通りすがり さん プロフィール

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通りすがりさん: 黒夜行
ハンドル名通りすがり さん
ブログタイトル黒夜行
ブログURLhttp://blacknightgo.blog.fc2.com/
サイト紹介文基本的には本の感想です。映画評や乃木坂46の記事もあります。短歌や資格の勉強法や英語の勉強法も。
自由文サイトに来ていただいたら、プロフィール欄の「サイト全体の索引」から気になる記事を探して下さい。「この本は、こんな人に読んで欲しい!!」「管理人自身が選ぶ良記事リスト」「アクセス数ランキングトップ50」辺りから入るのがいいかもしれません。乃木坂46に関する記事もおすすめです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供225回 / 365日(平均4.3回/週) - 参加 2016/02/03 00:00

通りすがり さんのブログ記事

  • 天盆(王城夕紀)
  • 恩田陸「蜜蜂と遠雷」という小説を読んだ時は驚いた。何故か。この小説は、言葉で表現するのは不可能なのではないかと思える「音楽(しかもクラシック音楽)」を、言葉だけの力で描ききっている作品だったからだ。誰もが知っているわけではない曲を、言葉の力だけで「聴かせる」。このことがどれだけ大変なことか、想像することはなかなか難しい。しかも「聴かせる」だけではない。「蜜蜂と遠雷」はクラシックのコンクールの話だっ [続きを読む]
  • 改革者 蘇我入鹿(町井登志夫)
  • 歴史は勝者の記録だ、というのはよく言われることだ。だから歴史が嫌いだ、などと言うつもりはない。僕は歴史が嫌いだが、嫌いな理由は勝者の記録だからではない。歴史の授業で、「これこれこういうことが起こった」と説明されることが腹立たしかっただけだ。実際にそれが起こったかどうか、分からないではないか。事実、歴史の教科書に乗っている「事実」はどんどん変わっている。歴史の授業で、「こういうことが起こった可能性が [続きを読む]
  • 「銀魂」を観に行ってきました
  • 内容に入ろうと思います。江戸末期、「天人(あまんと)」と呼ばれる宇宙人の侵略により衰退の一途を辿る町では、廃刀令の影響もあり侍の生きづらい世の中になった。かぶき町で「万事屋銀ちゃん」を営む坂田銀時は、志村新八と神楽と共に、泰平の世を穏やかに過ごしている。町の治安を取り締まる新撰組の面々も、将軍のペットであるカブトムシを探すのに駆り出されるほど平和な日々だ。しかし最近、夜毎辻斬りが現れるという噂が立 [続きを読む]
  • 「ライフ」を観に行ってきました
  • 確かにそういうこともあり得るよな、と思った。地球外生命体とのコンタクトを扱ったSF作品はきっと多いだろう。僕自身はそこまでそういう小説を読んだり映画を見たりすることはないが、様々な物語がそういう題材を取り上げているはずだ。そして、僕の勝手なイメージでは、そういう作品は、「いかにコンタクトを取るか」、つまり「いかにコミュニケーションを取るか」がメインで描かれているようなイメージがある。ただこの作品は、 [続きを読む]
  • 真夏の島に咲く花は(垣根涼介)
  • 『楽園は、周りの人間と作り上げていくものだよ。場所なんかじゃない。そしてその人間関係がもたらす心の風景だ、と』この文章はとても良いなぁ、と感じた。本書を読むと、「幸せな人生って何だろう?」と考えさせられる。僕は昔から、金持ちにはなりたくない、と思っていた。金持ちになることで自分が幸せになれるイメージがどうしても出来なかったのだ。もちろん、お金があることで、日常生活に不自由はなくなるし、何か大きなト [続きを読む]
  • 潔白(青木俊)
  • 「殺人犯はそこにいる」という作品がある。去年、「文庫X」として注目を集めた作品だ。この作品は、その「殺人犯はそこにいる」を下敷きにしている、と言っても良い作品だ。「殺人犯はそこにいる」で取り上げられたある事件の「その後」という「if」を描いている作品、という風に言える。この点は、本書の利点でもあるし、欠点でもある。本書では、「冤罪死刑」を取り上げた作品だ。死刑判決が下され、実際に死刑が執行されながら [続きを読む]
  • ひきこもりの弟だった
  • 生きていたくないなぁと、昔はよく思っていた。今も、まったく思わないわけではないけど、昔よりは大分マシになった。「俺は普通の人みたいに、普通のことができない」あぁ、凄くよく分かる。僕もずっと、今でもそう思いながら生きている。当たり前に出来ることだとされていることを、何の疑問もなく出来る人は、昔は羨ましかった。別に、大したことではない。誰かに良い事が起これば喜び、誰かに哀しいことがあれば哀しみ、家族や [続きを読む]
  • 「弱さ」と「強さ」の絶妙なバランス・久保史緒里
  • 乃木坂46に3期生が加入して10ヶ月。彼女たちは膨大な露出にさらされている。僕は乃木坂46のファンだが、彼女たちのことは、テレビか雑誌でしか追っていない。握手会やライブ、イベントなどには行ったことがないので、そちらの方面でどういう露出がされているのかは、直接的には知らない。しかし、雑誌の対談などでその断片は分かるし、何よりも雑誌で取り上げられる頻度が非常に高い。これを恵まれた環境だと捉える人もいるだろう [続きを読む]
  • 「ハクソー・リッジ」を観に行ってきました
  • 今まで観た戦争映画で、二番目に酷かった。映画の出来ではなく、戦争の悲惨さの描き方が。一番酷いと感じたのは、「野火」だ。「野火」では、日本兵は敵に撃たれて死ぬのではない。飢餓、自殺で死ぬ。そこには、戦場における圧倒的な「虚しさ」があった。戦場を描かずに、これほど戦争の悲惨さを描き出せるものなのかと驚嘆した。「ハクソー・リッジ」では、第二次世界大戦で最も過酷な戦場の一つと言われた、沖縄の前田高地が舞台 [続きを読む]
  • 夢を持たない齋藤飛鳥
  • 夢を持つことは、可能性を狭めることだと、僕は思っている。【ひとつだけ覚えています。先生もクラスメイトの親もその子(※学校一の秀才と言われていた、将来医師になると決めていた小学校時代の同級生)に「将来に期待しかないね、若い頃から将来を考えるのは凄い、偉いね」って言うんです。(中略)ただ、あまりに皆が持ち上げるから、私には捩れて見えてしまうんです】「別冊カドカワ 乃木坂46 vol.4」凄くよく分かる。齋藤 [続きを読む]
  • 二千七百の夏と冬(荻原浩)
  • 内容に入ろうと思います。まさに、「荻原浩にしか書けないだろう」という作品です。メインとなるのは、縄文時代。ピナイと呼ばれる谷の村に住むウルクという少年が主人公だ。ピナイに住む者は、典型的な狩猟民族、後の分類では縄文人である。カンジェ・ツチィという長を中心に、男は狩りをし、女は編み物をしたり魚を取ったりする。川の下流の村と交流があり、時々婚姻関係を結んだり、年に一度来る「魚喰い」と彼らが呼ぶ、海の近 [続きを読む]
  • 「アンチポルノ」を観に行ってきました
  • 園子温の映画はなるべく見ようと思っているので観た。園子温の映画、全部好きというわけでもないし、むしろよく分からない作品の方が多いのだけど、なんとなく。今回は、よく分からない方の映画だった。なんだこりゃ?という感じだった。狂気が永遠に連続していく映画で、その狂気の感じは嫌いじゃないんだけど、いかんせん物語の輪郭がまるで掴めなかった。歌詞には共感できるけど曲についていけない音楽、みたいな感じだろうか。 [続きを読む]
  • 蒼のファンファーレ(古内一絵)
  • 色んな理由で、僕たちははみ出していく。「こういうもんだ」と何となく決められているような感じのする人生のレールから、いつの間にか外れている。僕もずっと、当たり前からはみ出しながら生きていた。そんな僕自身の感覚からすると、はみ出してしまう人は、ただ当たり前には馴染めなかった人、というだけなのだ。僕たちは、色んな問題や悩みを抱えながら生きていく。でも、それらの問題や悩みの多くは、自分自身に接着していると [続きを読む]
  • オーマイ・ゴットファーザー(岡根芳樹)
  • 本書で描かれる父親の考え方に、僕は凄く共感する。僕自身は、本書の父親のような考え方(それは今の僕を形作っているものとかなり近い)に自力でたどり着いた。人生の色んな場面で違和感を覚え、周りとうまくやっていくことが出来ず、普通の人が普通に出来るはずのことが出来ず、自分の中でかなり苦労しながら生きてきた。そういう自分をなんとか自立させていくために、僕は自分の力で考えなければならなかった。自分が何を良いと [続きを読む]
  • 土漠の花(月村了衛)
  • 内容に入ろうと思います。ソマリアでの海賊対処行動に従事するジブチの自衛隊活動拠点に、墜落したCMF(有志連合海上部隊)連絡ヘリの捜索救助要請が入った。活動拠点から70キロの距離だが、ジブチ・ソマリア・エチオピアの三国が至近に接する国境地帯だ。海上自衛隊と共に派遣海賊対処行動航空隊を構成する陸上自衛隊第1空挺団は、ただちに捜索救助隊を編成し、現場へと向かわせた。現場では状況から、3人の乗組員は全員死亡と判 [続きを読む]
  • 「スプリット」を観に行ってきました
  • 「解離性同一性障害(DID)」というのは、本当に不思議だ。映画の中では、ある人格の時だけコレステロール値が上がり糖尿病の症状が出る。またある人格の時だけ蜂アレルギーが発症する、という。映画の中で言っていただけだから、実際にどうかは分からないのだけど、昔読んだ本の中にもそういう類の記述があったような記憶がある。映画の中では、解離性同一性障害患者を診るフレッチャー医師が、自らの主張、つまり、解離性同一性 [続きを読む]
  • 「ジムノペディに乱れる」を観に行ってきました
  • 内容に入ろうと思います。かつては、有名な映画祭に出品するほどの映画を撮りながら、今は映画を撮るチャンスもほとんどない映画監督・古谷慎二。久々に撮れるはずだった映画は、女優が脱ぐ脱がないで揉めて降板、撮影はなくなった。撮るべき映画がなくなった古谷は、ふらふらと彷徨いながら、色んな女とセックスをする。昔から関係のある人妻の娼婦。映画の専門学校の生徒。降板した女優。特に何をするでもなく、女と関わることで [続きを読む]
  • 鏡の迷宮(E・O・キロヴィッツ)
  • 内容に入ろうと思います。物語は、三部構成になっている。その内、第一部と、第二部の冒頭だけを紹介しようと思う。ブロンソン&マターズ社の文芸エージェントを務めるピーター・カッツは、ある日メールの中から、興味深い原稿を発見した。リチャード・フリンという名の男からのもので、その小説は、自分が過去に経験したとある事件の真相に関わるものであるらしい。1987年に、全米が注目したある殺人事件が起こった。ジョーゼフ・ [続きを読む]
  • まぼろしのパン屋(松宮宏)
  • これまで読んできた松宮宏の作品群とは、ちょっと違うタイプの作品という感じがした。これまでは、それが奇想であれ、あるいは日常のドタバタであれ、まずは大風呂敷を広げたところから物語が展開していくようなイメージがあった。ぶっ飛んだ発想を、リアルさを支える様々な現実的な描写で組み上げながら、リーダビリティを生み出す物語を紡いでいくようなイメージだ。本作は、そういうタイプの作品とはちょっと違った。日常を飛び [続きを読む]
  • 命のまもりびと 秋田の自殺を半減させた男(中村智志)
  • 僕も昔、自殺しようと思ったことがある。住んでいた建物の屋上から飛び降りようと思ったのだけど、結局は出来なかった。その経験以来僕は、「僕に自殺をする勇気はないな」と判断し、人生の選択肢から「自殺」を消した。「死ぬ気になれば何でも出来る」というが、いざ死のうとした時に死ねないのでは「死ぬ気」にもなれない。だから、自分を追い込むような状況にならないよう、注意して生きるようになった。死にたいと思っていた頃 [続きを読む]
  • くすぶり亦蔵 秘剣こいわらい(松宮宏)
  • 本当に松宮宏は、どこから物語を創造するんだろうなぁ、と毎回不思議に思わされる。本作は、「路上喫煙が禁止されているマンハッタンでタバコを吸い、何度も逮捕される無口な日本人」を描く小説だ。何だそりゃ?という感じだろう。でも、要約するとこうなるのだ。ほとんど、たったこれだけの舞台設定で物語を成立させてしまう。もちろん、その外側では色んなことが起こる。その色んなことが面白いのだが、しかし、物語の中心は「タ [続きを読む]
  • 「お嬢さん」を観に行ってきました
  • 内容に入ろうと思います。スッキという少女は、侍女としてある屋敷で働くことになる。そこは、和洋中が混然と入り混じった大邸宅であり、日本人になりたくて「上月」という名の日本の没落貴族と結婚した男が、大量の蔵書に囲まれて生活をしている。その姪である秀子が、この屋敷では「お嬢様」として扱われているが、実際のところは叔父に幽閉されているような生活を強いられている。スッキは、そんな秀子のお世話をする者としてあ [続きを読む]
  • ルドヴィカがいる(平山瑞穂)
  • 平山瑞穂、やっぱり好きだなぁ。作家本人はどうか知らないけど、作品に異様な捻れを感じることはそうそうあるもんじゃない。言葉に対する感覚が鋭敏であるかどうか、というのは、人間を評価する際に僕にとってとても大事な要素になってくる。言葉を雑に扱う人間は、あまり好きではない。大げさに言えば、世界は言葉で出来ているのだ、と言っていい。もちろん、言葉なんかなくたって太陽や空気は存在している。そういう観点からすれ [続きを読む]
  • ふたつのしるし(宮下奈都)
  • やっぱり宮下奈都はいいなぁ。素晴らしい。昔の僕は、きちんと生きているように見える人のことを、羨ましいとずっと思っていた。みんなに好かれ、何事も努力し、分け隔てなく人と接する。そこまで聖人君子みたいな人でなくても、あぁきちんと生きてるなぁ、と感じられる人というのはどこにでもいて、そういう人を見ると、なんで自分はあんな風にいられないんだろう、なんて思っていた。でも、大人になるに連れて、そういう人も色ん [続きを読む]
  • さくらんぼ同盟(松宮宏)
  • ホントに、この松宮宏って作家は何者なんだろうなぁ。出す本出す本、全部面白い。正直言って、物語に中身があるのかっていうと、全然ない。最初から最後まで馬鹿馬鹿しさ全開の作品なのだ。ただ、だからと言って侮ってはいけない。馬鹿馬鹿しい物語で、いかに読者を引っ張るのが難しいのかということが、僕は分かっているつもりだから、そういう意味で本当に驚かされる。この小説も、「腋から謎の物質が摘出される奇病が板橋で頻発 [続きを読む]