kichou0720 さん プロフィール

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kichou0720さん: 小さな言い訳
ハンドル名kichou0720 さん
ブログタイトル小さな言い訳
ブログURLhttp://theheirs.blog.fc2.com/
サイト紹介文韓国ドラマ「相続者たち」二次小説です。 タンとウンサン二人のその後を私なりに妄想しています。
自由文「相続者たち」が終わった時、終わらせたくないと思いました。
どこかでひっそりとタンとウンサンが生きていて欲しいと、二次小説を探しましたが「信義」ほどはなくて、自分で作るよりほかありませんでした。
私の頭の中で生きるタンとウンサンです。よろしければお付き合い下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供137回 / 274日(平均3.5回/週) - 参加 2016/10/21 13:57

kichou0720 さんのブログ記事

  • 平行線−背徳のつまみ食い 後編
  •     最初は知らなかったの。奥さんがいるって。好きって言われたわけじゃない。「君、可愛いね」ただそう言われただけなのに、私が勘違いした。酔った私の手を繋いでくれて、嬉しくなった。彼の指輪には気が付かなかった。そのあとも何度か会って、食事をした。家まで送ってもらった。会えばいつも可愛いって言ってくれた。それだけのことなのに、彼のことがいつの間にか頭から離れなくなった。    千鳥足で歩く彼女の姿に [続きを読む]
  • 平行線−背徳のつまみ食い 前編
  • タンの手に、花束。卒業の花、花、花。「もう会えないんですね、先輩」「いつかどこかの現場で会えたらいいわね、キム・タン」「先輩。建築士の試験、頑張ってください」「またいつでも店にいらっしゃい」「次は帝国のみなさんと一緒に。ねっ」互いに牽制し合って、散らす火花。まだ昼間だというのにどの花も、誘うように口紅は赤い。同級生と下級生に混じる、キレイなお姉さんたち。色とりどりの花に、タンの目がくらんだのは事実 [続きを読む]
  • 平行線−枯れた女
  • 「どう?ね、どうだった?どう思う?」彼氏を先に帰らせた、二人の反応を確かめるイエソル。浮かれ気味のその様子に、呆れ顔のボナがダメを出す。「いっくら何でも年が上過ぎない?」身も蓋もない直球に、イエソルが肩を落とした。「でも若く見えたね」「若く見えても、年の差は縮まらないわよ」気の毒に思ったウンサンのフォローを、ボナがあっけなく叩き落とす。「やっぱりそうよね」呟いたイエソルが、大きなため息をひとつつい [続きを読む]
  • 平行線−ドライフラワー
  • テレビの右上、カレンダーの横のコルクボードに、ひまわりのドライフラワーがふたつ。ひとつは高校三年生だったウンサンが、怪我をした時のお見舞いに。そしてもうひとつは、ハヌルを亡くしたあとで入院が長引いた時に。早く元気になって欲しくて、持っていった花束。入院はいつも夏だった。ウンサンはどっちも捨てずに、ずっと飾ってくれていた。長持ちさせるコツがあるらしい。「枯れた花なんて捨てろよ」そう言うと、ウンサンは [続きを読む]
  • 平行線−帰りたくても帰れない
  • 「あーあ、押しちゃった」「何よ、その言い方」「押しちゃったよ、この人。やだねぇ」「もうっ、何なのよ!!」チェ・ヨンドに「ハンコ持ってこい」と呼ばれ役員室へと出向き「押せ」と言われたから押した。それだけのことだったのに、呼びつけたヨンドが押されたハンコを見て騒ぎ立てる。「お前、いつまで寮に居座る気だ?」「ひどい言い方ね。ちゃんと寮費払ってるじゃない」「ちゃんと帰るところがあるだろうに」とため息まじり [続きを読む]
  • 平行線−兆し
  • 大きな屋敷。今は記憶だけの住人たちに「おはよう」と声かけ歩く老人の姿。いや、老人と呼ぶにはまだ若いだろうか。脳梗塞の影響で歩くにも不自由しているその彼は、門から先に出ることがなくなった。どうやって、開けるんだったかな。門を見あげ首をかしげる彼を、『あなた』と呼びかける賑やかな声が追いかけて来た。「ヨボぉ」「・・・」「ヨボっ!」二度呼ばれ、ようやく自分が呼ばれたことに気が付き振り向くと、そこには絶世 [続きを読む]
  • 平行線−選び直す時
  • 「春から、タンを常勤にします」「卒業が決まったんですか?」「ええ。そのようです」帝国本社社長と副社長。二人きりで話す時は行きつけのワインバー。話が漏れるような安い場所ではない。会社で話をするよりも、案外ディープな話が出来る。「おめでとうございます」「それは、本人に言ってやって下さい」と言うウォンは微かな笑みを湛えている。「席はどこに?」「建設へ。予定通り末席に置いてください」現場に出る。その約束は [続きを読む]
  • 平行線−分身
  • 2020年、東京オリンピックの夏の暑さが思い出になり始めた年の暮れ。突然、猛烈な寒波に見舞われたソウル。外は、猛吹雪。ア゙ァァア゙ァァ    ア゙ァァァア゙ァァァ     「はぁい、お父さんですよぉ」助産師が、産まれたばかりの子を、胸元に寄越す。父親は恐々と抱いてみた。長い腕の中でおさまりが悪いのか、その子はむずかるような仕草を見せる。落としそう。そう思った父親が、助産師に声をかける。「あの・・・・・・・落としそうです [続きを読む]
  • 平行線−事前通告
  • キム・タンの、ホテルゼウス出入り禁止は解けていない。ウンサンが逃げ込んでからしばらくは、近辺をうろつくこともあったタン。しかし中には入れてもらえない。例え中に入れたとしても、必ず追い払われる。そんなことから最近は、ホテルに近寄ることもなくなった。家を出て行ったのはウンサン。だから迎えに行く必要はないと強がる。下手にかち合って、迎えにきたと誤解されても困る。そんな屁理屈。その、近寄ることもなくなった [続きを読む]
  • 平行線−キャパオーバー
  • 毎晩、玄関前でウンサンをちょっとだけ思う。今日こそ。そう願ってドアを開けるのに、靴がなくてがっかりする。そしてまた、今日こそと。そして、がっかりを繰り返す。最近は、がっかりもしなくなった。今日もまた。そうだろうとドアを開け、ウンサンの靴がやっぱりないってことを確認するだけ。そこにあるのは、ただ一足。今日もまた、取り残されたスニーカーが寂しそうだ。Great distance away×Great distance away×Great dist [続きを読む]
  • 平行線−揃わない気持ち
  • 揃いのスニーカーを買ったのはウンサン。少ないバイト代をはたいて、嬉しそうにしていた。その日、僕の前からウンサンが消えた。揃いのスニーカーを履いたまま。あれからもう僕は履いてない。だってウンサンが、一生懸命働いて買ってくれたのに、僕ひとりで履くのはもったいない気がしたから。そしてウンサンは、あのスニーカーと一緒に、再び家を出た。一足だけ残されたスニーカー。玄関で寂しそうにしてる。Great distance away [続きを読む]
  • 問わず語り−あなたへの尽きぬ思い
  • 危機管理が聞いて呆れるわ。シャララーン。シャララーン。これは警告の合図。その手を離しなさい。シャララーン。シャララーン。その子に夢を見させてはダメ。私は悪い夢を祓い、良い夢を運ぶ。でも私の夢は、人を選ぶ。Dream Catcher×Dream Catcher×Dream Catcher「ウンサーン、時間ないぞ」「待って、もうちょっと」明け方寝付いたせいで、目が覚めたらチェックアウトぎりぎりの土曜の朝。外は厚い雲が垂れ込めて、今にも雪が [続きを読む]
  • 平行線−危機管理
  • 人数合わせ。ともに四年に進級したチョン・イルが、よくそう言ってタンを合コンに連れ出す。春からいったい何回の新歓コンパに出たことか。数えてみて片手で足りることに気づき、なんだ、こんなもんかと思うタン。いやいや、こんなもんかじゃ困ると思い直す。授業の合間をぬって卒制用の資料を読みこむ必要があった。その授業の合間を、チョン・イルに邪魔される。「今度はね、みんなで仲良く暑気払い」「なんだそりゃ」「ビアガー [続きを読む]
  • 平行線−悪魔との取引
  • 帝国本社、秘書室。ここに、帝国建設から異動となったキム・ミギョンの席がある。肩書は秘書室長。昇進だ。前職では業務の傍らウンサンを指導し、また、タンとウンサンの挙式も仕切った。ブルドーザーの異名を誇る彼女も、人生の節目節目で家庭や家族を優先することがあり、有能ではあるのに同期の男性社員よりもずっと遅れての昇進となった。そんなミギョンの元を、そこそこいい歳をした童顔の茶髪がひとり訪れている。「相変わら [続きを読む]
  • 平行線−遣わされし者 後編
  • 「あぁ、待って。待ってください。切らずに話を聞いてくださーい」(・・・)「どこにでもうかがいます。ちょっとお渡ししたいものがあるだけです」(・・・)「奥様?聞いてらっしゃいますか?奥様?」(渡したいものって)「はい?」(何ですか?)やった、食いついた!「広報誌です」(・・・)やっぱ広報誌じゃ無理かー。「えーっと、奥様?」(それ、やめてもらえます?)「え?」(奥様って言うの)「あぁ、はい」どこに噛み [続きを読む]
  • 平行線−遣わされし者 前編
  •     少しは責任感じても良いんじゃないですか?それはもう、十二分に感じてますから。帝国本社広報部員イ・ホンギは、御曹司キム・タンからの無茶ぶりに困惑していた。    ウンサンに広報誌、持って行ってもらえませんか。ね。ね、とかじゃないし。Great distance away×Great distance away×Great distance awayタンとウンサンが結婚五周年を迎えた春。広報部にふらりと顔を出したキム・タンに、おいでと手招きされたイ [続きを読む]
  • 平行線−仲直りの準備
  • 「何だ?これ」作業部屋に、見覚えのないパソコン。「おいタン。何なんだよ、これ」「見りゃ分かるだろ?」「人の部屋、勝手に使うなよ!」と怒るミョンス。タンはハハッと笑って言った。「こないだ、ここでウンサンと仲直りしろって言ってくれただろう?」「あぁ、言った」「だから、仲直りの準備から始めようかと思って」とパソコンのセッティングを続けるタン。「何だよ、準備って」パソコンを指差すタン。「卒業制作」「何だ? [続きを読む]
  • 平行線−告白
  • 「どう?最近」ボナがウンサンに訊ねる。「うん、お薬も飲んでないし、元気だよ」言葉通りウンサンは、前より少し頬がふっくらして見える。浮腫んでるのかな。ううん、でもちょうどいい。ボナは思った。母親の葬儀のあとで体調を崩したウンサンを、気遣っているうちに春を迎えた。チャニョンはいまだ入隊中。そのチャニョンに代わりウンサンを、気晴らしのショッピングに誘ったボナ。春とはいえまだ肌寒い。本調子ではないウンサン [続きを読む]
  • 平行線−非武装地帯
  • チョ・ミョンス。帝国高校を最下位の成績で卒業した男。カメラマンを目指して留学したは良いものの、語学学校で躓き早々に帰国した。さすがに親に顔向けできず、作業部屋に籠る日々。軍からの招集にみんながイヤイヤ従う中、喜び勇んで入隊した。体力に自信があるわけではなかったが、軍隊生活が水に合い、除隊を前に延長を申し出た。任務は非武装地帯のパトロール、南北軍事境界線での観光客の監視。そして広報活動の一環として、 [続きを読む]
  • 平行線−女の子は父に似る
  • 六週目の、エコー写真。まだ人と呼ぶには程遠い、我が子の姿。チェ・ヨンドは見るなり絶句し、ほどなくして妻のミナに訴えた。「ミナさん。俺に似た女の子だったら、どうしよう」いつもは上がり気味の眉を下げ半泣きのヨンドに「心配いらないわよ」とミナが言い聞かせる。「ミナさん」「なぁに?」「俺、やっぱり心配」「いまさら何言ってんのよ」「もしって考えたら、怖い」「そんなにビビらなくても大丈夫だってば」「でも、もし [続きを読む]
  • 問わず語り−意外な進路
  • 切羽詰まり、追い詰められてふと、蘇ることがある。頭の中の引き出しに、そっとしまっておいた懐かしい記憶。高三の、それは夏。思い出したのは、言葉。一言一句、忘れてなどいなかった、自分の言葉。だけどね、タン。引き出しを開けたのは、私じゃない。私は悪い夢を祓い、良い夢を運ぶだけなのだから。Dream Catcher×Dream Catcher×Dream Catcher朝早い図書室。腕組みしながら俯いて、眠っていたウンサンの顔を覗き込む。「ウ [続きを読む]
  • 平行線−描いた夢
  • 「君は、帝国建設で働くんだよね?」「はい。現場で働きます」「役員じゃないの?」「はい。経営は兄の分野なので」「んー」足だけじゃなく腕も組み、イスに深く腰掛けた教授が意外だとばかりに唸る。研究室のデスクの上にはパソコン、書籍、そして作成途中の模型。その隙間から顔をのぞかせる教授。帝国の御曹司キム・タンが提出した一枚の用紙を手に、言いにくそうにしている。んんっと咳払いしたあとで姿勢を正し、用紙をパンっ [続きを読む]
  • 問わず語り−怪我の功名かはたまた代償か
  • 生まれたての赤ん坊じゃない限り、まっさらな人間などいない。清廉潔白でいようと心がけ、常に正しい人でいたいと願うことはあっても、人間なら誰だって穢れている。それを人生経験豊富と言い換えるなら、ねぇウンサン、あなたの周りにいるオンニたちはみなそうね。オンニたちの妄想が、あなたの記憶を呼び覚ます。それは夜学への進学を決めた、高校三年のこと。私じゃなく、オンニたちがあなたに見せる白昼夢。それが悪夢か良い夢 [続きを読む]
  • 平行線−思いを馳せる先
  • ウンサンが家を出て、一年が過ぎた。大学の卒業式も済み、ゼウスで皿を洗うだけの毎日が始まっている。「本当に家には帰らなくて良いの?」「はい」休憩で賄いを食べている同僚のオンニから、質問攻めにあうウンサン。ウンサンが、帝国財閥御曹司の妻だということがバレた。情報がいつ、どこからどう漏れたか分からない。考えられるのは、帝国が仕切ったウンサンの母の葬儀。その後、無理をして職場で倒れたウンサンのシフトを、ゼ [続きを読む]
  • 平行線−序章
  • 同じ舟に乗ってたはずだった。でもそれは、笹の舟。沈むのが怖くて逃げだしたのは僕。間違いだったと気が付いて、岸辺から振り返った時にはもう、君はそこにいなかった。君も、舟を降りたんだね。頼りない僕をあきらめて。意気地のない僕を見限って。君は、舟を降りてしまった。僕のいない世界はどう?ひとりぼっちで寂しくはない?怖くない?どこへ向かって歩いて行くの?ひとりで大丈夫?僕はもう、一緒に歩くこともないのかな。 [続きを読む]