メトロブラン さん プロフィール

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メトロブランさん: 箸にも棒にもかかりません
ハンドル名メトロブラン さん
ブログタイトル箸にも棒にもかかりません
ブログURLhttp://dingo1995.blog.fc2.com/
サイト紹介文箸にも棒にもかからない話
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供53回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2016/08/08 22:10

メトロブラン さんのブログ記事

  • 「ピロリその後」
  • 今年の7月にピロリ菌の除菌療法をおこなった。生き残ろうとするピロリたちとの壮絶な争いが私の胃の中で繰り広げられたのち、数十年もの間、繁栄し続けたピロリたちは(多分)駆逐された。ピロリたちが(多分)いなくなった私の身体にどのような変化があったのか。今回はそれを報告したい。まず、私の胃は確実に元気になった。除菌前は、お昼にちゃんとしたご飯を食べると、夜は「お酒とつまみぐらいでいいか」となっていたのだが [続きを読む]
  • 「そうだ、スッポンを食べよう」
  • 10年ほど前の話。幼馴染のYと話していた。Y:「人生には、いつかやりたいと思っていても結局やっていないことが多いと思わないかね」私:「いかにも、いかにも」Y:「例えば、スッポンだ。君は食べたことがあるかね」私:「ありませぬ」Y:「一度は食べてみたいと思わないかね」私:「食べとうございまする」Y:「うむ、私もだ。我々もまあ頑張ってはいるが、これから先、料亭などでスッポンを振舞われるような地位につくとは到底 [続きを読む]
  • 「音楽に関する妄想」
  • ジャズギターを習い始めて、もうすぐで1年が経過する。タブ譜で丸暗記していた時とは違い、楽譜を読み、コードトーンやスケールなども勉強しながら夜な夜な練習を繰り返してきた。なかなか物事を理解してくれない40年もののビンテージ脳みそと気長に付き合っているが、「どうにかこうにか入り口には立ちましたよ、私、ええ、立ちました」くらいは言えるようになったのではないだろうか、と自負している。まあ、自負だし、入り口っ [続きを読む]
  • 「Siri」
  • 先日。アイフォンのカバーケースが割れてしまったので、友人とアップルストアへ足を運んだ。気に入ったカバーケースをすんなりと選び、お店に来るのも何度目かだったので、「おいおい、会計は何処でするんだい?」ともならずに、スマートに会計を済ませた。そこですんなりと帰ればいいものを、正式名称も知らないのに、「あれ、見せてください」と店内の広告写真を指さして親切な店員さんに出してもらう。それはBluetoothのワイヤ [続きを読む]
  • 「推敲」
  • 3週にわたって、私にしては真面目な内容を書いてきたせいなのか、それとも夏休みで脳みそがバカンスモードになっているせいなのか、何も書くことが思い浮かばない。そういう時は過去にあった面白いことや、心の何処かにひっかかっている魚の小骨のように小さなことを分析してみたりして書くのだが、「過去にこんなことがあった」ネタが多過ぎるのもどうかと思い、今回はそれはやめておこうと決めた。さてさて。うん、何も出てこな [続きを読む]
  • 「マインドフルネス」(後編)
  • まず気がついた大きな変化は、味覚である。昼に出されるカレーは、野菜を塩で煮たものにスパイスを少し加えただけのような薄い味だった。初日は、「まあこんなものだろう」と思って食べていたのが、4日目くらいになると、「美味い」と、一口ごとに思いながら食べていた。なかでもジャガイモの味には感動した。ほのかな塩気とスパイスの味。それと絶妙に混ざるジャガイモのほこほこした甘み。マインドフルに咀嚼しながらも、表情が [続きを読む]
  • 「マインドフルネス」(中編)
  • 休憩時間というものはないので、「いやぁ、疲れたね、あっ、ところでどこから来たの?」という会話ももちろん一切ない。24時間ひたすら自分と向き合う。昼食の時間も1時間あるのだが、食事中もマインドフルに行動しなければならない。手を持ち上げる。手でカレーに触れる。食べ物の温度が指先に伝わる。指の一本一本の動きも意識する。口を開ける。噛む。舌を動かす。舌で味わう。トレイを持ってカレーを取りに行くのに加えて、こ [続きを読む]
  • 「マインドフルネス」(前編)
  • マインドフルネスという言葉がメディアに出てくるようになって久しい。私がこの言葉に出会ったのは20年近く前に旅をしたインドだった。そのときの体験は、今の私という人間を形成しているパーツの大部分を占めている。だから、できるだけ丁寧にここで書いてみようと思う。2000年の2月。私はインドのブッダガヤにいた。バラナシで知り合い、それから1ヶ月の間、行動を共にしたフランス人の友人に、「瞑想に興味があるならあそこに [続きを読む]
  • 「ピロリ」
  • 先月。生まれて初めて内視鏡というものを体験した。その体験だけを克明に書いてもいいのだが、問題はその結果である。「あなたの胃にはピロリ菌がいます」もちろんそんなのどかな文章ではなかったが、要はそういうことである。なんとなく名前は聞いたことがあるが、ピロリ菌とはなんぞや。まあ、名前もかわいいし、たいしたものではないだろうと思って調べてみたが、どうもこのピロリ菌は胃がんの原因になるらしい。まあピロリ菌が [続きを読む]
  • 「異邦人」
  • すべて太陽のせいである。私が働く会社ではサマータイムが採用されているので、この時期は明るいうちに家に帰ってくる。もちろん外はまだ暑い。駅から我が家までの道のりはアップダウンが多くて、ちょっとした運動である。その日も、暑い一日であった。家に向かう登り坂を歩きながら、「暑い」という言葉が自然と口から出てしまう。通り過ぎる家は、どこも窓を閉め切ってエアコンをつけているので、奇妙な静けさが漂っている。聴こ [続きを読む]
  • 「ライ麦畑でつかまえて」
  • 言わずと知れたJ・D・サリンジャーの小説である。この小説の原題は「The catcher in the rye」であり、世の中の大人を嫌悪する主人公が、「なりたいものなんてない。強いていうなら、ライ麦畑で遊んでいる子供達が危険な場所に近寄りそうになったときにその子を捕まえて守ってあげるような人になりたい。」と語る内容がそのまま反映された題名である。学校のレポート作成でこの小説を原文で読んだときに、私は思った。「ライ麦畑で [続きを読む]
  • 「夜中の3時に」
  • 現在、土曜日の早朝3時である。最近では平日にお酒を飲むことも減ったのだが、金曜日、忙しい一週間、梅雨の蒸し暑さ、等々の理由で大いに飲んでしまった。そして欲望のままに早い時間に寝てしまい、自然に目を覚ましたのが夜中の3時だった。「夜中の3時」というワードが出るだけで、The Blue Heartsの「無言電話のブルース」が頭の中に流れ出す。すると、その歌を聴いていた当時を思い出したので、つらつらと書いてみるのも面白い [続きを読む]
  • 「金縛り」
  • さて、梅雨真っ盛りである。紫陽花にまつわる切ない思い出話でも書こうかと思ったのだが、あいにくどの記憶を掘り返してみてもそんな話は出てこない。そんなわけで今回は夏らしく、私の金縛り体験について書いてみることにした。私が生まれて初めて金縛りを体験したのは中学2年生の夏であった。その夜。暑くて寝られなかった私は、ベッドから降りて床の上で寝ていた。部活もその頃はサッカー部に入っていたので、体は疲れているの [続きを読む]
  • 「緊張した男」
  • 前々回で「緊張」について書いた。緊張とはアドレナリンが出ている状態であるため、うまく気持ちを切り替えることができればすごいパフォーマンスを発揮することができるのでは、という主旨であった。さて、言うまでもないことだが、発表会の本番ではそうは問屋が卸さなかった。使い古された表現だが、まるで生まれたての子鹿である。手がブルブルと震えた。それでもなんとか演奏を続けているときに、「よくもまあこんなに震える手 [続きを読む]
  • 「嘘のような本当の話」
  • オーストラリアの高校時代はラグビーが中心だった。寮生活だったので、夕食が終わるとチームメイトと敷地内のジムに行き、ウエイトリフティングをガチャガチャとやってからまた寮で自炊して食べるという相撲部屋のような生活を送っていた。その結果、体重は90キロになり、学校の代表チームに入ることができた。ラグビーはオーストラリアの国技なので、私が通っていた比較的小さな学校でもチームが4軍くらいまであり、その下は1 [続きを読む]
  • 「緊張する男」
  • やばい。できるだけ美しい日本語を使いたいと思ってはいるのだが、今私に思い浮かぶのはこの言葉だけである。やばい。去年の10月からジャズギターを習っている。そして、その発表会なるものが今週末にある。「あなたも出なさい」と言われ、まあまだ先の話だし、その曲だけ練習していればなんとかなるだろうと、「あいわかりました」と答えたのが数ヶ月前。仕上がっていない。家で、猫たちだけしか聴いていないときは通して弾ける。 [続きを読む]
  • 「海のおもひで」(後編)
  • 「とりあえず、ボードを返そう」と思って砂浜を歩き始めた。右足の親指も岩にぶつけていたらしく、爪の横から血が出ていた。まさに満身創痍である。ボードのレンタル屋にたどり着く前に、いつも砂浜をウロウロしている客引きのおばさんたちが近づいてきた。営業スマイルで近づいてきたおばさんたちも、私の惨状に気がつくと、観光客には普段見せない深刻な表情に変わった。おばさんたちに連れられて、気がつくと木陰に寝かされてい [続きを読む]
  • 「海のおもひで」(前編)
  • 晴れて気温がぐんぐんと上がった5月の週末。簡易テントを担いで、妻と海へと向かった。クーラーボックスに好きな銘柄のビールを詰めて、砂浜で本を読んだり、昼寝をして過ごすためである。テントを担いで移動するのは少々大変だが、苦労するだけの価値はある。昼寝から目覚めて、海をぼーっと眺めているといろいろなことを思い出す。「ああ、そういえばあんなことがあったな」そうやって思い出した20年近く前の話である。20代前半 [続きを読む]
  • 「パスタマシーン」
  • 私はパスタを食べることも作ることも好きなので、「そろそろやってみるか」ということで、パスタマシーンを購入した。全身メタリックなシルバーで、イタリア生まれの格好いいパスタマシーンである。把手を回して、生地を平らに伸ばす、それをフェットチーネかスパゲッティ形式のどちらかで押し出す。伸ばしたい生地の厚さは調節できるが、それ以上それ以下でもない実にシンプルで潔いマシーンである。家にあるブレッドメーカーにパ [続きを読む]
  • 「あれはウシガエルです」
  • ゴールデンウィークである。ちゃっかりと休みを繋げた私は、実に9日間のお休みをいただいた。あな嬉しや。お腹の肉までリラックスしないように、毎朝ジョギングを欠かさないようにしたのだが、世間では平日にあたる日の朝にジョギングをしていると、週末とは違う人種が活動していた。私がいつものコースを走っていると、金髪に近い髪の色をした大柄な女子高生が自転車にまたがって、友人と話していた。なんだか嫌な目線だったな、 [続きを読む]
  • 「がまくんの手紙」
  • 20代前半頃、海外へ行くためのお金を貯めるために工場で働いていた。電線のカバーに使うゴムの素材を混ぜ合わせていたらしいが、アルバイトの私は言われるがままに体を動かすだけであった。粗暴な人が多かったが、皆いい人たちだった。そんな中で、1人だけ特に私を可愛がってくれる人がいた。40歳くらいの人だったが、私がジャズを聴くことを知ると、一度に5枚くらいのCDアルバムを持って来てくれて、「これ聴いてみてよ」と言っ [続きを読む]
  • 「人ゴミ」
  • 幼い頃。私は覚えた言葉をすぐに使いたがる子供であった。どこだかは忘れたが、人が多い場所に行った時に、「よし、今だ」とばかりに、「人ごみだ」と、母親に言った。「そんな言葉を覚えたなんて、すごいじゃない」という賞賛の言葉を待っていた私に向かって母親は、「その言葉は口に出すものではない。人をゴミだなどと言うのは失礼だ」と言った。「なるほど、確かにそれは失礼だ」と納得した私は、以後、その言葉を口に出して使 [続きを読む]
  • 「ハナハラ」
  • オーストラリアの高校に入学して間もない頃の授業中。私は16歳だった。教師の言っていることも大半理解できない私は、ただそこに座っていた。誰よりもぼーっとしていた私は、左斜め前方から視線を感じた。赤毛の女の子が私をじっと見ている。教師の立つ前方ではなく、顔全体をこちらに傾けてじっと私を見ている。「おやおや、これは」などという浮かれた妄想が始まりそうなところだが、赤毛の女の子はあきらかに私を睨んでいた。赤 [続きを読む]
  • 「覚悟を決める」
  • 大事な言葉というものはそこかしこにあふれている。しかし、「本当に理解しているのか?」と問われると、当たり前に使っている言葉ですら実は曖昧であることが多い。私が23歳の時に旅をしたインドでは、実に多くのことを学んだ。これは、「まあ着いてから考えましょう」で到着したインドのデリーで、到着直後から散々な目に合いながらも、8勝7敗くらいでどうにか切り抜けて次の町へ移動しようとしていた時の話である。朝6時に出 [続きを読む]
  • 「涙の理由」
  • 想像してもらいたい。ある晴れた土曜日の午前中。あなたはある2人連れの男女とすれ違う。30代後半とみられる夫婦である。外見は特に変わったところもない夫婦なのだが、男のほうが明らかに泣いている。その男は溢れてくる涙を、なんでもないように手で拭きながら歩いている。妻とみられる女性は、困ったような表情を浮かべてその横を歩いている。2人は言い争うでもなく、無言で歩いている。いったいこの2人に何があったのだろうか [続きを読む]