きうい さん プロフィール

  •  
きういさん: 一日一物語
ハンドル名きうい さん
ブログタイトル一日一物語
ブログURLhttp://kiui-stories.muragon.com/
サイト紹介文文章の練習をするために、(ほぼ)毎日ひとつお話を書いていきます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供13回 / 17日(平均5.4回/週) - 参加 2016/10/25 14:10

きうい さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • りんご
  • 朝ごはんにりんごが出た。カットされてお行儀よくお皿に乗せられた、うさぎではないりんご。もううさぎりんごで喜ぶ年齢はとっくに通り過ぎていたからうさぎでないことに怒っていたわけではなくて、りんごが特別嫌いなわけでもなかったから、その時は特に思うこともなく。顔を洗ってもなお残る眠気に意識を持ってかれながら、デザートにしゃくっと噛んだ。 昼、お弁当にりんごが入っていた。お弁当を開ける瞬間はいつも、まだ見ぬ [続きを読む]
  • 笛吹きのミーシャ
  • 今日も、山のふもとに美しい旋律が響き渡る。動物達は耳を立て、音の聞こえるほうへそれぞれにかけていく。動物達の集まった先には、木の根元に腰掛けて横笛を奏でる一人の少女。目を閉じて気持ちよさそうに音を紡ぐ彼女の名を、ミーシャといった。ミーシャは、毎日のように笛を吹いていた。朝、街で好きなだけ吹いたあと、山のふもとに行ってまた、好きなだけ笛を吹いた。ミーシャの笛は大変いいもので、誰もがうっとりするような [続きを読む]
  • 泣く竜
  • あるところに竜がいました。竜は、村のはずれの山の頂上に住んでいました。そして、満月の夜になると、いつも、体を大きく震わせて、泣き叫ぶのでした。竜は、人間が見上げるほど大きな身体をしています。そして、声もとても大きいのです。竜が泣き叫べば、地面はぐらぐら揺れ、屋根はくずれ、食器が割れました。村の人たちは、満月の夜には固く戸締りをして、絶対に外に出ることはありませんでした。竜の泣き声に、耳をおかしくし [続きを読む]
  • 三次元なんてくそくらえ
  • 三次元なんて、くそくらえ、だ。黒板にチョークの当たる、か、か、という音が響く。壇上に立つ数学の先生は、定年まだ大丈夫なの? というくらいのおじいちゃん先生で、ゆっくりとした喋り方が特徴的。物腰が丁寧で、割と好きな先生である。教え方も丁寧だから、ちゃんと聞けば、去年は苦手に思えた数学もあれ、こんな簡単だっけ? というほど分かってくるから、この授業だけは真剣に聞いている。の、だけれど。「先生わかりませ [続きを読む]
  • どんぐり
  • 山へ遠足に行った。ぼくには好きな子がいて、くみちゃんというのだけれど、そのくみちゃんがどんぐりを拾ったというので見せてもらった。ぷくぷくした手のひらにころんところがる、小さなどんぐり。それを見たぼくの感想は、どんぐりだ、の一言だけだったのだけれど、ぼくはくみちゃんに喜んでほしかったので、「きれいなどんぐりだね」と紳士的に言った。そうしたら、なんとくみちゃんがどんぐりをぼくにくれると言い出したのだ。 [続きを読む]
  • 魔法の鏡
  • 「鏡よ鏡、この国で一番美しいのはだーれ?」「それはもちろん、あなた様でございます」うふふ。壁にかけられた美しい鏡には、年齢不詳の美しい女が映る。ずばり、この私である。最近、ほんの少し若さがたりなくなってきたものの、涙ぐましい日々の努力によって国で一番の美しさを長年の間キープしている。私のような人を最近では美魔女と言うらしいけれど、私の魅力はそんな枠には収まりきらない。ちなみに鏡に問いかけるのがこの [続きを読む]
  • 死神
  • 今日、死神がやってきた。寝ているところに死神なんかがやってきたら、本当なら泣いて驚くところなんだけれど、その姿があんまりにも想像する通りの死神なので、僕は怖がるのも忘れて「死神?」と聞いてしまった。死神は答えた。「そうだ。私は死神だ」 死神の言うところによると、僕は明日の夜交通事故で死んでしまうらしかった。それで、100人に1人の何かに当選して、死ぬ前に特別にひとつだけ願いを叶えてくれるらしい。さ [続きを読む]
  • 乙女フィルター
  • 乙女フィルターって、あると思う。気になる人がいる。いや、気になるという期間はもうとっくに過ぎて、好きなんだと思う。好き、っていう定義はわからない。だけど、思わず目で追いかけてしまったり、かっこよく見えたり、そのくせ目が合いそうになるとそらしてしまったりするのはどう考えても恋だと思ったから、わたしは恋をしてしまったんだと悟った。中学二年のクラス替えで同じクラスになった下川くん。それまで存在も知らなか [続きを読む]
  • トイレ
  • 神経が一番研ぎ澄まされる時、私にとってそれは、トイレにいる時である。四方を白い壁で囲まれた狭い個室。その中で、便器に尻を預け、電気を照り返し黄色く光る壁とちょうど目前に位置するなんの変哲もないカレンダーを視界に入れ、ただ黙ってその時を待つ瞬間。その時私は、それが例え寝起きであったとしても、全身に張り巡らされた血管に血が巡り、全ての神経がぴんと伸びきるような、そんな感覚を経験する。そして、静かに煮え [続きを読む]
  • ゾンビ
  • 人が食べられるところを何度も見た。普通に生きてたら、そんなの見ることなんてないよね。でも仕方がない。この街にはゾンビが溢れてしまったんだから。初めてそれを見たのはいつだろう。覚えてないや。ただ、何度も見た。何度も何度も。 人が潰れるところを、すごく丁寧に描写する作家さんっているよね。あれ、本当に想像なのかって、いつも疑ってた。実際に再現してビデオにとって、スローモーションで何度も何度も再生して書い [続きを読む]
  • 夢見るまくら
  • やった。やったぞ。おれは力なくうなだれるそれを持つ手を高く突き上げた。夢見るまくらを手に入れた! 夢見るまくらとは何か。簡単に言えば、見たい夢を見ることができる枕だ。夜、枕の上に頭を置いて、その頭でどんな夢が見たいかを念じる。すると、お望み通りの夢を見せてくれるというわけ。 この枕をどうやって手に入れたかは、話せば長くなるから省略する。まあ、一言で言えば、おれの番が回ってきたってことだ。この枕にど [続きを読む]
  • 扇風機
  • 扇風機って、なんだか可愛い。そんなこと今まで一度も思わなかったのだけれど、最近自分の部屋用に扇風機を買ってもらってから、よく思う。扇風機って、首の向きをぐいぐいっと動かすことができるから、試しに下を向かせてみると落ち込んでいるみたいで可愛く見える。そのまま首振りをオンにしてみたりなんかしたら、なんだか落し物を探しているおじいさんみたいで笑えてくる。反対に上を向かせて首を振らせてみると、妙に張り切っ [続きを読む]
  • オルゴール
  • 親戚のおばさんから、オルゴールをもらった。きれいなオルゴール。よくある、四角い箱の蓋を開けると待っていたかのように音楽が流れ出てくるような型ではないみたい。上の部分をそっと持って平べったくて丸い土台の部分をぐるぐるとまわす。そうしてそっと平らなところに置くと、きれいに着飾ったお姫様と王子様が手を取り合ってくるくると回り出す。音楽は、なんだろう。ピアノの曲かな。二人のダンスに寄り添うみたいに、流れる [続きを読む]
  • 過去の記事 …