寝る前に さん プロフィール

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寝る前にさん: 寝る前に読む小話
ハンドル名寝る前に さん
ブログタイトル寝る前に読む小話
ブログURLhttp://blog.hatena.ne.jp/topnotch/
サイト紹介文寝る前に読む小話を紹介しています。
自由文寝る前に1分くらいで読める小話を陶工しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供365回 / 332日(平均7.7回/週) - 参加 2016/04/28 00:36

寝る前に さんのブログ記事

  • 見えない世界をみている彼ら
  • 小学生の頃、「新しい発音って世の中にあるのかな」と考えたことがあった。つまり50音で表現できない音だ。英語の授業で「ヴ」という発音を知って、「他にも、知らない発音があるんじゃないか」と思っての発想だった。そして、自分でいろんな発音をしてみたけれど、全部50音でカバーできる音だった。「日本語はすごいな」と思った。全部の発音を50音でカバーしている。その自分の考えが間違っているのに気づいたのは英語をきちんと [続きを読む]
  • 2021年、愚痴が世界を席巻した
  • 2021年、日本国民のストレス度は急速に高まっていった。経済成長の鈍化と少子化によるによる街の停滞感、それに伴う競争力の低下による賃金低下、オリンピックが終わったことによる脱力感。夢と希望を失った街は、世紀末さながらだった。そうして、人の愚痴は加速的に増えていった。上司の愚痴が増え、それが部下に伝達され、部下はその愚痴を聞くことで、さらにストレスがたまる。そして愚痴が増える。その愚痴はさらに部下や同僚 [続きを読む]
  • 思い出のスタンスミス
  • その靴の名前は「スタンスミス」といった。中学生の僕たちにとって、靴は「ナイキ」や「ニューバランス」とブランドで呼ぶのが一般的だった中にあって、スタンスミスはスタンスミスと呼ばれていた。アディダスとは呼ばれずに。テニスプレーヤーのスタンレーロジャースミスの顔が印字されたそのスニーカーは独特の個性を放っていた。フォルムはシンプルで高級感がある。なのに、顔が印刷されている。その両立がその靴の不思議な魅力 [続きを読む]
  • SMSをLINEと教わった子供
  • お母さんから「これがラインよ」と教わったものが、「ラインじゃない」と気づいたのは、中学生になってからだった。それまでぼくは、ショートメッセージをラインと教わってきた。テレビで緑のラインの画面がでた時に、僕が「あれライン?」と聞くと「あれは新しいラインだね」と言っていた。「そうなんだ」と思いながら3年間をすごした。ぼくは自分のラインが古いラインだ、と思っていた。お母さんがなぜ嘘をいったのかわからない [続きを読む]
  • 選べなかった青春の味
  • 青春ドラマなどをみていると、いわゆる「胸が締め付けられる」ような気持ちになる。自分が選ぶことのできなかった眩しい選択肢を見せつけられて「自分の青春とは違う」ということに気づく。そして、ドラマのそれ取り返そうにも今更遅いことに気づき落胆する。何より辛いのは、もう取り返せないものがそこにあると気づくことだ。現代、あらゆるものが再現性を持って手に入ることができる。それでも、時は買うことができない。古人が [続きを読む]
  • 1985年はどういう年だった?
  • 東京女子図鑑をAmazonプライムで見ていた。一部で話題になっているドラマで、もともとは雑誌「東京カレンダー」の連載だったもの。それが人気でドラマ化された。ストーリーを引用すると以下だ。主人公・綾が23歳で上京してから40歳になるまで、東京だからこその価値観や事象に翻弄されながらも強く生きる女性の人生模様を、その時々に暮らす街を背景に恋に仕事に、悩みつつも成長していく過程を描く。三軒茶屋や恵比寿など東京カレ [続きを読む]
  • バディ
  • 道を歩いていると、女の子が歩いていた。母親と2人で。女の子は大きめのぬいぐるみを持っていた。自分の身体の1/3くらいのぬいぐるみ。うさぎだろう。それを大事に持ちながらてくてくと歩く。母親の歩くスピードに負けないように。少しぬいぐるみを道にすりながら。「君はバディがいていいな」と思った。バディ。スキューバでは、2人1組で潜ることが多い。何かあった時に助け合うためにだ。その相棒のことをバディと言う。子供の頃 [続きを読む]
  • 思い出のC201H
  • 特別お題「おもいでのケータイ」最初に買った携帯はIDOのC201Hだったように思う。cdmaOne端末ということで鳴り物入りで登場した端末だ。音質が良いということで「携帯電話と気付かない!」という声も聞かれた。その電話につけていたストラップが原因で僕はミサコと仲良くなった。大学のサークルでたまたま一緒になったミサコが僕の付けていた犬のストラップを見て「犬好きなんですか」と話しかけてきてくれた。そんな彼女のストラ [続きを読む]
  • 自撮りブームに潜む罠
  • ここ数年、自撮りのブームがどんどん加熱してきている。FacebookやInstagramなどのソーシャルが台頭し、写真をあげる機会や場所、ニーズが高まった。人は行った場所で自撮りをし、承認欲求を満たす。そのための道具も生まれた。まるでゴールドラッシュのジーンズのように。最たるものが自撮り棒だろう。その棒があれば、自分の写真をひき目で撮ることができる。ディズニーや観光地ではおなじみのグッズだ。最近はスノボをしながら [続きを読む]
  • 笑顔
  • 電車に乗っていた。前の座席に座っている人たちを見た。みながみな、携帯かiPadを見ていた。1人は寝ていたけれど。「携帯ばっかりみてる」なんてつまらないことは思わない。ぼーっと電車の天井を見ているよりも、スマートフォンで2chまとめでも読んでいた方が楽しいと考える人がいたっておかしくない。しかも、素敵なことに、彼らの6人のうち2人がニヤニヤしていた。LINEで素敵なやり取りをしていたのかもしれない。それともボケて [続きを読む]
  • 同僚とランチ
  • 「何か食べたいのある?お肉だっけ」と僕は聞く。「お肉いいですね。お肉いきましょう」と彼女は言う。仕事でお世話になった同僚にお礼としてランチをごちそうすることになった。彼女のように「食べたいもの」がある人は助かるな、と思った。世の中の7割くらいの人は「何を食べたい?」と聞いても「なんでも」となる。もちろんそれはそれでいいのだけれど、お礼でごちそうするランチくらいは相手が好きなものを食べてもらいたいの [続きを読む]
  • いまいる場所を友達と共有するサービス「snapちょっと」
  • 先日、以下の記事が話題になっていた。?世界史サイトがすごい!紀元前4000年から、1年刻みで各国の国名と指導者が分かる! - Togetterまとめ従来、世界史は「西洋」「中国」といった形で場所にフォーカスして歴史を学んでいた。そのため、ローマ帝国がある時に中国がどうなっているか?といったことはわかりにくかった。しかし、上記のようなツールを使えば、「西洋でこの王様がいた時に日本は誰がいたのか」などを年代区切りで横 [続きを読む]
  • 戦う君の歌
  • まるで自分を切り売りするかの女性がいる。Twitterでシモネタなどの過激な発言をして注目を浴びる。あるいは、町中で奇抜な格好をして笑われる。彼氏に強がって振られてしまう。彼女がどこまで意図してやっているのかわからない。恐らく半分はわざとで、半分は天然だろう。危なっかしいと言えば危なっかしい。時には人に嘲笑され、あるいは、悪意をぶつけられ。「またやっちゃった」と彼氏と別れたら僕に連絡がきて食事をする。僕 [続きを読む]
  • 大人は秘密を守る
  • 椎名林檎が作詞作曲した最新曲に「おとなの掟」という歌がある。ドラマカルテットの主題歌となっている歌で、歌うのは、ドラマの演者さんたちだ。その最後のフレーズはおとなは秘密を守るというものである。- そうだよなぁと強く同意してしまう。大人は秘密を守るのである。逆に言えば、子供のころは秘密は守らなかった。守れなかった。つい誰かに言ってしまっていた。それは「タカシの好きな子、あかねちゃんだって」といった友達 [続きを読む]
  • 帰宅途中の家の灯り
  • いつも灯りが灯っている家があった。夏は窓を明けているからだろう。たまに笑い声も外に漏れてくることもあった。男はその灯りが好きだった。駅から遠い男の家。畑と空き家ばかりの帰り道。そんな帰宅途中にあるその一軒家の灯りは、男にとっての灯台のようなものだった。行き先を間違えないように見守ってくれる灯り。仕事で帰宅が遅くなった時もその家に灯りが目に入ると、「起きて待ってくれていたんだな」と、励まされた。薄暗 [続きを読む]
  • ホワイトデーって、大変やデー
  • いやー、大変やで。えらいことや。何が大変やというとホワイトデーやで。ホワイトデーってなんでんねん。調べたら、日本だけの習慣らしいな。お菓子やさんが仕掛けたんやて。商売うまいなー。やりよるわ。ただ、お陰様で、ホワイトデーって何をあげたらいいかわからへんようになってしまってるやん。マシュマロだの、クッキーだの、飴ちゃんだの。あめちゃんあげるいうたら大阪のおばちゃんしか思い浮かばへんな。あのおばちゃんら [続きを読む]
  • ひとつだけ忘れたいことを忘れる花
  • やさぐれて歩いていた。なぜなら恋人と別れたからだ。恋人と別れた男は、例外なく、やさぐれてあるく。道端に落ちている空き缶を蹴飛ばすように。月に吠えるように。すると、ぽつんと花屋さんを見かけた。普段ならあまり気にも留めないが、今日はそのまま家に帰るのも嫌で、ふっと除いてみた。マリコの好きな花は何だったっけな、と思い出したくもないことを思い出す。ユリ、バラ、チューリップと見ていると、1つ、不思議な花を見 [続きを読む]
  • 終電かタクシーか
  • 年度末だからか仕事が忙しい。忙しいからミスもしてしまう。すると更に忙しくなる。そんなことで、毎日終電帰りが続く。終電を逃さないうちは、まだ大丈夫、となんとか自分に言い聞かせている。でも、今日はとうとう終電を逃してしまった。そもそも、20時の時点で「あ、今日は終電が無理だな」と思った。今日中に仕上げないといけない仕事があまりにたくさんあったのだ。コンビニで野菜炒めとおにぎりを買って、もくもくと仕事を続 [続きを読む]
  • お腹が痛くなる呪われたスーツ
  • なぜこのスーツを着る時だけ、お腹が痛くなるんだろう、と思っていた。4回目にお腹が痛くなった時は、思わず「このスーツは呪われているんだろうか」とさえも思った。こういう時、どこにお祓いにいけばいいんだろう?と検索さえもした(お寺がいくつか見つかった)。でも、僕はこのスーツしかないから、スーツが必要な時は、このスーツを着るしかなかった。ストライプのグレーのスーツ。前に着ていたスーツのパンツが破れて買い直 [続きを読む]
  • 恋人とのNDA(秘密保持契約)
  • 付き合い始めた翌日に、「ねえ、NDA(秘密保持契約)を結びましょう」と彼女が言い出した時、最初は何を言っているのか理解でいなかった。NDAって、仕事でしか聞いたことがない。会社同士でお仕事をする時に、大切な情報などをお互い漏らさないように結ぶ契約のはずだ。「私はプライベートなことを他の人に知られたくないの」というのがマリコの言い分だった。会社では、”できる課長”としてクールな印象でみられているマリコの言 [続きを読む]
  • エレベーターの残り香
  • 残り香に魅せられていた。たまに自宅マンションのエレベーターで、その残り香があった。朝の出勤時や仕事から帰ってきた深夜に。甘く優しい香りで、仕事帰りにその匂いをかいだ時はとても癒やされたものだ。そうして、僕はその香りに恋をしていった。こんな匂いを身につける人はどういう人なんだろう、と。もしかしたら想像している人とは全然違うかもしれない。良い匂いを付けているからって、素敵な人とは限らない。あるいは結婚 [続きを読む]
  • 「写ルンです」で撮ったもの
  • 「写ルンです」が、いま改めて人気らしい。あのフィルムの雰囲気が良いのだろう。当時、使っていた人間からすれば、手巻きや現像のメンドクサさは懲り懲りだが、若い者には、それ自体が新しく珍しいのだろう。だから、温泉旅行に彼女が「写ルンです」を持ってきても、さほど驚かなかった。流行っているんだな、と。僕はミラーレス一眼で写真を撮り、彼女は写ルンですで写真を撮る。出来上がりの違いは面白い。旅行ではたくさんの写 [続きを読む]
  • to U
  • 彼女と別れた理由は何だったのか。うまく思い出せないのは、「これ」という理由が明確にはなかったからだろう。2年付き合うと、お互い倦怠感もでてくる。仕事で疲れている時はギスギスする。たまには喧嘩もする。かたや少し気になる人ができた。そうして、お互い会う頻度が減っていき、いつしか別れにたどり着く。それはまるで浜辺の砂の城のようで。何度か波がきている間に、気づけば砂は海にさらわれていく。知らない間に城が消 [続きを読む]
  • 遅れる時計
  • インターネットのサービスを使う時に、「IDを決めてください」と言われる時がある。たとえば、「taro218」みたいなものだ。そんな時に、ふと思い浮かぶ単語が「tokei(時計)」というキーワードだ。自分自身、時計にそこまで関心はないので「なぜ時計という単語が思い浮かぶんだろうな」と思っていた。最近はとうとう夢にまで時計が出てきた。僕は時計に追いかけられている。あるいは、時計は何かを訴えかけてきている。自分に何か [続きを読む]
  • 呪いの言葉
  • 世の中には、呪いの言葉がある。その言葉を言われると、人は動きが止まるという言葉だ。言われた方は、その言葉に苦しみ、寝る前に思い出し、あるいはシャワーに入っている時に思い出し、ひどく憂鬱になる。その言葉は時には数十年に渡って、人を苦しめるだろう。そんな人の長期的に苦しめる呪い。それが「あなたと出会わなければよかった」という言葉である。人は誰しも出会い、時には喧嘩をし、そしてまた別の道を歩いて行く。そ [続きを読む]