kichou0720 さん プロフィール

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kichou0720さん: 小さな言い訳
ハンドル名kichou0720 さん
ブログタイトル小さな言い訳
ブログURLhttp://theheirs.blog.fc2.com/
サイト紹介文韓国ドラマ「相続者たち」二次小説です。 タンとウンサン二人のその後を私なりに妄想しています。
自由文「相続者たち」が終わった時、終わらせたくないと思いました。
どこかでひっそりとタンとウンサンが生きていて欲しいと、二次小説を探しましたが「信義」ほどはなくて、自分で作るよりほかありませんでした。
私の頭の中で生きるタンとウンサンです。よろしければお付き合い下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供97回 / 218日(平均3.1回/週) - 参加 2016/10/21 13:57

kichou0720 さんのブログ記事

  • 離ればなれ−私の一番大切な人
  • 入院中の母に会いに来るたびウンサンは、ハン・ギエにメモを残した。『母がご迷惑をおかけします』メモを受け取ったほうのハン・ギエは、迷惑だとは思っていなかった。最愛の息子タンを、ウンサンに取られたハン・ギエ。一方でパク・ヒナムも、娘のウンサンをタンに取られたのだ。ハン・ギエにとってパク・ヒナムは良き理解者であり、気持ちを分かり合える大切な友だった。そのパク・ヒナムの最期の時に、ハン・ギエは間に合わなか [続きを読む]
  • 離ればなれ−差し出した頬
  • パク・ヒナムは、静かに逝った。立ち会ったのは、ウンサンただひとり。蒸し暑い夏の真昼のこと。ヒナムをモニターしていたすべての機器が外される。カチッ。最後のスイッチが切られると、特別室に静寂が訪れた。窓の外では蝉たちが、ウンサンの嗚咽をかき消さんばかりに鳴いていた。Great distance away × Great distance away × Great distance awayヒナムの長女チャ・ウンソクが、ユン・ジェホとともに特別室に入るとそこには [続きを読む]
  • 離ればなれ−今日がその日
  • いつからか、覚悟していた。覚悟はしていたが、今日がその日になるとは思わなかった。誰だってそうだろう。今日がその日だと、よほどのことがない限り分かり得ない。Great distance away × Great distance away × Great distance away(もう帰りなさい)それまでうとうとしていた母がぱちりと目を覚まし、突如指を動かし言った。ウンサンが望んでいた答えではなかった。それでも奇跡のような母の綴りにウンサンは、意地を張らず [続きを読む]
  • 離ればなれ−迎えの翼
  • 娘が二人。二人が二人とも、揃って頑固なのは私に似たせいだと夫はよく言った。その夫はそそっかしい。頑固な女を三人残し、迎えの翼に乗って空へと飛び立った。長患いの末に、亡くなった夫。若かったからこそ、長患いになった。病と闘うだけの体力があった証拠だ。身内にそう言われた時、呆れて涙も出なかった。誰も看病を代わってくれる人は無く、入院費すら貸してはくれなかった。なのに葬式だけはやけに立派にしてくれた。せい [続きを読む]
  • 離ればなれ−願うのは奇跡
  • それを見つけたのは偶然。ホテルの売店にあったクロス。一瞬迷って、手に取った。何かに頼りたかったのは事実。でも、こんなものに頼ろうとは考えていない。クロスに頼ったところで、母の病気はもう治らない。ただ、私の心が鎮まればそれで良い。奇跡を願ったわけじゃない。Great distance away × Great distance away × Great distance away「母さん、どう?」パク・ヒナムからウンサンへ、言葉が返らなくなったのはここ数日の [続きを読む]
  • 離ればなれ−揺れる思い
  • 入院から二か月。手の施しようがないと言われたヒナムは、鎮痛剤の投与でうつらうつらとしていることが多い。「母さん」ウンサンの呼びかけに、うっすらと目を開ける母パク・ヒナム。「飲む?」うんうんと頷く母。枕元にあるリモコンで、ベッドを起こすウンサン。ストローを赤く染めていくのはスイカのジュース。ひと口飲むとヒナムはまた目を瞑った。面会謝絶の特別室には、ウンサンと、ハン・ギエだけが出入りした。スイカジュー [続きを読む]
  • 離ればなれ−綴る言葉
  • 久しぶりに会う娘のウンサンは、思いのほか元気そうだった。元気じゃないのは、私のほうだ。パク・ヒナムはそう思い、笑顔でピースサインを作った。頑固なまでに居所を明かそうとしない娘に、パク・ヒナムは指で訊ねる。(今どこに住んでるの?)「ごめん母さん、それだけは言いたくない」(タン君には言わないから)「無理よ」それきり娘は黙り込む。都合が悪いのだろう。ヒナムはそう考え、娘を追い込むことをやめた。(ウンソク [続きを読む]
  • 僕に命を吹き込んでくれた人
  • こんばんは、キム・タンです。みなさん、いかがお過ごしですか。いつも僕たちの「小さな言い訳」にお付き合いくださり、ありがとうございます。書き手になりかわりまして僕キム・タンから御礼申し上げます。さて明日、2017年5月12日。韓国ではいよいよ俳優のイ・ミンホ氏が公益任務に就きますね。彼は僕に命を吹き込んでくれた人。恩人です。おそらく彼でなければ僕キム・タンというキャラクターは成立しえなかったと、僕は信じて [続きを読む]
  • 離ればなれ−会えない人
  • 仕事をして、学校に行き、家に帰ったら眠る。起きたらまた仕事へ行き、学校から家に帰って眠る。その、繰り返しの毎日。昼と夜が、その長さを押し合いながら、季節を変えていく。日々の暮らしの中、その変化はとても小さく気付きにくい。眠りに落ちる瞬間も、ぼんやり目覚める朝も、隣にいてくれた人の体温で感じていた季節を、今は気付くことができずにいる。冬を越えて春が過ぎ、初夏を迎えていたことに気付いたのは、あの人が復 [続きを読む]
  • 離ればなれ−母からの手紙
  • キム・タン様この度は娘が勝手に家を出てしまったとのこと、大変申し訳ありませんでした。娘に代わりお詫び申し上げます。あれほど大騒ぎをしてあなた様と一緒になったのに、今の娘には添い遂げる自信が無いようです。あなた様に娘を託してから、つかず離れず娘を見守ってきましたが、今まで見たこともないほど娘は落ち込んでいます。娘はあなた様と真剣にお付き合いを始めてからこれまでずっと、どんなに私が反対しても、どんなに [続きを読む]
  • 離ればなれ−よろしければ是非
  • キム・タンの手元。五月の爽やかな風が運んできたのは、ちっとも爽やかではない招待状。腐れ縁、親友、妻のとりあえずの保護者、チェ・ヨンドの結婚式。場所は当然・・・。その一番大きな広間で催される挙式披露宴。印刷された定型の文面とは別に、大きな大きな、とても大きなヨンドの文字。『よろしければ是非!』何が是非だ。豪快に書かれたその文字を中指の爪でパンっと弾くと、タンはキッチンカウンターの丸椅子に腰かけ、コンビ [続きを読む]
  • 離ればなれ−繭
  • ウンサンの新しい住まいは、ホテルゼウスの社員寮。格安物件を探していたが、細かい条件で折り合いがつかず、ヨンドに泣きついて入れてもらった。寮のほとんどは単身世帯で、互いにあまり顔を合わせることはない。シフトが違っているとそういうものだと、シン・ミナが教えてくれた。そのシン・ミナが使っていた部屋にウンサンは入居した。「ごめんなさい。追い出す形になっちゃって」「いいんです。どのみち出て行くことになるんだ [続きを読む]
  • 離ればなれ−覚悟
  • ユン・ジェホのひとり息子チャニョンは、大学近くの学生用アパートでひとり暮らしをしている。少し広めの1DKが学生用にしては贅沢だと思ったが、それぐらいの贅沢をしても許されるとユン・ジェホが言った。仕送りと家庭教師のバイト代以外に収入はなく、それでもやり繰りできるのは奨学金をもらっているからだ。料理が得意なこともあり、自炊をするから食費は思うほどかからず、検事を目指して勉強漬けの毎日だから金が遊びに回 [続きを読む]
  • 離ればなれ−転地療養
  • 役員フロアの副社長室。ユン・ジェホは内線で呼び出した広報部員イ・ホンギと向き合っていた。「ふんふん。なるほど。わかりました」話をひと通り聞いたイ・ホンギが、何度も「ふんふん」と繰り返した。最後にユン・ジェホからダメ押しされる。「広報誌の退職者欄に載る前に頼む」「了解です」ざっくり言えば、こう。帝国の次男キム・タンの除隊翌日、嫁のチャ・ウンサンが家出した。その噂が広まれば経営の根幹にかかわる。家を出 [続きを読む]
  • 離ればなれ−行方
  • 帝国本社の社長室。漂うコーヒーの香りがアロマ効果をもたらすはずが、そこにいるのは渋い顔をした男が二人。窓の外。激しく舞う雪を見やる社長の背に、コーヒーを片手に副社長が報告するのはチャ・ウンサンの行方。「息子にも訊いてみたんですが、家を出たことすら知らなかったようです」ユン・ジェホがウォンから、ウンサンの家出を聞かされたのが数日前。会社も辞めた。母親のパク・ヒナムも知らなかったと言う。どこに居るのか [続きを読む]
  • 離ればなれ−満点の笑顔
  • 「じゃあ、まず半年」ミナがそう言ってから、二年が過ぎた。告白はしたもののヨンドは、ミナと付き合い続ける自信がなかった。それなのに半年たった留学後も、二人が別れることはなかった。ヨンドの留学中も頻繁に連絡を取りあい、ミナは何度か視察目的で渡米した。自らの計画で渡米しておきながら、公私混同だと言ってミナは怒ってみせた。ラスベガスできっちり四年間、勉強するつもりでいたヨンド。だが日に日に求心力を失ってい [続きを読む]
  • 離ればなれ−ヨンドの恋
  • 「どうも」ブライダル事業部に除隊の挨拶にやって来たヨンドは、そう言うと入り口で立ち止まることもなく、シン・ミナのもとへ真っすぐやって来た。デスク前。立ち止まったヨンドは片手を挙げて言った。「やぁ」ヨンドが各部署へ挨拶まわりすることを、社内メールで把握していたミナ。席を外して留守していたのでは失礼だと、予定を開けて待っていた。ミナは立ち上がり、頭を下げる。「お帰りなさいませ」「長らく留守をしました」 [続きを読む]
  • 離ればなれ−恋文
  • ほんの少しばかり季節をいくつか遡り、タンが除隊するずっと前、ウンサンが家を出てしまうずっとずっと前のこと。ここはホテルゼウス三階のブライダル事業部。土曜の始業前、朝八時。主任のシン・ミナはデスクに両肘を付き、組んだ手の甲に顎を乗せ、物思いに耽っていた。組んだ手の下には、淹れたてのコーヒーが置かれている。立ちのぼる湯気の向こうをまっすぐ見据えるミナの姿を、スタッフの誰も気に留めることはない。挙式披露 [続きを読む]
  • 離ればなれ−友達になってください 後編
  • 最初は何が起きたのか分からなかった。しばらく事態が呑み込めずにいたタン。離婚申請書と結婚指輪を残し、ウンサンが消えた。ほとぼりが冷めたら帰るだろう。最初はそう考えていた。洋服や下着が持ち出されたことに気がついたのは、ウンサンが会社を辞めたと、ウォンから聞かされたあとだった。いつの間に来たのか。捉まえるチャンスがあったのか。そう思うとタンは、自分の間抜けっぷりに笑えた。そのうち思わぬところから居所が [続きを読む]
  • 離ればなれ−友達になってください 前編
  • 「ねっ、ヨンド。この通りお願いします」訪ねて来るなりウンサンが、ホテルゼウスの役員室で頭を下げた。「いきなり何だよ」二月の寒空。セーター一枚、財布ひとつの、誰が見ても逃げてきましたという姿。足元を見れば、色気もクソもない小汚いブーツ。そのブーツとにらめっこしたままのウンサンに、面食らったヨンドが再び訊ねる。「だから何だよ、お願いって」ウンサンは頭を上げてもなお顔は俯いたまま。それでも椅子に腰かける [続きを読む]
  • 離ればなれ−悪い癖
  • 初めて肌を重ねた日のように。兵役を終え、二十一か月ぶりに帰宅した夫。三月だというのに日に焼けた顔が、厳しい任務だったことを物語る。髪もまだ短く、妻が好んだサラサラの、柔らかな手触りとは程遠い。帰るなり夫は、入隊前より逞しくなったその体で、妻を抱いた。何も言わない夫。何も言えない妻。そう。それはまるで、初めて肌を重ねたあの日のように。夫はひと言。「息しろ」とだけ。妻はただひたすら小さな声で「イタイ」と [続きを読む]
  • 離ればなれ−From the Juliet's secretary in Italy of Verona
  • 親愛なるチャ・ウンサン様お手紙拝見しました。早速ですが、ジュリエットからの言葉をお伝えします。お子様を亡くされたこと、とてもお気の毒に思います。お悔み申し上げます。お手紙では、そのことであなたがご自身を責めておられるように感じました。ご主人が罰していると思うことで、あなたは、ご自身を罰しておられる。違いますか?その子が天に召されたのは自然の摂理であり、決して誰のせいでもありません。あなたも、ご主人 [続きを読む]
  • 離ればなれ−ジュリエットクラブ
  • CLUB DI GIULIETTA ? THE JULIET CLUBvia Galilei 3 ? 37100 Verona親愛なるジュリエット誰にも相談できなくて、ペンを執りました。聞いてくれますか?From Juliet × From Juliet × From Juliet × From Juliet × From Julietイタリア、ヴェローナ。古代ローマ時代の円形闘技場跡をシンボルとするこの観光名所は、中世の街並みが「ヴェローナ市街」として世界遺産に登録され、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲の舞台にもな [続きを読む]
  • 離ればなれ−指折り数えたら
  • カレンダーに赤い丸。指折り数えて待つそれは、夫の除隊の日。    行ってきます。帰るまで、待っててね。玄関先で言われたのはもう二年近く前の話。待っていた。一度も連絡を寄越さない夫を、ずっと。たとえ連絡されても、何も話せなかったかもしれない。それでもただ声を聞き、あるいは文字をなぞり、彼の無事を確かめたかった。ジュリエットからの返信は間に合わなかった。夫の入隊前に届いていたら、気の持ちようも違ってい [続きを読む]
  • 離ればなれ−全てはあなたのために
  • いくら待っても眠れずに、ベッドの上で体を起こした。最近ずっとそう。太陽より早く目が覚めて、結局そのまま眠れずソファで朝日を浴びることになる。特に悩みがあるわけじゃない。仕事も、学校も、順調。ひとりの暮らしにも慣れた。ただ何となく、眠れない。Great distance away × Great distance away × Great distance away「どうでした?できました?」ウンサンに声をかけてきたのは、同じ会計学科で年下の同級生。「どうに [続きを読む]