灰谷/南山 さん プロフィール

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灰谷/南山さん: The Allium <創作BL小説ブログ>
ハンドル名灰谷/南山 さん
ブログタイトルThe Allium <創作BL小説ブログ>
ブログURLhttp://thealliumbl.blog.fc2.com/
サイト紹介文M大学という架空の大学の軽音サークルを中心にしたBL小説です。2人で書いてます。(※18禁)
自由文現在、俺様天然先輩×目つきの悪い後輩の話がメインです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供106回 / 309日(平均2.4回/週) - 参加 2016/05/21 12:42

灰谷/南山 さんのブログ記事

  • Feinting [5]
  • 行彦は出番が終わって、次の指示を出してからフロアに出た。時々インカムに入る声で状況がなんとなくわかる。特別問題はなさそうだったので、2組目が終わった後も楽屋に戻らずにいたら、トシオが声をかけてきた。ピカピカの革靴に、スーツ姿で。ネクタイはさすがに少し緩めている。反対の隅の方にいたらしい。「今回の仕切り、ユキがやってんだって?」「そうなんすよ。今年の部長は面倒なこと押し付けてくるんで」「出来るからや [続きを読む]
  • Retreat [3]
  • 渡は目を覚まして、目を擦る。自分の部屋と違い、片付いたワンルーム。座り心地のいいロッキングチェアと、小さなパソコンディスク。壁には少し大きめな風景画。キッチンから、トシオの姿が戻ってきてベッドのそばにロッキングチェアを寄せて座った。膝を抱え缶を開ける。「飲む?」渡は首を振る。オレンジ色の小さな灯りだけがついていた。その灯りを背にして座るトシオの表情は、見えない。身体を起こして毛布で肩を包む。「送っ [続きを読む]
  • Transition [5]
  • 2人が腰をおろせるスペースを作っておいた。トシオは窓をまたいで渡の部屋に入ってくる。袖で口を隠したが、笑っているのはバレバレだ。「相変わらずきったねーな」その一部に腰を下ろす。周りには脱ぎ散らかした服と雑誌と張り替えた後の弦と、飲みかけのペットボトル、飲み終えたペットボトル、もう必要のない雨露祭のチラシ、タブ譜の束。「雨露祭、どーだった」トシオはギグバッグからベースを出して前に抱える。「良かったで [続きを読む]
  • The reason why
  • なにを言われているのかわからないふりをして、ジャパニーズスマイルで相手を戸惑わせてると、後ろから加賀見がやってきた。すると相手は『また来るよ』と言って、やっとレジを離れた。「どうしたの?クレーム?」加賀見は明希哉の顔を覗き込む。「あ、いや、たぶん違います…」「んー?フランス語だった?」「そうですね。でも早口でよくわからなくて」明希哉はため息をつくと、レジのドロアをあけた。客のいなくなった後でレジを [続きを読む]
  • our song 〜Beautiful world〜
  • ←our song 〜Love in the cellar〜 [上]前後を男に挟まれて歩く廊下は、狭苦しい。綺麗に剪定された庭を通り過ぎ、奥の座敷まで来て、前の黒服が止まる。「開けてよろしいですか?」「どうぞ」中から、落ち着いた声がした。男が開けた障子の先には、白い着物を着た、女。「どうも」関根が笑うと、彼女は嫌そうに顔をしかめた。「下がって」その言葉に、男二人が頭を下げて廊下を戻って行く。元上司の妻、というのは、それほどに [続きを読む]
  • Troubled guy [下]
  • 「中江、っつーのな」服を投げ捨てながら、三田が言った。十馬は、細い体を見下ろす。せっせと食べさせているのに、三田の胸には未だに肋骨が浮いている。「誰?」「だれ?じゃねーよ」可愛らしい恋人は、毛を逆立てた。「タカヤに聞いた」「ほお」「お前最近、アイツとばっか、連んでるんだって?」スウェットのズボンを脱いで下着だけになった体を、十馬はベッドに押し倒す。それだけで三田は、「ふ…」と甘ったるい息を吐いた。 [続きを読む]
  • as you can see
  • ←前作『sanctuary』「ただいま」枯れた声にフクが振り返る。「おかえり」四つ這いで彼の元に向かうと、春人は仰向けになった。「久々に飲み過ぎたー!」日本の大学生生活に合わせていたらなかなか酒を飲む機会がなかったのだが、内輪の新年会に呼ばれて飲まされてしまった。危うくなったところで抜け出してきた、というのは報告する必要はないか、と思う。フクはテレビでサッカーの中継を観ている。小さめの音量で聞こえてくるス [続きを読む]
  • Suspension [7]
  • 学校帰りにトシオと会うことになった。待ち合わせた喫茶店に行くと、天海もいた。「2人っきりで会ったらまた変な噂たつだろ」「ちょっと?そんな理由で俺のこと呼んだの?」天海のツッコミにトシオは笑っている。「すんません」渡も苦笑して謝る。「こう見えて結構忙しいのよ?」「まー、奢るから飲めよ」天海の肩を抱いて無理矢理紙カップを口に寄せる。「コーヒー1杯じゃ足りないっしょ!」そう言いながらトシオの手ごと紙カップ [続きを読む]
  • Discipline [8]
  • それは、雨露祭の直前だった。高校の時の友人たちと会っていて、帰りが遅くなった。酔っ払っていい気分で、二駅分を歩いて。安っぽい街灯のついた商店街を、自宅マンションに向かっていた。途中、ワタルの部屋の前を通りかかった時だ。裏口からトシオが出てきて、その後をワタルが。固まった行彦に、トシオが先に気が付いて。わざとらしくワタルの首に腕を回して髪を撫でた。「ワタル」行彦が名前を呼ぶと、ワタルは顔を上げた。「 [続きを読む]
  • as ice [下]
  • 冬合宿の夕食後は、ほぼ毎日宴会だ。三日目の今日は、ずっとキンの隣にいたタカヤが、アキの横で話し込んでいる。セイジは明言しないが、来年の部長はセイジで、副部長は、タカヤだ。二人が話し込んでいるおかげで機嫌が良い人が一人と、悪い人が、一人。良いのは、キンの横を独占出来てる中江で、悪いのは、タカヤと全然話せない、ヘイゴ。楽しく観察している視線の端で、ハルトが気配を消しながら部屋を出て行く。バイトの男と話 [続きを読む]
  • Bad habit [4]
  • 週末の練習の後。5人揃ってファミレスに寄る。席について注文を済ませ、尚彰はTwitterでアイスホッケー部の速報をチェックした。「また、負けちゃった?」覗き込んだヒデオに言われ、眉を下げる。開幕2連勝の後、3連敗だ。「来週は、いってあげたら?」ソウイチがそう言って、尻を滑らせドリンクバーに向かう。その後を、残った3人の注文を聞いたセイジもついていった。「うーん…」自分たちがいった試合から負け続けてることと、 [続きを読む]
  • anything but you
  • ←前作『All along』仁輝はベッドの下に手を伸ばした。「空…だったけ?まだ残ってだと思ったけど」パソコンのまえにいたアキが振り返る。「そ、それは…」明らかに動揺するアキに、仁輝は目を眇める。「どゆこと?」四つ這いでアキのもとににじり寄る。「それはっ」アキは背中を背もたれにピタリとつけて後退る。「正直に言いなよ。怒らないから」少しだけ殺気を収めて、口だけで笑う。「合宿に持ってったんだよっ!なにがあるか [続きを読む]
  • shot glass
  • 「15!!」叫んだ三田が、空になったショットグラスをテーブルに叩きつける。タンっといういい音が、フロアに響いた。「じゅう…ご…」向かいの男は、半分ほど液体の残ったグラスを、机に溢す。虚ろな目は、既に周りをとらえていない。「俺の勝ちだ!」叫んで立ち上がった三田が、ふらりとよろける。見守っていた永井と十馬、それに恭也が、同時に手を差し伸べた。三田は十馬の腕をちゃんと選び取って、その胸に体を預ける。崩れ落 [続きを読む]
  • dancing on the… [下]
  • 「どーもー!トライアンドエラーでーすっ」ハウリングするほど、大きな声。恭也は、彼のテンションを上げさせたことを、後悔した。うるさいボーカルにライトを当てながら、楽しそうな様子に苦笑する。「今年の目標は、カッコイー曲やろーってことで、カッコイー曲やります」ハハハという調子外れの笑いは、彼が美形だから、辛うじて成立する間合いだ。恭也はハラハラしながら舞台を見ていた。「後輩に、カッコイーって、思われたい [続きを読む]
  • Man Of the Match
  • ←前作『Kiss from charisma』へ9月の晴天は、まるで季節を夏に巻き戻したかのようだ。恭也は、サッカーグラウンドへ足を向けた。背の高いナイター塔が見えない内から、空には騒がしい声援が響き渡っている。声を目指して行くと、サッカーグラウンドでは既に試合が始まっていた。赤いユニフォームが、M大サッカー部。相手チームは、緑色だ。そして、ゴールの前で一際大きな声をあげている黄色が、恭也の友人、緒嶋桂三だ。「サッ [続きを読む]
  • I kiss you [4]
  • ニキに話せそうなタイミングはあったが、結局言わずにその日の夜を迎えた。こうして皆でいる時のニキは、一切それらしいそぶりをして来ない。それは明希哉にとって安心でもあったが、不安要素でもあった。だから、ソウイチとのことをあえてニキに言うこともないのかもしれない、と思った。身体だけ、と割り切ってる、のかもしれない、とは未だに度々思うことだ。…たいした身体ではないけれど。温泉戻りの車を、ソウイチは外で待っ [続きを読む]
  • summer camp [8]
  • 呼び出されたキンは不思議そうな顔をした。だが、恭也の濡れた服を見て、「水遊びでもしてた?」と笑う。恭也は、引きつった笑みを返した。「俺の好きにして良いって?」倉庫の前で、キンがアキに確認する。「彼らはスーパーシードのファンだから、バンドの一員であるお前が、礼儀作法を教えてやってくれ」アキの言葉に、キンは髪をかき混ぜる。そして、チラリと恭也を見た。「おれ、思ってる以上に優しくないけど…」その言葉は、 [続きを読む]
  • Goldfish
  • →前作『disembroil』「イヤに念入りだな」いつまでもうがいをやめない恵成に、敦が言った。ムッとした表情になってしまったのは、罪悪感のせいだ。身体を拭いていた敦がバスタオルを腰に巻くのを、鏡越しに見つめる。後ろを通り抜けようとするのを振り返って引き止めた。無理やり壁に押し付けてキスをする。唇の感触を帳消しにしたくて。講座終わりで『カラオケ行こう』とケンヤとタイガを誘った。慰めるつもりが、『そんな気分じ [続きを読む]
  • liberty
  • 一ノ瀬の部屋は「駅から徒歩10分、東向だから朝日しかあたらねーし。それも一階で隣に家があんから夏だけなー」という物件だ。四年の夏になっても就職先が決まらなかったが早々に契約社員での仕事に決めた、というのもさっさと実家を出たかったかららしい。仕事と住まいの条件を下げてでも『実家を出る』事が最優先事項だったのだ。「3年経ったら転職活動しようと思ってたんだけどなー」と言っているところを見ると、転職する気は [続きを読む]
  • Calm
  • 午後から酷くなった頭痛を(表向きは)心配して一緒に帰ってきてくれたニキの膝の上に頭を乗せて、薬を飲んでやっと落ち着いてきたところだった。眠りかけていた時にスマホが震えた。合宿に行っているはずの、ヘイゴからの着信。『なんか、聞いてるか?』前置きなしで言われるのは大抵タカヤに関することだ。痛む頭を忙しく回転させて、何か言われたかなと思い出す。「なんか、あった?」思い出す時間を稼ぐ方法も考えつつ。嫉妬深 [続きを読む]
  • flying bird [18]
  • リムは、電話に出なかった。電車を降りてアトリエに行ったが、鍵のかかってない家の中にも、姿は無かった。今朝目覚めた部屋には、青い絵の具のチューブが転がっている。重内は暫く、その絵の具を見つめていた。彼はどうして、自分の背中に翼なんて、描いたのだろう。駅を出て少し歩くと、周りを緑に囲まれたキャンパスの入り口が見えた。スーツの重内は、正門の前で立ち止まる。M大文学部と、リムは言っていた。だが、彼がキャン [続きを読む]
  • sea glass
  • 海岸沿いにバイクを停めて、二人は砂浜に下りた。「さっむ…」ボヤくタカヤは、ダウンジャケットの脇に交差した手を挟んでいる。指先が冷えるのだろう。「だから、ツーリングなんて冬にするもんじゃねーって言ったろ」「海に行きたいって言い出したのは、ヘイゴさんの方じゃないですか」言い返すタカヤの唇は青く、震えている。抱き締めて熱を分けてやりたかったが、殴られる気がしたので、やめた。冬の浜辺には澄んだ空気が満ちて [続きを読む]
  • Storm [9]
  • 部屋でゆっくりした後、二人はファミレスに行った。ハンバーグを四つ食べたヘイゴは、そのまま電車に乗って合宿所に戻った。恭也は、部屋に帰る。少し歩くだけで汗ばんだ体に、シャツが張り付く。恭也は直ぐに、エアコンのスイッチを入れた。窓の向こうのバルコニーでは、タオルケットがはためいていた。恭也はベットに座り、ヘイゴが片付けなかったコンドームの箱を手に取る。半ば無意識に、中を確認した。疑い深い恋人のせいで、 [続きを読む]
  • Footsteps of the death [14]
  • 病院の自動ドアをくぐると、丁度アツシがこちらに向かって来る所だった。どうやら、午前中に来ていたらしい。「どうですか?」ハヤトの容態を聞くと、にっと笑った。「酒が飲みたいとか言ってたから、叩いておいた」「それは…ご苦労さまです」極度の脱水症状で病院に運ばれたハヤトは、翌日には意識を取り戻した。付きっ切りだったケイトを一度家に帰らせたのは、アツシだ。そしてあの日、現れた刑事に話をつけてくれたのも、アツ [続きを読む]
  • Beware of bear
  • ←前作『control』へ一限目の終わりを告げるチャイムの音がして、英雄は顔を上げた。弦から指を離して立ち上がると、離れた場所にいた先輩も同じように腰を上げる。ギターをケースにしまって鞄を背負うと、丁度、部屋を出るタイミングがかぶった。足を止めて先を譲った英雄に、山谷は苦笑いをする。そして、仰々しく手の平を上に向けて先に出るように示す。英雄は微笑みながら頭を下げると、先に廊下に出た。部室棟の廊下には様々 [続きを読む]