kichou0720 さん プロフィール

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kichou0720さん: 小さな言い訳
ハンドル名kichou0720 さん
ブログタイトル小さな言い訳
ブログURLhttp://theheirs.blog.fc2.com/
サイト紹介文韓国ドラマ「相続者たち」二次小説です。 タンとウンサン二人のその後を私なりに妄想しています。
自由文「相続者たち」が終わった時、終わらせたくないと思いました。
どこかでひっそりとタンとウンサンが生きていて欲しいと、二次小説を探しましたが「信義」ほどはなくて、自分で作るよりほかありませんでした。
私の頭の中で生きるタンとウンサンです。よろしければお付き合い下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供182回 / 337日(平均3.8回/週) - 参加 2016/10/21 13:57

kichou0720 さんのブログ記事

  • 埋めていく溝−暇なら来い
  • (おーい、キム・タン。暇か?)電話の向こうで、ヨンドはなぜか上機嫌だった。「暇っちゃあ、暇」日曜の朝、タンはウンサンが洗った食器を、次から次へと拭きあげ片づけていた。その手を止めて出た電話。暇と言ったら、ウンサンが咳払いした。「何の用だ?」ウンサンに背を向け、訊ねてみる。(暇ならうちのチャペルに昼過ぎに来いよ)「はぁ?」(いいもん見られるぞ)そう言うとヨンドは電話をぷつっと切った。「なんだ?こいつ [続きを読む]
  • 埋めていく溝−誰か教えて
  • 「バカだぁ、目の前に大バカもんがいる。うひゃーー」公園の片隅。並んでブランコを漕ぐ男が二人。「そんなに笑わないでよ。先輩にしか話せないから、こうして恥をしのんで・・・」「いやぁ、ごめんごめん」タンは、ヒョシンが撮影しているという公園に出向いてきた。十二月の寒空に、雪待ち休憩となったヒョシンをつかまえて、浮気がばれてしまったことを告白し、バカ扱いされている真っ最中。長い脚を持て余しながら、ブランコを [続きを読む]
  • 問わず語り−落ち着くところに落ち着くものです
  • シャララーン。シャララーン。みなさん。お久しぶり。良い夢見てますか?突然ですが、私です。長い長い時を超え、ようやく二人が縁を結び直しましたね。気掛かりだったでしょう?やきもきしたでしょう?私もです。こんなにも毎日そばにいて、私は何もできなかった。だってそう。私は悪い夢を祓い、良い夢を運ぶだけだから。ねぇ、キム・タン。私、何度も警告したわよね。こうなるって分かっていたから夢の中、何度も教えてあげたの [続きを読む]
  • 埋めていく溝−イニシアチブを握れ
  • リビングに正座。両腕を上げ拳を軽く握る。目の前に置かれたピアス。辛い体勢は自ら科した罰。反省ポーズでうな垂れるタン。家にあげたのはひとりだけ。彼女の名前を、まだ覚えている。でも訊かれてるのは、そんなことじゃなかった。「嘘、ついたんだね」ウンサンは、浮気を責めなかった。どんなに考えてもソレは、そうさせてしまった自分に非があると思えるからだ。タンからのメッセージは、ちゃんと届いていた。離婚はしない。絶 [続きを読む]
  • 埋めていく溝−たいていの嘘はばれるもの
  • 「あんなとこ掃除するんじゃなかった」ホテルゼウスの地下。バーのカウンターに、ウンサンが突っ伏した。「俺にそんな話、聞かせるな」これまでのお礼とお詫びに、ヨンド夫妻を食事に誘ったウンサン。次男坊の授乳があるミナは先に帰り、ホテルに戻ったヨンドと二人でカクテルを飲んでいた。ウンサンはミモザ、ヨンドは自分でシェイクしたカンパリソーダ。つまみのチョコを、嘆きながらウンサンもつまんでいる。「おかしいと思った [続きを読む]
  • 埋めていく溝−どうしても知りたいこと
  • 「なんで?」もうすぐ引っ越しの、せわしない荷造りの真っ最中。タンの質問攻めが、また始まった。ウンサンの誕生日に、これで全部チャラだと思ったはずのタン。なのにどうしても、会えずにいたあいだのウンサンを知りたくなってしまう。「なんで、ヨンドんとこだったの?」ウンサンは、タンがどうして今頃になってそんなことを思い出したのか不思議だった。家を出て逃げ込んだ先がヨンドのところだったのが、どうやら気に入らない [続きを読む]
  • 埋めていく溝−久しぶりの誕生日
  • 「どうしたの?これ」「えっ?そりゃまあ、毎年、用意してたからさ」タンの元に帰ってきたウンサンの、誕生日。平日の仕事帰りに、フレンチレストランでディナーに舌鼓をうった。最後のデザートがワゴンに乗せられ運ばれてくる。小さいけれど丸いケーキの横には、ブランドものの袋。それがたくさん。今日帰るか、明日はどうだとウンサンを待ち続けた日々。巡っては過ぎる誕生日を、せめてその日だけはと自宅で大人しく待っていた。 [続きを読む]
  • 埋めていく溝−ウィッシュボーン
  • 彼との別れは私から。あの日私は、ウィッシュボーンに彼の幸せを願った。愛していた。彼との人生を夢見たこともあった。それでも結婚は望まなかった。必ず迎えに行くと言ってくれた。待ってろとも言われた。だけど彼には、私との人生よりも大切なものがあった。男の人は皆そうなのだろうか。財閥家の長男として生まれた彼は、時に自分自身の生まれを呪っているようにも見えた。必ず迎えに行くからと、そう言ってくれた彼の顔は苦痛 [続きを読む]
  • 埋めていく溝−明かせない計画
  • 「本当にご迷惑をおかけしました」神妙な面持ちで頭を下げるタンとウンサン。ここ数週間続けたお詫び行脚も、今日やっと終わる。本社の広報部で頭を下げ、同じビルの帝国建設秘書課で頭を下げ、そして最後に帝国ホールディングス社長室で、兄キム・ウォンに頭を下げている。父とはまだ絶縁しているつもりのタンは、父への謝罪を兄に託した。「で、ウンサンはゼウスをもうやめたの?」ウォンは頭を下げたままのウンサンに問い掛けた [続きを読む]
  • 埋めていく溝−シナリオ泥棒
  • 「いやぁ、ご馳走になっちゃって、悪いね」真鯛のポワレを前にして、ヒョシンが恐縮する。「そんな。こちらこそ、ご心配をおかけして」「うん。それはね、気にしなくていいんだよ、ウンサン」「ほらやっぱり。俺が言ったろ?先輩なら気にしなくて良いって」頬張ったポワレをこぼしそうになり、慌てて口を手の甲で押さえるタン。そんなタンに眉を顰め、「もー、汚いなー。先輩、ごめんなさい」とウンサンがフォローする。二人の様子 [続きを読む]
  • 埋めていく溝−空白の二十一か月
  • 「俺の入隊中、お前ずっと、何してたの?」リビングのソファ。並んで見るテレビドラマ。タンはまた、ふと思いついたことをウンサンに訊ねた。「は?今度は何?」今日は良い子の相談室みたいだと、ウンサンは思う。テレビの中では軍人と女医が恋に落ちている。もしかして、これ?ドラマに影響され、そんな昔のことが気になりだしたのか。「お前、浮気してないんだよな?」タンの軍隊生活には何もなかった。ドラマじゃないんだから、 [続きを読む]
  • 埋めていく溝−長年の疑問
  • 久しぶりに開けた自宅の冷蔵庫。キムチと卵しかないじゃん。あとはお酒ばっかり。家を出た日のまま、時が止まっていたキッチン。棚にしまってあった調味料類は期限切れのものばかり。コンロの奥に置いたごま油ぐらいしか使えそうにない。レトルトご飯とインスタントのスープを見つけた時、思わず小躍りしたウンサン。タンの目の前にキムチチャーハンとワカメスープが並ぶ。「やけどしないでね。スープ、熱いからね」見たいテレビが [続きを読む]
  • 埋めていく溝−指輪の行方
  • 「ジャストサイズとはいかないね」ウンサンの左手を取り、薬指に結婚指輪をはめながらタンが言う。さっきまでファブりまくっていたウンサン。タンと仲良く並んで座るリビングのソファ。家を出た日、そのリビングのテーブルに置かれていた指輪。それは誓いの日、タンがサプライズで用意した大切なもの。身籠っていた頃は少しきつめだったのに、今はその指でくるくるまわる。再び自分の薬指に戻って来た指輪をじっと見つめ、ウンサン [続きを読む]
  • 埋めていく溝−ファブる
  • 「くっっっさっ」縒りを戻して、二度目のわが家。「やっぱ、くっさっ!」ウンサンが足を踏み入れるとそこは、やっぱりタバコ臭かった。がっくりと肩を落とし、ウンサンが真っ先に向かったのは寝室。クローゼットを勢いよく開ければ、そこにちゃんとある。ファブリーズ。ミュージカルの帰り。それは深夜。タンと縺れ込むようにして入った時は、久しぶりすぎて臭いにまで気がまわらなかった。それから二週間。タンがウンサンの寮を訪 [続きを読む]
  • 埋めていく溝−序章
  • やり直すって言われて、間違いを指摘された気になったのはいつのことだったろうか。何をやり直そうって言われたんだっけ。ずっとずっと前のことで忘れてしまった。考えてみれば、忘れてしまったことは多い。覚えていることですら曖昧になりつつある。どんなささいなことも私には、大切なことだったはずなのに。だけど絶対に、忘れられないことがある。忘れたくても、忘れられずに私を苦しめた。それは。三人で歩きたかった道、行き [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−終章
  • CLUB DI GIULIETTA ? THE JULIET CLUBvia Galilei 3 ? 37100 Verona親愛なるジュリエットへあの日、あなたから届いた手紙。何度も読み返しました。もう一度愛を誓えと、書いてありました。勇気を出して誓えと、書いてありました。だから誓いました。五年の歳月を経て、やっと誓うことができました。彼も応えてくれました。愛していると、言ってくれました。五年の間、私たちはずっと離れて暮らしていました。でも今は、ひとつの [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−大切なひと言 後編
  • 「やっぱり狭いとこに住もうか」そう耳元で囁かれ、横になるウンサン。荷造りの途中、いつもこうなる。狭いワンルーム。狭さゆえのシングルベッドで、タンと二人、激しく動き回ることはできない。今日も捗らなかったと思いながら、その先をただじっーと待つ。「ホントに狭いとこ好きだよね、タン」言葉とともに、タンの胸にこぼした熱い吐息。するのかと思って待っているのに、キスさえしてこない。タンは、腕の中にウンサンを収め [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−大切なひと言 前編
  • ホテルゼウスの社員寮、ウンサンの部屋。ただでさえ狭いのに、タンがど真ん中に胡坐でいるせいで、ウンサンが寛ぐ場所はない。避難したベッドの上、ウンサンはタンの広い背中を見つめていた。広い背中の向こうから、タンの陽気な声がかかる。「やっぱ、いっそのこと家、買うか?」寮に駐車場はなく、用事のある者は車をホテルに預けると、ロビーを抜け通用口を利用するか、ホテルの外側をぐるりとまわって歩いて行くしかない。ホテ [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−このまま眠ろう
  • 「やめて、撮らないで」嫌がるウンサン。「いいじゃん」面白がってスマホを向けるタン。ミュージカルを観たあとで、迎えに来てくれたタンと屋台を経由して帰ったきた自宅。縺れるようにして入った、わが家。久しぶりの、二人のベッド。化粧を落としたウンサンを、タンが揶揄う。「お前のスッピンは可愛いぞ」俯せて枕で顔を隠そうとするウンサンの腕を掴んで仰向けにし、上に重なる。「もうっ」重ーい、と口にするその前に塞がれた [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−妄想?するよねぇ
  • 屋台前。タンの手が、向き合うウンサンの両手を握る。頬も腹も触らせないために。再会した今夜、いちばん大切な問題を解決するために。「で、このあとどうする?」タンはウンサンに答えを預けた。「うちは警備がうるさいから、とりあえず今日は、そっちに帰っても良い?」「こっち?・・・怒らないでくれるなら、良いよ」怒ら、ない、で?「誰か一緒に住んでるの?」「はぁ?そんなワケないっつうの。そんなとこに呼ばないだろ、ふ [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−筋肉も家出してました
  • 「あのね、タンがお腹空いたって言うから、帰ることにしたわ」チャニョンへの電話のあと、タンとウンサンは部屋を出た。「なんでお前が鍵持ってんの?」「あぁ、これ?合鍵よ。ボナの」中指にひっかけたキーホルダーを掌の上で見せ、ウンサンが肩をすくめる。鍵をかけているウンサンの背後から、壁に手をつき耳元に囁きかけるタン。「借りたの?」疑問はすぐさま解決しておきたい。「うん」くすぐったいのか、ウンサンはまた肩をす [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−ロミオの答え
  • ウンサンを残し、チャニョンとボナは一緒に部屋を出て行った。どうしよう。ドキドキが止まらない。「今日これからどうするつもりか決まったら電話してね」ボナにはそう言われた。決まらなかったらどうしよう。あぁ、ドキドキする。ドキドキしすぎて吐きそう。Answer of Romeo×Answer of Romeo×Answer of Romeo×Answer of Romeo 受付も警備員も管理人もいない学生用のアパート。タンは階段で三階の部屋へとあがる。ドア横のチャ [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−幼馴染の嘆き
  • 「来るって」スマホを振って、電話相手がタンだったことを知らせるチャニョン。観劇のあと、一人暮らしのアパートにウンサンを連れて帰ってきた。少し前に合流したボナが、二人にタンの様子を長々と話して聞かせた。「着拒はもう解除したら?」「まだだめ」ボナの言葉に迷わず答えるウンサン。ボナにしてみれば、まどろっこしくてたまらない。着信拒否にさえしていなければ、二人が三年半も彷徨うことはなかったのにと思えてならな [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−汝の欲することをなせ
  • 今、ゼウスの寮に住んでる。家を出てここに来た時、あなたに内緒にして欲しいってお願いしたら、ヨンド、すっごく嫌な顔してた。最初、しばらくの間はホテルの部屋に泊めてもらってたけど、高くて住み続けられなかった。貯金が無くなりそうだから安くしてよって言ったら、ちゃっかりしてるって叱られちゃった。それから少しして、ヨンドのホテルで皿洗いの仕事を始めたの。泊めてもらって、仕事まで世話してもらって、ヨンドには頭 [続きを読む]
  • ジュリエットからの手紙−別れの理由
  • 私ね、あなたが入隊する前に、イタリアのヴェローナにあるジュリエットクラブに手紙を出したの。そこにはジュリエットの秘書たちがいて、恋愛相談を手紙にしたためると返事を書いてくれるって。だから私もあなたとのことを書いて出してみたの。あの頃の私は、あなたへどう話しかけたら良いのかわからなくなってて、だからあなたに何て話しかければ良いですか?って。バカみたいかもしれないけど、本当に分からなくなってたの。あな [続きを読む]