坂東蚕 さん プロフィール

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坂東蚕さん: ロマン燈籠
ハンドル名坂東蚕 さん
ブログタイトルロマン燈籠
ブログURLhttp://peitipas.blog.fc2.com/
サイト紹介文幕末・新撰組刀剣アクションBLの連載始めました。他にもリーマン系・幼馴染み再会系(完結済)など。
自由文ほのぼの日常系/幼馴染み再会もの/リーマン系(強気受×俺様攻多め)/短編長編完結済&幕末・新撰組刀剣アクション新連載を公開しています。

参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供75回 / 330日(平均1.6回/週) - 参加 2016/04/19 17:42

坂東蚕 さんのブログ記事

  • 更新滞ってしまい、すみません
  • 【死か降伏か】連載スタート以来、たくさんの方に読みにきていただきありがとうございます。幕末という面倒な時代設定+BLらしいエロもない……。こんなんで楽しんでいただけるのか。迷いつつ、不安にかられつつ、でもやっぱり書いていて自分がいちばん楽しいので書いていました。ですが、今、ピクシブ文芸という投稿サイトに投稿している小説が、コンテスト〆切日までに最終話まで書けるかどうかの、ギリギリのデッドラインにお [続きを読む]
  • 死か降伏か 61
  • 「確かに私は今度の政変では、下げなくてもいい頭を下げて回らせられました。それもみんな、あなたが佑輔を使うだなんて言ったせいだ」 逆毛をたてた猫のように威圧する沖田の手から銃を取り戻し、千尋は伏し目がちに淡々と答えた。そうして、回転式の弾倉から弾をひとつ掌に受け、指でつまんで検分する。「こんな粗悪な弾丸では銃身を痛めます。いずれ発射と同時に暴発にもなりかねない」 苦々しげに呟くと、千尋は沖田の銃の弾 [続きを読む]
  • 死か降伏か 60
  • 「……と、いう様に」 息を凝らす沖田を見つめ、淫靡な微笑を浮かべたかと思ったら、千尋は沖田に向けた銃を下げた。「剣ではどうしたって敵わない間合いというものがあるのです」何の装飾もない黒い短銃の銃身を無造作に帯に差し入れて、含み笑いを続けている。「まあ、当たればの話ですが」「嬲(なぶ)らないでくださいよ。寿命が縮んだじゃないですか」 やっと、やらかわれたのだと沖田は悟り、肩で大きく息を吐いた。早鐘を [続きを読む]
  • 死か降伏か 59
  • 晴れ渡る秋空に、鰯雲(いわしぐも)が流れている。下草を踏み分けながら、沖田は一人で廃寺に分け入った。崩れかけた本堂の壁に弓用の的を張りつけて、後ずさりながら洋銃を右手で構え、的に向かって銃口を向けた。とはいえ、ほんの腕の長さほどの短距離だ。それでも見よう見まねで引き金を引いてみる。鼓膜をつんざく破裂音。肘から肩まで貫くような振動の重量感。それらの衝撃に耐えるため、無意識に歯を食いしばってしまうのか [続きを読む]
  • 死か降伏か 58
  • 「……何だ?」「これで千尋さんのステラテジー(戦略)は、完遂されたわけですね……」蔦屋を単身訪ねた折、通された座敷で千尋と久藤佑輔が密かやに英語で交わした会話の中、沖田は、この単語だけを聴き分けた。そして、後日その意味を語学に長けた宮迫に確認し、千尋が既に何かしら画策しているらしいことは、薄々感じていたのだが。「総司。蔦屋が何だ」 気の短い土方の声が怒気をはらんでも、沖田は自分の回想に浸っていた。 [続きを読む]
  • 死か降伏か 57
  • 蛇より執念深い土方が、なぜ急に見送るなどと言うのかと、目顔で沖田は問いかける。土方は苦りきって顔を歪め、憮然としたまま吐き捨てた。 「蔦屋は六万両で薩摩藩の藩内にある鉱山の掘削(くっさく)権を買ったそうだ」「六万両……っ!?」 沖田はさっと顔色を青ざめさせた。この土方をして、発言を撤回せしめた理由が瞬時に理解できた。 「ですが、どうしてそんな途方もない金が千尋さんから薩摩藩に……」「確かに、閉山寸 [続きを読む]
  • 死か降伏か 56
  • 坪庭で鈴虫が鳴いている。迷路のような家屋の回廊をめぐるうち、突き当たりの厠(かわや)の前で、うづくまる土方に気がついた。「大丈夫ですか?」 背後から声をかけると、土方は土気色をした顔をぼんやり上げた。沖田はそのまま土方の肩を組んだ。「総司」「店の者に空部屋を用意するよう頼みました。そちらで少し休まれるといい」 沖田は長身の土方を半ば引きずって、板敷きの廊下を歩き出した。遊女を呼んで遊興させる揚屋( [続きを読む]
  • 死か降伏か 55
  • 土方は酒があまり得意ではない。それでも、隊が初めて公(おおやけ)に功を成した祝いの席だ。酌を拒み、場を白けさせるのは本意ではない。副隊長に酌を拒まれたという恨みになっては、今後の士気にも関わるだろう。 土方は渋い顔をしながらも、隊士の酌は残らず受けた。一方の近藤は、両脇に芸妓をはべらせ、すっかり悦に入っている。近藤を間に挟み、土方の反対側に座る山南敬助(やまなみけいすけ)は、土方と同列の副長という [続きを読む]
  • 死か降伏か 54
  • しかし、長州藩も黙って引き下がってはいなかった。奪われた堺町御門を奪還せんとして藩邸に集結し、今すぐにでも兵を挙げ、そのまま討幕に討って出ようとするかのような一触即発の事態が続いていた。そんな長州藩と、会津薩摩両藩の落とし所を探るために、尊王攘夷派と佐幕派に対して中立的な立場を保つ鷹司卿(たかつかさ)が御所に参内した。「三万もの長州藩兵を、これ以上激昂させるのは得策ではない」 として、朝廷へ長州藩 [続きを読む]
  • 死か降伏か 53
  • 「上のことはわからんよ」 近藤は一刻も早く話を切り上げたいと、言わんばかりに手拭いで顔を拭うふりをしながら背を向けた。この男は学のない劣等感をこじらせて、柄にもない議論好きでも知られている。だが、根っこのところは『策略』嫌いな質なのだ。自分とは違い、きっとそんな面倒なことは考えるのも嫌だと訴えているに違いない。しかし、わかってはいても思わず怒気を浮かべた時だった。「やあ、土方さん。ほんとにお花畑だ [続きを読む]
  • 死か降伏か 52
  • 「そもそも、どうして薩摩は急に会津と手を組むなんて、言い出したんだ」御花畑の御門前まで移動した土方は、当然のように常に自分の隣ににいる朋友の近藤に、聞こえるように呟いた。薩摩は、幕府と朝廷の関係回復を画策する公武合体派ではあるものの、決して幕府を擁護する佐幕派ではない。薩摩藩主の島津斉彬(しまづなりあきら)は、自分の養女を十三代将軍徳川家定に嫁がせて、幕府内での発言権を強めている。そういう意味では [続きを読む]
  • 死か降伏か 51
  • 事実、正午過ぎに御所に到着した壬生組に、あてがう役目は皆無だった。未明の大砲で事態の異常に気がついた長州も、藩隊を組んで堺町御門に集結した。本来、彼らが警備を任されていた御門である。しかし、彼らが何をおいても真っ先に到着すると思われた堺町御門を固め、待ち構えていたのは、国内最大の軍事力を誇る薩摩藩兵だった。京都守護を仰せつかった会津藩ですらない。壬生浪士組局長の近藤は、不測の事態に激昂した。自分ら [続きを読む]
  • 死か降伏か 50
  • 八月十八日の政変の同日。正午過ぎに浅葱(あさぎ)のだんだら模様の染め抜きを揃いで羽織り、市中を行軍する壬生組の姿があった。総勢五十余名。火消しにも満たない頭数だ。先陣を切る近藤勇の籠手(こて)や脛(すね)当てのみの小具足(こぐそく)に、烏帽子(えぼし)姿という時代遅れの扮装が、都人の失笑をかっていた。 「いくら何でも遅すぎる」 千尋は傍らに添う佑輔に、いかにも悔しげに呟いた。路地にあふれた野次馬の [続きを読む]
  • 死か降伏か 49
  • 一八六三年九月三十日(旧暦一八六三年八月十八日)。午前一時。朝廷の伝統的権威と幕府の結びつきを強化して、弱体化した幕府の権威を立て直そうと画策する諸藩の藩主らと、気脈を通じる中川宮親王(なかがわのみやしんのう)が御所に参内した。続いて会津藩主の松平容保(まつだいらかたもり)。淀藩主で京都所司代の稲葉正邦(いなばまさくに)が、それぞれ藩兵を率いて御所入りし、九つあるすべての御所の門を閉じさせた。この [続きを読む]
  • 死か降伏か 48
  • 千尋の居室に番頭の花村が、英仏蘭露、支那語の新聞をひと抱えにして運び込む。文机いっぱいに広げた中から選別した記事を切り張りするのが千尋の朝の習慣だ。勤勉で緻密な性格だと、花村は思っていた。五ヶ国語分の手引きも文机に積んではいるが、千尋がそれを手にすることは滅多にない。 「申し遅れましたが……」と、花村は膝の上で着物の袖を繰りながら、言いにくそうに切り出した。「昨夜は久藤さんが泊まっていらっしゃるこ [続きを読む]
  • 死か降伏か 47
  • 日差しの強さは相変わらずでも、渡る風に秋の気配が漂っている。花村が、よしずに這わせた朝顔の種を摘んでいると、佑輔が重い足を引きずるように濡れ縁から庭先に降りてきた。「昨夜は、お休みになられましたか?」「無理ですよ」 佑輔は首の裏に手を当てながら、はにかんだ。昨夜は疲れた様子の千尋を早く眠らせてやりたくて、寝たふりを決め込んだだけだった。千尋はしばらく息を凝らし、天井をじっと見ていたが、やがて寝返り [続きを読む]
  • 死か降伏か 46
  • 「いいんですか?」 佑輔は目を見開いて問いかけた。元々千尋は眠る時、野生動物な何かのように近くに人がいることを極端に嫌うところがある。だから、こうして同じ部屋で寝ることを許されるようになっただけで、佑輔には大きな喜びだったのだ。「いいさ、入れよ。蚊帳ん中のほうが涼しいだろう」なんだかんだ言いながら、誰よりも佑輔に甘いのは自分なのだと、千尋は自嘲を浮かべていた。さすがに自分だけが蚊帳にいて、佑輔を畳 [続きを読む]
  • 死か降伏か 45
  • 路地に沿った通りの町屋の雨戸も閉ざされ、人通りも完全に途絶えた夜のしじま。ようやく家に戻った千尋は、ぬるい仕舞い湯で汗を流し、下帯姿に浴衣をだらしなく着崩して、急こう配の階段を上り切る。今日は早朝から才谷に会い、その後も一日中亰の町を駆けまわり、息も絶え絶えの疲労困憊になっていた。けれど、居室の襖を開けた刹那、覚醒したように目を見開いて身構える。「誰……」浴衣の帯に差していた脇差の柄に手を置いて、 [続きを読む]
  • 死か降伏か 44
  • 千尋は才谷のとまどいを読んだように破顔した。「大丈夫ですよ。お会いするとなれば、ちゃんと衣を改めますから」と、袴や袖の埃をはたいて落とし、苦笑する。「二条様が江戸にいらした頃に、非公式にですが御目にかかったことがあります。二条様は一人の人間が五ヶ国語を操るなんて信じがたい。この目で確かめたいと仰せになられて、私を御屋敷に呼んで下さったんです。一橋公もご一緒でしたよ。あの方も、珍しいものがお好きです [続きを読む]
  • 死か降伏か 43
  • 「会津と薩摩が手を組んだ以上、長州に勝ち目はないと、帝にゃ再三申し上げているようなんだが……」 宿と宿の狭い隙間に大柄の才谷が入り込み、板壁に背中を預けつつ、苦渋の色をにじませた。千尋のその後に続き、船場の喧騒も遠退いた。「このまま帝の勅旨(ちょくし)が得られなければ、長州藩を討つこともままならん。帝は大和国に行幸召され、長州は帝を奪い去り、帝を錦の旗にして一気に倒幕に討って出る。薩摩にとって最悪 [続きを読む]
  • 死か降伏か 42
  • 「おんし、どうしたがだ! いったい」と、才谷は船場に寄せられた高瀬舟に追いついて、泡を食ったように声を張った。ともあれ、舟縁から船場に降りようとする千尋に身を乗り出して手を掴み、千尋を手前に引き寄せる。そのはずみで千尋は才谷の厚い胸の中に倒れ込んだ。「……さ、才谷さん?」肩口に顔を埋めるように抱きしめられ、千尋は身動ぎながら当惑の声を出す。「なんちゃあ……。おまん……」千尋をこうして抱きしめていて [続きを読む]
  • 死か降伏か 41
  • 京の伏見の船着場(ふなつきば)で腰を下ろし、長々とキセルをふかす才谷(さいたに)の前を、鮨詰めの客をのせた高瀬舟(たかせぶね)が横切った。京の四条から伏見を経由し、大阪の堺まで行く高瀬舟は、物資の輸送をおもに行う。だから舟客を乗せていれば、それは島流しの沙汰を受けた重罪人の護送舟と決まっていた。その後手に縄をかけられて無精髭を生やし、やせ細った面相を晒す咎人(とがびと)の中に、極めて目鼻立ちの整っ [続きを読む]
  • 死か降伏か 40
  • 「あなたの話だと、私は会津藩に恩を売れば、壬生組からは解放される。ですが、今度は長州を敵に回すことになります。結局、誰かを敵に回すことになるんです。あなた方は朝廷を切り崩せずに、こんな子供まで政局の道具にしようとしている。違いますか?」「その心配は無用です」「なぜですか」 千尋が斜に視線を投げかけると、沖田はテーブルに肘をつき、顔の前で手を組んだ。この涼しげな若者にしては珍しく、狩りの最中のような [続きを読む]
  • 死か降伏か 39
  • 「中川宮親王(なかがわのみやしんのう)は、今上帝の妹宮であらせられる和宮内親王(かずのみやちかこないしんのう)殿下の将軍家ご降嫁という、公武合体(こうぶがったい)政策にも力を尽くしていらっしゃった。鎖国はお望みでも、倒幕は本意ではない今上帝の複雑な御心情にも理解を示され、今上帝からの信任も大変お篤い御方dす。宮の御言葉であれば、今上帝も御心を動かされ、長州藩の策略を退けて下さるかもしれません。そし [続きを読む]
  • 死か降伏か 38
  • 「下田港開港以来、開国に傾く幕府に反して、朝廷では攘夷(じょうい)論、つまり幕府を退け、天皇の権威を復権し、欧米諸国を撃退しようという鎖国思想が主流になっています。朝廷や公家の後ろ盾のほとんどが攘夷論者の長州藩であることも事実です。壬生浪士組を召し上げて下さった会津藩は、幕府より京都守護職を仰せつかっておりますが、鎖国思想に傾く朝廷や、公家の掌握には未だ至っておりません。ですから、長州藩の策略にも [続きを読む]