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日本の農業で世界へ〜起業の記録〜 https://daikimatcha.hatenablog.com/

製菓会社の社長として経験した経営再建や、米国MBAでの気づき、農業/食分野での起業準備の記録

京都大学農学部卒業、外資戦略コンサル、IT会社役員を経て、製菓会社の社長として経営再建を経験。現在、米国MBA留学中で起業準備を行っている。

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2016/03/20

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  • MBA留学 ⑫ アメリカの保険事情 その1

    オバマケア アメリカの保険制度は、日本の社会保険と随分と異なる。元々”自己責任”という考え方が強い国なので、そもそも国民皆保険、という制度自体が存在していなかった。 そこに、聞いた方も多いと思われる”オバマケア”という制度をオバマ大統領が導入したのである。 www.huffingtonpost.jp オバマケアについては、様々なサイトで説明されているが、端的にいうと、元々所得が低く、一切の保険に入っていなかった人が数千万人という規模でアメリカにはいた。そうした人が予期せぬ事態などで、医療機関に世話になり場合によって多額の借金を抱えてしまうことなどが多く、そうした状況を打破するために導入された。…

  • MBA留学⑪ バブソン Japan Trek 名古屋編

    トヨタ自動車訪問 名古屋への訪問は、トヨタ自動車訪問のためでした。 現社長の豊田章男社長は、バブソンMBAのご出身です。 豊田章男 - Wikipedia 卒業生ということで、多数の学校がトヨタ自動車を訪れる中、我々には毎年特別にさまざまな趣向をこらして頂いております。トヨタ創業の歴史が残る、鞍ヶ池記念館、そして工場見学、自動車博物館など、盛りだくさんであり、中でも、我々の訪問をコーディネートして下さり、付き添って頂いた担当の社員の方々の完璧な段取りと御もてなしは、「流石世界一のトヨタさん」とすべての学生を虜にしたのでした。 トヨタ自動車とは 世界最大にして、日本一の企業でもあるトヨタ自動車。…

  • 経営再建⑱ ~工場移転(後編)~

    工場移転の方針 デットラインが決まり、「自社製造」か「OEM製造」かを迫られるなか、私が判断したのは、その両方である。 当該製菓会社の製造ラインは主に2種類あった。 より人手と手間がかかるイースト系の商品Aと、冷凍耐性があり機械での作業がある程度可能な商品Bである。 イースト系の商品Aは自社での製造、商品Bを別会社にOEM製造を依頼。 また、移設する時期を2回に分けることで、買収当初に起きた混乱を少しでも分散する方策をとることにした。さらに、製造部門のKさん、SさんをそれぞれA商品、B商品の長とし、人手を要するA商品の移設時期を後にすることで新規採用の時期に幅を持たせることにした。 A商品は当…

  • 経営再建⑰ ~工場移転(前編)~

    苦悩 夏場の施策 新規店舗は上手くいかず、裁判にも追われ、元々製菓が売れ辛い夏季に突入したということもあり、この時期は本当にシンドイ時期だった。店舗展開をして気づくのだが、打つ手が無いのである。新規施策をどんどん打ってそのPDCAを廻すという方法が、店の設計上新規施策の実行ができないのである。例えば、駅ナカの持ち帰り店だと、お店の構造上、飲み物の取り扱いができない、、暑い夏に製菓しか売れないのでは難しい。。それでも、中には新規投資により、軽飲食の許可が取得できる店が一部あった。 ドリンクの販売ができるお店は全て変更し、夏限定のドリンクメニューを。カフェが併設しているお店では、ドリンクメニューの…

  • MBA留学⑩ バブソン Japan Trek 京都編 その2

    京都観光(神社仏閣など) 伏見稲荷大社 伏見稲荷大社は、tripadvisorの人気ランキングで首位。圧倒的な鳥居のインパクトに日本人、外国人問わず、魅了される。 www.tripadvisor.jp 大社全体が山となっており、各人が好きなスポットを探せることも、外国人が楽しんでいる要素の一つだっだ。皆通行人が入らない場所を目指してひたすら頂上を目指していた。一緒に同行した何人かのfacebookのプロフィール写真が伏見稲荷に変更されてたことからも、相当インパクトのある絵柄なのだと思う。 参道には、露店が多数でており、手軽に食べれる焼そばやお好み焼き等も人気。職人さんが作った小物もお土産に購入…

  • MBA留学⑨バブソン Japan Trek 京都編 その1

    京都への訪問 京都は本当に評判が良かったです。案内する身としても圧倒的に楽しかったです。 京都には数百年も続く老舗企業が多くその経営哲学は所謂アメリカ流のものとは大きく異なりその持続可能な経営に強く感嘆している生徒も多かったです。京都は実は起業や世界企業が多い地域です。様々な企業が限られた場所に集積しているとともに、京都大学を始めとした数多くの教育機関が犇めいており、産学連携がとても盛んです。 伏見稲荷や清水寺、金閣寺など、見た目にもインパクトが強い世界遺産の数々が外国人達の心を掴みます。また、先斗町や祇園の雰囲気や川床などの独特の文化。案内している私も幸せになりました。 企業/機関訪問 京都…

  • ガラパゴス諸島へ ダイビングクルーズ 2016年8月

    2016年8月、念願のガラパゴス諸島へ、ダイビングクルーズに参加してきました。ガラパゴスはとても人気なので、2月に最後の1席をぎりぎり予約できた状態でした。 ダイビングクルーズはこちらのGalapagos Sky。16人乗りで当初からダイビングを想定して作られた船です。(結構Galapagosには漁船を改造したダイビング船も多い) www.galapagossky.com ガラパゴスでのダイビングは、下記地図の北にあるDarwin島とWolf島がメインです。1週間の日程で、1日目はテストダイブ、2日目は諸島周辺で2本潜り、Darwin、Wolfへ移動。3~5日は、1日4本Darwin, Wol…

  • MBA留学⑧ バブソン Japan Trek (東京編)

    バブソン Japan Trekとは バブソンでは、毎年夏の時期に2週間程日本を訪れ、entreprenershipに関連する企業や官公庁などを訪れて、日本のentreprenershipについて学ぶという授業があります。2016年は、東京、名古屋、京都、熱海を訪れる内容でした。参加定員は15名ですが、毎年その4倍以上の申し込みが来る超人気授業です。バブソンの日本人教授である、山川教授が引率されます。私は、2016年にTA(ティーチングアシスタント)として参加しました。 (最終日のアルムナイも交えたディナー) TAの仕事 TAの仕事は、主にaftre 5の企画です。多くの参加者の外国人にとって、…

  • 南米コロンビアへ 2016年8月

    コロンビアに行こうと考えたきっかけ 親戚がかつてコロンビアで働いていたことがあったが、当時「誘拐されて危険だから、絶対行ってはいけない」きつく言われていた。しかし、その親戚は本当にコロンビアが気に入り、死ぬときまでコロンビアにいたため、いつかいってみたいと思うようになった。Babson Collegeに行くことになり、コロンビア人の友人もでき、現地の詳細な紹介をしてもらえる状況ができたこと、情報収集する中で、過去に比べて随分と治安が改善したらしい、ということを聞き、行くことに決めた。 コロンビアの基本情報 コロンビアは、人口4,700万人を抱え、南米ではブラジルに次いで2位。(Wikipedi…

  • 経営再建⑯ ~裁判出廷(後編)~

    弁護士との相談 2回目の訴訟に際しても、新会社としては、絶対に負けられないし最後まで闘い抜く必要があった。 われわれは、買収時に純資産以上の金額で新会社を買収したのであり、旧会社の債務を負うのであればその分ディスカウントした価額で買収していただろう。我々が支払った買収金額を、正当に債権者間で分けて頂きたい、という想いだった。 絶対勝つため、親会社のI社長と相談して、新たに実績にある弁護士さんに話をして、請け負ってもらうことにした。 裁判を行ううえで、代表取締役社長であった私は被告人当たるので、私自身も法律を理解する必要があったし、我々の法律的根拠をサポートするfactを揃えるのも私の役目だった…

  • 経営再建⑮ ~裁判出廷(前編)~

    2度目の訴訟 会社を経営している間に2度も訴えられることになるとは思ってなかった。 前回は、国税から旧会社への差押え通知であり、国税と当社で旧会社の資産を巡り争ったのだったが、今回は、旧会社の複数の債権者達が、我々新会社を訴えてきた。 もちろん我々は法を犯してなどいない。旧会社の債権者に対する不誠実が招いたことだった。 2度にわたる裁判を経験し、私は人として誠実であることの重要さを強く認識した。 詐害行為 民法424条の詐害行為取消権を根拠として、債権者は新会社を訴えてきた。 詐害行為取消権とは、「債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。…

  • 経営再建⑭ ~販売施策の失敗(後編)~

    売上施策の結果 商品サイズ・価格の変更によって、お客様が挙げていた不満を2つも解消できた、と私は思っていた。 しかし、商品のサイズ変更は大失敗だった。 理由は2つ。第一に、サイズが小さくなり、25%安くなったとしても競合他社に比べれば依然として割高であり、新たな顧客層を獲得できるほど魅力がなかったこと。 第二に、今までいたコアなファン層を失ってしまったことだ。サイズを小さくしたことで以前よりも食感が悪くなってしまい、コアなファンを失望させてしまった。試食をした出来たての商品ではなかなか気づきにくかったが、従前の大きいサイズによりも乾燥し易くなっており、時間が経つと食感が固くなりやすくなっていた…

  • 経営再建⑬ ~販売施策の失敗(前編)~

    売上を向上させるというのは、思った以上に非常に難しいものだった。自分で良かれと思って行った施策も裏目に出ることもある。以下は、自分が行った施策の中でも、学びの大きかったものの一つだ。 新規店舗の売上 一斉に出店を行ったのち、どこの店舗も初月は快調だった。予算も大きく超え、発注数が足りなくてデベロッパーから怒られるなど、嬉しい限りだった。 しかし、翌月5月も後半にさしかかったころには売上が落ち始めた。最初は、気温の上昇による低下(菓子はアイスなどを除き、熱い時には売上が下がり寒い時には売上が上がる季節商品)、あるいは開店景気が終わっただけだろうと考えていた。しかし、6月に入り梅雨に入っても売上の…

  • MBA留学⑦ ~日本の英語教育への危機感、英語力の向上法(後編)~

    同じ日本人でも私より英語の出来る人は沢山いると思うが、私がやって良かったと思うことについて共有できたらと思う。 英語を学ぶうえで大事なのは、継続して量をこなすということと、それを楽しみながら続ける、という当たり前のことを実行することだと思う。 TOEFLとTOEIC 海外の大学院や大学に入る場合、TOEFLという英語のテストを受けることになる。TOEFL(iBT)は、Reading, Listening, Speaking, Writingの4セクションから構成され、受験時間が4時間にも及ぶテストである。アメリカの上位MBAを受ける場合、各セクション30点満点の合計120点満点中、100点が足…

  • MBA留学⑥ ~日本の英語教育への危機感、英語力の向上法(前編)~

    今回から数回に分けて、アメリカにきて感じた日本の英語教育の変化の必要性、ならびに過去やアメリカでの体験を振り返る、英語力向上に役にたった方法を幾つか紹介できればと思う。 日本の義務教育を真面目に受けてきた一人として思うこと 私は、帰国子女では無い。日本人の家庭に生まれ、日本で育ち、英語教育は中学校からの義務教育、大学を通じて行った。父のススメがあって、中学校時代は毎日NHKの英会話ラジオを聞いていた。あとは、学校で提示される宿題、受験勉強を通じて、まがりなりにも一生懸命に英語を学んできたのだった。 MBA留学前にはTOEFLである程度のスコアを取っていたし、昔から英語は得意科目だったし、少なく…

  • 経営再建⑫ ~想定外の新規出店(後編)~

    新規出店を成功させるというのは思っていた以上に非常に難しいものだった。 売上・収益を的確に予想し、収益の出る適切な立地を選ぶというのは至難の業だ。結論から見て、新規出店はうまく行ったものばかりではなかった。 新規出店 売上予測の難しさ 新規出店場所を決める際の基準は何にするべきか。出店経験の多い会社であれば、過去の実績データを統計的・定性的に分析していけば、どういった要因が売上・収益と因果関係が強いか、ある程度確信をもって言うことができるだろう。 しかし、そういった会社であっても、失敗することも少なくはないのが新規出店というものだと思う。 自社ブランドに対する理解(ターゲット顧客層(年齢、性別…

  • 経営再建⑪ ~想定外の新規出店(前編)~

    国税からの差押え通知書により、引き継いだ店舗のうち、赤字店の1つを除く全てが契約解除、という予想だにしない状況となった。 このときの私の頭の中には、雇用を維持するために、売上規模を保つために、新規出店をしなければならない、という考えしかなかった。 海外のブランドが時に実施するような一端日本から完全撤退、もしくは規模縮小して立て直した後、改めて出店、という方法は全く検討しなかった。 せっかく旧会社から引き継いだモチベーションの高い社員・人材を失いたくないということと、社員の雇用を守らねばならない、という責任感のようなものを強く感じていたからだ。雇用をまもるために無理に出店した、という見方もできる…

  • MBA留学⑤ ~アメリカの車事情~

    アメリカは車社会だ。バブソンMBAでも寮に住んでいる人以外全員車通学であるし、会社勤めの人も多くは車通勤だ。 私はボストン郊外に住んでいるので、最寄りのスーパーや駅まで徒歩40分もかかる。 アメリカ人は、車を下駄のように使う、と誰かがが例えていたがまさにその通りだと思う。自分の靴のように車が必需品であり、貴重品ではあるものの日用品的な位置づけに近いイメージだ。 私は、大好きなメーカーであるMazdaのMazda3(アクセラ)を購入して乗っている。 アメリカの中古車市場 アメリカでは、走行距離がかなりいっている中古車でも結構な値段がする。日本でいうと10万キロだとかなり走っている車だという認識だ…

  • 経営再建⑩ ~国税差し押さえ、そして店舗が無くなる(後編)~

    国税局への異議申し立て、直談判 国税局の差し押さえに対して、異議申し立てを行う場合、3つの段階を踏むことができるようになっている。 ①異議申立ては、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して六十日以内にしなければならない。 ②審査請求 異議申立てに対する税務署長等の決定があった後の処分に、なお不服があるときは、その通知を受けた日の翌日から1か月以内に国税不服審判所長に対して「審査請求」をすることが可能。 ③裁判所へ提起 審査請求に対する国税不服審判所長の裁決があった後の処分に、なお不服があるときは、その通知を受けた日の翌日から6か月以内に裁判所に対して訴えを提起できる。 弁護士にお願いをして…

  • 経営再建⑨ ~国税差し押さえ、そして店舗が無くなる(前編)~

    ここからしばらく苦悶の時期が続く。 法律用語もあって読みづらいかもしれないが、商売を行う方にはぜひ読んでいただきたいと思う。法的リスクを軽んじてはならない、という自分への戒めでもある。 一通のFAXから ある日いつものように事務所へ出社すると、ある商業施設デベロッパー(店舗の家主)から電話とともに、1通のfaxがきた。 内容を見て固まった。我々のとある店舗の敷金に対する差し押さえ通知書だった。 対象には旧会社の名前が記載されている。旧会社との話では、国税含め債権者とは旧会社が誠実に対応して解決する、との契約だったので、最初は国税局が合併の経緯を知らずに文章を送ってきたのだと考えた。そして、通知…

  • MBA留学④ ~アメリカでの日本食~

    アメリカに来て驚いたのは、日本食が一過性のブームでは無く、1つのジャンルとして成長を続けていることだ。寿司だけでなく、ラーメン、焼き肉、焼き鳥、居酒屋、定食など、日本食の裾野がますます広がっている。 また、スーパーなどのラインナップ拡充から考えても、アメリカ人の食卓においても、日本食はより親しみ深いものとなっているようだ。概して本当の日本食(出汁ベースであっさりとした。いわば京料理に近い)よりも、日本食の中でもジャンクな味の濃いもの(ラーメンなど)が特に受けている印象だ。 また、大学にきているアジア圏の学生(中国人、タイ人、ベトナム人等)は日本食が本当に好きで、中には美味しい日本食を食べるべく…

  • 経営再建⑧ ~既存店売上施策(後編)~

    日本とNYの違い 旧会社で冷え切っていたNYとの関係だったが、あのNYで食べた味を再現したいと想いもあり、頻繁に私は連絡を取っていた。NYと日本の違いを見てみると、製造面では製造の時間・材料の問題、販売面では消費者の食習慣の違い・商品種類などがあった。 特に問題だったのが製造面だ。NYでは24時間製造を行っているため、商品を製造してから店舗に並ぶ時間、売りきる時間が半日以内であった。対して日本では、当時、前日製造翌日配送を行っていたため、店舗に並ぶのに製造から時間が経ってしまっている状況だった。生菓子なので鮮度は極めて重要な要素であったため、OEM会社に対して深夜製造の交渉を何回か行ったが、O…

  • 経営再建⑦ ~既存店売上施策(前編)~

    コスト削減は、即効性が高く成果がすぐ明らかになったのに対して、既存店売上の向上は直ぐにはうまくいかなかった。 最初に実施した売上向施策は失敗ばかりだが、その理由の振り返りも兼ねて記載したいと思う。 新規商品開発 当時商品開発は、販売の店舗責任者が発案→OEM会社と折衝→試作作成→最終決定というプロセスで行っていた。ほぼ毎月新商品を発売し、そのプロモーションを行っていたので、常に新規商品のパイプラインが走っているようなイメージだ。 製菓は嗜好品なので目新しさが無いと直ぐに飽きられてしまう。商品開発は大変重要なプロセスだった。過去の販売データを見ると、主要カテゴリーの商品の売上は各店で年々下がって…

  • MBA留学③ ~ITビジネス~

    アメリカ留学で得た重要な収穫のひとつは、アメリカのビジネス・サービス・市場について、生活の中で触れることができることだ。 次々とITビジネスが新たに生まれ、それが瞬く間にアメリカ以外の国へと進出してGlobal Standardとなっていく。 有名すぎる例だが、改めてUberとairBnBについて紹介するとともに、アメリカ発のサービスが成長する理由について触れたい。 Uber 個人が所有している車をシェアするという発想の元、乗客が気軽にハイヤーを利用するためのPlat formを提供しているのがUberである。 アメリカに来る前は、日本進出するということで、名前だけ知っている程度だった。現在で…

  • 経営再建⑥ ~コスト削減(後編)~

    経営再建の初期にまず取り掛かったのは、細かい費用を含めてコスト削減をしっかりと行い、損益分岐の引き下げを行うことだった。 物流費以外にも、店舗関連費用(販売人件費、製品発注コントロール、包材費)、本部経費(銀行手数料、ITシステム変更)など、様々なコストを見直した。 店舗関連費用は、各店長達の意識改革と管理手法をどのように変えていくか、ということが最も大きなポイントだった。 一方、本部経費は、既存の仕組みの組み換えと細かい削減の積み重ねである。「本業で本部経費を賄うのに何個の菓子を売らないといけないか?」と考えると、できるだけスリムにしたかった。絞っても絞っても出てくる雑巾の水のように、コスト…

  • 経営再建⑤ ~コスト削減(前編)~

    最初の3か月は想定どおり計画が進み、1Qは黒字で終えることができた。旧会社の前期業績と比べると驚くほどのV字回復だった。その後、予想だにしない急展開と業績の急落下を迎えることは先に記載しておく。今回から数回は、コスト削減など想定どおりうまくいった経営再建の施策を記載する。 物流費の削減 経営計画のなかのコスト削減項目のうち、物流費削減は重要な柱のひとつだった。物流費が売上高比率の10%以上と高止まりしていた。 当然だがコスト削減において「値下げしてくださいよ」という短絡的な交渉で値段など下がるわけもない。相手の業界の根付けの仕方や収益構造をある程度理解したうえで、弊社も相手も得をするような枠組…

  • MBA留学② ~バブソンMBAの特徴(後編)~

    起業学 バブソンMBAでは、起業という分野に関する膨大なデータを持って体系的に学術的かつ実践的に学ぶ。 起業を学ぶとはどういうことか?と正直ここに来る前まではピンと来なかったが、複数事例を学ぶうちにスタートアップならではの共通する失敗事項、それに対するアプローチがあることが見えてくる。 Quick and Dirty バブソンMBAの中で特に、印象的だったもののひとつは「Quick and Dirty」という考え方だ。具体的にいうと、ニーズが無い商品/サービスは無価値という思想のもと、早期のプロトタイプ及び顧客フィードバックの場を強制される。日本人的感覚でいえば、やる前にもっと議論してから、練…

  • MBA留学➀ ~バブソンMBAの特徴(前編)~

    バブソンMBAは、Financial TimesやUS Newsで、Entrepreneurship(起業)分野で世界一を取り続けている学校である。有名な卒業生の経営者でいうと、トヨタ自動車の豊田社長、イオンの岡田社長、佐藤製薬の佐藤社長などがいる。その他にも多くの経営者/起業家が活躍されている。バブソンMBAの特徴を伝えられたらと思う。 https://babsonjp.wikispaces.com/ 生徒構成 バブソンMBAは、1学年150名程度の小規模なコースである。また、アメリカ人以外の国籍の生徒が60~70%を占めている。多いのはインド人、メキシコ人、タイ人といった順位で、日本人は毎…

  • 経営再建④ ~旧会社引き継ぎから新会社設立まで(後編)~

    製造現場 10月中、本部や店舗、製造現場(別会社)をとにかく見て廻った。特に製造現場は非常に多くの問題を抱えていた。 本件のスキームでは、製造は自社から別会社に移管し、OEMに切り替えることになっていた。製造場所は、都内にある本店から、千葉の菓子製造受託会社の工場の一角へと移転した。 商品の日持ちの関係から製造ラインを止めることはできなかった。製造スタッフはいきなり、通勤片道2時間、もしくは引っ越しを伴い、移転作業を進めなければならなかった。 しかも、移転先は本件の受託製造を快くは思っていないようだった。色々な縁で、急きょ本件を引き受けることとなったようだ。当該移転先の社長さんも困惑していたに…

  • 経営再建③ ~旧会社引き継ぎから新会社設立まで(前編)~

    9月末日に全社員との面談を行い、10月から当時自由が丘にあった会社の本部へと毎日通い引き継ぎ業務をしていくこととなった。今でも忘れないのは、最初に本部事務所に入った時の印象。店舗の裏にある狭いスペースにて、とても重たくどんよりとした空気の中で7人程が働いていた。店の外に大きなテラスが合ったので、そこで面談をしていき、各店舗の社員とは私が出向いて各店舗で面談をしていくことにした。 (社員との出会い) 各人と面談していく中で驚いたのは、前社長に対する信望の深さ、販売社員の質の高さだった。女性社員のうち何人かは、私と面談をするなり、「前社長を心底信頼していて、今後一緒に働けないのは辛い」と涙を流した…

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