読書の森 さん プロフィール

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読書の森さん: 読書の森
ハンドル名読書の森 さん
ブログタイトル読書の森
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/airport_2014
サイト紹介文物語を読むのも書くのも大好きです。読書感想、創作、エッセイなど綴ってまいります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供320回 / 365日(平均6.1回/週) - 参加 2016/06/04 20:36

読書の森 さんのブログ記事

  • 付記
  • 先般の『運鈍根』については、やや無理のある展開になり、申し訳ありませんが削除致しました。個人的問題については未だ決定はしておりません。困難は覚悟の上でございます。ただし、自分の反省すべきは熟慮せず即行動に移したり、言葉に出したりする事です。タイミングが良ければ、非常に上手くいきます。しかし、露骨な悪口を当の相手にぶつけるので後悔しきりです。この場を借りて傷つけた方々に深く深くお詫び致します。ツイッ [続きを読む]
  • 運鈍根
  • ブログのお休みという約束を実に脆くも破ってお恥ずかしいです。ただ、多分今現在、政治に関心があるとないとに関わらず、迫り来る脅威に不安な時期だと思います。私が不安だからだけかも知れませんが。その不安をどう私なりに捉えるか、それを付け加える必要があると思ったのです。「怖いですねえ、どうなるのでしょうね?」などと額を寄せ合うよりも「安室奈美恵はどうして引退するんでしょう?結婚するのかな」とか呟いてた方が [続きを読む]
  • 見其現在果
  • 大型の台風が近づいております。最近の自然は慈雨の優しさよりも、豪雨の無慈悲さを発揮しているようでございます。人間まで今の自然に感化されてしまったのでしょうか。残酷な社会現象の多発する世の中となりました。読んで頂いてる皆様、本当にいつも有難うございます。事情があり不本意ながら、ツイッターをログアウトし、かつ自分の写真を全て削除致しました。かなり寂しくなりました。さて、今日の「見其現在果」というのは平 [続きを読む]
  • 今を生きる 続き
  • 人間の幸福とは何かと、若い世代が真剣に議論してる事に私は感動してる。今まで、町で見かける若者の表層しか見ていなかったと反省もした。それほど、石川医師が引用した第三の幸福という言葉は人生の真理をついていると思えた。幸福とは1、楽しい快適な状態を保つこと。2、生きがいを持ちそれを成功させること、現在一般にはこの二つが考えられている。しかし、どちらにも属さない幸福がある。それは今の目を無心になって成し遂げ [続きを読む]
  • 今を生きる
  • 小説すばる9月号に、若手医師と若手登山家の対談が出ていた。実に心が洗われる気がした。若手と言っても1980年代生まれの油の乗り盛りの人材だ。医師石川善樹は予防医学が専門家。登山家栗城史多はインターネット中継でエベレストなど登頂、凍傷で指の殆ど無くしながら情熱を絶やさない人である。自分より遥かに若手の対談という事で、私は軽みを予測していたが見事に外れた。お二人共、実に人生を正攻法で歩んでらっしゃる。そし [続きを読む]
  • こいしくて
  • 「ふたつ文字(こ) 牛の角文字(い) すぐな文字(し) ゆがみ文字(く)とて君はおぼゆる」これは、後嵯峨天皇の皇女悦子内親王が詠んだ。カッコ内の平仮名は、後年付けられた注である。非常に巧みに恋心を詠んでいるが、私には、真情よりも技巧に走った歌の印象が強かった。単に、昔の人は言葉に関する感覚が非常に細やかだったと感心していた。しかし今、この歌から想像する詠み人の心境は違ったものである。詠み人は皇女である。 [続きを読む]
  • 愛したいのに 最終章
  • カーテンの隙間から薄い光が漏れていた。夜が明けたのだ。ろくに眠っていないのに佳代の頭は冴えていた。まるでジグソーパズルを全て埋め終わった様に、毅の行動の真意を理解したからである。離婚の話を聞いても、毅はまるで取り合わなかった。その場は有耶無耶で終わったのである。佳代は不完全燃焼の思いを抱えながら、表面上は変わりなく過ごしていた。ただ、眠れぬ日々が続いて、医者に睡眠薬を処方してもらっていた。毅は明ら [続きを読む]
  • 愛したいのに その9
  • 園山は毅より10歳年下の爽やかで俊敏な印象の男だった。幼い時に両親を亡くし独身という。素直で仕事の呑み込みが早いところを毅は気に入ったらしい。境遇が似ているのも親近感を呼び、彼は度々部下を家に招いた。言われた通りに、佳代は家庭料理でもてなした。園山の旺盛な食欲はかっての夫を彷彿とさせた。夫と異なるのは、彼がいかにも健康な青年だという事だった。時々眩しげに佳代を見る目付きも、何かの拍子に手が触れて赤く [続きを読む]
  • 愛したいのに その8
  • 「もう止めて!」佳代は耳を塞いだ。抱かれなくてもいい、こんな話を聞くのよりずっとマシだった。毅は項垂れた。「結婚すれば何かが生まれて、大好きな君を抱けると思った。だけどその日を迎えると嫌で仕方ない。こんな俺を許してくれ。後は君の好きにしていいよ。償いはする」その声は話した後悔で掠れていた。何を言っているのかと佳代は思った。今更、この場で別れれば、笑い者になる。事情を説明して傷つくのは両方である。「 [続きを読む]
  • 愛したいのに その7
  • 毅は言葉を選びながら昔語りを始めた。二人の生まれ故郷の町で、教師だった毅の父親は若くして亡くなった。毅がまだ6つの時である。母は、隣町にある保険会社の外交員として働き、一人子の彼を育てた。母はスラリとした容姿と華やかな美貌の持ち主だった。打てば響く感の良さと、キビキビした動作が好感を持たれ、客がついた。毅にとって自慢の母であり、他に係累の少ない彼にとって唯一無二の頼れる相手だったのである。彼が高校 [続きを読む]
  • 愛したいのに その6
  • 卒業後、毅は希望通りに外資系企業に入った。佳代は志望の会社を落ちて、自動車部品を扱う小規模の会社に入った。彼は実力を発揮して順調に出世コースを歩む。一方佳代は仕事に対して不完全燃焼のままでいた。毅との交際は順調である。結婚の約束もした。彼女は寿退職する事になる。佳代は何度か迷った。これは私自身の人生ではない、と。しかし、馴れ親しんだ人との穏やかな空間から、たった一人で外の世界に放り出されるのが怖か [続きを読む]
  • 愛したいのに その5
  • ご馳走の約束は守られた。秋深い休日の昼間、毅は佳代の住むアパートを訪れた。清潔に整えた部屋の真ん中に小さなテーブルを据えて、佳代は湯気の立つカレーと野菜サラダを並べた。毅は小気味好い食欲を見せた。佳代が聞きたいのは、丁寧に作った料理の感想だった。「おっ、ポプラがこっちの窓から見えるんだね。僕木の中でポプラが一番好きなんだ」毅は凡そ見当違いの言葉を出した。がっかりしてむくれた佳代に気づいて「どうした [続きを読む]
  • 愛したいのに その4
  • 大学の同級生だった毅は一見取り付く島がない印象だった。無愛想で無口で話しかけても最低限の答えしか返って来ない。仲間とつるむ事もなければ、女性に興味を持つ風でもない。佳代は地方の小さな都市から上京して大学に入った。その頃の彼女は、朗らかでお茶目な女子生徒だった。当時は容姿もさほど目立たず服装も洗練されなかった。ただ張ちきれんばかりの若さが彼女を輝かせていた。都会の真ん中でバリバリ働く夢に萌えていたの [続きを読む]
  • 愛したいのに その3
  • 確かに、外資系のIT会社のやり手の部長として桑山毅はまとも過ぎる程、まともな男だった。仕事は几帳面で、人に対しては鷹揚で、会社での評判は極めて良かった。20年近く連れ添った妻、佳代との間に子供は居なかったが、来客の多い明るい家庭に見えた。「幸せね、佳代。桑山君は優秀だし優しいし、お金には不自由しないし」かっての級友の朋子が羨ましげに言った事がある。早春の柔らかな陽の光が降り注ぐ居間での事だった。その時 [続きを読む]
  • 愛したいのに その2
  • 村井が感情を露わにした事で佳代に余裕が出来た。「なんで夫は殺されたと、しかも私が犯人だと決めつけるのですか? 最初は事故だと片付けて、お葬式をあげた後から事情聴取するなんて、どういう事ですか?」今度は村井が佳代を睨みつけた。「奥さんがご主人の部下と不倫したという内容のメールが此方に届いてからですよ。一応調べました。奥さん、その部下の園山さんと度々電話してますね。それから最近ご主人を高額の保険に入れ [続きを読む]
  • 愛したいのに その1
  • 「だから何遍言ったら分かって頂けるんですか?私は夫を殺してません!」白い頬を震わせて、桑山佳代は悲鳴を上げた。取調官の村井はずっと能面の様な表情を崩さない。佳代は取調室の明かりが一瞬暗くなった感じがした。目眩が襲ったのである。「別に奥さんが殺したとは言ってません。ただ、事故や自殺にしては辻褄の合わない事が多いからお聞きしてるんです」村井は舌舐めずりした。「まず、現場は宿の裏の渓谷だ。客か関係者以外 [続きを読む]
  • 朝の物語、夜のお噺。
  • 学生時代、「毎晩お話を作ってそれで安心して眠れるの」と漏らした事がある。それを聞いた後輩の男の子「嫌らしいな!嫌らしいな!」と囃し立てた。一瞬何が嫌らしいのか分からなかったが、次の瞬間「そっちの方が嫌らしいよ!」と怒りかけて言葉を飲み込んだ。その後輩はいかにも頑丈そうで、口も悪く、勝ち目が無かったからである。当時の私の頭の中で作ってる物語とは、かなり安易で子供っぽいロマンスだった。現実では恋しい人 [続きを読む]
  • 読み方
  • 前回はかなり後味の悪いエッセイ、露悪的なエッセイを載せたがそのままにしておこうと思う。今日は、自分の為の口直しかも知れないが、口直しをしたい。新聞や雑誌、書籍の読み方は人によってそれぞれである。今ならば、スマホの見方も人によって違う。新聞を一面から順を追って丁寧に読み、おまけに最後は元の形を崩さず畳む人がいた。難病で入院した独身女性だが、気持ち良い程知的な顔立ちをした、いつも落ち着いた佇まいの人だ [続きを読む]
  • 三角関係 後編
  • 私は例によって一筋の(それにしては色々好きになったが、その時点では1人)恋をしていた。相手はかなり警戒してきて、冷たいのである。ところがこの私を盛んに誘ってくれる人がいた。飲みに行ったり、どっかへグループで連れ出したり、大体自分の目的から言えば鴨ネギの相手である。こういうタイミングがどうも私は絶妙に下手。報われない好きな相手がいるから、積極的に誘う相手に心がいかない。さて、その時私はいつも行動を共に [続きを読む]
  • 三角関係 前編
  • 書評を書いて、気がついたのはいわゆる三角関係になってるのに、相手に対するドロドロの感情には全然触れてない事である。これは、多分青羽悠君にとって実感がなさ過ぎて思いつきもしなかった感情ではないだろうか?実は、私も大学一年生に至るまで三角関係という事態になった事がない。人を好きになった事は何回もある。皆失恋だったけど。一番迂闊なのは相手を好きな人がいるという事態を想定していなかった。実際、好きな相手に [続きを読む]
  • 青羽悠 『僕らの距離の測り方』後編
  • 題名の『僕らの距離の測り方』は、最初から作者が意図して付けたものかどうかは分からない。しかし、この題名は青春期の悩みを言い得て妙である。人との距離の測り方は近寄り過ぎて失敗すると取り返しが付かない。ただ若い時代に客観的に冷静に考えて取れるものではないと思う。普通、人間は成長するに連れ、人との距離を適当に測るのが上手になる。中にはかなりそれが下手な人間がいる。個人的な印象では芸術家に多い様だ。青羽悠 [続きを読む]
  • 青羽悠『僕らの距離の測り方』前編
  • 昨年16歳で新人賞を取った青羽悠が受賞後第一作を書いた。それが『僕らの距離の測り方』である。放課後、勉強に疲れた三樹は頬をぐしょぐしょに濡らして涙を流す久瀬を見つけてしまった。彼女は告白されたと漏らす。相手は同じ高校生仲間で彼女を「ミステリアス」な魅力があると言ったという。告白されて気が動転して泣いてる彼女を見る三樹の頭の中も真っ白である。何故なら彼はずっとクラスメートの彼女が好きだったからだ。久瀬 [続きを読む]
  • から揚げ粉
  • 私が勤務してた頃、都立大学近くの高級住宅地柿の木坂に2年余り住んでいた。真新しい青い屋根でクリーム色の壁の綺麗な建物である。と言っても、木造モルタル塗り二階建てのアパートである。駅まで5分程度の環境の良い所で遊歩道に桜並木があった。会社帰りの紺色のビロードの様な空夜空の下、その道で花びらが白くヒラヒラ散っていた。私の部屋の左隣には勤め人の若い姉妹が住み、右隣に新婚夫婦が住んだ。両方共真面目で勤勉な隣 [続きを読む]
  • 主体性って何だろう?
  • ムービーという生き物を手塚治虫は『火の鳥』望郷編で創り出した。相手の思うままの形、性格になり、相手の思うままに動く生き物である。実に便利で重宝な生き物だが、人間の中にもムービーの要素があるのではないかとこの頃思う。例えば、冤罪事件である。疑われた人に後に聞いた話から、人が自分自身を容易に喪う事が分かった。取り調べで心身共に痛めつけられると、やっていない犯罪をあたかも自分がやった様に錯覚してしまうと [続きを読む]
  • 宮部みゆき 『名もなき毒』最終章
  • 「正義なんてものはこの世にないと思わせてはいけない。それが大人の役目だ。なのに果たせん。我々がこしらえたはずの社会は、いつから無様なしろものに堕ちてしまったのだろう」宮部みゆきは作中人物にこうも言わせている。現在の世情を省みるに、正に納得の言葉である。これはバブル崩壊、阪神大震災、オウム真理教事件を経て、我々が体験している状況である。戦前生まれの人物の漏らす言葉は、慨嘆以上の意味を持つ。『名もなき [続きを読む]