ゴーヤ さん プロフィール

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ゴーヤさん: ゴーヤのBL小説部屋
ハンドル名ゴーヤ さん
ブログタイトルゴーヤのBL小説部屋
ブログURLhttp://bittergourd.seesaa.net/
サイト紹介文「じれったい」がBLの真骨頂と信じて止まない管理人です!ある内科医と幼なじみの物語はじめました
自由文仕事柄、病院が舞台の小説が多いです。病院の裏の世界をのぞき見しながら、じれじれの二人をお楽しみください♪
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供228回 / 312日(平均5.1回/週) - 参加 2016/05/18 23:40

ゴーヤ さんのブログ記事

  • 僕のそばにいて(26)
  • またも沈黙。今度は少し居心地が悪かったが、それでも玄との時間を終わりにしたくなく、ぼーっと景色を眺めることにした。なにも考えずに、ぼーっと。そう思っていたのに、知らず知らず、隣に感じる玄のことを考えてしまう。さっきの話。玄は男子にしては異常なほど反応してきたが・・・玄だって男だ。そういうことに無縁なわけがないだろう。確かに無関係な世界に住んでいそうな風体でいるが、溜まらないわけはない。そういうように [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(25)
  • 「あー、困ってることあったなー。」「なんだ?俺に手伝えることか?」颯太は思いっきり悲しそうな表情を作る。「あのさ・・・。」それに引き寄せられて、玄も不安げな顔をする。「・・・溜まるじゃない?入院中って。」しばらく玄が不安げな顔のまま思案し、そしてだんだん意味が掴めてきたのか、顔を赤らめ始めた。「な、な・・・颯太、あんたな・・・。」「つらーいな。」語尾にハートマークが付くように首をかしげれば、玄の顔はこれ以 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(24)
  • 少しずつ暖かさから暑さがちらほら見えるようになった頃。颯太の入院も3ヶ月近くなろうとしていた。以前は昼でないと寒いからと休日しか散歩ができなかったが、最近は夕方でも寒くなく、平日の仕事終わりでも陽が落ちる前に仕事が終われば、散歩にでかけることができていた。その日も玄の仕事は大方夕方には終わったようで、いつもの病院の公園のベンチに腰をかけていた。「暖かくなってきたな。」「だね。」風がゆるりと2人の髪を [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(23)
  • 玄くらいの年の医者がどれだけの経験年数があって、仕事をしているのか全然見当もつかない。よく考えれば、玄に経験が少なくて危ないことを頼んでいたかもしれないのかと、今更思ったが、それはまったく無用な心配だった。玄の手にはまったく迷いがないことが、触られている感覚でも分かった。「玄くんに頼んで良かった。」「期待にお答えできて安心した。」すぐに布は取られて、そして玄と目が合った。マスクで表情ははっきりと分 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(22)
  • 颯太が処置室のベッドに横になれば、玄が準備を始める。清潔操作をするため、滅菌された手袋をパチンとはめた仕草がまた様になっている。「まずは消毒をする。」颯太の右首に濡れた綿球をすべらして消毒をした。くすぐったくて、颯太は肩をすくめる。「綺麗な布をかけるから。この上に手は出さないでくれ。」「わかった。」すると丸穴が開いた布をかけられた。顔全体を覆ってしまったので、ここからは視界がなくなる。すると一層、 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(21)
  • それでも少しでもそばにいたいという自分の気持ちは否定できなかった。何か少しでも玄と関わりたくて颯太は口を開いた。「あのさ、またここに点滴入れるみたいなんだ。」以前、首に刺した太い点滴をまた入れることになった。どれだけ食事が出来ない時期が続くか分からないから、そうしようと加藤から言われていた。「・・・そうか。大変だな。」玄は辛そうな表情をする。「ね、玄くんが入れてよ。」「え?」「玄くんに入れて欲しい。 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(20)
  • 「残念ながら、また腸に穴が空いてしまったようです。」加藤の言葉は暗かった。「ご飯はおあずけってこと?」「そう…なりますね。」加藤自身のことでもないのに、悲痛な表情を浮かべている。それに颯太は救われた気がした。振り出しに逆戻り。颯太は天を仰いだ。その日、玄は粉もフレーバーを持たずに現れた。「逆戻り。」颯太が言うと、玄は深くため息をつきながら、そばの椅子に腰かけた。「難儀なものだな、颯太の病気は。」「 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(19)
  • 「こういうのはどうだ?」ある日玄は、小袋を何個か持ってきた。「なにこれ?フレーバー?」「あれを飲みやすくできると、そんなシロモノのようだ。加藤先生には許可はとった。試してみるか?」「へぇ。そんなものがあったんだ、ありがとう、玄くん。」見れば、いちご。バナナ。りんご。と種類がある。「おぉー。久しぶりの味付き!」「残念ながら味はつかない。だが、匂いはつく。匂いがあると人間は味と勘違いするものだから、多 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(18)
  • 「分かった、分かったから。貸してみろ。」玄が折れたのを聞くと、パッと颯太は起き上がり液体を渡す。「その代わり、颯太も一緒に飲むんだ。」「えー。」そう言うともう一袋あった粉を玄が混ぜる。「2人で一気飲みだ。どんな味でも我慢して飲みきること。」「もうその言葉で恐ろしいんですけど。玄くんは飲んだことあるわけ?」「ない。ただ噂は聞いたことがある。」「・・・その噂については聞かないよ。」2人でコップを持って顔を [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(17)
  • 「昼から食事を開始しようと思います。」ある朝、突然主治医の加藤から提案された。「本当ですか?それは良かった。もうお腹と背中がくっつくところでしたよ。」「とは言っても、最初は液体からだ。栄養剤で、光島さんの病気でも負担のない成分になっている。」ついにものを食べられると言うことに、颯太の心は一気に跳ね上がった。もうどのくらい口からものを入れていないだろう。一気に口の中に、食事の味が蘇ってくる。寿司、焼 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(16)
  • 少し嬉しそうな玄の横顔が可愛くて、また無性に甘えたくなる。いつも着ている白衣を脱いで、シャツとスラックスの格好をしている玄の腕を颯太は掴んだ。「デートみたいでしょ?」「なにをバカなこと言ってるんだ。」驚いて離れようとする玄に颯太は困った表情を浮かべる。「玄くん。僕、久しぶりに外に出て、ちょっとフラフラしちゃってるんだよね。」そう言えば玄が許してくれるのは分かっていた。玄は複雑な表情を浮かべた後、結 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(15)
  • 「散歩でも…するか?」ある日、突然玄が言ってきた。「さんぽ?」「あぁ。もう颯太が入院して1ヶ月近く経つだろう?たまには外の空気でも吸わないか?」「外に出ていいのかな?」「もちろん病院の庭までだけど。看護師も俺と一緒なら良いと許しを得た。」「ほんと?すごく話がはやいなー。いいよ、いこ。」玄が言うように、颯太は入院してから外に出ていない。行ったとしても、玄と一緒に病棟にあるラウンジまでだった。入院した [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(14)
  • 「そ、颯太?」「眠れない。」「さっき、寝てると言ったではないか。」「あーあ、病気が不安で寝れないなー。」暗い病室で小声で行うやり取り。「不安な人間は、そんな言い方しない。」「泣いちゃいそう。ナースコール呼ぼうかなー。」「やめろ、看護師の迷惑になる。」そんなこと言いながら、玄は握られた手を離そうとはしなかった。徐々に暗闇に目が慣れて来て、玄の顔がうっすら見えて来た。玄も目が慣れたのか颯太の顔を見てい [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(13)
  • それから毎日のように、玄は颯太の病室を訪れた。朝と夕の回診とは別に、時に昼であったり、時に夜の遅めの時間であったり。忙しいであろう仕事の合間を見つけて、玄は颯太のもとに来てくれた。颯太の病気が治っているのか、そうでないのか。よく分からない日々が続いていたが、そんな鬱々とした気分を玄の来訪が、すっと晴らしてくれいた。まるで昔に戻ったように。颯太は毎日玄との時間を楽しみにしていた。しかし、そんなある日 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(12)
  • 「まだ飯を食べられていないのか?」「うん、もう2週間くらい。首にこんなの入ってるけど、痩せちゃったよ。」もっと逞しい腕だったんだけどねー。と言いながら、袖をめくって二の腕をさすった。玄がその腕をじっと見ているので、居心地が悪くなってしまった。「そんな見ないでよ。細い腕が好き?」「馬鹿を言うな。すまない。本当に痩せていたので、驚いてしまった。」颯太はそそくさと袖を戻し、なんとなく二の腕をさすった。「 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(11)
  • 「悪い、遅くなってしまった。寝ていたか?。」玄は宣言通り病室に再び来てくれた。ただし、夜ご飯も食べ終わり、そろそろ寝てもいいかなと思う時間ではあったけど。「待ちくたびれちゃったよ。」「すまない。色々手間取ってしまった。」「座ったら?」カーテン越してもじもじしているように見えたので、颯太はベッド脇の椅子を示す。「いや、そうだな…」そう言うと、ちらっと隣のベッドを見る。そうか、自分の患者がいる手前、話 [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(10)
  • 「・・・え?」その声は、どちらの声かは分からなかった。いや、おそらく2人とも出した声だっただろう。目の前に立っていたのは、見知った顔だった。いや、見知ったというには少し不安が残る。見覚えのある顔。ずっとずっと昔に、大好きだった顔。『げんくん』とそっくりだった。今の今まで忘れていたのに、その顔を見た瞬間に思い出がはじけて、颯太の中になだれ込んできた。毎日毎日、颯太は彼に会いたくて公園に通ったし、必ず [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(9)
  • 翌朝、いつものように陽の光で颯太は目を覚ました。静かな病室に酸素の音が響く。どうやら隣の神崎さんの容態は落ち着いたようである。そこで、いつものように戸が開く。「おはようございます。今朝は苦しくないですか?」「えぇ、なんとか。少し苦しいかな。」「薬をまた増やしました。少しの辛抱と思いますが、酸素の量を増やしましょうか。」いつもの声が颯太の朝をきらめかせる。颯太は目を閉じて、その声に聞き入っていた。い [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(8)
  • 「どうしましたか?」やっとナースコールから返答が出た。「501の光嶋だけど、神崎さんがすごい苦しそうなんだけど。」「え?すぐ、行きます!!!」その言葉の通り、看護師はすぐに現れた。「神崎さん、大丈夫ですか?」「く、くるしい・・・。」看護師はしばし思考してから、颯太を見た。「光嶋さん、申し訳ありませんが、このまま座らせて頂いていいですか。準備しますので!」「あ、はい。」そういうと駆け足で看護師は病室か [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(7)
  • ある夜、颯太はぼーっとテレビを見ていた。元々テレビをみるタイプではなかったが、入院してからテレビや小説などを好むようになった。おそらく自分の今の状態を、ちょっとだけでも忘れることができるからだろうと自己分析していた。芸人たちのやり取りは面白かった。すでに消灯の時間は越えているから寝なくてはと思いつつ、見てしまっていた。面白いと思う感情は残っている。それでも気付けば笑ってはいない自分がいた。ただただ [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(6)
  • ※投稿遅れました。すみません・・・いつの間にか寝ていたらしい。「大丈夫ですよ。大丈夫だから。私と一緒に頑張りましょう。」耳に馴染む声が聞こえた。「…うん。」自分の声に自分で驚いて、そして颯太は目を覚ました。一瞬自分の居場所や状況が掴めなくて、ひやりとした。そこでまた声が聞こえた。「お辛いのは分かります。あと少しの辛抱です…。」隣のベッドから仄かな灯りがカーテン越しに見えた。「はい…。ありがとうござ [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(5)
  • 「なんて名前だったっけ?ごま??」「ゴーヤン。変な名前だね。」病室に戻り、千景と向き合って先ほどの伝えられた内容についての話になる。携帯でゴーヤン病と調べれば、少しだけ分かりやすいサイトがあった。《難病指定疾患》。それに、含まれているらしい。難病…ね。そう思いつつ、千景に余計な不安をかけたくなく、そのことは触れなかった。千景はネットとかに弱いし、自分で調べるなんてしないだろう。「調べてるの?」「と [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(4)
  • ナース・ステーションで、加藤と颯太、千景が輪になって座る。「この2週間、色々検査をさせてもらい、結果が出ました。」そこで加藤がカルテをいじりはじめた。千景はまだなにも言われていないのに、すでに失神するんじゃないかと思うほど顔を青ざめさせて震えていた。そんな千景を何故か当人の颯太が肩を抱いてやる。「ゴーヤン病、と言います。」「ご、ごーやん?」「えぇ、そうです。」加藤が示したカルテの画面にも、ゴーヤン [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(3)
  • 「そーた!」突然名前を呼ばれて、うとうとしていた颯太が目を覚ますと、母親の千景がカーテンから顔をのぞかせていた。年来不肖で、やや濃いメイクと茶髪の千景が、颯太が目を覚ましたことを確認するといそいそと入ってきた。。「ごめん、寝てた?」「ごめんなんて思ってないくせに。」「だって。せっかく来たなら颯太と話したいもーん。」「いいよ。どうせ寝るしかしてないんだから。」いつの間にか寝ていたようで、胸の上に開き [続きを読む]
  • 僕のそばにいて(2)
  • それと共に颯太は目を開ける。来た来た。颯太は急に胸を高鳴らせて身構える。再び目を閉じて、耳をそばだてる。「おはようございます。お加減いかがですか?」「おはようございます。いいですよ。」言葉は颯太にかけられたものでもないし、答えたのも颯太ではない。隣の患者と医者の会話だ。それでも颯太は、いつも通り耳をすます。「ちょっと胸の音を聞かせてくださいね。息を吸って…はいて…。」そこで室内が静けさに包まれる。 [続きを読む]