kichou0720 さん プロフィール

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kichou0720さん: 小さな言い訳
ハンドル名kichou0720 さん
ブログタイトル小さな言い訳
ブログURLhttp://theheirs.blog.fc2.com/
サイト紹介文韓国ドラマ「相続者たち」二次小説です。 タンとウンサン二人のその後を私なりに妄想しています。
自由文「相続者たち」が終わった時、終わらせたくないと思いました。
どこかでひっそりとタンとウンサンが生きていて欲しいと、二次小説を探しましたが「信義」ほどはなくて、自分で作るよりほかありませんでした。
私の頭の中で生きるタンとウンサンです。よろしければお付き合い下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供81回 / 183日(平均3.1回/週) - 参加 2016/10/21 13:57

kichou0720 さんのブログ記事

  • 離ればなれ−ヨンドの恋
  • 「どうも」ブライダル事業部に除隊の挨拶にやって来たヨンドは、そう言うと入り口で立ち止まることもなく、シン・ミナのもとへ真っすぐやって来た。デスク前。立ち止まったヨンドは片手を挙げて言った。「やぁ」ヨンドが各部署へ挨拶まわりすることを、社内メールで把握していたミナ。席を外して留守していたのでは失礼だと、予定を開けて待っていた。ミナは立ち上がり、頭を下げる。「お帰りなさいませ」「長らく留守をしました」 [続きを読む]
  • 離ればなれ−恋文
  • ほんの少しばかり季節をいくつか遡り、タンが除隊するずっと前、ウンサンが家を出てしまうずっとずっと前のこと。ここはホテルゼウス三階のブライダル事業部。土曜の始業前、朝八時。主任のシン・ミナはデスクに両肘を付き、組んだ手の甲に顎を乗せ、物思いに耽っていた。組んだ手の下には、淹れたてのコーヒーが置かれている。立ちのぼる湯気の向こうをまっすぐ見据えるミナの姿を、スタッフの誰も気に留めることはない。挙式披露 [続きを読む]
  • 離ればなれ−友達になってください 後編
  • 最初は何が起きたのか分からなかった。しばらく事態が呑み込めずにいたタン。離婚申請書と結婚指輪を残し、ウンサンが消えた。ほとぼりが冷めたら帰るだろう。最初はそう考えていた。洋服や下着が持ち出されたことに気がついたのは、ウンサンが会社を辞めたと、ウォンから聞かされたあとだった。いつの間に来たのか。捉まえるチャンスがあったのか。そう思うとタンは、自分の間抜けっぷりに笑えた。そのうち思わぬところから居所が [続きを読む]
  • 離ればなれ−友達になってください 前編
  • 「ねっ、ヨンド。この通りお願いします」訪ねて来るなりウンサンが、ホテルゼウスの役員室で頭を下げた。「いきなり何だよ」二月の寒空。セーター一枚、財布ひとつの、誰が見ても逃げてきましたという姿。足元を見れば、色気もクソもない小汚いブーツ。そのブーツとにらめっこしたままのウンサンに、面食らったヨンドが再び訊ねる。「だから何だよ、お願いって」ウンサンは頭を上げてもなお顔は俯いたまま。それでも椅子に腰かける [続きを読む]
  • 離ればなれ−悪い癖
  • 初めて肌を重ねた日のように。兵役を終え、二十一か月ぶりに帰宅した夫。三月だというのに日に焼けた顔が、厳しい任務だったことを物語る。髪もまだ短く、妻が好んだサラサラの、柔らかな手触りとは程遠い。帰るなり夫は、入隊前より逞しくなったその体で、妻を抱いた。何も言わない夫。何も言えない妻。そう。それはまるで、初めて肌を重ねたあの日のように。夫はひと言。「息しろ」とだけ。妻はただひたすら小さな声で「イタイ」と [続きを読む]
  • 離ればなれ−From the Juliet's secretary in Italy of Verona
  • 親愛なるチャ・ウンサン様お手紙拝見しました。早速ですが、ジュリエットからの言葉をお伝えします。お子様を亡くされたこと、とてもお気の毒に思います。お悔み申し上げます。お手紙では、そのことであなたがご自身を責めておられるように感じました。ご主人が罰していると思うことで、あなたは、ご自身を罰しておられる。違いますか?その子が天に召されたのは自然の摂理であり、決して誰のせいでもありません。あなたも、ご主人 [続きを読む]
  • 離ればなれ−ジュリエットクラブ
  • CLUB DI GIULIETTA ? THE JULIET CLUBvia Galilei 3 ? 37100 Verona親愛なるジュリエット誰にも相談できなくて、ペンを執りました。聞いてくれますか?From Juliet × From Juliet × From Juliet × From Juliet × From Julietイタリア、ヴェローナ。古代ローマ時代の円形闘技場跡をシンボルとするこの観光名所は、中世の街並みが「ヴェローナ市街」として世界遺産に登録され、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲の舞台にもな [続きを読む]
  • 離ればなれ−指折り数えたら
  • カレンダーに赤い丸。指折り数えて待つそれは、夫の除隊の日。    行ってきます。帰るまで、待っててね。玄関先で言われたのはもう二年近く前の話。待っていた。一度も連絡を寄越さない夫を、ずっと。たとえ連絡されても、何も話せなかったかもしれない。それでもただ声を聞き、あるいは文字をなぞり、彼の無事を確かめたかった。ジュリエットからの返信は間に合わなかった。夫の入隊前に届いていたら、気の持ちようも違ってい [続きを読む]
  • 離ればなれ−全てはあなたのために
  • いくら待っても眠れずに、ベッドの上で体を起こした。最近ずっとそう。太陽より早く目が覚めて、結局そのまま眠れずソファで朝日を浴びることになる。特に悩みがあるわけじゃない。仕事も、学校も、順調。ひとりの暮らしにも慣れた。ただ何となく、眠れない。Great distance away × Great distance away × Great distance away「どうでした?できました?」ウンサンに声をかけてきたのは、同じ会計学科で年下の同級生。「どうに [続きを読む]
  • 離ればなれ−小さな骸
  • 国境の海岸沿い。正月明けの真冬の海は荒れ、思わぬものが流れ着く。除隊を前にした最後の任務。キム・タンは沿岸警備にあたっていた。「こっちだ、こっちに船首を向けてくれ」上官の指示に従い、岸に打ち上げられた木造の、粗末な舟を丘へと揚げる。舟の中には中国語とおぼしき文字で書かれたラベルのペットボトルが散乱していた。川を渡って脱北し、海で南を目指したのだろうか。荒れた海ならたちまち木っ端みじん。それでも厭わ [続きを読む]
  • 離ればなれ−ひとり暮らし
  • ウンサンの仕事に繁忙期はない。特定の個人付きの秘書ではなく、秘書室での雑用が仕事のため、頼まれたことをやるといったスタンスのものだからだ。たいていの場合デスクの前で、パソコンとにらめっこするか、プリントアウトしたものとにらめっこするかのどちらかになる。そのウンサンが、パソコンを前にしきりに目をこすっている。指導役で先輩のキム・ミギョンが心配し声をかけた。「ウンサン、どうしたの?」「目が痛すぎて、ぼ [続きを読む]
  • 離ればなれ−同じ空の下
  • 「痛ぇ」筋肉痛に襲われて、シャワーヘッドに手を伸ばすと脇がつった。陸軍の訓練施設、隣のブースから水音に混じって声がかかる。「お前なんかまだ良いほうだ」「そうか?」「こっちは、これだぜ?」シャワーを浴びるタンの横で、こっちはこれと言ったのは入隊同期。上官に難癖を付けられ、際限なく続いた腕立て伏せ。刻限が来たからと笛を吹かれ、立ち上がった瞬間ふらついたヤツに、ふらついたという理由で鉄拳が飛んだ。口の中 [続きを読む]
  • 離ればなれ−序章
  • CLUB DI GIULIETTA ? THE JULIET CLUBvia Galilei 3 ? 37100 Verona親愛なるジュリエット様誰にも相談できなくて、ペンを執りました。せめて英語で書こうとしたのですが、表現の仕方が分からなくて韓国語で書くことをお許し下さい。私には結婚して二年になる夫がいます。高校を卒業してすぐに結婚しました。急いだのは赤ちゃんが出来たからです。親に怒られましたが、彼は赤ちゃんが出来たことをすごく喜んでくれて、私に産んで [続きを読む]
  • 人生最良の日−終章
  • 誓いの言葉は魔法の言葉じゃない。誓いを守るには努力が必要。努力を怠ったり、忘れたり、油断すれば、たちまち誓いは破れてしまう。だから、努力をし続けるために、僕は誓う。君を愛すると。ずっと愛し続けると。The oath of love×The oath of love×The oath of love×The oath of love 一生の愛を誓うには、私は若すぎた。一生の愛は、私には重すぎた。儀式の眩しさに目がくらみ、魔法にかかった。あなたを愛することができ [続きを読む]
  • 人生最良の日−ジュリエットの不安
  • 挙式の二日後、予定通り記事が出た。紙面には写真がたくさん散りばめてあった。メインは十字架の前で誓い合うツーショット。ユン・ジェホにエスコートされバージンロードを歩くウンサンの後ろ姿と、チャペルの回廊で撮った家族全員の集合写真はやや小さめに。食事会でケーキを食べさせてもらっているウンサンの顔は、虫眼鏡が必要なサイズ。事前に済ませてしまったベベクの儀式だけは写真が無かった。そのかわり控室の前に飾った、 [続きを読む]
  • 人生最良の日−ザッハトルテ
  • 誓いのキス見せられた。見るんじゃなかった。家族だけってわかってたけど、無理やり参列してやった。俺がプロデューサーだ。その権利はあるだろう。何を誓ってのキスなんだか。俺んちのチャペルで誓うなよ。で、今日の俺、なんで新婦側?誰だよ席次の担当は!イラついてるヨンドの目の前。皿の音をたてテーブルに置くバカ野郎がひとり。「ちっ」ヨンドは聞こえるようにわざとでかい舌打ちをした。あぁ、あっちのテーブル、グラスが [続きを読む]
  • 人生最良の日−誓い
  • 挙式前日。タンは久しぶりにウンサンの姉ウンソク   ステラと会った。ステラからは事前に、急なことで仕事のスケジュールが調整できないかもしれないと連絡を受けていた。ウンサンは肩を落としたが、夕方空港に到着し、母と姉妹は再会を喜んだ。あの日、ロスの海岸沿いのカフェの前。道端でステラと大喧嘩していたウンサン。「なあシドニー、俺たちはステラがいたから出会えたんだぞ。礼を言え、礼を」そうタンが言うと、ウンサ [続きを読む]
  • 人生最良の日−忘れぬように
  • 「ちょっと、何考えてんのよ!私にも見せてよ!!」カメラを覗きこむ輪に加われずイラつくウンサン。その声はもちろんタンの耳に届いていた。でもウンサンに写真は見せなかった。タンはウンサンに聞こえないようにミョンスに耳打ちする。「これをパネルにして、こっちは普通にプリントして、俺にくれ」キレイに撮れていた。ミョンスは鼻を膨らませ「俺の最高傑作だ」と言った。タンもそう思った。ただ、ミョンスが俺の青春と言った [続きを読む]
  • 人生最良の日−俺の最高傑作
  • 「ウンサン」長いキスのあと、タンはウンサンの耳元でその名を呼んだ。「ミョンスが居た」「え?」思ってもみなかった言葉に、背中に回っているタンの腕を振りほどき離れようとするウンサン。「多分、写真撮られた」振りほどいても腰に置かれたままのタンの腕。「げっ、ウっソ、マジ?」眉間に皺を寄せ、タンに背を向け図書室の入り口を見やるウンサン。「俺、捕まえてくるわ。ここに居て」ウンサンの肩に手を置きタンがそう言うと [続きを読む]
  • 人生最良の日−ミョンスの青春
  • ミョンスはあの日、そう、作業部屋をタンとウンサンに乗っ取られたあの日からずっと機会をうかがっていた。決定的な瞬間を写真に残す。撮ってやる。そう心に決めていた。・・・俺の部屋、いつも勝手にホテルがわりにしやがって。二人はなかなかしっぽを出さなかった。夏休みの前にウンサンが階段をダイブしてからは、チャンスが増えた。むやみやたらとタンがウンサンを触りまくっている。これを逃したら、もう狙う写真は撮れない。ミ [続きを読む]
  • 人生最良の日−取材ノート
  • 階段から突き落とされた、言わば被害者のウンサンは、謝罪も補償もいらないと言った。しかしタンは収まりがつかなかった。まず理事長に掛け合い、ロッカーまわりや階段踊り場の防犯カメラを増設してもらった。自分で掛け合っておきながら、そんなものは役には立たないだろうとタンは思っていた。しかしその後、ロッカーの中が悪口で埋め尽くされることは減った。ウンサンに弁護士がついたと触れまわったことも理由のひとつだった。 [続きを読む]
  • 人生最良の日−トラウマ
  • (タン、お前の嫁さん階段から落ちた。意識ないし、パンツ見えてるぞ)最後まで聞かずにタンは、電話の向こうのミョンスを置き去りにして駆け出した。自分のロッカーからジャージを掴むと、扉も閉めずに階段へ向かう。こんなことなら、俺も屋上に行っていれば良かった。ウンサンとの距離を取り過ぎた。そう思うと、悔しさが込み上げてきた。野次馬たちが見えてきた。その脚の間から見えるウンサンの背中。「お前ら見るなっ!!」タ [続きを読む]
  • 人生最良の日−事件
  • 「あんた絶対許さない!」もう、ほんとに信じらんない。ワケわかんない。いくら何でも、階段から突き落とす?ウンサンがボナの横を、すうっと、前のめりになった。瞬間、手を差し出したボナ。そしてウンサンを、つかみ損ねた。勢いよく階段を飛んだウンサンは、体の左側を下にして顔をしかめていた。ボナは驚きのあまり足がすくみ、すぐには動けずにいた。イェソルがものすごい速さで階段を下り、誰かを追いかけて行った。後ろから [続きを読む]
  • 人生最良の日−事件前夜
  • (プレス発表は式の二日後に決定)秘書室でデスクに向かうウンサンの目の前に、メモを差し出したのはキム・ミギョン。手にしていたペンの動きを止め、そのメモを見るウンサン。どうやら肝心の記事は見せてもらえないらしい。戸惑いの表情を浮かべるウンサンに、ミギョンが耳打ちする。「大丈夫、すごくロマンチックに仕上がってるから」その言葉にウンサンは、義母のシンデレラ物語を思い浮かべた。「記事はあの時と同じ人が書いた [続きを読む]
  • 人生最良の日−職務
  • タンとウンサンの挙式披露宴の準備が整った。キム・ミギョンが関係者を集め、最終的な段取りを報告をしたのは、挙式一週間前のことだった。当初、他のホテルに持ち込んだこの案件は、ことごとく断られた。スケジュールがタイトだったことに加え、条件が厳し過ぎたからだ。キム・ウォンは仕方なくゼウスに泣きつくしかなかった。もともとゼウスの社長をいけ好かないと思っていたウォンも、四の五の言ってはいられなかった。何よりゼ [続きを読む]