紫木蓮 さん プロフィール

  •  
紫木蓮さん: 月に秋草
ハンドル名紫木蓮 さん
ブログタイトル月に秋草
ブログURLhttp://moonautumn.blog.fc2.com/
サイト紹介文花より男子の二次小説。類が大好きです。類や総優CPの幸せ、ほんわかするお話を書いてます♪
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供243回 / 365日(平均4.7回/週) - 参加 2016/07/03 15:31

紫木蓮 さんのブログ記事

  • precious 79
  • 「・・・あっためてください」優紀の震える唇から溢れたそれに総二郎が目を見張った。優紀は総二郎の様子に一瞬、首を傾げたがみるみる間に頬を朱に染めた。「あ・・・・・そ、そういうことじゃなくて・・・ち、ちがっ・・・あ、あの、あの、その・・っ・・・」初心な妻は真っ赤になって総二郎の腕のなかで小さく身を縮こまらせた。「分かってる、優紀。冷えると身体に障る」総二郎は置いてあったブランケットを引き寄せ優紀を包み [続きを読む]
  • Hold my hand(改) 16
  • 「牧野もおいで」と類に呼ばれる。あきらと総二郎もグラスを持ち、となりの部屋を移るのにつくしも付いていく。なのははピアノの前に座り、すーっと小さく息を吸いこむと小さな手が鍵盤に置かれた。そして、ゆるやかなピアノの音色が流れ出す。つくしにはなんという曲かわからなかったが、ピアノってこんな音だった?と感じられる。かろやかな風のようだったり、雨がふるようにせつない響きだったり、なのはは楽しく遊んでいるよう [続きを読む]
  • precious 78
  • 「優紀」「あ・・・西門さん」窓辺に座っている優紀がふんわりと微笑みを浮かべ振り向いた。総二郎の姿を追う瞳に優しい光りが宿る。けれど優紀の顔色は青ざめたように白く、気怠げに椅子に身を預けているのは微熱が一週間ばかり引いていないせいだろう。「ベッドに入っていなくていいのか?」「はい、もう熱もほとんどないんです。ずっとベッドにいるのもつかれてしまって・・・あの、倫は大丈夫ですか?お義母様もお仕事があるの [続きを読む]
  • precious 77
  • 優紀は小一時間ほど眠ると顔色も良くなった。「ずっと・・・ずっといてくれたんですか?」優紀は寝起きの少しぼんやりとした表情でベッドに横になったまま総二郎に尋ねた。「ああ、かわいい奥さんの寝顔をじっくりと見ることが出来たよ。それに、これじゃどこにもいけないだろ?」優紀の小さな手が総二郎の手をしっかりと握り眠っていた。「あ・・・・・やっ、やだ、ご、ごめんなさい」優紀は絡めた指を解こうとしたが総二郎がそれ [続きを読む]
  • precious 76
  • 松岡の家では三人の訪問を待ちかねていた。総二郎が遅れたことを詫びると「仕事となら仕方がない」と義父が助け舟を出してくれた。真面目で優しいこの義父に殴られたことを一生忘れてはいけないと、総二郎はこころしていた。大切な娘を妊娠させたうえ家出させるまでに追い込んだ男を許してくれたのだ、義父母には感謝してもしきれない。優紀が義母を手伝いキッチンに立つ姿は新鮮だったが、疲れてはしまわないかと気を揉んでいた。 [続きを読む]
  • precious 75
  • だれ?あの女は誰?総二郎は『うちは女を連れ込むとうるさいんだ』と言っていても、サラだけは特別で自由に邸に出入りし、総二郎の部屋に入ることさえ許されていた。けれど今日は邸の戸は鍵が閉められサラは入ることも許されなかったというのに総二郎は堂々と女の肩を抱き車に乗せていた。使用人たちも、あの口うるさい家政婦長さえ揃って総二郎と女を見送っていた。あの女は誰・・・総二郎の左薬指に光った指輪が脳裏を過った。結 [続きを読む]
  • precious 74
  • 「悪いな、サラ」総二郎はいつもの屈託のない笑顔も揶揄う言葉も残さず背を向け、まったく振り向くこともなく行ってしまった。総二郎に声をかけた若い使用人はサラに頭を下げると戸を閉めずに足早に消えた。いま戸は以前と変わらず明け放たれていて、誰もいなかった。サラは辺りをもう一度窺いひとの気配がないことを知ると迷うことなく邸に足を踏み入れ戸を閉めた。鍵をすることも忘れなかった。幼い頃からたびたび出入りしている [続きを読む]
  • precious 73
  • 「出かけるところ足止めをして悪かったな」家元の労いに総二郎は頷いたが、面白くなさそうな機嫌の悪い表情は隠しようがなかった。優紀たちと出かける直前、突然、家元に表に呼び出され仕事の打ち合わせに参加させられたため、かわいい妻子はもう一時間ちかく待ちぼうけを喰らわされているのだから仕方ない。「そんな顔をするな、仕事はしっかりやると自分でも言っていただろう」「わかっています。ですから、文句など言っていませ [続きを読む]
  • precious 72
  • 日帰りの里帰りだというのに朝から邸中が慌ただしく、優紀も着替えのために別室に連れて行かれ手持ち無沙汰な総二郎が倫の子守りをしていた。倫はにこにこと機嫌も良いが見るものすべてに興味津々であちこちに手を伸ばし口に入れようとするし、おすわりも上手になっていても転がることも多くて片時も目が離せない。これでは優紀も気が休まる暇もないなと倫の顔を見た。総二郎が覗き込んでいるのに気がつけば、きゃっきゃっと声を上 [続きを読む]
  • precious 71
  • 倫はすくすくと成長し6ヶ月を迎え、優紀の体調は相変わらず芳しくないけれど起きている時間も長くなった。起きていられるときは離れから邸を訪れており、倫と一緒に家元や家元夫人たちと楽しそうにして過ごしていることもある。ときおり使用人頭が邸内の諸事を教えているところに出くわすこともあった。次期家元を辞退したのだから、そんなことを教えなくてもよいと思うが優紀の前で口出しすることもはばかられ黙っていた。邸内の [続きを読む]
  • precious 70
  • 邸に戻る車の中で総二郎はあきらから語られた優紀の様子を描き、そうすれば自然と口元が綻んでしまう。『優紀ちゃんは総二郎にめちゃくちゃ惚れてるんだな』あきらは美しい顔にひどくやさしい微笑みを浮かべた。『お前の姿が見えなくなるとひどく不安そうになってさ泣きそうな目をしてた。牧野たちがいて不安に思うような場所でもないのにお前が出てったほうばかり見ていて、戻ってきたらほっとして端から見ても気が緩むのが見て取 [続きを読む]
  • precious 69
  • 総二郎がグラスの酒を一気に煽るのを後ろから眺めた。ストレートのウィスキーくらいでは酔えそうもないらしいが、テキラーのショットを煽るような店でもないことくらいは弁えているようで大人しくウィスキーを再び注文した。何杯飲んだろうかと思いながら、総二郎の肩をぽんと叩いた。振り向くと見慣れた顔が揃ってい手一瞬面食らったようだった。「呼んでないぞ」総二郎はむっとして前を向くと、ふたりは両隣のスツールに勝手に腰 [続きを読む]
  • precious 68
  • 優紀は手入れの行き届いた美しい庭を眺めながら友たちと過ごしたばかりの時間をなぞっていた。久しく会うことのなかった友人たちが心配してくれていることは想像していたけれど、まさか総二郎を責めるとは優紀は思ってもみなかった。妊娠したとき優紀とて悩んだけれど、総二郎との赤ちゃんを宿したことは嬉しくて育む以外の選択肢は思いもよらなかったのだ。いま考えれば子どもっぽい身勝手な行動で、両親や友人に心配をかけ、総二 [続きを読む]
  • precious 67
  • つくしたちを送り出し総二郎は離れに戻った。倫は邸の家元たちのもとに連れて行かれ、先ほどまでつくしたちもいて騒々しかった離れはひとの気配がなく、優紀ひとりが窓際に座り込んでいた。庭を見ているのか背中をこちらに向けていて、総二郎の足音にすら気付かない。総二郎が後ろから優しく抱きしめると、優紀は驚いたのか、びくりと震え身体を固くした。「疲れたか、優紀?」総二郎も床に座り込むと優紀を膝に抱き上げた。ひとり [続きを読む]
  • precious 66
  • 「つくし?あの、本当に、西門さんは助けてくれるんだよ」優紀がいつもより子どもっぽい話し方をしてるのは相手が親友だからだろう。「そうかもしれない。でも、当然だよね、西門さんの子どもでもあるんだから」つくしのことばに険を感じ、あきらは舌打ちをしたい気分にだった。「あの、つくし、そうだけど・・・そうなんだけど、西門さんは仕事もしてて朝早い日もあって・・・西門さんは大変なの」「優紀、いいんだよ。当然のこと [続きを読む]
  • precious 65
  • つくしたちの訪れを待つ優紀は朝食も喉を通らないのか箸が進まない。嬉しさよりも緊張が勝っているようで、いつもより顔色が悪く透き通るような肌は青みがかっている。「大丈夫か、優紀?」「あ・・・はい・・・」「いや、もうメシ食わないのか?残ってるよ」「もう、お腹いっぱいだから」優紀は固い笑顔を浮かべた。「食いたいものあったら言え。まだ倫に乳を飲ませてるんだからしっかり食えよ」こくりと頷く優紀の髪を撫で引き寄 [続きを読む]
  • precious 64
  • 「なに動揺してるんだよ。優紀ちゃんがその気になるくらいの甘い言葉を囁いたのか?」こぼれた酒を拭く総二郎に尋ねると答えづらそうな顔をした。「もったいぶらずに教えろよ。後学のためにも言ってみろ!」「・・・・・婚姻届に署名するように言うと今更署名しないって駄々をこねてさ、まいったよ」総二郎はため息まじりに呟いた。「優紀ちゃんにしては珍しく頑なな様子だったもんな。で、なんて口説いたんだ?」あきらは少しばか [続きを読む]
  • precious 63
  • 倫のお食い初めの席は和やかに進んだ。家元たちにとっては不本意な結婚であるはずなのに、優紀にも倫にも優しくしてくれる。家元は改めて総二郎の行いを謝罪すると優紀の両親は恐縮した。優紀の母は帰る前に離れに立ち寄ると、眠かしつけたばかりの倫の顔を見て頬笑んだ。「倫ちゃん、とてもかわいいわね。総二郎さんにそっくり」「うん・・・お母さん・・・心配させてごめんなさい・・・」「もう心配かけないでよ。ちゃんとごはん [続きを読む]
  • precious 62
  • 総二郎は閉められたドアに深々と頭を下げると踵を返し、少し先に待たせている車に向かった。総二郎は切れた唇の端を拭った。すこしばかり血の味が口内に広がった。ひとを殴ったことなどないのだろう、殴られた総二郎より殴ったひとのほうが痛みを感じているようだったと思い出していた。「あの、待って下さい」後ろから声を掛けられ振り向くと、優紀の母親が駆けて来た。「あの、優紀は元気にしているんですか?」総二郎は婚姻届を [続きを読む]
  • precious 61
  • 優紀はベットに身を投げ出すと必死で声を抑え、止めどなく流れる涙にくれていた。総二郎の一生に傷をつけてしまった・・・取り返しのつかないことしてしまった・・・倫を取り上げられてしまうことに怯えて、なんて大それたことをしてしまってのかと優紀はひどく後悔していた。自分のしたこと全てが総二郎に迷惑をかけ、総二郎の未来をだめにしてしまうなんて考えてもいなかった。ただ優紀は総二郎との赤ちゃんを授かったことが嬉し [続きを読む]
  • precious 60
  • 優紀はぼんやりと庭を見ていた。倫に母乳を与えたが、やはり母乳だけでは足りなくてむずがるのでミルクを飲ませて寝かしつけた。優紀は最近やっとミルクを飲ますことも出来るようになったが、寝かしつけるまでの体力はなく家政婦たちが引き受けてくれる。隣の部屋から倫の泣き声と家政婦たちの寝かしつける声が聞こえ、優紀は俯いた。出産から二か月が過ぎ、まだベットから起き上がることは出来ず、倫の世話すら満足に出来ないこと [続きを読む]
  • Honey night  〜 R & N 〜
  • 明日の緊急のスケジュール変更のため、めずらしく田村から電話があった。なのはとの時間を邪魔されることを嫌う類は邸では携帯には出ないし、固定電話にかければひどく機嫌が悪いため、パリの邸にいる時間に田村は電話をしない。それでも緊急ならば仕方がなく、携帯は無視していたが固定電話にかかれば使用人は類に取り次ぐ。結局、スケジュール調整だけに留まらず、そのまま仕事の話しになってしまうと、暇を持て余したなのはは部 [続きを読む]
  • precious 59
  • 優紀と倫が離れに移ってから三週間ほど過ぎ、優紀は少しずつ元気になり起きていられる時間が長くなってきていた。「優紀、起きていると疲れるぞ」外出から戻り稽古の前に優紀の顔を見ようと総二郎が離れを訪れると、優紀はぼんやりと庭を見つめていた。起きている時間が長くなったとはいえ、優紀はまだベッドから起き上がることは出来なかった。優紀は総二郎の声に振り向くと目を丸くして驚き、そして申し訳なさそうな表情を浮かべ [続きを読む]
  • precious 58
  • 優紀も、赤ん坊もリモの中で眠っていた。ときおりうっすらと目を覚ます優紀は総二郎の顔を見ると、またうつらうつらと眠りに落ちていく。リモは長い白壁沿いを走り西門流の表門を通り過ぎ、邸の大木戸の前で停まった。しばらくすると大木戸が内側に開かれ、リモは表玄関に横付けされた。総二郎は信じ難い思いでいると、外からドアが開き使用人頭が顔を覗かせると風呂敷包みを手に乗り込んできた。家政婦に抱かれた赤ん坊を見ると満 [続きを読む]
  • precious 57
  • 明日の退院の準備をしていた家政婦が風呂敷き包みを見つけ、総二郎はうっかりその存在を忘れていた。それは優紀の出産の連絡を受け慌てて邸を出るとき、使用人頭から持たされたものだった。家元夫人からだと言っていたことを思い出し、何だろうかと不思議に思い包みを開くと中身は赤ん坊の産着とレースの飾りがたっぷり付いた赤ん坊の服だった。「あら、まあ、素敵なベビードレスですね」「ベビードレス?」総二郎が手にしたそれを [続きを読む]