neurosurgeon さん プロフィール

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neurosurgeonさん: 脳神経外科医の日常 と 脳外科の病気
ハンドル名neurosurgeon さん
ブログタイトル脳神経外科医の日常 と 脳外科の病気
ブログURLhttp://neurosurgeryjp.blog.fc2.com/
サイト紹介文脳神経外科医が日常臨床の中で経験したことや感じた事について、ありのままを書こうと考えています。
自由文中堅脳神経外科医、医学博士です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供104回 / 365日(平均2.0回/週) - 参加 2016/03/25 21:34

neurosurgeon さんのブログ記事

  • 頚動脈狭窄症
  • 頚動脈狭窄症頚動脈狭窄症とは 頚動脈が細くなった状態で、脳梗塞の重要な危険因子の一つです。主に、動脈硬化が原因とされ、高血圧、喫煙、高コレステロール血症、糖尿病などが関与します。以前は、欧米人に多いとされてきましたが、食生活の欧米化に伴い、日本人でも多く見られるようになってきました。 頚動脈とは、大動脈から分かれる太い枝の一つで、首を通って頭部に行く血流の大部分を担っています。前頚部の左右の端の付 [続きを読む]
  • 顔面のぴくつき・けいれん
  • 顔面のぴくつき・けいれん片側顔面けいれん 成人、殊に中高年の方で、顔面の左右のうち一方だけの瞼や唇の付近がピクピクする場合、それは片側顔面けいれんの可能性が最も高いです。眼瞼痙攣(がんけんけいれん) 強いまばたきを繰り返して行い、まばたきの回数が多くなります。まぶしくて眼が開けられない、自然と目が閉じてしまう、などの症状がみられます。症状は両眼まぶたに現われます。眼の乾燥感伴うとドライアイと間違え [続きを読む]
  • 硬膜動静脈瘻
  • 硬膜動静脈瘻 硬膜動静脈瘻とは、簡単に言うと動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接繋がってしまう病気です。同様の病気として、脳動静脈奇形というものがあります。脳動静脈奇形と異なる点は、脳の動脈ではなく、脳を覆う硬膜を通る動脈と、脳の静脈とが結びついてしまった点です。また、動静脈奇形とは異なりナイダスは存在しません。病態や症状、治療方針も脳動静脈奇形とは異なります。 動脈が毛細血管を介さずに直接静脈に流 [続きを読む]
  • 術式あれこれ
  • 脳神経外科領域で現在行われている手術の術式について簡単に概説します。穿頭術 最も簡単な術式です。穿頭器という道具を使い、頭蓋骨に1円玉大の小さな穴を開けて行う手術です。そのためには、穴を開ける部位の周辺の皮膚を3−4cm程度切る必要があります。通常、理解力と自制心のある成人に対しては局所麻酔で行うことが出来ます。 この手法が用いられる手術:・慢性硬膜下血腫の血腫除去・脳室内出血・脳膿瘍などに対するドレ [続きを読む]
  • 髄膜炎
  • 髄膜炎とは、原因は 髄膜炎とは、脳脊髄液の中に感染性微生物が混入して生じる感染症の一種です。微生物には、細菌、ウイルスのほか、結核性ものや真菌性(カビの一種)のものなどがあります。 原因を完全に突き止めることは困難な場合も少なくないですが、体内に入り込んだ微生物が血流を介して、もしくは近隣の臓器から直接頭蓋内に入り込んで、脳脊髄液の中で増殖します。すると、体が反応して強い炎症が起こり、頭蓋内の圧が [続きを読む]
  • 若年性認知症
  • 若年性認知症とは 65歳未満で発症する認知症のことを、若年性認知症といいます。 平均発症年齢は推定で51.3歳とされていて、40代で発症することもあります。働き盛りの年齢で発症するため、本人だけでなく、家族の生活への影響が極めて大きいと言えます。 高齢者の認知症は男性よりも女性に多いのですが、若年性認知症は男性の方が多いとされます。認知症の原因としては、脳血管性とアルツハイマー病の2つが圧倒的に多いとされ [続きを読む]
  • 認知症 〜比較的頻度の少ない変性疾患〜
  • 比較的頻度の少ない変性疾患進行性核上性麻痺 脳のうち、大脳基底核、小脳、脳幹などの神経細胞が減少し、神経原生変化という異常が出現します。50〜70歳代で多く発症します。通常、遺伝性はなく、原因はよくわかっていません。 歩行障害、動作が遅い、姿勢の異常といった症状が出ます。進行すると、目の動きが制限され(特に下側を見にくい)、認知症や嚥下障害、構音障害などを伴います。 パーキンソン病と同じような症状を呈 [続きを読む]
  • 代謝異常、感染症による認知症
  • 甲状腺機能低下症 甲状腺機能低下症には、甲状腺自体の機能が低下している“原発性”のものと、ホルモン分泌の指令中枢である脳下垂体に異常があり生じる“中枢性”のものがあります。原発性のものの代表格が橋本病(慢性甲状腺炎)です。また、中枢性のものとしては下垂体近傍の腫瘍や、その術後などがあります。 甲状腺機能低下症では、認知機能障害や抑うつ症状を来します。認知機能では、一般知能、注意・集中力、記憶、知覚 [続きを読む]
  • 手術で治る可能性のある認知症
  • 手術で治る可能性のある認知症正常圧水頭症 脳脊髄液が過剰に溜まり、脳を圧迫して障害を起こす病気です。脳脊髄液は、脳を保護し、栄養を与えるために必要な液体です。頭の中では、毎日500ml程度の脳脊髄液が作られ、頭の中を巡り吸収されています。脳脊髄液の吸収が悪くなって頭蓋内に過剰に溜まってしまった状態が水頭症です。 認知症のうち、5〜10%を占めるという報告もあり、決して稀ではありません。 水頭症にも幾つかの [続きを読む]
  • 前頭側頭型認知症③ 〜治療〜
  • 薬物治療 前頭側頭葉変性症はその他の四大認知症と比較して患者数も少なく、原因についても不明な点が多いため、認知機能改善のために有効な薬物治療はまだ開発されていません。 前頭側頭葉変性症の行動障害を改善する目的で、ガイドラインでは抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬;SSRI)の使用が推奨されていますが、保険適応外になります。また、認知機能の改善効果は認められていません。 通常のアルツハイマー病に [続きを読む]
  • 前頭側頭型認知症② 〜症状・検査・診断〜
  • 症状 前頭葉は、脳の中で最も大きな部分です。言語、意欲、想像力、注意力、判断力、自制力、記憶力などをつかさどり、人格形成や社会性に関与します。前頭葉の働きが低下すると、行動や感情をコントロールすることが困難になります。 側頭葉は、言語・記憶・聴覚などをつかさどる中心的な部位であり、障害を受けると部位によっては著しい言語障害や記憶障害を生じます。 前頭側頭葉型認知症を発症すると、前頭葉や側頭葉の機能 [続きを読む]
  • 前頭側頭型認知症① 〜病態・原因〜
  • 前頭側頭型認知症 アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症とともに「四大認知症」の一つです。 1892年にアーノルド・ピック医師が最初に報告したことから、もともとピック病と呼ばれていました。 前頭側頭型認知症は、「前頭側頭葉変性症」という病気の中の病型の1つです。 前頭側頭用変性症は、名前のとおり大脳の前頭葉と側頭葉が特異的に委縮する(やせる)病気です。前頭葉あるいは側頭葉のいずれか [続きを読む]
  • レビー小体型認知症④ 〜治療〜
  • 治療方針 レビー小体型認知症では認知障害、幻視、妄想などの精神症状、遂行機能障害、パーキンソン症状などの運動障害、便秘や立ちくらみなどの自律神経障害、レム睡眠行動異常など、多彩な症状をきたしえるため、それぞれの患者さんの症状に応じた治療が必要です。治療には薬物療法と非薬物療法とがあります。 現在、レビー小体型認知症を完治させる薬はありませんが、症状改善効果が認められている薬はいくつか存在します。認 [続きを読む]
  • レビー小体型認知症③ 〜画像診断・経過〜
  • 画像診断頭部MRI MRIでは、アルツハイマー型認知症と比較して海馬を含む側頭葉の内側の萎縮が軽度であること、萎縮の程度に関して脳の部位により偏りがないことが特徴とされています。糖代謝PET(FDG-PET)と脳血流SPECT レビー小体型認知症では、後頭葉、とりわけ一次視覚野の代謝低下や血流低下が特徴的な所見と言われています。脳血流SPECTでは後頭葉の血流低下、FDG-PETでは後頭葉の糖代謝の低下がみられます。脳血流SPECTも [続きを読む]
  • レビー小体型認知症② 〜症状〜
  • 症状は レビー小体型認知症の症状には、アルツハイマー型認知症と異なる側面が沢山あります。 レビー小体型認知症の初期には記憶障害が目立たない場合もあります。一方、記憶以外の認知機能障害として、注意、実行機能、視空間認知の障害が出やすい傾向があります。 また発症早期から認知機能障害のほかにも多様な臨床症状を呈すことが少なくありません。特に、幻視(存在しないものが見える)は代表的な症状の一つであり、パー [続きを読む]
  • レビー小体型認知症① 〜概説・診断〜
  • レビー小体型認知症 脳に「レビー小体」という異常な物質がたまることが原因で、脳の神経細胞が徐々に減少していく進行性の認知症です。アルツハイマー病と同様に、「変性性認知症」に分類されます。 進行性の認知機能低下に加えて、幻視症状とパーキンソン症候群を主な特徴としています。 1976年に日本の小阪憲司先生らがこのような病気を報告し、その後にレビー小体病という概念を提唱しました。のちに欧米でも同様の症例の報 [続きを読む]
  • 脳血管性認知症
  • 脳血管性認知症 脳血管性認知症は、脳梗塞(脳の血管がつまった状態)や、脳出血(脳の血管が破れて出血した状態)など脳の血流障害が生じた結果として脳機能が低下し、認知症になるものを指します。男性の方が女性よりも多いとされています。混合型認知症とは 脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症が併発している事があります。両方に共通する発症危険因子の存在も分かってきました。経過や症状、画像所見から必ずしも明確に [続きを読む]
  • アルツハイマー型認知症(後半) −治療・予防−
  • アルツハイマー型認知症の治療 現在、日本ではアルツハイマー型認知症に対して4種類の薬が販売されています。コリンエステラーゼ阻害薬のドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンと、NMDA受容体拮抗薬のメマンチンです。それぞれ使用時期、作用機序や副作用が異なります。 なお、これらの薬はアルツハイマー型認知症の進行を遅らせ、症状を若干改善させる効果が期待されていますが、完治させるものではありません。コリンエス [続きを読む]
  • アルツハイマー型認知症(前半) −症状・診断−
  • アルツハイマー型認知症とは アルツハイマー病は、1907年にドイツの精神科医であるアロイス・アルツハイマー博士によって報告されました。 日本人の認知症患者の半分以上を占め、女性に多く見られます。また、近年も増加している傾向があるとの報告があります。高齢になるほど多く、85歳以上では急増すると言われています。 最も特徴的な症状は記憶障害です。アルツハイマー型認知症では最近の出来事を忘れてしまうという症状が [続きを読む]
  • 認知症の分類
  • 認知症の分類 アルツハイマー型認知症は、認知症の最も代表的なものとして有名です。しかし他にも脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類の認知症があります。その他、外傷性脳損傷、物質・医薬品の使用、HIV感染、プリオン病、ハンチントン舞踏病など、全部で200〜300くらいの原因が存在すると言われています。 正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫など脳外科手術により症状の改善が見込める病気 [続きを読む]
  • 認知症の兆候: Mild Cognitive Impairment
  • 軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI) 近年、認知症の前駆状態を指し示す言葉として、「軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)」という用語が使われるようになってきています。軽度認知障害の有病率は、65歳以上の高齢者では15-25%程度と考えられています。 この状態が注目される背景には、認知症の早期診断の重要性が指摘されるようになってきたという事情があります。従来の標準的な認知症の診断基準を満 [続きを読む]
  • 中心症状 と 周辺症状: 認知症の症状の2つの側面
  • 認知症の症状の2つの側面 認知症の症状と言えば、どんなことを思いつきますか。 「認知症」=「物忘れ」、というように思いつかれる方は少なくないでしょう。それはあながち間違いではありませんが、実はそれ以外にも様々な症状があります。 認知症の症状は、大きく2つに分けることができます。 記憶障害は、脳細胞の障害によって直接引き起こされる症状です。こうした脳細胞の障害が直接の原因となって現れる症状を「中核症状 [続きを読む]
  • 宣言的記憶 と 非宣言的記憶
  • 宣言的記憶 と 非宣言的記憶長期記憶の分類- 宣言的記憶   ・ エピソード記憶   ・ 意味記憶- 非宣言的記憶   ・ 手続き記憶   ・ プライミング   ・ 古典的条件付け   ・ 非連合学習 長期記憶には、言語的な情報(言語的な記述・事実・意味)が関わり言葉で表現できる「宣言的記憶(陳述記憶)」と、言語とは無関係に無意識的な行動や思考の手続きが記憶される「非宣言的記憶(非陳述記憶)」があり [続きを読む]
  • 記憶のメカニズム −短期記憶と長期記憶―
  • 記憶のメカニズム −短期記憶と長期記憶― 記憶を大きく分けると、「短期記憶」と「長期記憶」に分類されます。一時的に小さな容量の情報を保持するのが短期記憶で、継続的に大きな容量の情報を保持するのが長期記憶です。人間の記憶の働きを、2つの貯蔵庫でモデル化したとらえ方を、「記憶の二重貯蔵モデル(dual storage model)」と呼びます。 この説によると、目や耳といった感覚器へ入力された外界からの情報はまず、感覚記 [続きを読む]