井藤マサカツ さん プロフィール

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井藤マサカツさん: キテレツ諸子百家〜論語と孔子と、ときどき墨子〜
ハンドル名井藤マサカツ さん
ブログタイトルキテレツ諸子百家〜論語と孔子と、ときどき墨子〜
ブログURLhttp://ameblo.jp/tetsujin110/
サイト紹介文大手予備校の元漢文講師である私が「諸子百家」について、徒然なるままに語る部屋です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供180回 / 361日(平均3.5回/週) - 参加 2016/03/30 10:47

井藤マサカツ さんのブログ記事

  • 論語漫歩152 これを教えん
  •  先進篇最終章読解第19回  これまで我々は、先進篇最終章と同じく、「政治」を主題とする先進篇第9章を分析してきた。衛国を訪れた孔子が政治の3段階を説く。  1.庶し(人口増加) 2.これを富まさん(経済) 3.これを教えん(教育)  我々は前回やっと第2段階「これを富まさん」の叙述を完了した。民を富ます方法とは、「減税」であった。第1段階の「民を増やす」方法も「減税」であることを我々は [続きを読む]
  • 論語漫歩151 孟子 日本の戦国時代を開く
  •  先進篇最終章読解第18回  我々はこれまで「年貢」がいかに恐るべきものであるかを見てきた。そしてついに世界を根底から変える思想に行き着いた。ルソーと孟子の  民を貴しとなす  思想である。これが宣言された時、民を搾取する貴族の時代は理論上終焉したのである。あとは実行を待つのみであった。 王は貴い。神聖にして、不可侵である、と長い間人々は固く信じていた。しかし、王侯貴族は実は民の血を吸 [続きを読む]
  • 論語漫歩150 ルソーと孟子
  • 先進篇最終章読解第17回 我々は論語漫歩12で「ルソーと孟子」と題して、両者の根本思想「性善説」に触れた。今回は両者の「民を貴しとなす」の思想について述べることにしよう。この思想によって世界が根底から変わったのである。 民を貴しとなす を掲げる、『孟子』と『エミール』が「革命の書」と呼ばれる所以である。『エミール』第3篇(『ルソー全集 第6巻』、白水社、1980年、261頁)でルソーは言う。&nbs [続きを読む]
  • 論語漫歩149 民を貴しとなす
  • 先進篇最終章読解第16回 我々はこれまで有若の「十分の一税」(顔淵第9章)が世界一の仁徳陵を造営せしめ、同じく、有若の「和を貴しとなす」(学而篇第12章)が、聖徳太子「十七条憲法」第1条和を以て貴しとなすに結実するのを見た。前回我々は苛政(年貢)が虎よりも恐ろしい例を、万葉集「貧窮問答歌」に見た。今回から3回にわたって、「年貢」の軽減が日本の歴史を根底から変えるのを見ることにしよう。トップバッタ [続きを読む]
  • 論語漫歩148 万葉集
  • 先進篇最終章読解第15回  我々はこれまで年貢の恐ろしさ、苛政のむごさを見てきた。我々にもやっと孔子の怒りが分かりかけてきた。宰予の昼寝に対して、孔子がなぜあれほどまでに嘆いたのか、その心が少しわかりかけてきたのである。どれほど多くの民が虐政に呻き、苦しみ、泣いているか。民の叫びが絶え間なく孔子には聞こえていたにちがいない。  この日(暴君桀王)いつかほろびん われなんぢとともに亡びん 民 [続きを読む]
  • 論語漫歩147 有子
  •  先進篇最終章読解第14回  我々はこれまで有若がその「減税」思想によって魯の国の人々と日本の民を救うのを見てきた。ところで有若は論語に4回登場するが、すべて「有子」(有先生)と尊称されている。今、分析中の顔淵篇第9章のみが「有若」と名で呼ばれている。なぜか。君父師には「名」で対応することを我々は知っている。諸家も哀公にお答えする場面だから、「有若」と名を記したのだと意見を一致させている。 [続きを読む]
  • 論語漫歩146 論語と十七条憲法
  •  先進篇最終章読解第13回  前回我々は、有若の哀公への進言「租税半減」が、仁徳陵の淵源であることを見た。今回も有若(尊んで有子)の言葉である。学而篇第12章に言う。  有子曰く 礼の用 和を貴しとなす  この有子の「和を貴しとなす」の言葉は、わが国の根本方針を定めた、聖徳太子「十七条憲法」第一条で有名である。  和を以て貴しとなす 「十七条憲法」は、わが国で「憲法」という言葉が用い [続きを読む]
  • 論語漫歩145論語 仁徳陵を造る
  •  先進篇最終章読解第12回  前回我々は論語の泰伯と伯夷叔斉の影響で、論語を代表する言葉「仁」の徳を名とする仁徳天皇の誕生を見た。すなわち論語を始めとする諸書に精通していた、応神天皇の太子が、仁の徳と叡智とを合わせ持つ兄(仁徳天皇)に、自分の持つ皇位継承権のみならず、生命までも投げ捨てて位を「譲」るのを見た。太子こそは日本の「泰伯」であったのである。  仁徳天皇元年、天皇は即位するや、宮殿 [続きを読む]
  • 論語漫歩144 論語 仁徳天皇を産む
  • 先進篇最終章読解第11回  前回我々は悪政の害が虎より甚だしいのを見た。『日本書紀』巻10応神天皇15年8月1日の条に次の記事がある。  百済王が阿直岐(あちき)を派遣して良馬2頭を献上した。阿直岐は経典も読めた。早速太子が彼に師事した。 天皇が問う。 「もしかして汝に勝る博士ありや」 「王仁という者あり。秀れたり」 そこで王仁を徴した。 翌年2月王仁来朝。 太子はこれに師事し、諸々の典籍に精通 [続きを読む]
  • 論語漫歩143 苛政は虎よりも猛し
  •  先進篇最終章読解第10回  我々は今子路篇第9章の孔子の三つの言葉 庶きかな これを富まさん これを教えん  の2番目「これを富まさん」の読解を進めている。「十分の一税」は「礼」の規定であり、天下の通法であった。その心は、民の財を豊かにすること、つまり「これを富まさん」であった。これが「礼」の精神であり、五経の一つ『春秋左氏伝』宣公15年に記されている。それにもかかわらず宣公はB.C.594年 [続きを読む]
  • 論語漫歩142 これを富まさん
  • 先進篇最終章読解第9回  前回我々は子路篇第9章の孔子の三つの言葉   庶(おお)きかな!  これを富まさん  これを教えん のうち、「庶きかな」について考えてみた。今回は二番目の「これを富まさん」について考えてみよう。 どうすれば人民を富ますことができるのであろうか。その答の一つが顔淵篇第9章にある。   哀公「今年は飢饉で、財政が逼迫している。打開策は?」  有若「税を10分の1になさいませ [続きを読む]
  • 論語漫歩141 庶(おお)いかな!
  • 先進篇最終章読解第8回  前回我々は冉有の謙虚について見た。彼は「求や退く」の孔子評通りの謙虚な人であった。司令長官として、大国斉との戦争に勝ったにもかかわらず、己の抱負の中に軍事能力は入れず、経済能力に限定した。  ここで、政治についてもう一章引用しておこう。今分析中の先進篇最終章と大いに関連するからである。それは子路篇第9章である。B.C.500年頃、孔子53歳、冉有24歳頃のことである。しか [続きを読む]
  • 論語漫歩140 求 斉に勝つ
  • 先進篇最終章読解第7回 前回我々は兄弟子子路の気炎に押されて、引っ込み思案の冉有がますます引っ込み思案の抱負をおずおず述べるのを見た。彼が主張した方六、七十里は伯爵の国で中規模、方五、六十里は子爵・男爵の国で小国である。公爵・侯爵の国を100として比較してみよう。  公爵・侯爵 大国 千乗の国 100 伯爵    中国      49 子爵・男爵 小国      25 ほぼ、倍、倍になっているこ [続きを読む]
  • 論語漫歩139 求なんぢはいかん
  • 先進篇最終章読解 第6回 前回我々は子路の壮大な抱負に孔子が大笑?するのを見た。今回はその続きである。 求なんぢはいかん 子路の勇ましい発言のあと、発言者がいなかった。そこで孔子は求(冉有)を指名する。ここで一つ疑問がある。孔子の指名があるまで、求はなぜ発言をひかえていたのであろうか。答は二つある。二つ目は後で出てくるので、それまで待つことにして、ここでは一つ目に触れることにしよう。先 [続きを読む]
  • 論語漫歩138 天下の英才
  • 先進篇最終章読解 第5回 前回、我々は子路の抱負を聞いて、孔子が喜びの笑い?を発するのを見た。ところで、同じ先進篇の第12章に、すぐれた弟子たちを見て「楽しむ」孔子の姿がある。前半だけ引用してみよう。  閔子側に侍す、誾々(ぎんぎん)恕たり 子路     行々恕たり 冉有・子貢  侃々(かんかん)恕たり 子楽しむ  ここには孔門の十哲が勢揃いしている。   徳行科の閔子  言語科の子貢 [続きを読む]
  • 論語漫歩137 英傑子路
  • 先進篇最終章読解 第4回  前回、我々は先進篇最終章の子路の抱負を聞いた。子路は超大国にはさまれ、その上戦争と飢饉に苦しむ大国をたった3年で勇敢かつ正義に溢れる国に生まれ変わらせて見せると胸を張った。  子路のなんという頼もしい姿であろうか。子路は大国の軍事のみならず政治、経済、教育の全分野をたったの1人で、しかもわずか3年で成功させてみせると宣言する。 幕末の志士たちは、命を賭して奮闘した [続きを読む]
  • 論語漫歩136 孔子哂(わら)う
  • 先進篇最終章読解第3回。前回孔子は侍坐する4人の弟子に抱負を問うた。すると、勢いこんでまっ先に答えたのは、例によって子路であった。  いきなり子路がお答えした。 千乗の国が大国にはさまれ、その上、戦争と、戦争が原因の飢饉によって国家存亡の危機にあるとします。私がこの国を治めたなら、3年もすれば早くも勇気と正義に溢れた堂々たる大国にしてみせます。 先生は哂われた。  千乗とは、戦車千台を出 [続きを読む]
  • 論語漫歩135 君の志は何か
  •  先進篇最終章は、論語500章中最大の章である。よって読解を数回に分ける。前回は場面設定、登場人物の紹介であった。子路・曾晳(せき)・冉有・公西華侍坐す今回からいよいよ内容分析が始まる。 子曰く、 私が君たちより1日年長だからといって私に遠慮することはない。平生君たちは世間が自分を認めてくれないとこぼしているが、もし認められ用いられたなら何がしたいか、抱負を述べてごらん。  「君の志はいかん」&nbs [続きを読む]
  • 論語漫歩134 ポンペイと先進篇最終章
  •  早速、先進篇最終章に入ることにしよう。我々はこの章の記録者にいくら感謝してもしきれない。なぜなら、ありし日の孔子と俊英たちの活きたままの姿をまのあたりにできるからである。 我々はポンペイによって2000年前の古代都市のタイム・カプセルをあけることができる。しかし、それは「形」だけを見ることができるのである。先進篇最終章はポンペイより更に500年古い孔子学園の生きたままの姿、「精神」にじかに触れることが [続きを読む]
  • 論語漫歩133 由や喭(がん)
  •  前回やっと先進篇第18章の子羔の分析が終わった。今回から同章の子路の分析が始まる。孔子の子路評。  由(子路)や喭(がん) 喭の解釈については諸家の説が一致している。  がさつ 不作法 粗野 粗暴  子路のこの性質を証明する章は論語に溢れている。我々にはそのすべてにつきあっている余裕はない。そのうちの2章のみを取り上げることにしよう。その前に、よく知られた、史記仲尼弟子列伝の孔子 [続きを読む]
  • 論語漫歩132 仁を好めども学を好まざれば
  •  我々は今「学」と「仕官」の先後問題を検討中である。 仕官の方を優先した鄭国の権力者・子皮は、   「我彼を愛す」 と、「愛」によって、未熟な若者に大邑を与えようとした。子路も同じであったらしい。大邑「費」、魯国最大の大都市「費」、叛乱の拠点となっていた「費」の長官のポストがたまたまあいたのをこれ幸いと、自分の可愛がっていた、未熟な子羔を長官に据えようとした。その無謀、その危険を孔子に指 [続きを読む]
  • 論語漫歩131 仕えてゆたかなれば則ち学ぶ
  •  前回、我々は五経の一つ『春秋左氏伝』の中に、春秋時代を代表する賢者子産の言葉を発見した。  学んで後に政に入る 今回は論語の言葉を見ることにしよう。子張篇第13章の子夏の言葉。    子夏曰く   仕へて優(ゆた)かなれば則ち学ぶ   学びて優(ゆた)かなれば則ち仕ふ これで全文である。「学んで余裕があれば仕官する。」これは孔子・子産と同じ。「学」が先で、「仕官」が後である。  [続きを読む]
  • 論語漫歩130 学んで後に政に入る
  •  我々は今、子張の入門動機の探究中である。単なる就職目当てか、それとも大きな目的のためか。仕官か学か。  前回、我々は若き子羔の費の宰就任問題で図らずもこの問題、学と仕官の問題に再会した。仕官(実地)が先か、学が先か。 その答えの一つが、五経の一つ『春秋左氏伝』にあった。襄公31年B.C.542年、鄭国の実力者・子皮の人事に春秋時代を代表する賢者・子産が異をとなえた話である。子産については、孔子も公冶 [続きを読む]
  • 論語漫歩129 子路 子羔をして費の宰たらしむ
  •  我々は今、柴(子羔(しこう))の人物の探究中である。    柴や愚 という言葉の中に、我々は愚かなぐらい誠実な愛弟子に対する孔子の深い愛情を感じる。虫や草木をさえ大切にする、深い仁愛の徳の持主である柴。そのたぐい稀な美質を輝かせてやりたい。その原石を美玉にしてやりたいという、孔子の深い親心を感じるのである。  「徳」が真の徳になるには、「直き心」すなわち徳という字の右半分のみでなく [続きを読む]
  • 論語漫歩128 柴や愚
  •  前回の続きである。柴(さい)(子羔(しこう))の人物について。孔子は言う。    柴や愚 と。いかに師であっても、これは少しきびしいのではなかろうか。いきなり    子羔は愚か者である というのである。古注『論語集解』は、この「愚」を「愚直」と解釈する。つまり子羔の人柄は、愚かなぐらい「真っ直ぐだ」というのである。「真っ直ぐ」が「徳」すなわち「君子」の本質であることを我々はよく [続きを読む]