対中強硬姿勢こそが平和への道。中国の戦略分析には必読の書。 『中国4.0』(文春新書)エドワード・ルトワック
中国という困った隣人は一体何を考えて行動しているのだろう。それを分析した元シンクタンク上級顧問の書である。 ルトワック氏によると20世紀末から21世紀初頭にかけて、中国は世界の市場に平和的な形で参入した。氏はこの戦略を「中国1.0」(チュウゴクではなくチャイナと読みます)と呼ぶ。そして、それは極めて優れた戦略であり成功するかに見えた。 ところが、2009年にリーマンショックが起き、西側諸国のダメージを見てとった中国は、対外強硬路線に国家戦略を切り替える(これが「中国2.0」だ)。その直接的理由はゴールドマンサックスが予想した「今後(2009年)10年で中国の経済規模は米国を抜く」という予測だっ…
2016/07/04 11:13