neurosurgeon さん プロフィール

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neurosurgeonさん: 脳神経外科医の日常 と 脳外科の病気
ハンドル名neurosurgeon さん
ブログタイトル脳神経外科医の日常 と 脳外科の病気
ブログURLhttp://neurosurgeryjp.blog.fc2.com/
サイト紹介文脳神経外科医が日常臨床の中で経験したことや感じた事について、ありのままを書こうと考えています。
自由文中堅脳神経外科医、医学博士です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供189回 / 365日(平均3.6回/週) - 参加 2016/03/25 21:34

neurosurgeon さんのブログ記事

  • 認知症の兆候: Mild Cognitive Impairment
  • 軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI) 近年、認知症の前駆状態を指し示す言葉として、「軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)」という用語が使われるようになってきています。軽度認知障害の有病率は、65歳以上の高齢者では15-25%程度と考えられています。 この状態が注目される背景には、認知症の早期診断の重要性が指摘されるようになってきたという事情があります。従来の標準的な認知症の診断基準を満 [続きを読む]
  • 中心症状 と 周辺症状: 認知症の症状の2つの側面
  • 認知症の症状の2つの側面 認知症の症状と言えば、どんなことを思いつきますか。 「認知症」=「物忘れ」、というように思いつかれる方は少なくないでしょう。それはあながち間違いではありませんが、実はそれ以外にも様々な症状があります。 認知症の症状は、大きく2つに分けることができます。 記憶障害は、脳細胞の障害によって直接引き起こされる症状です。こうした脳細胞の障害が直接の原因となって現れる症状を「中核症状 [続きを読む]
  • 宣言的記憶 と 非宣言的記憶
  • 宣言的記憶 と 非宣言的記憶長期記憶の分類- 宣言的記憶   ・ エピソード記憶   ・ 意味記憶- 非宣言的記憶   ・ 手続き記憶   ・ プライミング   ・ 古典的条件付け   ・ 非連合学習 長期記憶には、言語的な情報(言語的な記述・事実・意味)が関わり言葉で表現できる「宣言的記憶(陳述記憶)」と、言語とは無関係に無意識的な行動や思考の手続きが記憶される「非宣言的記憶(非陳述記憶)」があり [続きを読む]
  • 記憶のメカニズム −短期記憶と長期記憶―
  • 記憶のメカニズム −短期記憶と長期記憶― 記憶を大きく分けると、「短期記憶」と「長期記憶」に分類されます。一時的に小さな容量の情報を保持するのが短期記憶で、継続的に大きな容量の情報を保持するのが長期記憶です。人間の記憶の働きを、2つの貯蔵庫でモデル化したとらえ方を、「記憶の二重貯蔵モデル(dual storage model)」と呼びます。 この説によると、目や耳といった感覚器へ入力された外界からの情報はまず、感覚記 [続きを読む]
  • 改正道路交通法の発効(2017年3月12日)
  • 改正道路交通法の発効(2017年3月12日) 最近、高齢者ドライバーの運転操作ミスによる交通事故の話題が新聞やニュースで目立つようになっています。実際、交通事故による死亡数数自体は10年前と比較して4割程度減少しているのにも拘らず、高齢者ドライバーの事故に伴う死亡事故だけは増加の一途を辿っています。平成16年の全体の死亡事故数が6549件で、高齢者事故死亡数は406件でした。平成26年には、事故数は3639件であるのに対 [続きを読む]
  • 認知とは何か 記憶とは何か 
  •  そもそも、認知症でいう「認知」や、認知症になると障害の出る「記憶」とは、どんなものなのでしょうか。認知とは何か【認知】事象について知ること、ないし知識をもつこと。広義には知覚を含めるが、狭義には感性に頼らずに推理・思考などに基づいて事象の高次の性質を知る過程。[岩波書店 広辞苑第五版] これは、一般的な解釈です。医学や心理学でいう「認知」の解釈は以下のように説明されます。 Wikipediaには、「認知(に [続きを読む]
  • 増加する高齢者の認知症
  • 増加する高齢者の認知症 ご存知の通り、高齢者人口は増加の一途をたどっています。超高齢化社会の進行に伴い、認知症の患者さんも増え続けています。 総務省の発表では、2013年時点における日本の65歳以上の人口は、約3000万人(25%)です。また、2025年には3650万人(約30%)に達するとされています。高齢者の増加に伴い、認知症患者数も増加傾向にあると推測されます。 厚生労働省研究班の調査では、65歳以上の高齢者のうち [続きを読む]
  • もの忘れと認知症
  • 普通のもの忘れとはどう違うの? 「昨日の夕食に何を食べたかな。」 「友人や、よく知っている有名人の名前がでてこない。」 人は誰しも年齡を重ねるにつれて、人の名前や過去の出来事などを忘れっぽくなったり、新しいことを覚えることが苦手になったりするのを感じるものです。しかし、「加齢によるもの忘れ(生理的なもの、老化現象の一部)」と「病的なもの忘れ(認知症)」とは、同じ現象の程度の違いを表しているものでは [続きを読む]
  • 認知症とは
  • 認知症とは 「記憶する」、「考える」、「判断する」、「人とコミュニケーションをとる」など、私たちの行動の根拠となる判断に関わる脳の働きを「認知機能」と言います。「認知機能」は、私たちが日常生活を過ごすために欠かせないものです。この「認知機能」が、何らかの脳の障害によって著しく低下し、日常生活に支障をきたすようになった状態のことを「認知症」といいます。 人の大脳には約140億の神経細胞があると言われて [続きを読む]
  • 体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potentials: SEP)
  • 体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potentials: SEP) 体性感覚誘発電位(SEP)は、末梢神経から脳に伝わる伝導路の機能検査です。手足などの体の一部から脳に伝わる情報は主に感覚情報になります。つまりSEPは感覚の伝導路の機能検査です。 臨床で通常用いるSEPは刺激が脳に到達するまでの短時間のSEPです。これを短潜時SEP(SSEP)と呼びます。 SEPを行う場合、通常、上肢や下肢の太い神経を電気で刺激します。よく使わ [続きを読む]
  • 肥満と脳
  • 肥満 肥満は、体に脂肪が過剰に蓄積された状態です。肥満は、体のバランスが崩れた状態であり、代謝に悪影響をお呼びします。肥満が直接、間接的に影響するような合併疾患を誘発しやすくなるため、肥満は医学的にも問題になることは、周知のとおりです。 さて、肥満には明らかな基礎疾患を伴わない単純性肥満(原発性肥満)と、特定の病気が原因となって生じる症候性肥満(二次性肥満)とがあります。肥満のうち90%以上は、単純 [続きを読む]
  • 症状解説 − 運動障害
  • 運動障害 手や足などの体の全体または一部を自分の意志に従って動かすことが出来なくなる状態を運動障害もしくは麻痺と呼びます。手足の動きが少し残っている場合、不全麻痺と呼びます。 運動障害の程度は、徒手筋力テスト(manual muscular test:MMT)で5段階評価するのが一般的です。5(Normal): 運動範囲全体に渡って動かすことができ、最大の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。4(Good): 運動範囲全体に渡って動か [続きを読む]
  • 髄芽腫
  • 髄芽腫とは 髄芽腫は、主に小児の小脳に発生する悪性腫瘍です。比較的少なく、しかも徐々に減少する傾向にあります。男児に多く、女児の1.6倍です。症状は 第四脳室の近傍に発生することが多いので、増大して第四脳室が閉塞し水頭症を伴うようになってから症状が出ることがしばしばあります。その場合、小児の水頭症の症状としての頭痛、不機嫌、嘔吐、意識障害などが出現します。また、小脳症状としての失調(歩行障害など)も [続きを読む]
  • 脳室内腫瘍
  • 脳室内腫瘍中枢性神経細胞腫 central neurocytoma 側脳室の前半部に好発する腫瘍です。WHO grade 2に相当します。原発性脳腫瘍の0.5%と比較的稀な腫瘍ではありますが、脳室内に発生する腫瘍の中では比較的多く見かけます。 腫瘍が大きくなってから水頭症の症状で見つかることが多いですが、腫瘍内出血がきっかけとなることや、偶然発見されることもあります。 血流が豊富で内部には嚢胞や石灰化があり、CTによる石灰化病変や、 [続きを読む]
  • 月経不順(生理不順)
  • 月経不順(生理不順) 月経不順の原因は、基本的に女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)のバランスの乱れにあります。 ホルモン産生の指示は脳の視床下部というところで行われ、その指示に応じて脳下垂体でホルモンが産生されます。このホルモンが卵巣に影響して月経のリズムが形成されます。 ホルモンバランスが崩れる原因はストレスなども含めいろいろとありますが、その一部には脳下垂体の疾患が含まれます。卵胞ホル [続きを読む]
  • 嚥下障害
  • 嚥下障害とは 嚥下障害は、口に入れた食べ物を胃に流し込むという機能の障害です。食べ物を「飲み込む」という動作が出来なくなります。 口の中のものがうまく呑み込めなくなると、食べ物が喉でつかえるようになり、飲み込みに時間がかかるようになります。また、食べ物が食道(口から胃への通り道)ではなく気管(口から肺への空気の通り道)に漏れて入ってしまうようになります。これを、誤嚥と呼びます。誤嚥すると、むせたり [続きを読む]
  • 聴力の低下・難聴
  • 聴力の障害 聴力の障害と言えば、一般の方は耳鼻科の病気だろうと思われますよね。この考え方は基本的に正しいと言えます。 但し、耳に異常がないのに難聴を発症する重要な原因の一つとして、聴神経腫瘍(聴神経鞘腫)というものがあります。これは、耳から聴覚が脳へ伝達される途中の経路である、聴神経という神経から発生する腫瘍です。通常、聴神経腫瘍は片方の耳の神経から発生しますので、片方の耳の難聴が起こります。緩徐 [続きを読む]
  • 便秘と排尿障害
  • 便秘と排尿障害 便秘は消化管の機能障害です。同様に、排尿障害は膀胱の機能障害です。ところが、便秘も排尿障害も、それぞれ肛門括約筋と膀胱括約筋を支配する神経の障害で生じることがあります。 代表的なものとして、脊髄損傷や、脊髄腫瘍、脊椎椎間板ヘルニアなどがあります。脊髄のどの部分が障害を受けても起こり得ますが、胸のあたりだと下肢の運動・感覚の麻痺を、首のあたりだとそれに加え上肢の運動・感覚の麻痺を、ほ [続きを読む]
  • 言葉が出ない、言葉がわからない (失語症)
  • 言葉が出ない、言葉がわからない 当たり前のように理解し、話していた日本語が分からなくなる状態を、失語症と呼びます。 失語症には幾つかの分類がありますが、大きく分けると運動性失語と感覚性失語に分けられます。 運動性失語とは、喋ったり文字を書いたりすることができなくなるタイプの失語症で、前頭葉の、主にブローカ野という言語野の病変が疑われます。 一方、感覚性失語とは、人の話を理解したり文字を読んだりする [続きを読む]
  • ふるえ
  • ふるえ 手の震えでお困りの方も少なからずいらっしゃると思います。ふるえは、不随意運動の一種です。持続性のものとして、パーキンソン病、本態性振戦、老人性振戦、ジストニア、薬剤性のものなど、一過性のものとしててんかんなどがあります。それぞれのふるえには特徴があります。 主に安静時にふるえがあるのなら、パーキンソン病などが考えられます。パーキンソン病の患者さんではその他の特徴として、無表情、動作が遅くな [続きを読む]
  • 脳の解剖 - 脳の大まかな構造
  • 脳の大まかな構造 脳は、大きく分けて大脳、間脳、脳幹、小脳に分けられます。大脳は、大脳皮質・辺縁系・基底核に分けられます。 大脳皮質は前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉に分けられます。前頭葉はおでこの裏から頭の前半部分を占める大きな部分です。側頭葉は耳の上あたりの脳です。頭頂葉は、頭のてっぺんのあたり、やや後ろの方になります。後頭葉は頭の最も後ろの部分の比較的小さな脳にの部分になります。この4つの部分 [続きを読む]
  • 食事と寿命
  •  つい一昨日、米国立加齢研究所とウィスコンシン大の共同チームが、カロリーが適度に少ない食事をサルに長期間与えると、好きなだけ食べさせたサルと比較して寿命が延びるという研究結果を英科学誌nature communicationsに発表しました。http://www.nature.com/articles/ncomms14063 私が根拠なく常日頃から考えていることと一致するデータでした。 ひとは皆、小さいころから「たくさん食べなさい」と言われて成長してきます。 [続きを読む]
  • 穿頭術
  • 穿頭術について 穿頭術は、脳神経外科領域の全ての手術の基本となる術式です。 頭蓋骨に1円玉程度の小さな穴を開ける術式です。 主な使用例としては、・慢性硬膜下血腫に対する血腫除去術・脳室-腹腔シャント手術・内視鏡による手術(第三脳室底開窓、血腫除去、生検など)・定位的手術(レクセルフレームや駒井式フレームによる生検、深部電極埋め込みなど)などが挙げられます。 穿頭器 実際の手術では、図のような道具を用 [続きを読む]
  • 脳血管造影
  • 脳血管造影 脳血管造影は、一般にカテーテル検査とも呼ばれます。カテーテルとは医療用の細長いチューブのことです。尿道に挿入するチューブのことを尿道カテーテル、略して尿カテと呼びます。 英語ではangiography(アンギオグラフィー)と言いますが、略してアンギオとも呼ばれています。 カテーテル検査は、鼠径部の大腿動脈や手首の橈骨動脈、肘の上腕動脈など、皮膚の近くを走行する太い動脈から血管用のカテーテルを挿入 [続きを読む]
  • 脳神経外科専門医の人数
  • 日本の脳神経外科専門医の数 日本には31万人の医師がいます(厚生労働省調べ)。 日本の脳神経外科医の人数をご存知ですか。 専門医の数で7000人ちょっとです。(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/14/dl/kekka_1.pdf) 海外と比較してみますと(5年くらい前のデータです)国名 脳神経外科医   人口   医師一人当たり人口日本    7200人  12000万人    16700人韓国    2200人   5100万人   [続きを読む]