高岡ヨシ さん プロフィール

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高岡ヨシさん: 想像は終わらない
ハンドル名高岡ヨシ さん
ブログタイトル想像は終わらない
ブログURLhttp://yoshitakaoka.hatenablog.com/
サイト紹介文ストーリーは続いていく
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供98回 / 338日(平均2.0回/週) - 参加 2016/10/14 07:59

高岡ヨシ さんのブログ記事

  • 橋の上の神様
  • 僕は「場所」を探していた。昼が昼でなくなり、夜が夜でなくなった日を随分長く過ごしたせいで、右も左も分からなくなっていた。締め切った窓。肌に纏わり付くTシャツ。通販番組の司会者が大きな声を上げた時、「もう終わりにしよう」と心が言った。ビニール袋に貯めていた幾らかの金と携帯電話を掴み、部屋着のまま飛び出した現実は、室内と変わらずベトベトしていた。真夜中なのに忙しい街。ここに住む人たちは、僕が存 [続きを読む]
  • 心の歌
  • 目隠しされても笑って歩く俺の視界を奪っても本質だけは奪えない触れられないいや触れさせないいくらでも笑えいくらでも指をさせ頭の数だけ増やしてもお前の戯言は響かない上だろうが下だろうが構わない俺はとにかく進んでいく昼が嫌なら夜を待て光が嫌なら目を瞑れ同じ場所を目指さなくていい道から無理に外れなくてもいいどうしようもない環境の中で不良にも犯罪者にもならずに生きてきた「普通」に馴染めない毎日を [続きを読む]
  • アーティフィシャル・フラワーズ 《後編》
  • 「だからよ、何でセリフを言うときに眉毛が上がるんだよ。それじゃあ演技が嘘くさくなっちまうじゃねぇか」口に含んだ煙を上へ吐き出したチャーさんは、タバコの先をワタル君へと向けた。「え? 上げてないですって! チャーさんの見間違えですよ。ていうか、細かすぎますよ。例え眉毛が上がっていても、誰も気にしませんて」「バカやろう、お前は何にも分かってねぇな。話すたびに眉毛が上がる奴がいたら、どう考えたって [続きを読む]
  • アーティフィシャル・フラワーズ 《前編》
  • 8時は越えたか?いや、まだ壁に光があるから、7時半過ぎか?だとしたら、2時半前に寝たとして、約5時間。枕の横で背中を見せている電話をひっくり返し、手探りでホームボタンを押す。( 7:04)7時4分。勘弁してほしい。最後の1杯。あの冷や酒が余計だった。(もったいねーから、終わらしちまいな)チャーさんが締めに勧める酒は、毎回無駄に後を引く。自分の適量は分かってるのに、貧乏根性を出すから眠 [続きを読む]
  • 深海にあるもの
  • 上へ登った違う景色が見たかったからいつもとは違う選択をした服が変わり立場が変わり呼び名が変わった笑顔の挨拶穏やかな声湯気が出ているコーヒー窓から差し込む光は眩しいでもこの部屋は息をしていない能力と肩書きは比例しないここに来てそれを痛感した時計が9時を指し合図と共に曲がかかる女王蜂に裸の王様踊る僕らは蜜を運び彼らはそれを平らげる実力なんて関係ない目立たぬように静かに踊り流れにまかせ [続きを読む]
  • ノスタルジア
  • 引っ越す背中を強く押す透き通った緋色の夕焼け僕が歩いていたその道は二度と戻らない道となる借り物の街で見上げた星は電車の窓に映った花火めいっぱい腕を伸ばしても決してこの手に掴めない大洋ホエールズの帽子を被った緑のクリームソーダのあの子君は僕を覚えているかな同じ靴ばかり履いていた掃除をしない放課後のエース僕は君を覚えているよ新しい番号を書いた葉書君に届かなかったのかな電話が鳴り響くそ [続きを読む]
  • 答えてよ
  • 僕はあなたを笑わないずっと笑われてきたから決してあなたを笑わないねぇもっと自由に踊ってよ心置きなく好きな円を描いてたとえ姿が見えなくても背中に手を当てるからやりたいように息をして僕はあなたをバカにしないずっとバカにされてきたから決してあなたをバカにしないねぇ感情をフィルターにかけないで思ったことを口にして雑踏が耳を貸さなくてもあなたの声は僕が聞くから何処へでも飛んで行っていい僕はあなた [続きを読む]
  • 西口ターミナルと後ろ姿
  • 緑奥駅の西口改札を出て左に進み、エスカレーターを避けて長いスロープを歩いておりる。地面から天井まで伸びる透明な窓が続く、緩やかな斜面。日が完全に沈みきった後、このスロープから大きなバスターミナルを眺めるのが好きだった。 程よい暗さが溢れた色を隠し、等間隔に並んだ白いライトがコンクリートを浮かばせる。光に縁取られた半円の中を回る緑のバスはどこか未来的で、煩わしい現実を程よくぼかす。僕はいつも、この [続きを読む]
  • いじめサバイバー
  • 僕はサバイバー生きるために背中を見せたいじめサバイバー僕はサバイバー立ち向かう勇気を持てなかった いじめサバイバー僕は逃げた生きていたいから逃げ続けた後ろを振り返らず目を瞑りただ走った出来るだけ遠くへ手が届かないほど深くへ追いつかれたくなかったから要らないものは極力捨てた先が見えなかったから着の身着のままで国を超えたベットリと記憶に塗りつけられた鮮明な痛みと悔しさ対処する術が分からず [続きを読む]
  • 衝動は、ここにいる
  • クリップで留めた感情は夜を越えない湧き上がる衝動と会話がしたいから柔らかいクッションは取っ払った遠慮なく飛び込む刺激はたまに痛いほどだけどとにかく朝を迎えたかった喜怒哀楽に 邪と欲そのままの形で出てきた思いに自分の全てをぶつけたい頭を強く揺さぶる曲に深く引き込まれる文章ハッと心をえぐる絵に過去を連れてくる写真胸の内側が溢れたなら下手なステップで床を滑ろう記憶がうまく収まらないなら意味 [続きを読む]
  • 空ではなかった
  • 「あれは空だ」ずっと長い間 その言葉を信じてきた当たり前のように植え付けられた常識を疑った事なんてなかった2017年 6月15日遠く見上げた先にあるものはとてつもなく大きな手のひら青く着飾っているけれど あれは空ではない頭のおかしな人の裏にいるのは誰だコトを起こして恐れを引き出し操ろうとしているのは 誰だ目の前で繰り広げられる寸劇は私が生まれて見てきたものと変わらない思い通り [続きを読む]
  • 届いて欲しいお知らせ(追記しました)
  • 本日から来週の月曜日までの間、Amazon Kindle ストアで販売している自分の電子書籍「五厘クラブ」の無料ダウンロードキャンペーンを行います。この作品は、自分にとって特別なもので、強い思い入れがあります。幾つかアイデアはあったのですが、一番初めに出すものは、これだと決めていました。大袈裟ではなく、自分の人生を救ってくれた「五厘クラブ」と名のついたグループの物語。この作品で表現したかった思いは、心を込め [続きを読む]
  • こんな場所が欲しかった
  • ずっと前からこんな場所が欲しかったただ顔を合わせるだけでは目にする事が出来ない世界挨拶を交わすだけでは晒してはくれない世界何を思い何を考え何を表現するのか頭と心にある世界を電波に乗せて表に出し合い生まれた感覚を交差させるずっと前からこんな場所が欲しかった自分とは違う言葉を使い異なる思考で綴られた文章がスクリーンに溢れる通すレンズが変わるから写真にうつる空も雲も全く別のものになるそれ [続きを読む]
  • 取っ払う
  • 枠には入れなかった入らなかったのではない入れなかったのだはじき出されて 何を想う普通を横目に 何を想う付いたレッテルはどうでもいいそれが意味をなさない事は ここまで生きて身に染みた付けられたレッテルも気にしないそんなものは他人にひとときの優越感を与えるだけだでも 人は忘れていくどんどん気にせず 忘れていくならばすり寄った時間は幻か抱えた苦悩は無駄死にか共存しようと付けた飾りはもは [続きを読む]
  • 茜橋で待ってます《後編》
  • 「大学おめでとう。おばさんから聞いたよ。何で直接教えてくれなかったの?」久しぶりに顔を合わせたエミちゃんは、いつもそうしているように小声で俺に話しかけた。「ごめん。なかなか言うチャンスがなくて。最近バイトも被らなかったし」2月半ばの登校日。まだ試験が残っている生徒もいるせいか、思っていたよりも空席が多い。前回のバイト帰りに「ダルい。行きたくない」を連呼していたサキヤマさんは、意外にも、教室の [続きを読む]
  • 茜橋で待ってます《前編》
  • 茜橋で待ってます今夜、7と共にいた数字の時に茜橋で待ってます白いコピー用紙にプリントされた文字。週に1回、決まって水曜日に投函されるこの紙を見るのは、これで3度目だ。何が目的かは分からないが、入れたヤツの目処はだいたい立っている。どうせワカマツ達の誰かだろう。2月に入って自由登校が増えたから、きっと暇なんだ。それにしても、凄い執念だ。SNSのメッセージをブロックしているからって、わざわざ家にまで来 [続きを読む]
  • 爺さんとアルバム
  • 「明日、仕事がないやつは朝までな」テーブルの上にビールのケースを置いたコースケは、母屋に向けて手を合わせ、いつものように白い歯を見せた。亡くなったツヨシの爺さんの意思により、親族席に座ったコースケは、式の間中ずっと泣いていた。小学校から付き合いのある彼の泣き顔を見たのは、その時が初めてだった。「九十二歳、大往生だよ」コースケからビールを受け取ったツヨシは、一度上に目をやって、タバコに火をつけ [続きを読む]
  • 6172本の物語
  • その子の放った3ポイントシュートは、リングをかすることなく、ストンとネットに吸い込まれた。2本立て続け、しかも左右、両サイドからだ。「あのね、ああいう奴はね、見えている世界が違うんだよ」体育館すみっこ部の御意見番が腕を組み、相棒の角刈りメガネに講釈を垂れた。見えている世界が違う?シュートを打った右手を空中に残し、ボールがネットを通過した瞬間にガッツポーズを作る。退屈な体育の授業で輝くサラサラ [続きを読む]
  • 赤が青に変わる瞬間
  • おぃ、そーた。そーたっ! おぃっ!こっち来てみろ。いいからっ! とにかくこっち来いって。また母ちゃんの事でからかわれたんか? そんじゃあ、麦茶、飲むか?キンキンに冷えたのがあるからよ。おぃ、そーた。分かってると思うが、おめぇは何にも悪くねぇんだぞ。あいつらがどーだこーだ言っても、本当は何にも分かっちゃいねぇんだからよ。それに、おめぇの母ちゃんだって悪くねぇ。心配すんな、この前の三月の時と同じで [続きを読む]
  • 電子書籍を出しました
  • AmazonのKindleストアで電子書籍を出しました。タイトルは「私が私をやめたなら」です。このブログで発表した作品に加筆をして、内容をまとめ直したものが中心になっております。生まれただけでは息を吸えない。読んでもらえて初めて呼吸が出来る。どんな形でも世に出た書物は、誰かに読まれてこそ生きていけると自分は思っております。自分の発信したものが誰かの目に触れてもらえる、自分にとってこれ以上の喜びはありません [続きを読む]
  • 今川焼きとナポレオン
  • 「商店街の誓い」という件名の付いたメールをツヨシから受け取って、今日でちょうど一週間。長らく時間は掛かってしまったが、ようやく全て読み終えることができた。メールの本文ではなく添付ドキュメントとして送られてきた内容は、物心がついた時から遊んでいた集まりのリーダーの結婚話だ。仕事が忙しかったとはいえ、完読に二日間の休みを入れて合計七日も費やしてしまった理由は、送り主のツヨシが当事者にインタビューまで [続きを読む]
  • 黒いネクタイを締めた日
  • 夜明け前に布団を上げて窓に近づき目を細める仄暗さに負けない薄紅の桜五年振りに見るその姿は 冗談みたいに美しかった今日は黒いネクタイを締める日はっきりしない空を覆うネズミ雲絶え間なく土を濡らす雨雫のように 私は涙を流せないドライアイスに埋もれた白装束 それを囲む黒い影故人を食い物にしていた喪主は 口を押さえて肩を震わせた手順を確認し 配役通りに動く様子は場末の寸劇あなたの瞳に浮かぶ水には 一 [続きを読む]
  • やっぱり、ドッキリがヘタなカナダ人
  • 本日、4月1日をもって、自分は約5年間勤めていた会社を退職しました。箱型キテレツマシーンに中指の指紋を取られるのも、今日で最後です。「いつもニコニコゼロ文句、手など抜かないハードワーカー」カナダに移住して約11年。自分はこの会社に入るまで、典型的なノースアメリカの日本人像を必死に演じていました。英語が感情に追いつかなかったこと、そして知り合いも頼れる人もいない状況を生き抜く為に、なるべく敵を作 [続きを読む]
  • 私とあなたのサウダージ
  • こうしてまた会えるなんて夢でも見ている気分だよ突然声をかけて申し訳ないあなたは私を知らないだろうけど 私はあなたを知っているんだこちらに居られなくなってから 随分時間は経ったけどあなたがどこかで生きている事は しっかりと分かっていたよ私がこうして存在しているのが 何よりの証拠だからねさて 何から話そうあなたに伝えたいことが 山ほどあるんだあのね最初に言っておくけどこれが夢だとかそうではない [続きを読む]