上代語法序説の著者 さん プロフィール

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上代語法序説の著者さん: 上代語法序説
ハンドル名上代語法序説の著者 さん
ブログタイトル上代語法序説
ブログURLhttp://introductiontooj.blogspot.jp/
サイト紹介文半導体物理の研究者でした。万葉集や記紀歌謡、続日本紀宣命に用いられる上代語の正確な解釈を目指します。
自由文上代語は奈良時代の日本語ですが、不明な点がたくさんあります。助詞や助動詞の正確な意味さえわかっていません。現代語からの類推が定説になっているだけです。

言語は論理ですから論理を放棄しては言語芸術である文学を解釈できません。国民の財産である古典文学の意味を科学的な方法で解明しようと考えています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供28回 / 79日(平均2.5回/週) - 参加 2016/12/02 14:45

上代語法序説の著者 さんのブログ記事

  • 「少し疲れてきました」
  • ο?ς ο?ν ο?τω δέδοκται κα? ο?ς μή, τούτοις ο?κ ?στι κοιν? βουλή, ?λλ? ?νάγκη τούτους ?λλήλων καταφρονε?ν ?ρ?ντας ?λλήλων τ? βουλεύματα. これを信じる人と信じない人に共通する話し合いの基盤はなく、それぞれの考えにおいて必然的に見下し合う。プラトーンの「クリトーン」からの引用です(※)。 [続きを読む]
  • ク語法の真実 「言はく」は「言ふこと」か その5 萬葉学会の査読の妥当性
  •  2016年9月19日付けの郵便で送付し、同年9月25日付けの葉書で受領の連絡があったク語法の論文「「言はく」は「言ふこと」か」は、萬葉学会の査読者に不掲載と判断され、萬葉学会がその査読を承認しました。不掲載の理由はク語法の真実 その0 萬葉学会の不掲載理由に示しました。萬葉学会の査読の妥当性について考えてみたいと思います。 理由を再掲します。「所見論題:「言はく」は「言ふこと」か評定:不採用評言:本論はク語 [続きを読む]
  • 国語学の論文に特有の非論理的な推論 その6 説得力
  • C'est un langage estrange que le Basque ...On dit qu'ils s'entndent, je n'en croy rien.Basque is really a stra
    nge language ...It is said that they understand one another,but I don't believe any of it.Joseph Justus Scaliger (1540-1609)
    以上はDeutscher (2005)より引用。バスク語は実に変わった言語だ・・・バスク人同士は理解し合うと
    言うが、私は全く信じない。 国語学の論文に特有の非論理的な推論という題名で [続きを読む]
  • ク語法の真実 「言はく」は「言ふこと」か その4 結論
  •  ク語法を「連体形+アク」と考え、そのアクを「はっきりと知覚される」という意味の四段動詞の終止形や連体形と仮定して万葉集、記紀歌謡、続日本紀宣命を解釈できることが示された。本稿の仮説が正しいとすれば、次のことが言える。1、ク語法は用言の体言化でなく、用言の意味が「はっきりと知覚される」「明らかである」状態を表わす語法である。2、従来詠嘆とされてきた「なくに」や「なけなくに」「ざらなくに」は相手の誤解 [続きを読む]
  • ク語法の真実 「言はく」は「言ふこと」か その3 仮説の検証
  • 3.1 動詞に下接した場合 ク語法の構造を仮説に従って検証する。まず、動詞のク語法の例をあげて、本稿の仮説に基いた口語訳を解釈として示す。口語訳は現代語として自然であることよりも、アクの意味を際立たせることを目的にして、上代語と現代語の単語を一対一に対応させた。 アクの主語となる動詞の時制が現在の場合、「はっきりと知覚される」は状況に応じて「見える」「聞こえる」「匂う」「わかる」「知られる」「感じら [続きを読む]
  • ク語法の真実 「言はく」は「言ふこと」か その2 本稿の仮説
  •  「めく」という動詞を作る接尾語が中古から使われている。意味は「らしくなる」である。例えば「秋めく」ならば季節が秋であることが前提である。潜在していた秋が顕在したことを風の強さや音、気温や植生の変化を知覚して確認したときに初めて「秋めく」と発話する。 「めく」は*mi-*aku > mekuという音韻変化から「み」と「あく」に分解できる。「白む」「赤む」などの動詞が存在することから、「秋む」という動詞があれば「 [続きを読む]
  • ク語法の真実 「言はく」は「言ふこと」か その1 背景
  •  ク語法は活用語を名詞化する方法と言われる。「言はく」は「言うこと」、「良けく」は「良いこと」、「降らまく」は「降るだろうこと」と口語訳される。確かにそのように訳せば歌意は通る。しかし、正しい理解が合理的な訳文を導くことは確かだが、意味が通ることはその理解が正しいことを保証しない。 万葉集に「なくに」の形のク語法が約150例(数え方が訓読に依存するため)ある。たとえば次の歌である。1-1 み吉野の3船の [続きを読む]
  • ク語法の真実 その0 萬葉学会の不掲載理由
  • ミ語法の論文をA雑誌にク語法の論文をB雑誌に投稿したことを以前書きました。どちらも2016年9月19日に郵送しています。日本国内ですから9月中に投稿先へ到達したはずです。そのうち萬葉学会へ投稿したク語法の論文が不掲載と決まりました。不掲載の理由は以下です。「所見論題:「言はく」は「言ふこと」か評定:不採用評言:本論はク語法の語構成を「活用語連体形+あく」と捉え、「あく」は四段活用動詞であって、「ものごとの存 [続きを読む]
  • 国語学の学会というギルドと五円玉に働く念力
  • 小学生の頃に見たテレビ番組です。五円玉の穴に紐を通して縛ります。長さは10-15cm。その端を指で摘まんで五円玉をぶら下げ、「動け、動け」と念を送り続けます。程なくすると五円玉が少しずつ動き始めます。番組の出席者は一同に驚いていました。早速真似してやってみました。何もしていないのに念を送るだけで五円玉が動きます。次に紐をテーブルの端に固定して念を送ってみました。すると全く動きません。何もしていないのでは [続きを読む]
  • 国語学の論文に特有の非論理的な推論 その5 現代語を基準とする時としない時
  • 橋本進吉(1951)はこのブログでも取り上げたズハの語法の起源を助詞の「は」がない形に求めます。磐姫の歌とされる5-1 かくばかり恋ひつつあらずは高山の磐根しまきて死なましものを 万03-0086 の表現の原形は5-2 かくばかり恋ひつつあらず高山の磐根しまきて死なましものをであったと述べます。同論文は次の例をあげています。なお、「治る」でなく「直る」は原文のままです。5-3 手術しないでは直らない。 5-4 手術しないで [続きを読む]
  • 国語学の論文に特有の非論理的な推論 その4 強意と詠嘆
  • 日本語の古典文法に登場する特有の意味に強意と詠嘆があります。現代語に強意の助詞や詠嘆の助動詞はあるでしょうか。外国語の文法に強意や詠嘆という言葉は登場するでしょうか。大野晋(1993)の173ページに次の記述があります。各種の文法書または辞書を見ると、シまたはシモを「強調」の助詞だと説明している。しかし、考えてみると、最近の古典日本語の文法書は「強調」という用語、何でもかでも押しこめる傾きがある。コソも [続きを読む]
  • 国語学の論文に特有の非論理的な推論 その3 歌意が通ること
  • 国語学の論文ではしばしば歌意が通ることで未知の語の意味を証明したかのような記述があります。国語学の論文に特有の非論理的な推論に述べましたが、願望の助詞とされる「な」について濱田敦(1948a)に次の記述があります。この「な」は例へば、いざあぎ振熊が痛手負はずは鳰鳥の淡海の海に潜き潜き勢那和 古事記歌謡38此の丘に菜摘ます児家吉閑名告らさね 万01-0001の如く、上に述べた「ずは」と云ふ形に伴 [続きを読む]
  • 国語学の論文に特有の非論理的な推論 その2 感性の国のアリス
  • アリスは裁判の証人として呼ばれますが、王様がアリスを退廷させるために急遽法律を作ります。王様の非論理性が暴かれる太字の部分に私訳を付けました。At this moment the King, who had been for some time busily writing in his note-book, cackled out ‘Silence!’ and read out from his book, ‘Rule Forty-two. All persons more than a mile high to leave the court.’「決まりの42番。身長1マイル以上のものは皆退廷す [続きを読む]
  • 万葉集は誰のものか 日本語は誰のものか
  • 万葉集や源氏物語などの日本の古典は日本語話者全員が共同所有する財産です。日本語という言語もそうです。一部の人たちの占有物ではありません。日本の古典には日本の自然や古代の日本人の文化が描かれていることから、国民の財産と言い替えても良いでしょう。何をそんな当たり前のことをと思う人も多いでしょう。日本の古典や日本語が日本語話者や日本国民の財産であることに異論はないはずです。万葉集など上代の言語にはよく分 [続きを読む]
  • 法廷で争われた査読の妥当性
  • 国語学の論文や著作を読み始めて非論理的な推論が多いことに気付きました。そのことに前回の記事「国語学の論文に特有の非論理的な論理」で触れました。独特の論理が用いられる学会で査読を通る論文を書くにはどうすれば良いかと悩みました。一方で国語国文系の学会事情に詳しい人から次のような話を聞かされました。曰く、学会の大御所の説に異を唱えるような論文は投稿しても掲載されない。曰く、学会は非常に保守的であり、外部 [続きを読む]
  • 国語学の論文に特有の非論理的な推論
  • 国語学の論文を読み始めて戸惑ったのは、「と思われる」「である蓋然性が高い」「と考えるのが自然である」という独特の推論です。もしも理科系の学生が実験の考察でそのような文章を書けば指導教官から叱責を受けるのは間違いありません。科学とは無縁の主観的な感想でしかないからです。 しかし国語学の論文で多用されます。極端に書けば次のようになります。1-1 AであればBだと思われる。BであればCである蓋然性が高い。Cであ [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その8 考察
  • 「ずは」の構文は「AせずはB」の形をとります。「AデナイナラバB」は式(6.1)が示すとおり (¬A⊃B) ≡ (A∨B) (6.1)「AマタハB」という包含的論理和と同値です。数理論理学で式(6.1)の左辺は右辺の略記と定義されます。かくばかり恋ひつつあらずは その6 仮説の検証 マシ型で述べた例文を再掲します。6-1 かくばかり恋ひつつあらずは高山の磐根しまきて死なましものを 万03-0086構造6-1 ([か [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その7 仮説の検証 ム型 ベシ型 テシ型 モガ型
  • 前節で宣長の24首のうち「まし」で結ぶマシ型の17首について本稿の仮説を検証し、いずれの歌についても本稿の仮説に基けば合理的な解釈ができることを確認しました。この説では残るム型、ベシ型、テシ型、モガ型を検証します。それぞれ、後件が「む」、「べし、「てし」、「もが」で結ぶものです。7-1 後れ居て恋ひつつあらずは追ひ及かむ道の隈廻に標結へ我が背 万02-0115解釈7-1 取り残されて恋していないならば( [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その6 仮説の検証 マシ型
  • 「ずは」の語法の解釈で重要な役割を演ずるのは次の二つの式です。(¬A⊃B) ≡ (A∨B) (6.1)(¬A⊃B) ≡ (¬B⊃A) (6.2)式(6.1)は式(2.2)から、式(6.2)は式(2.6)から、それぞれA=¬Aを代入することで得られます。例文1-1を6-1として再掲します。6-1 かくばかり恋ひつつあらずは高山の磐根しまきて死なましものを 万02-0086ここで¬K = [かくばかり恋ひつつあらず]S = [高山の磐根しまき [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その5 本稿の仮説
  • 従来の仮説は「ずは」の語法を一律に仮定条件文として解釈できていません。本稿は次の仮定からなる仮説に基きます。仮定1 「ずは」の構文を一律に否定の仮定条件文として扱う。仮定2 後件に現われる「まし」「もが」等は願望でなく反事実または未来の仮定表現とする。仮定3 上代人は現代人以上に言語の論理に敏感であった。 本稿は「ずは」の構文はすべて仮定条件分と考えあす。そのために仮定1を置きます。同様の試みは従 [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その4 従来説の検討
  • 本節の目的は従来説の論理構造を明らかにすることです。特殊でない「ずは」の例をあげます。4-1 見わたせば近きものから岩隠りかがよふ玉を取らずはやまじ 万06-09514-1を論理式で書けば、T = [玉を取る]Y = [止まむ]として、¬T⊃¬Y (4.1)です。これは仮定条件文です。「ずは」の構文の中には条件文として解釈できない特殊なものがあるというのが宣長説や橋本説です。宣長は万葉集から [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その3 条件文
  • 例文3-1は否定条件文です。3-1 太郎が犯人でないならば花子が犯人である。ここでT = [太郎が犯人]H = [花子が犯人]とすると、例文3-1は次のように書けます。¬T⊃H (3.1)式(2.2)を用いると(¬T⊃H) ≡ (T∨H) (3.2)です。つまり3-1の意味はT∨H = [太郎が犯人]マタハ[花子が犯人]と同値です。つまり、犯人は太郎マタハ花子に限定されます。包含的論理和ですから二人が共犯の場合を含 [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その2 命題論理
  • ニュートンの『プリンキピア』は難解と言われます。難解なのは内容ではなく説明です。数式を使えば数行で済む証明を自然言語と幾何学を用いて行なうため、専門の研究者でも推論を追うのに骨が折れます。自然言語を記号で置き換えることにより説明が圧縮され、見通しが良くなります。本稿が記号論理を用いる第一の理由はその点です。現代語は上代語の延長であるから、現代語に変換(現代語訳)して意味が通れば良いという考えは危険 [続きを読む]
  • かくばかり恋ひつつあらずは その1 従来の仮説
  • 万葉集や記紀歌謡にあらわれる「ずは」の語法は60余例ありますが、その半数近くは条件文と看做せないと言われてきました。たとえば次の歌です。このような「ずは」は特殊な「ずは」と呼ばれます。 以下、これまでに提出された主な仮説を記します。本居宣長(1785)は特殊な「ずは」を「んよりは」と読み替える仮説を提案しました。1-1 かくばかり恋ひつつあらずは高山の磐根しまきて死なましものを 万03-0086 つまり宣長の [続きを読む]