはっきりとしていて女 [続きを読む]
  • FÜNFUNDDREIBIG35
  • 海からの風に混じって漂う懐かしいソウルの香りのするチョコレートは午後診までの休憩時間にキム看護師と二人で食べた。 この地で生まれ、ソウルに憧れるキム看護師は、チョコレートを食べる時は普段のシニカルな表情をひっこめて十代の女の子のような顔をした。 チョコレートは、恋の味がするって本当なのだろうか? だが、キム看護師はチョコレートは気に入ってもそれを買ったイ医師はお気に召さないようで [続きを読む]
  • 月夜梅影7
  • 誰かに託すにしても適当な者がいなかったため結局チェ尚宮は、見習い武閣氏としてジョンヒを手元に置いて皇宮での作法などを自ら教えてやることにした。 ここ暫くは危急の事案もなかったため、武芸もジョンヒにはゆるりと基礎から教えてやれた。 このところ、王の周囲は比較的落ち着いていた。きな臭い動きはあってもそれは皇宮から遠く離れた場所だったため相変わらず懸案すべき事案は多かったが、皇宮内に限れば安寧と [続きを読む]
  • 月夜梅影6
  • チェ尚宮は、困惑していた。 目の前にゆったりと腰かけるたおやかな娘はいかにも不似合な武閣氏の装束を持て余すように纏っていた。 ここが、権門の夫人が主催する刺繍会で、瀟洒な座卓と贅沢な茶菓を前にしていたら、これほど似つかわしい娘はいないだろう。 しかし、この良家の令嬢、しかもとびっきりの名家の娘は、武閣氏の詰め所の実用一点張りの硬い椅子の上でチェ尚宮に不躾な程見られて、はにかむように頬を [続きを読む]
  • 月夜梅影5
  • チョ・トクマン ― ああここはダメだ。 ハン大監は、いつかの会食の折にチョ評理が末の息子にべったりの妻についてこぼしていたのを聞いた事があった。女親の思い入れの強い息子の嫁は、何かと苦労するモノだ。 シム・ウノ 禁軍の郎将で、開京・西京に家屋敷があり、郊外には広大な荘園も持つ資産家だ。 父親は、上将軍まで務めたが今は家督を嫡男であるウノに譲って妻と共に田舎で隠居生活を送っ [続きを読む]
  • 霾22
  • ― まともに当たっては負ける。大二郎は、見慣れぬ若い男が急に現れた為すぐ傍で呆然としていた初老の漁師の首に刃を当てた。そして、その男を盾にするように己の半身を隠すと「コグリョの鬼」に対峙した。 鬼の青い光を帯びた剣がその切先のずっと先にいた利助を切り裂いたのはつい昨日の事のように、大二郎の心に生々しく残っていた。 会うのはまだ先だと思っていた。それが、今まさにその男が目の前にいる事で大二郎 [続きを読む]
  • 霾21
  • 月明かりの中で八幡船がいくつもの黒い影を吐き出していた。影は頭目と思しき小柄な影を囲んで集まっていく。 チフは、背後に迫る気配がヨンのものでないことに暫く前から気付いていた。船着き場に近い小屋の影に潜みながら、軽く弾むように駆けるメヒの気の迫るのを感じた。それは、己を燃やし尽くすばかりに強く光る気だった。 ― カヒとよく似ているあの影達は、きっとすぐにでも島の各地に散って島を制圧しよ [続きを読む]
  • 霾20
  • 船着き場近くの小屋には網が干してあり、銛やもやい綱が雑多に並べてあった。漁の余りものを入れているのか、蓋の付いた魚籠を押し倒そうと猫がすり寄っていた。 そこここに人の暮らしが感じられた。 ― ここは漁師の島だ。 複雑な潮流はきっといい漁場も持っているはずだ。千造が潜り込まなければここが「赤い鬼」たちの住処とは到底気付かなかったろう。 旱魃や嵐に襲われると半農半漁の貧しい [続きを読む]
  • 霾19
  • 千造から知らせてきた通りに航路をとると、船は人気のない島の船着き場に易々と入ることができた。 男手が出払った島は、易々と手に入れられるだろう。 大二郎はその先にある瞬間を待ちかねていた。何故なら、この島を手に入れるのはもう一度あの男に会うためなのだから。 大二郎は忘れられぬ男の顔をもう一度思い浮かべた。 八幡船の炎に照らされたあの男の顔には血に塗れたどす黒い妖気が漂って [続きを読む]
  • 霾18
  • ヨンは背中の向こうで、メヒの軽い足音が遠くなっていくの感じた。メヒの足音は軽い。軽快に地面を蹴りながら一つに結わえた長い髪を揺らしながら飛ぶように走る。 タルのその存在も気も感じさせない風のような走り方でもないし。 師父や部隊長のように殺気を纏ったそれでいて音の全くしない走り方でもなかった。 それは光がすっと通り抜けるようなそんな走り方だった。 ヨンは時々、 [続きを読む]
  • 霾17
  • ヨンが島の北西にある船着き場を目指して、見え隠れするチフの背中を追っていると崖に向かう上り坂に数人の人影が見えた。おそらく先に着いた長たちが「センさん」を捕らえに向かったのだ。 チフはそれには気付かず船着き場に向かっていた。 ― 「センさん」だけなら長たちだけで大丈夫だ。   しかし…   長たちは倭寇が既に上陸したかもしれないことをまだ知らない。 声を掛けるにはチフは既に [続きを読む]
  • Krankheit der Liebe(34.5)
  • 抗生剤が喉を降りていく感覚にまた薬のせいではない苦い何かが込み上げてくる。ずっとこんな調子だったから、薬の副作用か別の感染症かと心配をした。 毎日通院すると殆ど医者を脅すように説得して退院したのは、じっと横になっていると要らぬ考えばかりが浮かんで来たからだ。ウンスと一緒にいたのはほんの二日。本当はもっといたらしいが眠っていてわからなかった。俺が目覚めた時にはもう彼女はどこにもいなかった。 [続きを読む]
  • VIERUNDDREIBIG34
  • 初めて会った日は、その高圧的な態度に訳もなく反発した。でもその夜に怖い目に遭って一気に気持ちを持って行かれた。でも、これは簡単に説明がつく。 いわゆる生理的覚醒状態にあったから恐怖心を恋と「勘違いした」だけだ。きっと。 それから…その夜に抱きしめられて…。いや、あれは違う。あの時あの人は、泣き出した私に軽く手を添えていただけで決して抱きしめたわけではなかった。次の日、病院の仮眠室に行った時 [続きを読む]
  • DREIUNDDREIBIG33
  • チェ・ヨンの前に二通の封書が置かれている。 一つは、今日、会議で不在にしている間にバイク便で届いた。あて先は901戦闘警察隊チェ・ヨン中隊長。作戦上、ここ暫くは使用していない肩書の書かれた封筒には差し出しの表記がなかった。A5サイズの封筒は一部に硬い厚みがあって書類だけではない重量がある。 そして、もう一通は会議に出る前に届いて、開かれることなく机上に置かれたままそこに在った。地元警察によるユ [続きを読む]
  • ZWEIUNDDREIBIG32
  • 一般病棟に移ったチェ警監の病室の前で立ち止まったまま数分になる。病室のドアハンドルをじっと睨むように見つめている彼女をずっと見ている自分もどうかと思ったが、こうして看護師との雑談を聞き流しながら彼女の姿から目を離せなくなっていた。シン・ウンジョンの技術が抜きんでていた為あの時は、ユ医師が霞んで見えたがチェ警監にされた応急処置は、短時間にあの設備の中で為されたとは思えぬほどで、ユ医師も相当優秀な医師 [続きを読む]
  • 月夜梅影4
  • 父に手を引かれた娘が、その勢いで崩れるようにヨンに倒れ掛かると梅花方の香りが、息が詰まるほどの濃密さで迫って来た。ヨンは、その贋物特有の押しつけがましい空気に押し出されるように立ち上がるともうなりふり構う余裕もなく暇乞いを告げていた。 「某、火急の用件を失念しておりました。また機会がございましたら、次は是非、父の若い頃の話などお聞かせください。でこれにて。」ハン大監は、主の返事も聞かず立ち去っ [続きを読む]
  • 月夜梅影3
  • 「えっ。」「なんでそうなる」と言う言葉は何とか飲み込んだ。ウンスの事を思い出しぼんやりとしている間に話があらぬ方向に進んでいるのでヨンは内心焦っていた。 ― 面倒な。  父の友人でなければ  もっとはっきり「いらぬ。」と言えるものを…。 「いやぁ…このように大切にされているモノを一人のモノにするなどとても…。某その本来の価値もわからぬ若輩故。」 ヨンは溜息を飲み込みつつ、あれこれと言葉 [続きを読む]
  • EINUNDDREIBIG31
  • それがあの日―、あれは、王譓とシン・ウンジョンの出国が確認されたためずっと続いていたユ医師の警護が終了した日だった。今から考えればユ医師はあれ以来、ここに来ていなかった。「チェ警監の意識が戻ったそうです。」 そう言った時ユ医師が、何と返事して、その時どんな顔をしたかどうしても思い出せなかったがどちらかというと…そう、むしろ悲しそうに見えた。ずっと忘れていたが、今になってそんな記憶だけが蘇ってき [続きを読む]
  • DREIBIG30
  • チェ・ヨンは、オから急に出たウンスの名前にイライラと報告書のページを繰ると、報告書の中でも「ユ・ウンス」という文字が目に飛び込んできた。 『当該病院五階廊下にて、シン・ウンジョンと思われる看護服の女により鎮静剤ベンゾジアゼピンを打たれたユ・ウンス医師はその場で意識を失ったものと思われる。添付資料⑧:シン・ウンジョン 残留物のDNAによる本人確認 ⑨:ユ・ウンス医師 血液検査 [続きを読む]
  • 月夜梅影2
  • 娘が動くたびにその梅に似せた作り物の香りが、余りに濃く漂う為ヨンは鼻腔を塞ぎたくなった。― これでは、何を食べてもわからぬな。ヨンは、溜息を押し殺すと父の友人というその男の調子に何とか合わせた。最初の一献が済めば、父との思い出話でも始まるのかと思っていた。ハン大監は、今上の寵臣の一人で以前より見知ってはいたが、先般の朝議の席で初めて口をきいた。きっと屋敷にも訪ねてきていたような知己ではなく職務上の [続きを読む]
  • 月夜梅影1
  • 月の明るい夜だった。ハン家の屋敷は開京でも大きな屋敷の立ち並ぶ街の中心にあり崔家の屋敷とも近い。今上の寵臣である主に恥じぬ、物々しい門構えの屋敷だった。 父を知っているという。 そして、「墨梅」を見せると言われて招かれた。絵など見てもわからぬが、父の名前を出されて仕様がなく来てしまった。 十六で死別してよりずっと家にも帰らずいた為、父の皇宮での仕事上の知己は、本当のところよくは知らな [続きを読む]
  • NEUUNDZWANZIG29
  • 目覚めた時に最初に目に入ったのは、長身で長髪の医者だった。 ― 医者のくせに清潔感がない。 「Awesome!」イ医師は一週間ぶりに目覚めた患者に彼なりの祝福を送った。頑丈な肋骨を持ったその患者は、至近距離から撃たれたブローニングの32口径を肋骨三本で止めて射創管周囲からの出血も最小限で済んでいた。 それでも意識を取り戻すまでに一週間かかって応急処置を施した医師も毎日のようにやって来ては、経過 [続きを読む]
  • ACHTUNDZWAZIG28
  • 病室のドアを開けたとたんペ刑事は後悔した。 ― 先に声を掛ければよかった。「ああペ警衛か。」いつも通りのその声とは裏腹なチェ警監の目がゆっくりと失望に曇っていった。「はい。 オも直ぐに来ます。」 チェ・ヨンはペの差し出した書類を受け取ると、すぐに内容について質問を始めた。休職扱いになっていたが、指揮を執るムン警正の指示で捜査の進捗は、逐一チェ警監に報告することになっていた。「死体の身元はま [続きを読む]
  • SIEBEUNDZWANZIG27
  • アメリカ帰りのイ医師は、チェ・ヨンの体に繋がったモニターを確認しながら、窮屈そうにその長身の痩躯を折りたたんでストレッチャーのサイドに座った。 「芸術的だなあ、このDEEP TIE。その先生はどこです?」 バタバタとヘリコプターがあげる轟音の為自分の声さえ聞こえにくい機内でその医師は大声を上げた。 手術室での簡単なカンファレンスの時からずっとシン・ウンジョンの手術の手際を頻りと褒めて会 [続きを読む]