wsld さん プロフィール

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wsldさん: 詩のブログ
ハンドル名wsld さん
ブログタイトル詩のブログ
ブログURLhttp://ameblo.jp/drama000/
サイト紹介文自作の詩を掲載していくブログです。お題に応える感じで1日1詩(予定)。よろしくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供77回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2016/03/17 07:39

wsld さんのブログ記事

  • ドア
  • りんごは赤いそのことを知らせるためドアを開けようとするだがドアは閉じているどうやら向こうからも同時にドアを開ける者がいるらしい ターンして 数歩はなれ唇に指をあてしばし考える汚れもシミも一つもない白いモルタルの立方体蛍光灯はない だが天井から光が拡散し部屋は白一色となっている もう一度ドアノブを握るトカゲが葉脈のような舌を出すガチャ ガチャ向こうとこちらで引っ張り合う手がすべり予期し [続きを読む]
  • hide and seek
  • 約物はちぎられてあり在りし日の背中大木の根っこに白い網カゴ マジックテープと樹皮お下がりの服を彼方へと送り幾許かを折り都会の木の窓を刳りぬく 潅木の垣根と影ぼうし近づくと私の影影は斜めに輝く 木を擬したベンチが時計台のように薄く伸びる尻尾を揺らし遠ざかるアフリカの大地 街路に並ぶ店の目は 一様に上だナポリタンが美味しいレストランスプーンがくるりくるりテーブルへと落ちる 寄 [続きを読む]
  • かくれんぼ
  • 巨人のちぎれた腕在りし日の背中大木の下には白い網カゴ マジックテープと 樹皮お下がりの服の かなたへの想い幾許かを折り都会の木の窓を振り向く 潅木の垣根と影ぼうし近づくと私の影影は斜めに輝く 木を模したベンチが時計台のごとく薄く伸びる尻尾を揺らし遠ざかるアフリカの水浴び 街路に並ぶ店の 目線は一様に上だナポリタンが美味しいレストランスプーンがくるりくるりテーブルへと落ちる 寄生虫 [続きを読む]
  • 掌に植物の種掌に転覆する球根青いページを捲る無数の銃眼マイホームの白い壁にもぐり込んでいく豚のしっぽ 風が一陣 吹いて眉間に放たれた日射の前を不用意に横切るしまりのない雲のからだ乾いた飛沫は鉛を瞬時持たせたそしてやわらかな地雷が挙手をくりかえす そのとき掌は縦横にひろがる運命共同体であった 風の交流場でデクレシェンドにたなびく休止符雑踏の頸椎に煙が立ちこめて 隕石が落下する気晴らしの [続きを読む]
  • 死者とは会えない
  • あなたのその声は誰も飲み干さなかった友人も 母親も高学歴でトップ企業社員という超のつくエリートへの羨望から来る楽観的物腰や劣等感という噛み切れない肉を抱えた所詮 人多大な労苦の所産を捨ててもいいと因果にわたる直腸を引きちぎってよかった実の子に装着した対の翅 蝶 あなたたちとはこういう形で出会えます生者の埋めこまれた空港ロビーにニュースペーパーが羽ばたく飛行機は今まさに落ちんとしているああ今日もア [続きを読む]
  • トイレットロール
  • 暗雲が顔のない舌に舐めとられる足早にカレンダーが空転し壊れた遊具と夕陽の笑い声波頭がシンクロしつつ下校するすべての家々が消灯を終えてもなお月灯りが手を差しのべるであろう所有地として切り分けられた点と線いいえ私の大きさは一・五メートル四方の地動説生を長らえる罪背負いし者と対座する途絶したタイルの取っ手を固く握りしめ私は服を一枚ずつ脱いでいく科をつくり権利意識に目覚める服 白いスクエアへ 時間がす [続きを読む]
  • 2016+1
  • 二千年のミレニアムから十六回目の誕生日を迎えた私は情動を仲人に情報を伴侶として結婚式を挙げた 今年一歳になる娘鉄分を山と含んだ子午線のプリン体馬車馬のように階段を逆さへ二つの螺旋におぶわれた頭が体をハイハイしていく 娘は隙を見てはクモの巣を腰からはずし頭にかぶり 掌かえし糞便を口に含もうとする日に何度もむずがるので授乳のためたくさんの飼料を口にはこばねばならない 目に入れても痛くない吐 [続きを読む]
  • 「ピアノ」
  • 形象がすべり落ちる戒告が肉体を魂に入れほのかにわきたつ死が肉体を噴霧にするだが月明かりに照らされた無形の回廊にあるそのものとしての肉体に魂は包まれそれゆえピアノを鳴らす音は冷たくどこかぬくもりを憶える音である 灰色のタイル上の一丁の銅鑼が地底どよもす巨人に震えその音はヘドロの茫漠から螺旋の旋律を打ち鳴らし立ちはだかり死神の鎌による処刑を執り行なう音階はさらに弾け寂寞を雨粒から霙雹へと昇らせて [続きを読む]
  • 玉砂利
  • 天地開闢の時から放たれた日射の飛礫 私は光の雄蜂だ頭蓋から砕け散る母体 流星の航路が領分を凌ぎ合う雨空の憂愁を一条ずつ撫でつける仙人 樹林の溝を縫い一羽の鳥が宝石の翅を振り撒いて地中深く坑道を彫り昇天する 肉を滅した鬼の静謐な踊り場巡る天運を朗らかな虫へ逃し苛む音の人波に上下する末梢の楼閣 その行く末を一匹の蟻が伸び上がり防人のような面貌で見つめていた 固く瞳に伏せられた [続きを読む]
  • 「錯覚」
  • 目覚まし時計を止めて目を開きベッドから起きて部屋のドアを開く階段を降りて食卓につく 目覚ましを止めベッドから起き食卓につく なう レンジで焼いたパンを白い皿まで運びマーガリンを塗りスライスハムを乗せパンを手に取り口に運んで食べる パンを食べる なう コーヒーメーカーから白いカップにコーヒーを注ぎカップを食卓まで運びカップを口に持っていきコーヒーを口に含み喉に流し込むレタスを箸で摘み [続きを読む]
  • 「立つ」
  • 蛇は立つことできるのか蛇にはどこにも足がないしっぽを棒のようにして立ってあるけばいいのだろうか それをいうなら 犬猫もいつも普段は立つことないひとさまにおだてられてでないころは そんななかカンガルーだけは立っているそうかんがえればいいのだろうか立つことをカンがあある 人間もいずれの時にはこの星を発つときが来るのだろうかお日さまに追いたてられるようにして そういった自然を支配するなど [続きを読む]
  • 「コンセント」
  • 白壁にもたれポケットに手を突っ込みこちらを遠ざけるように見ているクリーム色のコンセント 蓋を外すと見える臓器野菜の千切りやニンジンが消化されず回路に詰まっています 道の端々で挨拶をかわす人々薄い夕暮れの井戸端会議 近代の軟らかな掌が花ひらかせる梱包された人工の楽園 古い家では鬚をたくわえ顎をしゃくり上げ家の命運を知らせます 家族の諍いや個人の寂寥の焦げついた臭い資産が可視化さ [続きを読む]
  • 「工作員」
  • メダマヤキヲシヨクシイノチヲオトスクスリノゴシヨホウデモガキクルシミ イノチヲオトスオキワスレタメスガナイゾウヲキヅツケイノチヲオトスメダマヤキハドクブツカヒトスクウベキシユジユツハサツジンナノカ?ゴキンジヨサンニハハムエツグ ヲカアサンニハシロイジヨウザイ ヲトオサンニハ ムネヲキリヒラキオイノチスクツテアゲマシヨウ! よく「工作員」「スパイのしわざ」「神の命令」などの電波系の文章・発 [続きを読む]
  • 「布団」
  • 寝室のベッド私はツンドラの森にきた掛け布団の唇あたりを引いて温もりの声を聴く 布団は容易に宝のありかを教えてくれないねずみを追いかけるように上腕 大腿 脊柱 脳髄のチーズからだは波打つ 太平の眠りへ 朝を三つに折り布団に夜が訪れる手を胸にあてて凪の海 南十字星 昼に眉を寄せる空未来という船から人々は今はなきものを探している 布団には一つの不在がある皆ひとりだから世界は 満たされている [続きを読む]
  • 「木の葉」
  • 太陽が重い魂をいやはてのスペースへようよう届けた丸い痕 レースのカーテンと窓の向こう黄緑色した葉が犇き合っている天然色のペンキで描かれた小人達 時計が十二時をさすころ空に一つの沈黙がいぶり出される葉はあり余る時間に光の微細な針で突かれうち震えていた 午後から夕方へ清冽な風に心おどらせるスパンコール不意に一枚の若葉が自らの場所を離れ旅立つことあるだろうか 木々の真率が抽出された若苗 [続きを読む]
  • 「ソフトクリーム」
  • 青空の下自転車を路端に停め木の葉の影を指に挟む樹の舌が太陽の光りを含んだ雲を丸めて包んでいるソフトクリームを手に店を後にする 白線の内側で冬と夏を混ぜ合わせる予感口腔が 春秋を言葉にできず指に力が入りウエハースが少しくずれた アスファルトに落ちる数個の欠片私は空を見る雲は平らげられていた耳に入る車の走行音サドルを手に自転車に乗り込む 宙を舞う 一回転 ニ回転天頂のホイールから降りそそぐオ [続きを読む]
  • 「3.11」
  • 土色に焼けた腕がかき混ぜられ河を作る広野を走る少年の白いシャツの群れが永久の別れを言う前に 雲と青空が反転したアーチを潜ると未来と現在の岩盤が歪み私たちは子供となり最後まで来ることを信じていた英雄の斜影が街角をその方へ導いていた 飛翔を一寸躊躇った拳が濁流に刺さる土石流に虹が砕け散らばる時を念じる青々とした漁場を掬いあげる網はこの死から編み上げられたものだ我らの傷心が その名をここに刻む [続きを読む]
  • 「梅」
  • 車が坂道をゆっくりと蛇行する日光をあやとりする梅の木藤壺のような白い花 桜が咲いて散る並木出会いと 別れを年ごとに繰りかえす道 川縁に流れ散る梅の花出会いでも 別れでもない一冊の栞 車は門の前で停まり白い扉がひらく手を取り合う舌は喉をつたわっていく 地球が作るえくぼ酸っぱい 梅の実心にうつる微笑みと 悲しみ世界にはあらわれないのです 人は青い実として生まれこの街に日が落ちる頃 [続きを読む]
  • 地を踏みしめリンゴを噛みしめて晴れた空を 握りしめるあなたたちは私を 構いはしないだろう伐り倒され 地に寝そべっている丸木犇めき合う瞼顕わなた憎悪の 一塊を太陽へ照準する 畏敬と追従のからみあう光手を伸ばす兄弟風が木の葉 揺すり見知らぬ者への交情を 夕暮れに横たわる木へ そっと被せる 枯葉は 物言わぬ丸木の隣で大地這う夢を見るあたりは闇につつまれ月光に冷たい網膜がかすかな唾液の渦へのた [続きを読む]
  • 「沓音」
  • コンクリートの登らない朝靄の空がひと昔前の時代を喉に引っかけ魚の骨を取り囲んでいる 地下鉄の構内 乗客があざな背負う活版として 佇み線路の ホームの端々にインクが 滲みでている タントン タトン沓音の カスタネット憂愁のアナウンスうつむく ギャラリー 乗客は 招待状を手に音のならないハーモニカの 深呼吸私の内懐には 切符があるタントン タタン憂愁の カスタネット 私と同じ体温の蛍光灯が 焼きつ [続きを読む]
  • 「墓石」
  • 高台の霊園空のゴム印を捺された昇り坂に 車を入れ砂利の駐車場へ 降り立った 供えの菊を手にこの場所と 市街との白群の譜に風に揺れる ヴァイオリンがうち棄てられている モノトーンに華やぐ墓地に 佇みここにある全ての 墓石を倒すことを 想像する いったいどれだけの徒労 重ねるのだろう鈍色の肌に 汗ながれ硬い体が 日時計の影に没する 大きくなる サイレンの 音血みどろの目とカメレオンの 舌 [続きを読む]
  • 「春の訪れ」
  • 玄関の扉に 湿りの虫を 寸刻逃し半ばほど日が差す 小石の敷地を 踏み鳴らしてなだらかなうねりの坂を 下っていく 黒色のダウンジャケット中の綿毛に光がしみ透るそれでも冷たい風へ 両手はポケットに そこには 何年前のものだろうかキャラメルの包み紙が 入っていた わたしはそれを 取り出してみる 長い暗夜に 身を縮め 額にしわ寄せる紙は不意のおとずれに 手の高みから ときはなたれる アスフ [続きを読む]
  • 「湧出の石」
  • 砂浜に寝静まる貝殻打ち寄せるタイムレス 潮の吐息映画スクリーンの幕の 裏側の闇貝殻はかたくくとざされている月を背に光 たぐりよせる魚群は彼女に 星を仮託する漆黒の空に幾千も またたく夜の星屑をしかし 固くとざされる胸に いだかれた灰燼の霜 吹きつける宝玉彼女の半身に 月光をかえす縞模様のスペクトラム はスポットライト浴びる珊瑚が 踊るように多彩に交わる砂の下に口ずさむ子守歌に涙に濡れその肌は かすかな [続きを読む]
  • 「襖」
  • 隅々に 焦土のような黴が跡をつける空と地 変転を啄ばんだ堅組子が恨み言を口にし 指をさしている白いぼやけた足あとの板廊下唐紙に歪な穴が 見える蚊が一匹 その領土を渡りすぎる蚊は三十年間 生きている破れにいくどか 風が頬をつかむ指を 何度もくぐらせるそこにはない何か表張りにかかる鮮血の一端手にべっとりとした血糊がつく静けさのなかに雨は降りはじめたもう一匹は 煌々とした電灯のもと雨水を飲みに 軒下をさ迷う [続きを読む]