Shizuka さん プロフィール

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Shizukaさん: 生活と古書。
ハンドル名Shizuka さん
ブログタイトル生活と古書。
ブログURLhttp://lifeandbook.blog.fc2.com/
サイト紹介文本の在る生活を日々綴ります。文学作品ばかりです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供90回 / 86日(平均7.3回/週) - 参加 2016/12/31 00:08

Shizuka さんのブログ記事

  • 【読書日記】川端康成 みづうみ
  • 2017-16川端康成 みづうみ(新潮社版 第4刷)90頁まで以前買っておいた「みづうみ」を読み始めています。川端さんの小説を読んでいると、いつも独特の風景に囲まれている様な気分になります。その景色は決して輪郭線がはっきりとはしている様なものでなく、色彩であるとか、空気感であるとか、微かの香り様な、そういうものを感覚します。トルコ風呂で湯女に身体をさすってもらい、今日までの日々に桃井銀平は想いを馳せます。靄 [続きを読む]
  • 【読書日記】谷崎潤一郎 鍵
  • 2017-15谷崎潤一郎 鍵(中央公論社版 初版)読了「鍵」を読み終わりました。夫は妻を満足させるための無理が祟って体調を崩し亡くなってしまうのですが、結局のところ、それは妻が密かに望んでいたことでもあり、むしろ夫に無理をさせることでそうなるように仕向けたのだと、日記の最後に告白しています。それでも、夫の欲求を満たすことに貢献したのだから、夫にとっても幸せな時間であっただろうと考えている様です。日記とい [続きを読む]
  • 【読書日記】谷崎潤一郎 鍵
  • 2017-15谷崎潤一郎 鍵(中央公論社版 初版)114頁まで谷崎潤一郎の「鍵」です。ちょっとすごい作品ですね。いや、すごいというのは読む前から何となく、分かってはいたのです。でも、想像以上でした。夫の性的嗜好が異常です。妻を酔わせ、気を失ったところを裸にしてあちこち観察した上に写真にまで撮る、そして、そのフィルムの現像を頼んだ相手は木村という、自分の娘に引き合わせようとした男で、その男に妻の裸の写真を見せ [続きを読む]
  • 【読書日記】坂口安吾 白痴
  • 2017-14坂口安吾 白痴(中央公論社版 初版)読了表題作の「白痴」が読みたくてこの本を買った訳ですが、先日も書いた「外套と?空」がとても印象に残っています。暗く湿った日々を描く中での最後の部分、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー暗闇を這いずるやうな低い情痴と心の高まる何物もない女への否定が溢れ、その暗闇を逃れでた爽かさが大気にみちて感じられた。ーーーーーーーーーーーーー [続きを読む]
  • 斎藤茂吉 自選歌集 朝の螢(改造社版)
  • 斎藤茂吉 自選歌集 朝の螢改造社版 新装版初版印刷 凸版印刷 昭和21年10月30日配給元 日本出版配給(株)装幀 石井鶴三ところどころに書き込みがあります。前の所有者の方はずいぶんと、歌に熱心な方の様です。「朝の螢」は茂吉にとって最初の自選歌集とのことです。表題は自身の歌の一節から採ったのだと、茂吉自身がこの本の巻末で書いています。「草づたう朝の螢よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ」巻末にはこん [続きを読む]
  • 【読書日記】坂口安吾 白痴
  • 2017-14坂口安吾 白痴(中央公論社版 初版)220頁までここ数日は安吾の小説集を読んでいます。最近は長編ばかりでしたので、短編集を読み進めるリズムがすこし新鮮です。作品のなかにはユーモアを感じさせるものもあり、「勉強記」などは読んでいて笑みを漏らしそうになる処も。最初の「外套と青空」の調子でずっと進むのかと思ってましたので、意外でした。 [続きを読む]
  • 【読書日記】坂口安吾 白痴
  • 2017-14坂口安吾 白痴(中央公論社版 初版)50頁まで表題作を含む小説集です。巻頭の「外套と青空」を読みましたが、無骨で淡々とした文体だと思います。感情が何に依っても包まれていない、とでも言うのでしょうか。そんな感じがします。肉欲、というものそれ自身には底など無いのではと思われるほどの、湿度と暗い靄の様な中に心を浸しても、戸外に出て青い空の下に身を晒したとたん、自身のたった今居た、暗くじめじめした世界 [続きを読む]
  • 【読書日記】カフカ 審判
  • 2017-13フランツ・カフカ 審判 本野亨一 訳(角川文庫 第24版)読了「審判」を読み終えました。とうとう最後まで、Kがなぜ起訴されたのか判らないままでした。それどころか、最後は処刑されてしまいました。こんな理不尽さに、爪を立てることすらできず、絶えず頭上にある得体の知れない大きなものに引きづり回され、押し潰されるしかなかったのです。彼の職場の人たちは、彼が散歩した街並みは、何の変わりもなく昨日の続きの今 [続きを読む]
  • 志賀直哉 早春(小山書店版 単行本)
  • 志賀直哉 早春小山書店版 単行本 第3刷印刷 帝都印刷(株) 昭和17年11月5日(二千部)製本 山田製本工場配給元 日本出版配給(株)こういう本を見るとつくづく、本というものは総合的の芸術だと思います。中身の物語はもちろん、書体や活字の大きさバランス、紙の質感、色の合わせ具合、装画。こういったものがすべて併せられて、ひとつの作品になるのだと思います。函の紅がいいです。取り出すと、表紙にも紅い花が美しい [続きを読む]
  • 【読書日記】カフカ 審判
  • 2017-13フランツ・カフカ 審判 本野亨一 訳(角川文庫 第24版)178頁まで「審判」を読み進めています。それにしても、物語はもう後半に差し掛かっていますがヨオゼフ・Kがいったい何の容疑で起訴されているのか一向に明らかにされません。おそらく主人公自身にも判っていないのです。にも関わらず世の中の人々はKが起訴された事をちゃんと知っています。何とも不可解な物語です。自分ではどうにもできない手の届かないところで事 [続きを読む]
  • 【古書検印集】夏目漱石 草合(春陽堂 縮刷第13版)
  • 夏目漱石 草合(春陽堂 縮刷第13版)奥付よりこの縮刷13版は大正9年の本です。漱石は大正5年に亡くなっていますので、それからしばらく経って世に出た本です。今、ふと思ったのですが、漱石の本に検印を押していたのは誰だったのでしょう。もちろん生前から漱石自身がせっせと一人で押印していたなどと考えるのはちょっと不自然だと思うのですが、もしかすると、家族総出で分担して押印していたのでしょうか。そういう場面を想像 [続きを読む]
  • 尾崎紅葉 多情多恨(岩波文庫)
  • 尾崎紅葉 多情多恨岩波文庫  第3刷印刷 三陽社 平成25年11月6日カバー 精興社製本 中永製本これは昨年読んだ本です。物語はまさに「多情多恨」と呼ぶに相応しいもので、これ以上似つかわしい表題はないのではと思います。主人公の鷲見はとにかく、亡くした奥さんが恋しくて恋しくて仕方がないのです。奥さんもここまで慕われて幸せだ、というよりも、こんなにいつまでも恋い焦がれられては死んでも死にきれないのではないで [続きを読む]
  • 彩の国 所沢古本まつり
  • 今日は古書会館で催されている市を訪れようと、神保町か高円寺に行こうと思っていたのですが、昼くらいまで布団の中で寝たり起きたりを繰り返してしまいました。週末の朝はつい、自分に甘くなってしまいます。やっとのことで布団を押入れに仕舞い込み、掃除洗濯を終わらせてみればもう午後二時を回っており、とてもこれから古書会館へ行ってゆっくり背表紙を眺める時間など無いのでした。でも所沢の古本市なら夜までゆっくり見られ [続きを読む]
  • 【読書日記】平成29年3月3日
  • 2017-13フランツ・カフカ 審判 本野亨一 訳(角川文庫 第24版)52頁までカフカの作品は少し前に「変身」を読んでいます。そして今度は「審判」なのですが、主人公がいきなり理不尽な境遇に置かれるという点では物語の始まり方が「変身」に似ているかもしれません。冒頭はこんな感じです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー何者か、ヨオゼフ・Kを密告した者があるに相違ない。ーーーーーーーーーーーーーーーーー [続きを読む]
  • 【読書日記】平成29年3月2日
  • 2017-12谷崎潤一郎 細雪(中央公論社単行本 第5刷)読了「細雪」を読み終わりました。ずいぶん長く付き合いましたので、この姉妹と共に在る日々が今夜で終わりかと思うとすこし寂しい様な気もします。それでも、物語はいつも本棚に在ります。また折に触れ手に取り、とりとめもなく頁を繰ってはああ、こんな場面もあったと懐かしく想い出すでしょう。明日からは未読のカフカが棚に在りますので、それを読み始めようかと思います。 [続きを読む]
  • 太宰治 斜陽(新潮社版 単行本)
  • 太宰治 斜陽新潮社版(単行本) 初版印刷 協和印刷(株) 昭和22年12月11日「斜陽」は文庫で読んだことがありました。しかし、古本市の棚でこれを見つけたのです。もちろん自室の本棚にも、あのお馴染みの新潮文庫の黒い背表紙の「斜陽」が並んではいるのですが、やはり出版当時の体裁で読んでみたいというそんな思いがありました。背表紙は斜陽の「斜」の部分が剥落してしまっていますし、奥付にも一部破れがあります。紙面も [続きを読む]
  • 【読書日記】平成29年2月26〜28日
  • 2017-12谷崎潤一郎 細雪(中央公論社単行本 第5刷)530頁まで妙子は相変わらずのお騒がせで、赤痢が治ったと思えばまた、生活態度や経済のことで周りに多分の心配をかけることになります。それでもどこか、やはり姉たちは見捨ててはおけない様で、勘当中でも芦屋の家に出入りすることを幸子夫婦は許しています。この小説には、本当に憎らしい人など出てきません。皆が皆、他人に迷惑を掛けてしまう様なことがあってもどこか愛着の [続きを読む]
  • 大正時代の本に挟まっていた一枚の栞
  • 裏返したところ古い本のページを繰っていると、ときどき栞やチラシ、読者アンケートなどが挟まっていることがあります。なんのこともない一片の紙ではありますが、ほんの僅かな紙面から、当時の世相を感じることができたりします。この白水社の栞は今日の昼下がり、何気なく自室の本棚から手に取った藤村の本に挟まっていました。眺めていると、面白いことに気づきました。戦前のものだからでしょう、1枚目の写真では横書きの部分 [続きを読む]
  • 【読書日記】平成29年2月24日
  • 2017-12谷崎潤一郎 細雪(中央公論社単行本 第5刷)408頁まで「細雪」を読む日々のなかで、谷崎についてもっと知りたいと思う昨今です。こんなことを聞きました。「細雪」はそれまでの谷崎の小説とは違う、と。たしかにそうかもしれません。私は谷崎作品を沢山読んでいる訳ではありませんが「痴人の愛」や「春琴抄」とはやはり感覚するものが異なります。ある種の偏った愛情(愛着)とでもいうべき匂いが、この作品にはまったくあ [続きを読む]
  • ぐろりや会の古書市(東京古書会館)
  • 今日は良い天気ですね。神保町を歩き、帰りにぐろりや会の古書市を訪れました。文庫本でしか手にしたことのない作品を初めて世に出た時の姿で見られるというのは、何だかワクワクしますね。何冊か買いましたが、お金がなくてあきらめた本もありました。まあ、今日のところは縁がなかったということですね。古書との邂逅はきっとそういうものだと思います。二度と巡り逢えないこともあれば、また逢うこともあるでしょう。 [続きを読む]
  • 【読書日記】平成29年2月22〜23日
  • 2017-12谷崎潤一郎 細雪(中央公論社単行本 第5刷)372頁まで私が持っている「細雪」は全三巻がひとつに纏まったものですが、本文の区切りのところには上・中・下巻の表示があります。今朝ちょうど、中巻にあたる部分を読み終えたところです。妙子が板倉に想いを寄せることになることは、何となくですが、水害のくだりを読んでいてふと頭を過ぎりました。ただ、その屈強な板倉がまさか死んでしまうとは思いもよらず私も驚いていま [続きを読む]
  • 「春の雪」が二冊在るわけ
  • 以前、「豊饒の海」第一巻である「春の雪」を古書市で見つけて買ったことがありました。そのあと、二巻〜四巻も古書店で見つけたら買おうと思っていたところ、すこし経ってから神保町の古書店で四巻セットを見つけたのですが、あいにくその日はもう他にも本を買った後でそれ以上抱えて持って帰る自信がなかった為にあきらめました。一週間くらいならと思って翌週訪ねてみたところすでに買われてしまった後の様で見当たりません。そ [続きを読む]
  • 【読書日記】平成29年2月20〜21日
  • 2017-12谷崎潤一郎 細雪(中央公論社単行本 第5刷)296頁まで妙子は仏蘭西への洋裁留学を断念しました。直接の理由は玉置先生の洋裁学院が思ったよりも早期に再開できる見込みが立ち、共に渡仏しようとしていた先生自身が仏蘭西ゆきをやめてしまったからなのですが、ただ、そもそも本家の義兄が、身内から職業婦人が出ることを良しとしない考えであるということで、そういった問題が残るかたちとなりました。妙子自身は本家を説き [続きを読む]