ディカプリオお味噌味 さん プロフィール

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ディカプリオお味噌味さん: ディカプリオお味噌味
ハンドル名ディカプリオお味噌味 さん
ブログタイトルディカプリオお味噌味
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/smaki178
サイト紹介文主に短編の小説を書く決意(ちょっとずつ)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供68回 / 291日(平均1.6回/週) - 参加 2016/10/24 18:52

ディカプリオお味噌味 さんのブログ記事

  • 老いての恋 ④ 終
  •  きよ子が転移性の腎癌にかかったと聞いてから亡くなるまでの五年間、西嶌の心が安らぐことは一度もなかった。 西嶌は仕事第一の人間だった。家庭のことはきよ子に任せっきりで、そこに自らの責任は感じていなかった。自分の使命は真面目に働いて安定な収入を得て自分と家族に生活を提供すること、それのみだった。 思えばきよ子と子供が同時に熱で床に臥していたときも、西嶌は仕事を優先した。子供の運動会と聞いても、無理に [続きを読む]
  • 老いての恋 ③
  •  西嶌は不安だった。勝手に他人の祖父を名乗ったこともそうだが、あの若者二人が突然祖父と名乗るジジイに怒鳴られ、安藤に対して変なことをしでかさないかどうかが正直不安でたまらない。いまの若者は短気で自制心が足りず突飛なことをするイメージを西嶌は抱いている。 ある夜、西嶌はいつものようにアップルパイとアイスティを平らげ、帰りがけに人がいないことを確認し安藤に声をかけた。「毎日いつも遅くまで大変ですね」  [続きを読む]
  • 老いての恋 ②
  •  ハンチングをかぶっていないことを除けば、ポロシャツ、チノパンといういつもの格好で、西嶌は駅前のマクドナルド二階のいつもの場所でアップルパイを頬張っていた。安藤に勧められてから、マクドナルドのアップルパイは七十を過ぎた西嶌の好物となった。二度目のアップルパイを注文したときは、安藤から「お口に合いましたか?」と訊ねられ、「ええ、美味しかったです」と返すと、彼女は「よかったです」と親しげな笑みを浮かべ [続きを読む]
  • 老いての恋 ①
  •  夜は異常に湿気ていた。こんな空気を好むものは誰もいないだろう、私を除いて。 そう思いながら、西嶌太郎は駅前に来ていた。髪のない頭にハンチング帽を乗せ、クリーニングに出したばかりの白ワイシャツと黒のスラックスにサンダルという身なりの西嶌は、駅前にあるマクドナルドへ向かった。 自動ドアをくぐると、「いらっしゃいませ」と若い女の子の明るい声が西嶌を迎え入れた。西嶌は三人並ぶ列に加わり、レジに立つその女 [続きを読む]
  • 心の瞳⑮ 終
  • 「家の前にあったパトカーは宍戸巡査部長が乗ってきたのではなく、?橋巡査のものだったんですね」  来たばかりの伊部刑事がカクテルに口をつけている後ろでは、ゴジラ対メカゴジラの逆襲が画面に流れている。伊部刑事の言葉に耳を傾けながら、すでに3つのジョッキを空にした私は酔眼をそちらの方に向けていた。夢中になっていたゴジラが休養期間に入る前の最後の作品である。私はまだ幼く、ゴジラの人気が低迷していたことなど [続きを読む]
  • 『ユー・ガット・メール』
  • を観ました。自称トムハンクス大好き野郎なのですが、実はこの作品初めて観ました。メグライアンの作品ってあまり観たことがなかったのですが、勝手に彼女に対していい印象があって、多分ニューヨークの恋人がおもしろくてそのときそんな印象を得たのかもしれません。この映画でもすごくよかったです。日本のラブコメ映画ってあんまり観ようという気持ちが起こらないのですが、アメリカのラブコメ映画って結構好きだなと今回の映画 [続きを読む]
  • 心の瞳⑭
  •  ?橋と百合ちゃんが初めて出会ったのは宍戸の家に?橋が招かれたときだった。3人でディナーというわけでなく、宍戸と?橋が2人でいる際、偶然百合ちゃんが宍戸宅を寄った。魅力的な女性だと感じた?橋だったが、そのときすでに人妻となっていた彼女に対して好感は持っても好意を抱くことはなかった。 2人が再会した場所は宍戸と?橋が務める交番だった。近くまで来たということで挨拶がてら交番に寄ったとき、そこには?橋しか [続きを読む]
  • 『LA LA LAND』
  • 書くのは遅くなりましたが、公開して結構すぐに観に行ったんです。1人で観たのですが、隣のおばはんが変な笑いのツボを持ってる方でちょっと複雑な席でした。前評判で観に行ったというのも勿論あるのですが、私ディカプリオお味噌は主演のエマ・ストーンが実は好きで、『Easy A』という日本版では変な映画タイトルの映画を観たときから良いなと思っていたのであります。アメイジングスパイダーマンにも出てますエマ・ストーンです [続きを読む]
  • 心の瞳⑬
  •  家に着いたのは0時過ぎだった。池袋で軽く1杯で済ますはずだったというのに、頭の中で複雑に交錯して収縮する血流を緩和しようとした結果、締めのハイボールにまで手を出す羽目になった。 あまり良い酔い方をしなかった私の視界は何年も掃除していない湯垢のように白く霞んでいた。玄関とドアを閉めて鍵をかけると同時に、リビングのドアが開いて半袖にスウェットパンツという寝間着姿の雅美が出てきた。「お父さん、メール入れ [続きを読む]
  • 心の瞳⑫
  •  宍戸が起訴されて3日が経った。 私は警視庁捜査一課の部屋で、1人机上にばらまかれている膨大な資料を前に疲れ切って固まっていた。窓外は静かに眠りにつくような薄闇に染まり始めていた。 犯人は宍戸ではない。真犯人が百合ちゃんという100パーセントの確証はないが、宍戸が犯人ということは絶対にありえない。 なぜかと問われれば、宍戸という男を誰よりも知っている刑事の勘だ。 しかし、確たるエビデンスがなければ私の [続きを読む]
  • 心の瞳⑪
  •  留置場内にある取調室には、机が一つに2脚のパイプイスが置いてある。じっとりと澱んで湿った空気を無機質で冷たいコンクリートが取り囲んだだけの部屋。 私は奥のイスに腰掛けて、ドアが開くのをじっと待っていた。 宍戸が大川卓を殺害した。動機は被害者による家庭内暴力。百合ちゃんは夫から暴力を受けていた。だが、自分たちの結婚を誰よりも喜んでくれていた父親には口が裂けてもいえないと思っていた。この我慢強い性格 [続きを読む]
  • 心の瞳⑩
  •  1人『ゴジラ』で飲み微睡んだ翌日の夕方、私は慎之介と2人で殺害現場の前に再度来ていた。「何だよ、それは」「え、肉まんですけど」 慎之介は片頬くらいの肉まんを口にくわえている。もう片方の手にはまだ残りが入っているであろう紙袋がある。「食べますか?こっちは肉まんじゃなくてカレーまんですけど」「いるか。食べ終わってからにしろ」「わかってますって」 中に入ると、じっとりとした生き物のような湿った空気が私の [続きを読む]
  • 『ストロボ・エッジ』
  • 洋画からまた日本に返り咲きました。返り咲いたという表現はおかしいですが、もう戻りました。私ディカプリオお味噌は正直少女マンガとかが原作の恋愛映画は苦手なのですが、あまちゃんから非常に好きな福士蒼汰くんと有村架純ちゃんが出ていたので観ました。感想は、「あー、やっぱ僕みたいな恋愛経験も浅い、もうすぐ30の男が観ていいものじゃないな」です。僕は福士くんが非常にかっこいいと思うし好きなのですが、あまちゃんの [続きを読む]
  • 心の瞳⑨
  • 「治郎さん、久しぶりだね」 池袋にある『ゴジラ』というバーは風俗店が建ち並ぶエリアを少し抜けたところにあった。マスターが大のゴジラファンで、未だに根強いゴジラ狂がこのバーに詰めかけ、昭和のゴジラから平成のゴジラまで尽きない話題で朝まで盛り上がることもある。私自身小さいころからゴジラが大好きで、このバーでマスターや他のゴジラバカと当時に戻ったかのように盛り上がったことが幾度もある。 昔ながらの内装で [続きを読む]
  • 心の瞳⑧
  •  捜査本部の会議が終わった。夜はもう更けていた。窓を開けると、そこにずっと張りついていた夜蝉の泣き声が溢れて弾けた。 捜査員を増加させて1週間が経った。「治郎さん」 後ろで慎之介が重たい腹を揺らしながらホットドッグを口にしている。「飯、食いに行きますか」「手に持ってるそれはなんだ」「イレブンのホットドッグです」「お前はそれしか考えてねえのか」「そりゃそうです。食わなきゃ頭も身体も動かねえ。仕事にな [続きを読む]
  • 心の瞳⑦
  •  百合ちゃんの病室は最上階の最奥にある個室だった。部屋の中はカーテンも窓も開け放たれていて、光と風が生ぬるく合い混じってほどよく夏を感じさせる。その空気の中に1人ポツンと百合ちゃんはベッドにいて、ベッドが纏う空気だけその季節を拒絶しているかのようにも見える。 昔、宍戸家と海水浴に行ったことがある。亡き母親の成子さんに似た百合ちゃんはその汚れのない白い肌を海面に光らせ、娘の雅美と手を繋いではしゃいで [続きを読む]
  • 心の瞳⑥
  •  事件から1週間が経った。 慎之介らがいる地取り班は犯行現場周辺のエリアで不審な目撃情報を収集することが仕事だ。刑事は靴を履きつぶしてなんぼと耳にすることはあるかもしれないが、地取り班がまさにそれだ。地取りは初動捜査から行われていたが、犯行の日、周辺で不審な人間の姿はなく、また逃走車のようなものの目撃情報もなかった。 慎之介のレポートはこうだ。「犯行時間の前後で現場周辺に怪しい車の目撃などはありま [続きを読む]
  • Zの3割人生②
  •  Zはまだ3才だった。 3才のZはドラゴンボールが好きだった。その次にジュウレンジャーが好きだった。そしてその次にレゴが好きだった。Zが3才のころ、まだポケモンもデジモンもビーダマンもメダロットもない時代だった。ミニ四駆はあったが、お金がなく手を出せなかった。 ドラゴンボールはやはり8つ上の兄がいた影響が強い。Zはいつか自分もかめはめ波と舞空術を使えるようになり、金髪のスーパーサイヤ人になれることを信じて [続きを読む]
  • 『スターウォーズ ローグワン』
  •  元日に映画観に行ってきました。 もちろん3Dで観てきました。 はっきりいって最高でした!スターウォーズ好きからしたらたまりません。 誇り高くもあり、悲しくもあるエンディングでしたが、もう一度エピソード4から観たくなります。 ご存知の方もいるかとは思いますが、今回の『ローグワン』は、エピソード3と4の間の話で、反乱軍が帝国軍が保持しているデススターという凶悪兵器の設計図を奪取する話です。おススメです。 [続きを読む]
  • 『キック・アス』
  •  年末で洋画2本目を観ました。 その名も『キック・アス』。有名ですよね。女優休業のクロエちゃんがこれで有名になったとかなんとか。  わたくしディカプリオお味噌このキックアスが出たときアメリカにいたのですが、やっと観れました。 どうしてR15指定なんだろうと思ってましたが、結構アクションがまあまあえぐくてびっくりしました。  R15納得です。とにかくアクションが痛快です。おもしろかったです。 新年明けまし [続きを読む]
  • Zの3割人生①
  •  これは序章である。 とかいいながら、序章って何だろう?と思う。 大好きなヤホーで調べてみると、『本題に入る前に前置きとして置かれた文章』という意らしい。 よし、それならこれは自信満々に「序章です!」といえる。 とかいいながら、これは単なるタイトル説明である。 Zの3割人生。 というのは、ある男の人生を3割分だけ話すという物語である。 それなら「人生3割いうのが正しいんちゃうか!」と怒号が聞こえてきそ [続きを読む]
  • 『ウォールフラワー』
  •  ちょっと邦画を離れて洋画に切り替えました。 知っている俳優はハリーポッターのハーマイオニー役で有名なエマ・ワトソンさんだけでした。。 僕は個人的に好きでした。なんか古い青春映画だなと思ったら、やはり90年代の小説が原作になっているそうです。 最後に明かされる暗い過去を背負う主人公は高校で中々友達ができないところから始まります。 まあそこからかくかくしかじか、よいしょよいしょ、せいせいと青春いっぱい [続きを読む]
  • 心の瞳⑤
  •  宍戸の家は日暮里駅最寄りの荒川区にあった。成子さんと結婚してすぐに買った14階建てのマンションにいまは1人で住んでいる。私も昔は年に1回は宍戸宅に招かれて来ていたが、成子さんが亡くなったころを最後に、最近はめっきり来ることがなかった。 9階にある部屋のインターフォンを押すと、陳腐なチャイムが鳴った後、しばらく静寂が流れた。気配は感じなかったが、ガチャとロックが外れた音がし、ドアが開いた。 私は絶句 [続きを読む]
  • 心の瞳④
  •  捜査本部が渋谷警察署に設置された翌日、私は犯行現場に来ていた。つまり、百合ちゃんが殺された夫と住んでいる家だ。 黒い切妻屋根にグレーのタイルで飾られた外壁の外観はモダンで、1階は計3つの洋室があり、2階には30平米近くのリビングキッチンで3階にはロフトと巨大バルコニーといった豪邸だ。1億はくだらないだろう。30の前半でこれだけの家に住むのだから被害者――――つまり、宍戸の婿は相当な稼ぎ手だった。 しかし [続きを読む]
  • 心の瞳③
  •  宍戸と飲んだ日の翌朝、目を覚ましてリビングへ行くと、油が焦げた朝食の匂いがした。「おはよう」 キッチンで雅美がフライパンを操っている。「仕事は?」「お父さんなにいってるの。今日は祝日よ」「ああ、そうだったか」 トイレを済ませ、着替え終わったころにはテーブルにご飯におかずの目玉焼きや納豆、味噌汁などが用意されていた。雅美が社会人になってから私たちの生活はそれぞれ独立していった部分があり、朝食はお互 [続きを読む]