スズマル さん プロフィール

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スズマルさん: Dulce Noche -珠洲丸の甘い夜-
ハンドル名スズマル さん
ブログタイトルDulce Noche -珠洲丸の甘い夜-
ブログURLhttp://moonsuzumaru.blog.fc2.com/
サイト紹介文小説サイト『アルファポリス』にて珠洲丸名義で色々書いています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供959回 / 352日(平均19.1回/週) - 参加 2016/09/03 12:33

スズマル さんのブログ記事

  • 馬上での問答
  •  カリーナの唇は熟した桃を思わせた。柔らかくなめらかな唇の奥には、甘い蜜をたたえている果肉が隠されている。カインはその柔らかい果肉を味わおうと舌を伸ばす。するとその果肉から甘い蜜が溢れてきて、カインはそれも味わおうとした。 カインは今まで誰とも口付けをしたことがない。だけどカインは最初からそれを分かっていたかのようにカリーナの小さな舌に、自分のそれを絡めていた。熱く濡れた舌先をカリーナの唇の合間か [続きを読む]
  • 更新おしらせとか
  • いつも拙作をお読みいただきありがとうございます。金の糸と黒い糸を更新しました。初稿ではキスされたとき酸欠でぼうっとしたまま頷いたカリーナですが、改稿版では意識を失いました(酸欠でw)設定は二人ともいろんな意味で「初めて」なんで、初稿では触れてなかった「そこに至るまでの過程」をこれからじっくりねちっこく書く予定です。第九章はカリーナがカインとの結婚を決めるまでです。まだこの時点では贈り物は受け取りまし [続きを読む]
  • 心に嘘はつけない
  • 「ひとつ条件を出してもいいかしら」 カミュ元男爵夫人の屋敷へ向かう馬車の中、カリーナは向かいの席に座っているマリクにひとつ提案をする。それというのもここ最近マリクが何かにつけて求婚のことを持ち出して、その返事を迫ってくるようになってきたからだった。 カリーナとしてはマリクからの求婚を受けるつもりはない。 だがマリクはいろんな理由を並べ立て、カリーナを追い詰めようとする。 マリクが夫人を一人の女性と [続きを読む]
  • たどり着いた答え
  •  タンドゥール族の主な収入源は、上質な塩だ。一年を通じて温暖な気候のシルヴァンスだからこそ、タンドゥール族は季節に縛られることなく海水から塩を生産できているといっても過言ではない。とはいえ雨が降ってしまえば浜辺に作られた塩田で塩を作ることができないため、そのような日は海にほど近いところにある作業場で海水を煮出して塩を作っていた。 その日は朝からしとしとと細かい雨が空から落ちていて、カインは家の入り [続きを読む]
  • 移り変わる季節
  •  季節も夏から秋に変わり、シルヴァンスの街は日に日に活気づいていた。それはもうすぐ秋の収穫祭が行われるからで、街の大通りを行きかう人々の表情は明るく輝いている。カリーナが馬車の中から笑みを浮かべながら街の風景を眺めていると、向かいに座っていたマリクが彼女の気を引こうとするかのようにせき払いをひとつする。それに気づいたカリーナがちらと横目に彼を見ると、優しげな笑みを浮かべていた。 カリーナはあえてそ [続きを読む]
  • 更新おしらせとか
  • いつも拙作をお読みいただきありがとうございます。ちょこちょこ金の糸を更新しておりますが、20万字に到達したにもかかわらずピュアなまま(ジュールさん、サンクス!)でございます。昨夜泉野さまと延々SM談義で盛り上がり、そしてイノサンルージュの最新刊に酔いしれ、その余韻のせいでカキカキできなかった・・・。イノサンおよびイノサンルージュを読み終えた後の、あのなんともいえない余韻。以前どこかで味わったんだが、な [続きを読む]
  • 二人の思いが交差する夜
  •  その夜カリーナは眠れなかった。 すでに夜更けを過ぎているというのに彼女が眠れない理由それは、マリクが指先に口付けしようとしたときのことを思い返していたからだった。 あの時のマリクは明らかにおかしかった。投げかけた問いかけに答えてくれたはいいけれど、その答えに違和感しか感じなかった。まるで自分自身に言い聞かせているようなものにしか見えなくて、それを問い詰めようとしたその時。突然手を取ったかと思った [続きを読む]
  • この手に触れないで
  •  目の前で悠然と構えるマリクを見ながら、カリーナはわざとらしくため息をつく。 本音を言えば今すぐにでも馬車から降りてほしいのだが、彼はそれを受け入れないだろう。 するとマリクが、こちらの心の内を見透かしているかのような苦笑いを浮かべている。 それを目にしたときカリーナは窓の外に目を向けた。「どうなさいました? カリーナ嬢。何か私に言いたいことでも?」 もう一度マリクへ視線を向けてみると、意地の悪い [続きを読む]
  • 更新おしらせとか
  • いつも拙作をお読みいただきありがとうございます。金の糸と黒い糸を更新しました。15日は3つ、そして本日はいくつ更新できるんだろう・・・。昨夜ついつい電子書籍を読み始めてしまい、結局ずっと最新巻まで読み続け、気づけば6時になっておりました・・・。いやもうコミックでここまで圧倒されたことなんかないよというくらい、やられました・・・。イノサン 1【電子書籍】[ 坂本眞一 ]イノサン Rougeルージュ 1【電子書籍】 [続きを読む]
  • 思いが諦めに変わるとき
  •  ヴェルダの婚礼の日から数日経ったある日のこと、カインは長としての役目を果たすため、夜明け前の薄暗がりの海へ向かっていた。 皆がいまだ夢の中にいる夜明け前の森は、ひっそりと静まり返っている。 湿った朝の空気があたりに漂っていて、そろそろ夜明けが近いことを感じさせた。 海に近づくたびに潮の香りが濃さを増す。それを含んだ空気を吸い込むと、体が徐々に目覚め始めた。 風もなく静かな海には朝もやが立ち上って [続きを読む]
  • 突然の申し出
  • 「ようこそお越しくださいました、カリーナさま。どうぞ楽しんで下さいませね」 木々に囲まれた瀟洒な屋敷の玄関ホールで出迎えてくれたのは、日の光が透けるほど美しい白金の髪を結い上げたカミュ元男爵夫人だった。彼女は澄んだ秋空を思わせる水色のドレスを身に着けていて、可愛らしい声でカリーナたちに挨拶をする。カリーナはマリクとともに彼女のサロンに来ていた。 ここに向かう途中の馬車の中でマリクから聞かされた話に [続きを読む]
  • 親友の結婚式
  •  その日はヴェルダとミランダの結婚の儀式が夜明けとともに執り行われた。 広場にほど近いところに設えられた白い天幕の中では、二人が両手を握りあいながら向かい合って跪いている。その周りを取り囲むように白い衣装を身に着けたカインと、青い衣装を身に着けた長老たちが並んで立っていて、新しい夫婦に祝いの言葉を掛けていた。 ヴェルダとミランダの手には背中から蔦模様が描かれている。それぞれの髪の色で描かれた蔦模様 [続きを読む]
  • 女たらしとの攻防
  • 「それで、本日はどのような用向きでいらしたのです?」 カリーナは引きつる口元を扇で隠しながらにっこりと笑顔を浮かべ、向かいに座るマリクに尋ねた。応接間のソファに腰掛けているカリーナの向かい側では、彼が愛想よく笑みを浮かべて彼女を見つめている。 いつもは襟が詰まった紺色の|普段着《デイドレス》を身に着けているのだが、あの夜会の翌日から連日のようにやって来る彼のせいで、明るめのドレスしか着させてもらえ [続きを読む]
  • 痕を残した払暁
  •  触れるだけのキスだったのが、やがて啄むようなものへと変わっていた。 どちらからともなくそうしていると、和明が亜紀の肌着を締めていた紐に手を伸ばす。衣擦れの音が静まり返った部屋に響く。それまで体を締めていた|縛《いまし》めが一瞬きゅっと締まった直後、するすると引き抜かれていって、擦れたところがじんと火照り始めた。 続いてその手は裾よけの紐に迷わず伸びていく。そちらもすぐに解かれてしまい、亜紀は口付 [続きを読む]
  • 更新おしらせとか
  • いつも拙作をお読みいただき本当にありがとうございます。眠れぬ夜を本日6時更新予約いたしました。全編濡れ場です。ここ数話濡れ場しかないwそしてそろそろ迫っているeロマの次世代官能小説大賞の二次選考まで進んでいる金の糸を完結させたいので、眠れぬ夜の次回更新は21日になります。眠れぬ夜は11章に入ります。和明はシンガポール、亜紀は日本という遠距離。森崎の助言にもありましたが、亜紀はシンガポールへ行くのか [続きを読む]
  • 官能に打ち震える夜更け
  •  暗い夜道を別荘へ向かっている間、和明は押し黙ったままだった。 しかも早歩きをしているものだから、手を引かれている亜紀はついて行くだけで精一杯だ。 脇目も降らず歩き続ける和明の背中を見ながら、亜紀は不安を感じて仕方がなかった。和明が見せる行動には一貫性がない。だから亜紀はそれに振り回されてしまうのに、和明にとってその様な事など気にも留めないことなのだろうし、それだけの存在であることを強く思い知らさ [続きを読む]
  • それぞれの一歩 -カリーナ編-
  • 「ぐえっ」 カリーナは下着の上にコルセットを付けた姿で、彼女の部屋の柱にしがみつき、苦悶の表情を浮かべながら貴婦人とは思えないうめき声をあげていた。それというのもコルセットの紐をマーヤによって限界まで引き絞られているからで、おかげで凹凸が少ない彼女の体のラインにメリハリができている。ささやかなふくらみはコルセットによって無理やり押し上げられているため、わずかではあるけれど盛り上がりができていた。  [続きを読む]
  • それぞれの一歩 -カイン編-
  •  翌朝カインは海から上がった後、森の中にある泉で水浴びを済ませ広場に向かうことにする。 森の中に足を踏み入れようとしたとき、ヴェルダが緊張の面持ちでそこに立っていた。 その表情を見るとこれから始まることに対して、彼もまた緊張していることにカインは気が付いた。 カインはヴェルダの緊張を解こうと、いつも通りに笑いかけながら彼に近づく。 するとヴェルダはそのままの表情でゆっくりと頭を下げた。「カインさま [続きを読む]
  • 鳴かぬ蛍が身を焦がす短夜
  •  夜の闇が空を覆いつくそうとしている頃、和明に手を取られて歩いているうちに、二人の下駄の音が重なるようでなかなか重ならず、それを重ねようと亜紀は早歩きになっていた。するとそれに気が付いたのか、和明は不意に立ち止まり、亜紀を振り返って小さく息を吐き出した。「何やってんだ? 履き慣れていないのに、そんなに早足だと痛めるぞ」「もし足が痛くなって歩けなくなったら、どうするの?」 わずかに笑みを浮かべながら [続きを読む]
  • 【眠れぬ夜】波千鳥
  • 【第十章】心の行方 千鳥舞う宵の口にて登場した亜紀の浴衣にまつわる裏話。時系列で言えば「溶け合う夜」と「昼下がりの誘惑」の間の出来事です。初めての森崎視点となります。「森崎、頼みがあるんだが……」 社長室でラップトップと向き合って格闘している森崎に、和明は声を潜めて話しかけた。 都心にほど近い場所にある高層ビルのワンフロアに、和明が代表を務めている外資系医療コンサルタント会社の日本支社は間借りして [続きを読む]
  • 千鳥舞う宵の口
  •  和明が用意させたのは藍染めの浴衣だった。落ち着いた藍色で染め上げた生地には、流水に千鳥文様が描かれている。一筆書きで描かれた愛らしい二匹の千鳥が波間で戯れているような絵柄を見て、亜紀はふと笑みをこぼす。帯は麻の八寸帯で、何も柄が入っていない無地のものだった。 シャワーを浴びた後ガウンを羽織り寝室へ戻ってみると、浴衣の下に身に着ける肌じゅばんや裾よけとともに一式用意されていた。肌着を身に着けた後浴 [続きを読む]
  • 切ない夕暮れ
  •  完全に腰を落とし切った時、心にあった不安はその時だけは消え失せた。熟れて蕩けているその場所はすんなりと彼の欲望を受け入れ、すっぽりと包み込んでいる。 和明を迎えた場所から甘い疼きとともにじわじわと悦びが全身に広がっていく。 亜紀は陶然とした表情で和明を見つめると、和明は額に汗を浮かべて切なげな表情を浮かべていた。まるで眩しいものでも見るように目を眇めさせ、わずかに開いた唇の合間から漏れる呼吸は短 [続きを読む]
  • 更新おしらせとか
  • いつも拙作をお読みいただきありがとうございます。もう日付が変わってしまいましたが、昨日書いたものを手直しして本日の更新とさせていただきまさて本日夫と二人で雫石へゴルフへ行ってきました。4年前に始めたゴルフも、ようやくひと様にスコアを話せる程度にまでなりました。で今日の雫石、まず暑かったwwwwwwまるで苦行のようなゴルフでしたが、自己最高スコアに迫るところでホールアウト前半の9ホールは自己新だった [続きを読む]
  • それぞれが見た光
  •  月の祭りが終わったとたん、今度は収穫祭に向けての準備が始まろうとしていた。 シルヴァンスの街の収穫祭はその年にできた酒を振舞う祭だが、タンドゥールの収穫祭はそれと異なっている。森を切り拓いて作った畑でとれる数多くの農作物や、海で捕れた新鮮な魚介や塩といった恵みを神に感謝する祭だ。とはいえ月の祭りのように飲めや歌えやの大騒ぎではなくそれぞれの集落ごとに集まって、この先一年の恵みを静かに祈りながら食 [続きを読む]
  • それぞれが歩き出すとき
  • 「カインさま、それはつまり……」 カインがヴェルダの方へ顔を向けると、彼は困惑の表情を浮かべていた。聞き返したところを見ると、理解が追い付いていないようにも見える。難しい話をしたわけではないだが、彼自身の身に置き換えているのかすぐさま表情を曇らせた。「ヴェルダ、もう一度言おうか? 掟が変えられないならば、条件を付け加えれば済む話だ。そう思わないか?」 ゲストハウスの庭先で、子供たちが作った|銛《も [続きを読む]