ben-yui さん プロフィール

  •  
ben-yuiさん: 弁護士由井照彦のブログ
ハンドル名ben-yui さん
ブログタイトル弁護士由井照彦のブログ
ブログURLhttp://ben-yui.hateblo.jp/
サイト紹介文弁護士由井照彦による、社会で事件を使った法律の解説と、リーガルリサーチについての考察。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供32回 / 365日(平均0.6回/週) - 参加 2016/02/15 00:24

ben-yui さんのブログ記事

  • 気づかぬ内に消費者金融?−銀行カードローンの仕組み
  • 記事のような銀行カードローンの問題を考えるにあたっては、おカネの貸し借りに関する基本的な法的仕組みを理解しておくことが非常に有益です。まず、記事で言う「総量規制」とは貸金業法に定めがあり、貸金業法13条の2「①貸金業者は・・・個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない。②「個人過剰貸付契約」とは・・・基準額(その年間の給与及びこれに [続きを読む]
  • どこで思いとどまるか−予備→未遂→既遂の流れの中で
  • 記事の郵便局員は相当な胆力ですが、それはともかく、記事のように犯罪を「思いとどまる」ことを我が国の刑法が重視していること、そしてそのための仕掛けを知っておくことは、今後も次々に起こる新手の犯罪やそれを罰する新法の是非を考えるにあたってとても有益です。犯罪というのは他の人の利益を不当に侵害する行為なので、なるべく侵害結果が生じないに越したことはありません。そして、「犯罪を犯す」と言っても、瞬時に犯罪 [続きを読む]
  • 不正合格の後始末-法律による行政の悩ましさ
  • 記事の山梨市長の件は、元妻が山梨県警ではなく、警視庁に逮捕されて、その後やはり警視庁が市長本人を不正採用の件で逮捕していることからは、そもそも贈収賄事件を目標として警視庁が捜査していたようにも思われますが、それはともかく、不正合格させてもらった市職員を今後どうするのか?は法的には意外と深い問題です。つまり、「お前は本来点数足りて無かったんだから、クビだ?」と言えるのか?ということです。市職員の採用 [続きを読む]
  • 一線超えたら何がまずいか?−不倫と貞操義務
  • 今井氏のネタで「2人で同室お泊りすれば一線を超えたも同然」「あの手のつなぎ方は一線を超えている」とかいうある意味童貞臭のする議論は実は法律的にも興味深くはあります。不倫でまずもって問題となるのは、不倫相手と男女の体の関係があったか?ということになります。いわゆる婚姻している者の貞操義務の問題となるのですが、民法の規定では実は貞操義務を直接定めているわけではなく、民法770条1項「夫婦の一方は、次に [続きを読む]
  • 富裕層が海外逃避?−もう1つの出国税
  • 記事にある観光庁長官が検討している「出国税」は一般人向けに構想されているものです。この新税の是非を議論するにあたっては、従来からある「もう1つの出国税」との違いを意識することは有益です(ちなみに、出国税については何回かに分けて説明するつもりです)。「もう1つの出国税」とは、国外転出時課税制度と呼ばれるものです。有価証券の代表格である上場株式は、日々その価格が上下します。買ったときより市場価格が上が [続きを読む]
  • 法律と歴史・社会−戸籍についてあえて触れなかったこと
  • 前回、我が国の戸籍という書類の特殊性と戸籍制度の長い長い歴史について説明し、我が国の法制度を前提にすると戸籍の公開には極めて抑制的であるべきことを指摘しました。気づいた方も多いと思いますがその際に1つ敢えて触れなかったことがあります。もちろん、いわゆる被差別部落問題と戸籍の関わりです。触れなかった理由は、被差別部落問題と戸籍との関係は少なくとも「法制度上の」つながりが無いからです。しかし、法律や制 [続きを読む]
  • 戸籍は大事−蓮舫氏の二重戸籍問題から考える
  • 16/9/15の記事で説明した通り、我が国の公職選挙法は国会議員の被選挙権について公選法10条「日本国民は・・・被選挙権を有する」と規定し、これは外交官になる要件を定める外務公務員法が外務公務員法7条「・・・国籍を有しない者又は外国の国籍を有する者は、外務公務員となることができない。」と定めるのと比較すれば明らかな通り、二重国籍者の被選挙権を許容しています。すなわち、「仮に」蓮舫氏が国会議員になるに際し、二重 [続きを読む]
  • 入れ墨はアート?−違法と違憲
  • 我が国の法は、まず、頂点に「憲法」があり、その憲法によって立法権を与えられた国会が「法律」を制定する、という構造です。そして法律が憲法に反するかどうかを判断するのが裁判所です。ここまでは、中学校等でも習うのですが、法律と憲法が具体的にどのように絡み合って問題になるはわかりにくいと思います。この点を記事にある「入れ墨はアートだ!」という事件に則して説明します。まず、問題となっている「法律」は医師法で [続きを読む]
  • 逮捕・捜索されなければいいのか?−法務省見解の意味するところ
  • 共謀罪について条文案が明らかとなった直後に法務省が記事にある通り「犯罪を合意しただけでは、逮捕や家宅捜索はできない」との見解を出しました。これが何を意味するかは意外と大事なのではないかと思います。捜査機関(警察や検察)が「捜査」活動が出来る場面については刑事訴訟法(下記では「刑訴法」と略します)に定めがあり、刑訴法198条2項「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するもの [続きを読む]
  • 賄賂は申込んだだけで処罰される
  • 鴻池元防災相が「無礼者!」と言って投げ返したのは、事実とすれば中々のパフォーマンスですが、それはともかく、この問題についての森友学園理事長の言い訳は、法的にはかなり興味深いものです。政治資金規正法の枠外で政治家にお金を渡す場合に問題となるのは賄賂罪です。渡す方は贈賄罪、もらう方は収賄罪に問われます。今回学園理事長は渡す方なので、贈賄罪が問題となります。贈賄罪とは、刑法第198条「第197条から第1 [続きを読む]
  • 養子制度は誰のため?−「法律の趣旨」の割り切れなさ
  • 法律の趣旨が法律の条文文言や条文構造により導かれることは、16/10/4の記事で少し書きました。記事にある節税目的の養子利用は、その「法律の趣旨」がそう割り切れる問題ではないこと、そしてその割り切れなさの隙間に思いがけない目的が割り込んでくることがあることを、かなりえげつない形で表しています。養子制度の目的については、戦前の旧民法と比較しながら考えるとわかりやすく、通説は大体次のように説明しています。 [続きを読む]
  • 知らなきゃ悪くない?ー故意の意味
  • 英孝氏を擁護する理由を聞かれると(私を含む)多くの男が「明日は我が身」と思うからのような気がしますが、それはともかく、英孝氏の弁明や擁護論を法律的に構成すると、彼には「故意が無かった」ということになります。そして、英孝氏や彼の擁護者を批判する人々は、(知らなかったはずはないとの批判以外では)「知ってようと知らなかろうと悪いことをしたんだろう」と批判しているのであり、犯罪に故意は必要ない、という見解 [続きを読む]
  • そこに愛はあったの?ー「淫行」とされるSEXとは
  • 個人的には17歳の女性から「23歳」と言われて、嘘を見抜く自信はありませんが、それはともかく、英孝氏の行為の何が問題か?は、それほど単純な話ではありません。この問題を考えるにあたっては、我が国の法律が未成年者とのSEXについて、どのようなスタンスであるかを知る必要があります。まず、(強姦等の犯罪を除けば)SEXと最も関係が深い法制度は間違いなく「婚姻」という民法上の制度だと思います。民法は夫婦間の義務と [続きを読む]
  • 共謀罪について冷静で有益な議論をするために
  • 共謀罪についての議論が喧しいのですが、「喫茶店で話すだけで捕まるvs条約上制定義務がある」というような荒っぽい対立軸が強調されています。共謀罪の是非を考えるためには、「現行法上『共謀』はどの範囲で罰せられるか?」を押さえて、「現状に加えて新たにどのような範囲を罰するのか?」を考えないと、現実的な思考ができません。というのも、「共謀」は現行法でもそれなりに罰せられているからです。H28/11/1の記事にも書い [続きを読む]
  • 租税回避と課税当局の戦い
  • ロナウドらサッカーのスター選手が租税回避をしているとの報道が続いています。10/26の記事にも書いた通り、租税回避は租税公平主義(等しき者には等しく課税・異なる者には異なる課税)と租税法律主義(租税を課すには事前に明確な法律で定める)が両立しない事態であり、イタチごっこのように個別に対処する法律を作って対処する必要があります。課税当局はかかる個別立法を待って課税していくのが基本です。しかし、課税当局と [続きを読む]
  • 賭博罪とカジノ
  • カジノを特区で解禁するか否かの議論が「経済効果vs依存症等の害悪懸念」という構図で論じられていますが、そもそも我が国で賭博はどのように扱われているか、という基本を抑えることは重要です。賭博についての原則は刑法に定めがあり、刑法185条「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」刑法186条「①常習として賭博をした者は、 [続きを読む]
  • 家族と専従者控除−婚姻と税のややこしさ4
  • 日本においては配偶者控除という税の問題と、企業が行う配偶者手当が何故か連動しているため、配偶者控除見直しの議論が出ると、記事のように企業の支払う給与にまで問題が波及します。ところで、税が婚姻に配慮している制度はほかにもあり、配偶者控除の議論もそれら他の制度にも目配りして行う必要があります。その例の1つが専従者控除です。専従者控除とは、典型的には事業所得、つまり個人で事業をやっている人を想定すると考 [続きを読む]
  • 共謀や共犯とは一体何か?
  • 暴力団犯罪に限らず、複数の人が関与する犯罪について、容疑者が「共謀を否認している」という報道がなされていることはよくあります。この報道から事件や犯人相互の関係性等を想像するには、そもそも「共犯とは一体何か?」を知ることが有用です。刑法は「共犯」の表題の下、60条から65条まで6つの条文を規定しています。つまり、複数名による犯罪について、わざわざ表題を付けて特別の条文を設けていることになりますので、 [続きを読む]
  • 租税回避への対処法
  • 記事のように富裕層を国税庁が監視するのは、9/30に書いた租税回避への対応の1つです。しかし、租税回避と言われても具体的にはどのような事態・行為なのかがイメージしにくいと思います。そこで、租税回避の「最も素朴な」手法である同族会社における租税回避とそれを封じる立法措置について、説明します。まず、Xという人が持ちビルを他人に貸しており、年間3000万円の賃料収入(不動産所得)を得ていたとします。当然、累 [続きを読む]
  • 外国での犯罪を処罰できるか
  • 国際間の移動が容易になったことから、記事のように外国人が日本で犯罪を犯して、すぐ出国し母国に帰るという事態は増えてきています。その場合に犯罪地の国が相手国に求める対応は大きく分けて①身柄の引渡し、②代理処罰の2つです。身柄引渡しは犯人を国内に連れてきて裁判を受けさせ、処罰するということであり、引渡しが行われれば、問題は少ないと言えます。ただ、犯罪人引渡条約を結んでいない限り、引き渡されることはほと [続きを読む]
  • 事実はなかなかわからない
  • 高畑氏の件では、当初報道・弁護人の声明・後追い報道数種、と色々なことが報道されています。このことは、私たち弁護士などの法曹の考え方の一端を説明するのにとても示唆的です。つまり、「事実はなかなかわからない」ということです。司法試験に受かると、約一年間「司法修習」という一種の研修があり、裁判官・検察官・弁護士のそれぞれの実務を学びます。その後に通称2回試験と呼ばれる試験があり、合格してはじめて裁判官や弁護 [続きを読む]
  • そもそも所得とは何か?−婚姻と税のややこしさ3
  • 配偶者控除と夫婦控除については、百家争鳴となった上で、先送りされそうです。我が国の税収の52.6%が所得税・法人税・住民税・事業税等の「所得」に対する課税です。また、資産に対する課税の内、贈与税と相続税は所得に対する課税とも考えられる税です(異論はあります)。日頃話題になることの多い、消費課税は消費税・酒税等全て合わせても、税収の33.7%に過ぎない(消費税単独では17.1%しかない)ことを考えれば、 [続きを読む]
  • 法律の「趣旨」の考え方−ゲス極川谷氏を題材に
  • 彼の恋愛スタイルはある意味一貫しているように見えますが、それはともかく、今回の件で「法的に悪いのは飲酒した未成年者か?飲ませた成年者か?」を考えることは、私達法律家がいつも気にする「法律の趣旨」を説明するのによい題材です。「法律の趣旨」とは、その法律の目的、目指すべき社会等のことであり、法律全体の趣旨が個々の条文の趣旨に落とし込まれ、条文文言の解釈や警察・行政の運用の指針となります。最近できた(又 [続きを読む]
  • 租税回避の何が問題か?
  • パナマ文書の発見により、租税回避地(タックス・ヘイブン)を利用した、不当な税金逃れが問題となっています。しかしそもそも、「租税回避」と「脱税」はどう違うのか?脱税ではないのに何が問題なのか?等、基本的事項ついては意外と知られていません。まず、税法の適用や運用にあたって、税法の2大原則とすら言えるほどに超重要な原則があります。それが、①租税法律主義と②租税公平主義です。租税法律主義とは、憲法に定めが [続きを読む]
  • 暴力団は財産を持てるか?−権利能力と法人制度
  • 「組長に使用者責任を認めた」と聞くと「『組』以外に組長の責任も認めたんだ!」と思う人がいますが、実は違います。まず、「責任を認める」とは要するに損害賠償金を支払う「義務」がある、ということです。「義務がある」という以上、何らかの財産を持っていて、義務を果たさなかったら、権利者(下の事案では詐欺被害者)はその財産を差し押さえて、強制的に支払ってもらうという制度が必要です。例えば、犬に噛まれて犬を訴え [続きを読む]