想元紳市 さん プロフィール

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想元紳市さん: 想元紳市ブログ
ハンドル名想元紳市 さん
ブログタイトル想元紳市ブログ
ブログURLhttp://soumotoshinichi.blog.fc2.com/
サイト紹介文映画・本の感想を中心に。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供27回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2016/02/10 08:49

想元紳市 さんのブログ記事

  • 『神経衰弱ぎりぎりの女たち』
  • ペドロ・アルモドバルの作品の中で最も好きな『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を久しぶりに鑑賞した。50年代のVOGUEのような、コラージュした女たちのシルエットにスパニッシュポップスが被るタイトルクレジットから、いきなりアルモドバル・ワールドが全開。やはり何度観ても、他のどんな映画に比べようもないほど、唯一無二の世界を持った作品だと思う。ストーリーはいたってシンプルだ。音信不通になった同棲中の恋人イバンが旅に [続きを読む]
  • 『失踪の森【後編】―捜査一課・田所警部の覚醒―』
  • 前編に続き、『失踪の森【後編】―捜査一課・田所警部の覚醒―』を配信しました。孤高の刑事の潜入捜査を描く官能ミステリーの完結編。山奥の寺で繰り広げられる狂乱と覚醒、そして悟り……。捜索が無事終了したかに見えたとき、驚愕の事実が判明する。『G-men 230号(2015年5月号)』掲載作『失踪―警視庁捜査一課警部・田所雄作』を改題加筆修正したものです。【あらすじ】 上司の一条警視から、失踪した代議士の子息・須藤高志の [続きを読む]
  • 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
  • ケイシー・アフレックがアカデミー主演男優賞に輝いた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。ケイシー演じる主人公のリーは、ボストンに住む、水漏れの修理などアパートの雑用を引き受ける便利屋である。人と交わらず、愛想が悪いどころか平気で暴言を吐き、おまけに酒が入るとすぐ血が上って暴力をふるう。映画の冒頭、そんな嫌われ者のイヤな男として登場するリーのもとに、兄ジョーの訃報が届く。ボストンから車で1時間あまり北 [続きを読む]
  • 『失踪の森【前編】―捜査一課・田所警部の憂鬱―』
  • 電子書籍『失踪の森【前編】―捜査一課・田所警部の憂鬱―』を配信しました。警視庁捜査一課の刑事・田所雄作に課せられた極秘指令は、失踪した政治家の子息を密かに奪還すること。身分を隠し潜入した先は、山奥にある女人禁制の寺だった……。前後編の2部作に分けた長編官能ミステリーです。『G-men 229号(2015年4月号)』に掲載された『失踪―警視庁捜査一課警部・田所雄作』を改題加筆修正。失踪の真相と田所自身の覚醒が描かれ [続きを読む]
  • 『アブソリュートリー・ファビュラス:ザ・ムービー』
  • 90年代から数シーズンに渡ってイギリスのBBCで放送され、とりわけゲイの間では絶大なる人気を誇るコメディドラマ『アブソリュートリー・ファビュラス』。2016年に本国で大ヒットを記録した劇場版が、未公開だった日本でもオンデマンドで配信されていることを知り、すぐさま鑑賞した。主人公はPRエージェントのエディナとファッション・ディレクターのパッツィー。おバカな中年女2人が巻き起こすハチャメチャな騒動と強烈な言動の破 [続きを読む]
  • 『ゲイ官能小説短編集【男たちの旅】』
  • 電子書籍『ゲイ官能小説短編集【男たちの旅】』を配信しました。淫らで、せつなく、ときに残酷な、男たちの旅……。30代の男4人を主人公に、それぞれの特別な旅を描いた4つの短編。収録作のうち、『RAIN』『高校教師の罪』『父の秘密』の3作は書き下ろし。『真夏のライトバン』のみ、G-men222号(2014年9月号)掲載作『真夜中のひまわり』を改題加筆修正したものです。【各作品のあらすじ】1.『RAIN』札幌転勤により、遠距離恋愛にな [続きを読む]
  • 『ムーンライト』
  • 本命と言われていた『ラ・ラ・ランド』をおさえ、アカデミー作品賞に輝いた『ムーンライト』を鑑賞。両方観ると、自分には疑問を挟む余地もないほど妥当な選択だったと思える。マイアミの貧困地区に麻薬中毒の母と住む、ナイーブなゲイの少年・シャロン。唯一の友達はケヴィン。この2人が、少年期から20代の大人になるまでを、それぞれ3人の役者が演じていくという3部構成だ。タレル・A・マクレイニーによるパーソナルな戯曲を、長 [続きを読む]
  • 『麦秋』
  • 『麦秋』は、たまに観たくなる小津映画の中でも大好きな作品のひとつ。原節子が紀子を演じる「紀子三部作」の2本目で、『晩春』『東京物語』よりもさらりとした味わいが特徴だ。舞台は北鎌倉に居を構える間宮家。そろそろ田舎に隠居しようかと考えている老夫婦、東京の病院で医師をしている長男夫婦と二人の子供たち、同じく東京の会社勤めでまだ独身の長女という、三世代7人の大家族である。原節子のほか、老夫婦に菅井一郎と東山 [続きを読む]
  • ミレーナ・ブスケツ『これもまた、過ぎゆく』
  • 書評欄で見つけ、特にタイトルが気に入ってメモしてあったのが本書、『これもまた、過ぎゆく』。スペイン在住の編集者・ジャーナリストであるミレーナ・ブスケツが小説家として発表した長編二作目だという。ブスケツの母も、フランコ政権時代に自身の出版社を率いてリベラルな言論活動を行っていた有名な編集者。本作はその母の死に伴う喪失感、愛憎入り混じる複雑な感情を記した自伝的要素の強い小説である。主人公は、母の葬儀を [続きを読む]
  • 『黒潮―カツオ漁師の熱い夜』
  • 自著の電子書籍化第5弾、『黒潮―カツオ漁師の熱い夜』配信しました。太平洋上で10か月を過ごすカツオ一本釣り漁船。荒れくれた男たちだけの船内で繰り広げられる淫らで熱い交わり……。そして一人の孤独な男が背負う過去とは。G-men 240号(2016年3月号)掲載作を加筆修正。「海の男」シリーズ三部作の第3弾です。【あらすじ】友人の紹介で、調理長としてカツオ漁船に乗り込むことになった達也。前任者の病気による代理で3ヶ月限定 [続きを読む]
  • 『浪速親父の淫らな純情』
  • 電子書籍第4弾、『浪速親父の淫らな純情』配信です。大阪の船場にある老舗呉服屋七代目既婚親父と東京の大学生。淫乱でほろ苦い、歳の差遠距離恋愛の行方を描くハートウォーミング・ラブストーリー。G-men 224号(2014年11月号)に掲載された『大阪のおっちゃん』を改題・加筆修正しています。総文字数30000字弱の中編。【あらすじ】元ラガーマンの茂雄は、大阪の船場に暖簾を掲げる老舗呉服屋の裕福な七代目。妻子持ちゆえ、内緒の [続きを読む]
  • 春日太一『鬼才 五社英雄の生涯』
  • 1992年に63歳で他界した映画監督・五社英雄の評伝。とはいえ、生い立ちなどプライベートの部分はごくわずかで、大半は、フジテレビに入社してから亡くなるまでの仕事ぶりと、作品の裏話で占められている。それなら、タイトルは『五社英雄の仕事』でよかったのでは、と思う気持ちは、中盤、一気に消え失せる。どうやら、五社の代表作とも言える『鬼龍院花子の生涯』になぞらえたものであること。そして、妻の借金と一家離散、実娘の [続きを読む]
  • 林真理子『RURIKO』
  • 「RURIKO」とは他でもない、昭和を代表する美人女優の一人であり、70歳代後半になった今も現役で活躍する浅丘ルリ子のことである。著者、林真理子の言葉をそのまま借りれば、「『RURIKO』は評伝ではなく、小説家としての私が浅丘ルリ子という女優さんの半生にアプローチをした作品」。つまり、全て実名で登場する、限りなくノンフィクションに近い形でありながら、心象風景や会話には、著者の創作が存分に盛り込まれた内容となって [続きを読む]
  • 『覗き・刺青の男』
  • 拙作の電子書籍3作目を配信しました。『覗き・刺青の男』。覗きが趣味の青年のもとに届いた、ある男の訃報。捨てた故郷、初体験の相手だったその男の全身には刺青があった……。『父と息子の裸祭』に続く、「海の男」シリーズ三部作の第2弾。G-men 235号(2015年10月号)掲載作に加筆修正の上、新たな官能シーンを書き下ろしています。【あらすじ】東京の居酒屋で店長をしている健一の趣味は覗きだった。年下でリーマンの恋人もいる [続きを読む]
  • 勝目梓『あしあと』
  • 『あしあと』は、勝目梓の比較的最近の作品を集めた短編集。自伝的な内容の『小説家』と『老醜の記』以来、お気に入りとなった作家である。収録された10の短編に共通しているのは、勝目梓にしてはかなり抑えた官能描写とわずかにオカルトめいた展開。ただし、オカルトとは言っても、ホラーの禍々しさはなく、人の記憶や強い念、執着といったスピリチュアルな世界だ。冒頭、『万年筆』の主人公は、一向にペンが進まない中年の兼業作 [続きを読む]
  • 『一条さゆり 濡れた欲情』
  • 園子温、行定勲ら人気監督5人が28年ぶりに新作を発表する日活ロマンポルノ。先に書いた『(秘)色情めす市場』と並び、誰もが認めるロマンポルノを代表する傑作のひとつが『一条さゆり 濡れた欲情』である。監督は神代辰巳で、伝説のストリッパー一条さゆりが本人役で出演する。主な舞台となるのは、大阪野田駅近くに実在した吉野ミュージック劇場。実際、一条の引退興行が行われたストリップ劇場だ。猥褻物陳列罪で、何度も警察に検 [続きを読む]
  • 『父と息子の裸祭』
  • 先月の『流刑の島』に続き、旧作の電子書籍化2作目です。辺境の港町、謎の裸祭りで解き明かされる男たちの秘密……。「海の男シリーズ」三部作の第一弾。G-men 220号(2014年7月号)に掲載された『夜の海の祭』を改題・加筆修正したものです。【あらすじ】五年ぶりに寂れた故郷の港町に戻ってきた体育教師の佐山明彦。町の成人男性だけが参加を許される年に一度の裸祭りに参加するためだった。日本を代表する荒々しい裸祭りの一つと [続きを読む]
  • 花村萬月『守宮薄緑』
  • 『守宮薄緑』は、花村萬月がデビューから芥川受受賞に至る数年にかけて発表された初期の短編をまとめたもの。中にはやや毛色の異なるものもあるが、ほとんどの短編で共通して描かれるのは、性愛を介在させた男女の刹那的でやるせない関係である。登場する男たちは、ヒモ、小説家、歌舞伎町のチンピラ、作家志望のフリーターなど。つまり、私小説的色合いが濃いものばかりだ。とりわけ心を打たれたのが、冒頭に収められた短編『崩漏 [続きを読む]
  • 『流刑の島』
  • これまでゲイ雑誌に発表した自著を、電子書籍として順次配信することにしました。第一弾は『流刑の島』。掲載はG-men 218号(2014年5月号)。第33回ジーメン小説グランプリで優秀賞を頂いた、いわばゲイ官能小説の処女作に当たります。【あらすじ】 日本古来の祭祀や神事を研究している大学教授・立花賢吾のもとに一通の手紙が届く。送り主は、かつて一度だけ体を合わせたアメフト部の後輩・前田亮介。小笠原沖の太平洋上に浮かぶ彼 [続きを読む]
  • 中原洲一『父 中原淳一』
  • 戦前から戦後にかけ、画家、イラストレーター、デザイナー、編集者と多方面で活躍した中原淳一。独特の少女画で一世を風靡し、創刊した『それいゆ』や『ひまわり』などは、後の少女雑誌の原点になったという。1940年に宝塚の男役スターだった葦原邦子と結婚。もうけた二男二女のうち長男・洲一が、父の知られざる実像、さらに父の最期を看取ったシャンソン歌手・高英男との確執を綴ったのが本書である。「彼は自分の思い通りに人を [続きを読む]
  • 『どっこい! 人間節』
  • 世界的評価も高い、小川紳介プロダクション製作のドキュメンタリー『三里塚』シリーズは知っていたが一度も観たことはなく、本作はその存在すら知らなかった。最近DVD化されたものを鑑賞。1975年公開で、サブタイトルが「寿・自由労働者の街」であるとおり、東京の山谷、大阪の釜ヶ崎と並ぶ三大ドヤ街、横浜寿町に生きる男たちの姿を追ったものである。一泊数百円の簡易宿で生活しながら、日雇い労働を求めて寄せ場に集まる男たち [続きを読む]
  • 『(秘)色情めす市場』
  • 日活ロマンポルノの名作を立て続けに鑑賞したのだが、紛れもない傑作だったのが1974年公開の『(秘)色情めす市場』。西を代表するドヤ街、大阪釜ヶ崎に生きる、19歳のトメが主人公。貧困の長屋暮らしで、母のヨネともども、街娼をして生計を立てている。弟のサネオは知的障害者だ。冒頭、トメがカメラに向かってこう呟く。「うちな、なんや逆らいたいんや」男に肉体を弄ばれながらも、決して従属もせず媚もせず、毅然さと自尊を失わ [続きを読む]
  • 桜木紫乃『蛇行する月』
  • 『蛇行する月』は、6編からなる連作短編集。中心になるのは、北海道の高校で図書部の同級生だった清美、桃子、美菜恵、直子、順子。短編ごとに年月はどんどん飛躍し、冒頭1984年からラスト2009年まで、彼女たちの25年が描かれる。5人の中では、順子だけが全編を通して脇役で、その代わり、一編では順子の母が、もう一編では弥生という女が主人公になる。弥生は順子が高校卒業後に働いた札幌の老舗和菓子屋の女将である。順子と夫は [続きを読む]
  • 『彼方から』
  • 第25回レインボー・リールにて、『彼方から』を観た。2015年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作である。ベネズエラの首都カラカス。歯科技工士の中年アルマンドは、見ず知らずの青年を部屋に誘い、自慰の対象とする性癖を持っている。お金を介した、その場限りの関係だ。ところが、一人の青年エルデルとの出会いが、二人を予期せぬ展開に導いていく。そもそも、部屋に招いたあと、いきなり殴打され、金品を盗んで立ち去った悪党が [続きを読む]