中野 恒平 さん プロフィール

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中野 恒平さん: ぽむの音楽箱
ハンドル名中野 恒平 さん
ブログタイトルぽむの音楽箱
ブログURLhttp://ameblo.jp/nackpiano/
サイト紹介文コンサートの感想や、好きな演奏についての記事を書いています。
自由文ひとつひとつの音楽との出会いを大切に、選び抜いたコンサートの感想や、大事にしている演奏についての記事を書いています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供87回 / 169日(平均3.6回/週) - 参加 2016/10/05 21:51

中野 恒平 さんのブログ記事

  • アンドラーシュ・シフのリサイタル【感想】
  • アンドラーシュ・シフの良さは、手首を柔らかく使って、旋律をとても滑らかに聴かせたり、軽やかに聴かせたりすることだと、個人的には思っています。この良さが最も良く発揮されていたのが、アンコールで演奏されたシューベルトの三つの小品からの二曲目で、特に中間部の優美さは聴いていて幸福感を覚えるほどで、この時間がいつまでも続いてくれたらいいのにと思ったくらいでした。 残念ながら、全体的にはこの良さを感じ [続きを読む]
  • じっくり聴きたいプレイアデス
  • 田部京子さんによる吉松隆さんの「プレイアデス舞曲集」はどの曲もしっとりと歌っていて、何かをしながら聴くのにうってつけです。一方で、パスカル・ロジェによる演奏はどの曲も考え抜かれた演奏で、じっくりと聴きたくなります。 交互に演奏されているサティは節回しが気になるところがあり、あまり好きな演奏ではないけれど、プレイアデス舞曲集はどれも素敵です。磨き抜かれた音色に説得力のあるテンポ。そして、考え抜 [続きを読む]
  • テレマンのお誘い
  • 私がバロック音楽で一番多くの曲を聴く作曲家は、おそらくテレマンだと思います。 多くの楽器に精通していたといわれているこの作曲家は、この評価が間違ってはいないと思えるほど、どの楽器も魅力を最大限に発揮できる使い方をしているような気がします。そのため、リコーダーのように音色の幅が少ない楽器のソロであっても、飽きることなく聴き通すことができます。有名なヘ長調のソナタももちろん素敵ですが、個人的には [続きを読む]
  • ある跳躍
  • 優雅なフルートが印象的なバッハのブランデンブルク協奏曲第5番の終楽章。今まで聴いた演奏はほとんどがこのイメージ通りの演奏だったけれど、フランス・ブリュッヘンは全然違った吹き方をしています。 それはまるで、ダンスの優雅さを競っているところに颯爽と登場し、羽毛のように軽やかな跳躍を披露して周囲をあっと言わせているよう。一度聴いてしまうと癖になってしまうようなこの演奏。フルートでこのように吹くのは難 [続きを読む]
  • 舞曲としてのプレイアデス
  • 吉松隆さんの「プレイアデス舞曲集」で真っ先に思い浮かぶ演奏は田部京子さんのですが、どの曲もしっとりとしていて、舞曲として聴くにはもう少しリズムに乗った演奏のほうが適切なような気がします。 「デジタルバード組曲」等で鮮やかなピアノを聴かせてくれた松谷翠さんが、ほんの数曲ですが「プレイアデス舞曲集」の録音も残してくれています。この演奏は舞曲としての性格を前面に出した演奏。リズムはシャープでキレが [続きを読む]
  • 心躍る「ト短調交響曲」
  • 曲の持つ生命力を最大限に表出する演奏を目指したフランス・ブリュッヘンと18世紀オーケストラ。けれども、エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団と合同で演奏したモーツァルトの交響曲第40番の録音は、生命力がありすぎて聴いていると逆に元気が出てきてしまうような困った演奏です。 この演奏、リズムの反応が良すぎると形容すれば良いのか、出だしからとにかく生き生きとして聴こえます。第1楽章や終楽章の展開部の最 [続きを読む]
  • サイバーバードの風に
  • サクソフォンというと、どこかお洒落なイメージがあり、吉松隆さんの「サイバーバード協奏曲」を聴いているとこのイメージに沿うような部分もあるのですが、須川展也さんとBBCフィルハーモニックの録音は、とにかく気迫で押したような演奏です。 出だしのワン・フレーズから、須川さんのこの曲に賭ける意気込みが伝わってきます。もっとお洒落に聴かせてくれてもいいのにと思う場面もありますが、まだ名曲といわれるものがあ [続きを読む]
  • 二人の「夏子」
  • 三島由紀夫の「夏子の冒険」に出てくる夏子さんは、普通の価値観では満足できないお嬢さん。やがて風変わりな野望を抱く若者と出会ってお互い惹かれ合い、結婚してめでたしめでたしになるのかと思いきや、その若者が野望を叶えたことでごく一般的な価値観に戻ってしまった途端熱が冷めてしまい、結局修道院へ入ってしまいます。 一方、武者小路実篤の「愛と死」に出てくる夏子さんは、人前で宙がえりをするようなお転婆なお [続きを読む]
  • 星空とスティーヴ・ライヒ
  • 昨日、今日と生誕80年を祝うコンサートが東京オペラシティで開催されているスティーヴ・ライヒ。彼の硬質な音色の音楽は冬の星空を思わるものが多いように思えます。 中でもこのイメージに近いのが、「大アンサンブルのための音楽」。私にとって彼の曲の中で一番好きな曲です。シロフォンとフルートによる出だしから無数の星たちが煌めいてるかのようですし、いくつかの楽器で現れる伸ばしの音はまるで流れ星のよう。フルー [続きを読む]
  • おすすめのバロック音楽
  • 肩の力を抜いて楽しめて、フラウト・トラヴェルソの優美な音色を楽しみたい。そんな方におすすめなのが、ラモーの「コンセールによるクラヴサン曲集」です。 何か大きなことが起こりそうな劇的な感じのする「クリカン」、儚げなフラウト・トラヴェルソが印象的な「リヴリ」。そして、軽やかなステップを踏むような「ヴェジネ」。この3曲から構成される第1コンセールを聴いただけできっと、この曲集の虜になってしまうことで [続きを読む]
  • しっとりとした味わいの「イタリア」
  • ブリュッヘンと18世紀オーケストラによるメンデルスゾーンの交響曲第4番の再録音は、しっとりとした味わいが印象的な演奏です。 時にはゴツゴツしていると感じるほど、曲の生命力を最大限に引き出した往時のスタイルはここでは見られず、肩の力を抜いて伸びやかに歌った演奏で、リラックスして聴くことができます。透明感のある響きも素敵。それにしても、リズムは歯切れ良いのに、しっとりと落ち着いて聴こえてくるのが不思 [続きを読む]
  • 大フィルの東京公演【感想】
  • 東京以外のオーケストラも聴いてみたくて、大阪フィルハーモニー交響楽団の東京公演を聞きに行ってきました。 後半に演奏されたショスタコーヴィチの交響曲第12番は、全体的に音の出し方の無神経さが気になる演奏でした。出だしの平板な弦から、この曲が持つドラマをきちんと表現できるのかどうか不安を覚え、それが現実となってしまったような気がします。第1楽章の荒れ狂う部分もどこか冷めており、続く革命家を歌い継いで [続きを読む]
  • オケを聴くべきコンチェルト
  • ラ・ディヴィナ・アルモニアとロレンツォ・ギエルミによるヘンデルのオルガン曲集は、オケを聴くべき録音だと思います。 このオケの特徴は、ゴージャスな弦。第1番の出だしの厚みのある和音を聴いただけできっと、耳が奪われることでしょう。古楽器オケで気になったザラつきが全くなく、モダンオケの厚みと古楽器の真っすぐな音色が見事に融合した、素晴らしい音色です。オケが全面的に出た録音も、この演奏の魅力をよりいっ [続きを読む]
  • フォーレの春の歌
  • 煌めくような春の日差しを思わせるフォーレのヴァイオリン・ソナタ第1番。特に、前奏から幸せいっぱいな第1楽章は小細工なしにストレートに歌を聴かせてくれる演奏が好きです。 個人的にお気に入りなのが、ガロワ=モンブランのヴァイオリンとジャン・ユボーによるピアノの演奏。前奏はユボーのキラキラした音色が美しく、ガロワ=モンブランのヴァイオリンは少し音楽が曇っても気にせずたっぷりと歌ってくれるのが魅力的。 [続きを読む]
  • 20世紀のクラリネット曲集
  • 個人的に、20世紀に最も名曲が生まれた楽器はフルートではないかと思うけれど、クラリネットも負けてはいないと思います。 夢見るようなドビュッシーの第一ラプソディ、雑然とした部分とメランコリーが交錯するプーランクのソナタ、屈託のない明るさと雪がしんしんと降るような中間部との対比が楽しい、ミヨーの「グランド・デュオ・コンチェルタント」・・・まだまだ紹介したい曲がたくさんあります。 そんな20世紀の [続きを読む]
  • コンドラシンのバランス
  • 西側で活躍し始めてからそれほど経たないうちに亡くなってしまった旧ソ連の指揮者、キリル・コンドラシン。あと10年長生きしていたらどれほどたくさんの名演奏を残してくれたことでしょうか。 彼の特徴は、オーケストラの特質を活かしながらも、ロシア的な重厚さを失わない、バランスの良さが挙げられると思います。私が特に好きな演奏が、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したリムスキー=コルサコフの「シェエラ [続きを読む]
  • アメリカの交響曲第3番
  • 今年来日するデトロイト交響楽団は、コープランドの交響曲第3番を演奏します。普段なかなか耳にする機会のないアメリカの交響曲をアメリカのオーケストラで聴くことができるのは、とても楽しみです。 しかし、「ウィリアム・シューマンの交響曲第3番を聴きたかった」こう思った人は、私だけではないかもしれません。私にとっては、アメリカの交響曲第3番といえば、コープランドでもバーンスタインでもなく、ウィリアム・シュ [続きを読む]
  • 黄泉の国の交響曲
  • 日本を代表する作曲家の武満徹さんはご臨終の際、バッハのマタイ受難曲を聴いていたそうですが、私であれば、シューベルトの未完成交響曲の第2楽章を聴いていたいと思います。 この曲のすべてを受け入れるような温かみのある旋律はもう、この世のものではなく、誰もが願うような安楽な死後の世界を描いているように聴こえます。途中に出てくる心が乱れるような部分は、今更どうしようもない現世での後悔のよう。まるで、福永 [続きを読む]
  • 人生の前奏曲とフーガ
  • ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」を聴いていると、まるで人生のある局面を描いているのではないかと思うことがあります。 私が思い浮かんだタイトルを書いてみると、第1番は「出会い」。最初はそっけなくても、次第に感情が高まってその人なしでは過ごせなくなる過程を描いているかのよう。 第4番は「別れ」。生きている意味を見いだせなくなってしまうほど寂しさを感じる夜。 続く第5番は「幸福」。大 [続きを読む]
  • アパラチアの理想形
  • 個人的に、コープランドの曲で最も好きなのは、バレエ音楽「アパラチアの春」。けれども、オーケストラ版を聴くたびにリズミックな部分が重たく感じるのが不満でした。 数年前、東京都交響楽団が演奏したオリジナルの13楽器版を聴いたのですが、この不満があまり気にならなくなった一方で、最初の夕日が沈んでいくような美しい場面の音の積み重なりが薄くなってしまったり、ピアノが少々耳障りに聴こえてしまったりと、クラリ [続きを読む]
  • 二つの銃撃
  • 銃撃のシーンを描いた音楽として思い浮かぶのが、コープランドのバレエ音楽「ビリー・ザ・キッド」と、ショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」です。 どちらも、スネアドラムとティンパニがサウンドの中心となっていますが、印象はかなり異なります。「ビリー」は、まさにカウボーイの銃撃戦のイメージ。ズドンと一発撃つごとにパラパラと小気味よい音を立てて破片が落ちてくる。どちらかというと、スネアのほうに耳がい [続きを読む]
  • 「幕末風」交響曲
  • 團伊玖磨さんの交響曲第2番を聴いていると、幕末から明治へと突き進んでいく日本の姿が目に浮かんできます。 第一楽章の何度も現れる力強い動機と渦巻くような木管楽器は、まるで荒波にもまれながらも新しい時代へと進んでいく日本の姿のよう。途中に現れるひらひらと雪が舞うような弦楽器の高音とホルンがからむ部分は、志士たちが雪の中を肩をいからせて歩いている映像が目に浮かびます。ラストの私のイメージは、目の前の [続きを読む]
  • 夢見るようなソナタ
  • もしどんなに難しい曲でも一曲だけ弾けるようになれるというのなら、私であれば迷わず、スクリャービンのピアノ・ソナタ第4番を選びます。 まるで心地よい夢の中にいるような幸福感に溢れた第一楽章。そしてその夢を現実につかもうと懸命に走り続け、ついに到達したのか、大いなる喜びの中で曲を閉じる第二楽章。この曲を聴くとしばらく何も聴きたくなくなるほど充実感に包まれます。 聴いていてうっとりするような美し [続きを読む]
  • クラシック音楽のフェイント
  • チャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」のラストは、ト短調で終わります。まるで、楽しい宴の途中で突然分厚い雲に覆われて真っ暗になるような印象を受け、それまでの楽しい雰囲気はなんだったのだろうと思ってしまいます。 このように、曲のおおまかな印象とラストの印象が異なる曲で私が真っ先に思い浮かぶのは、シューベルトの即興曲D899の第2曲と第4曲です。どちらもバレリーナが踊っているような優美な曲で、 [続きを読む]
  • リヒターとヴァルヒャ
  • ともにバッハのスペシャリストとして知られた、カール・りひたーとヘルムート・ヴァルヒャ。遺された録音を聴くと、それほど解釈に多様性がないと思われるパイプオルガンの演奏においてかなりの違いがあって興味深いです。 リヒターの演奏はとにかく厳めしい。有名なBWV565のトッカータから人を寄せ付けないものがあります。テンポはかっちりとしていて、音色は渋い。ある意味、バッハを聴くのにふさわしいかもしれません [続きを読む]