lemar さん プロフィール

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lemarさん: 信義 the faith as fan fiction
ハンドル名lemar さん
ブログタイトル信義 the faith as fan fiction
ブログURLhttp://ameblo.jp/lemar/
サイト紹介文信義の二次小説です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供199回 / 365日(平均3.8回/週) - 参加 2016/02/02 19:11

lemar さんのブログ記事

  • ZWEIUNDFÜNFZIG52
  • 食われるだけの走狗にならないために今すべきこと― 新宿のホテルの清潔なベッドの上で目覚めたチェ・ヨンは今日の予定を反芻しながらまた唇に触れている自分の指に気付いて一人苦笑した。 ― 初めてキスした中学生のようだ 昨夜はカンの話がなかなか頭から離れなかった。眠れない中、ベッドに転んでいると、ややもすれば、携帯の中の「ユ医師」の文字を探す指がその画面に触れようとした。 昨日、仁川への最 [続きを読む]
  • EINUNDFÜNFZIG51
  • 病室の入り口に置いたパイプ椅子に腰かけていた制服の警官はツキとクラキの姿を認めると立ち上がって敬礼したが、やはり剣呑とした目で韓国からの客人を迎えると「主治医を呼びに行く」といって去っていった。 病室のシン・ウンジョンは、さっきのケインの状態とは違い直ぐにでも起きてきそうだ。 「後で主治医から説明がありますが間もなく意識を回復するそうです。」 シューシューと音を立てる加湿器の音に混じっ [続きを読む]
  • FÜNFZIG50
  • 運転席からバックミラー越しに見返すクラキの目に微かな敵意が閃いて 「ほぼ100パーセント。あなた方がいらしたので。」 その口調にも苛立たしさが滲んでいた。しかし、クラキがまた何か言おうと口を開きかけると意味はわからなかったが、助手席のツキが短い言葉でクラキを制していた。 重苦しい空気の中着いた先は、都内の病院だった。 喧噪の込み合うロビーを足早に通り抜けてエレベーターに乗った。&nbs [続きを読む]
  • NEUNUNDVIERZIG49
  • 「ケインに会わせる」と言ったクラキはその事に関して、それ以上は特に説明もせず車の鍵を取りにいってしまった。 廊下でクラキを待ちながらその間にチェ・ヨンはスクランブルのかかった文書でムン警正に報告した。日本の警察署内に盗聴器の類があるとも思えなかったがチェ・ヨンはその習い性から、他国の官公署といった場所での通話は控えた。終始心配そうに自分を窺うカンの表情を見るまでもなくこの件に関わってからの自分 [続きを読む]
  • ACHTUNDVIERZIG48
  • カン刑事は、いつものチェ警監らしからぬ様子を傍ではらはらしながら見ていた。 チェ警監を態と逆なでするような物言いの日本の担当官とのやり取りで警監は、途中からその苛立たしさを隠そうともしなくなっていた。 特に出世には興味もなくもともと軍属だったチェ警監にとってこのチームでの仕事がどんなものかはわからなかった。 しかし、カンはチェ警監の下で任務を遂行することになってそれまで以上に仕事に生き [続きを読む]
  • SIEBENUNDVIERZIG47
  • 静かさの余りブーンと唸るような空調の音すら意識される。 無機質な室内で担当官以外は韓国からの訪問者に全くと言って関心を払っていない。 「唐突ですね。何故、ケイン・ワンの名前が?ケインの日本での活動は数年前に確認されたきりだと記憶していますが、その名はどこから?」 クラキと名乗ったその担当官は、無表情に聞き返すチェ・ヨンには構わず手にした資料を繰りながら、俯いたまま話した。 「新宿の [続きを読む]
  • SECHSUNDVIEZIG46
  • ― 人目がなければあのまま抱きしめてしまえたのに そんなことしたら、きっとウンスは身を翻してどこかにいってしまうだろうが。 ― それに、俺がそれだけで終われる気もしない。 今どき高校生、いや中学生でもこんな不器用なやり方はしないだろうな。 タオルで髪を拭いながらイ医師は、自嘲気味に考えた。 ウンスから離れてしまうとこうして自分を客観視できるのに間近にするといつも翻弄されてしまう [続きを読む]
  • ブログ道忽忽中
  • 久しぶりのブログ道です。そうです。チョコミントの季節がやって参りました。コンビニで見つけたチョコミント。全て近所の7→11にて。相変わらず写真がうまく表示できませぬ。所詮この程度の情弱野郎です。一番気に入ったのはハーゲンダッツでござる。色が白くてチョコミント?なアイスですが味は超チョコミントでござる。チョコミンティアンな皆様、よろしければ。 色々手を広げ過ぎな最近の当店でございます。グルっぽは試 [続きを読む]
  • LE BAISER
  • 逃げないのに私は逃げたりなんてしないのに 貴方は頬を両手で挟み込むようにすると濡れた瞳で近づいて来る。 私は最初、貴方を見つめ返すけれどずっと貴方を見ていたいけれどいつも途中で胸が痛くなって目を閉じてしまう まず熱い息がかかって私の胸がまたギュウッと掴まれたように痛くなって、近くなった貴方の肌の温もりが二人の間の空間を埋める。 そしてやっと貴方の唇が触れる。 最初はそっと。でも [続きを読む]
  • man who is good at lying
  • 扎槍 はっ 一 二 三 、一 二… 次、欄槍 はっ 一 二 三… 拿槍 はっ 一 二 三 強くなり始めた日差しに眩し気な若い兵が慣れぬ槍の型をつけながら汗を散らせていた。 「甲は上がってよし。乙は繰り返し始めから、全員揃うまで。始め!」 入隊したばかりの幼さも残る若い兵たち声は鍛練場に響いて杪春の青い空に伸びていった。夏も近い。 ― 汗を掻くのは嫌いじゃないが、臭いのは願い [続きを読む]
  • 五更天9
  • この時代の倫理では貴人の持つ妻の数は一人とは限らない。 むしろ、家門の繁栄の為には複数の妻を持ち多くの優秀な子を得る事は貴人に課せられた責務であるかもしれない。 ― 私はそれに耐えられるだろうか。 私はこの人が他に妻を持つことを許せるだろうか。誰かとこの人を共有しながら共に生きて…。 それとも一人で、この人から離れてどこか別の場所に…。 ― もしこれを知っていたらソウルを選んで [続きを読む]
  • 五更天8
  • 一度蓋を開けた欲望は次から次へと新たな欲望を沸き立たせてヨンの口から継ぐべき言葉を消し去った。 ― 本当は、こういうことではなく、もっと… ウンスを失ったあの日からずっと、まさにあの日があったからこそ今日まで耐えて来られた。 しかし、これからウンスを己が手に戴くためにはウンスがこの高麗で誰からも大護軍の妻として受け入れられねばならない。そうしてやっと、医仙帰還の物語は純熟の時を迎える。 [続きを読む]
  • 五更天7
  • 木陰に繋いだチュホンはいつものように静かに草を食みながら主を待っていた。 「男のふりをして下さい。そうやって逃げるのはお得意でしょう。」 ヨンがまたウンスをからかうように笑うと、 「えー、何よ。」 上目づかいに自分を見上げるウンスの瞳はつい昨日別れたかのようにあの日のまま慕わし気にヨンを見つめた。 ヨンは、その瞳に呼び起こされた心のざわめきに気付かぬように蓋をするとチュホンを繋 [続きを読む]
  • 五更天6
  • 医仙帰還には物語が必要だった。 拭えなかった医仙の巷説の中には、今上の反元の志と結びついたものもあった。 奇轍一派の粛清も奇家の専横に腹を立てた天界の神々が医仙を遣わし、その力で取り除いたのだ。 等という噂を手始めにそれに輪をかけたような噂も存在した。 医仙が奇轍に呪いをかけたのを見た。その場でそれを聞いた者の幾人かは奇轍同様の目に合ったそうだ。チョ・イルシンしかり、チャ・ウンしか [続きを読む]
  • 五更天5
  • 時々とんぼ返りをしながらものすごい勢いで走り去ったテマンは、 「チュンソクにだけ」 とヨンに言われていたにも拘らず駐屯地に到着するや否や、 「隊長、隊長、大護軍が、いや、えっと、」 その辺りにいた迂達赤全てに伝わるような大声で叫んだ。 「隊長、医仙が戻られました。」 古参の迂達赤は「医仙」の言葉にわっと集まって来ては、テマンを取り囲み質問攻めにした。 チュンソクが気付い [続きを読む]
  • 五更天4
  • 「四年も経ったのね。私にはたった一年だったのに…。さっきそこのお店で迂達赤の人たちを見たわ。」 ウンスは、飯屋で見かけた月日を経て老成した見知った顔を思い浮かべた。 「その時、誰かと話しましたか。」 ヨンがウンスに手を差しだすと、ウンスはその手に指を絡めるようにして握った。ヨンの手は一年前と変わらず大きくて暖かかった。 「知らない隊員と少し。今、元と戦をしてるの?」 ヨンは少し [続きを読む]
  • 五更天3
  • 飲まず食わずで木の下に佇むヨンの為にまだ温かい握り飯を持って出たテマンは、近づいて来る影がヨン一人ではないことに気付いた。 まだ小さな影だったが、ヨンの傍に立つその人がウンスだと気付くとテマンはせっかく持ってきた握り飯を放り出して自分の顔を両手で何度も叩いた。 やがて頬が赤く腫れるまで叩いてもウンスが消えないことが知れるとテマンは弾かれたように二人に駆け寄った。「い、医仙…様。」 テマ [続きを読む]
  • 五更天2
  • 二人の間には余りにも長い時が過ぎて目の前にいるその存在に慣れない心は途方に暮れたように躊躇っていた。 互いに聞きたいことも、話したいこともたくさんあったのに。 ただ、消えないウンスに安堵したヨンがほっと微笑むとやっと二人が囚われていた呪縛が解けて、ヨンはウンスに歩み寄って抱きしめようとした。 と、ウンスの顔ばかり見ていたヨンはウンスの被っていた笠にぶつかってしまった。一瞬何が起こったの [続きを読む]
  • 五更天1
  • 胸の鼓動が限界まで高鳴って悲鳴を上げていた。 体全てが心臓になったように鼓動が打つたびに体が波打つように震えた。木の傍に立つ影は紛れもなく貴方だった。 私は泣いていたのだろうか。貴方の名を呼んだ気がしたけれど私の声は貴方に聞こえただろうか。 貴方が振り返った時、貴方以外のこの世界の全てが息を潜めているように貴方以外何一つ目に入らなくなった。 私はと言えば、振り返った貴方の胸に飛び込 [続きを読む]
  • FÜNFUNDVIERZIG45
  • ウンスに歩調を合わせたイ医師と共に古びた待合の建物までたどり着くと同時に雨はさらに強くなり、その入り口に続く浅い階段は川のように雨水が流れていた。 イ医師はウンスの躊躇いには気付かぬかのようにウンスの手をとると、急な流れに足をとられぬようにウンスを支えながら階段を上がった。 その手は、男にしては細く長い指を持つ。 ― 外科医の手だ 綺麗に整えられた爪や繊細な指先にウンスは、優秀な外 [続きを読む]
  • 迂達赤のためのビジネス天界語講座 第二回  責任監修 崔瑩隊長
  • 「えー、本日は天界語について、えー医仙殿に講義して頂くことになって…。」 先日頓挫した天界語講座が医仙の要望によって再び開かれることになった。 しかし、チュンソクは正直、この事で眠れぬほどの心労を負っていた。 何故なら前回の講座の轍を踏まぬため事前に隊長にこの事を打診したところ隊長の監修の元ならと許可が出たのだが…。 監修と言う言葉は、今の隊長がしているように部屋の後ろに陣取ってチ [続きを読む]
  • 虧盈11
  • 俺は襲ってきた左右のからの賊を袈裟に斬り捨てた後、目の前に突き出された柳葉刀から身を躱す為に崖を蹴って跳びあがった。 その時、テマンは直刀を抱えた一人の男と対峙していた。テマンのその手には、出立の時、トルベが渡した剣鉈のような短剣が握られている。 昨日までのテマンの身のこなしなら充分凌げそうだったが、武器を持った相手と対峙することはこれまでなかったろう。 テマンのひりつくような「懼れ」 [続きを読む]
  • 虧盈10
  • もう何年も耕されない畑は草木が生い茂って、よく見ないと畑だったこともわからぬほどだった。 村の中心にある井戸も一角が崩れたままで、多くの家が、草の中に埋もれたようになっていた。 ここは、村人が消えて何年も盗賊の住処になっていたのだろう。そして、それはそのままテマンが一人で生きた時の長さだ。 「今日は俺の後ろにいろ。 離れるなよ。」 そう言うとテマンは頷いた。 「行くぞ。」 [続きを読む]
  • 虧盈9
  • テマンを伴って兵営に戻ると、兵たちが慌ただしく行きかいただ事ではない空気が漂っていた。 俺を見つけたチュンソクが兵装を整えながら早速、駆け寄って来た。 「間に合われて良かったです。今迎えを出そうかと…。さっき、探索に出ていたチュソクが帰営しました。残党が潜む村を見つけましたが、もう逃亡の準備を始めています。直ぐにでも奇襲をかけるつもりで今、討伐隊を編成しているところで…。どうも、もともと盗 [続きを読む]
  • 虧盈8
  • 「タル殿から伝言があります。『始末は俺が付けたから、全てを忘れてお前は己の行くべき道を行けばよい。』と。」 タルの醒めたような、それでいて人の心に添うてくるような笑顔が浮かんだ。 「承った。」 どうしても気になっていたことがあった。 「出会った時、タルは一人でしたか。」 「ええ。」 弟と思われるあの若い倭寇とは一緒ではなかったのか。 「そうですか。これからどうされます。 [続きを読む]