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2017/01/03

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  • はじめに

    このブログは、ヒギリが読んだり観たりしたものの感想置き場です。 セクシュアリティやジェンダー関連のもの、あるいはそういった視点で読んだもの書いたものを中心においていきます。 セクマイ本もあれば、勝手にセクマイ視点で読んだものもあります。 おもにブクログや別のブログや自分のメモに書き散らしたものをまとめてあります。 読んだ日(感想を書いた日)と、このブログにアップした日は必ずしも一致しません。 書いた時点の感想もあれば、加筆修正をくわえたものもあります。 当面は前に書いたものを日付順に移動させていきます。 ※私ヒギリはアセクシャル(恋愛しない人)を自認していますが、アセクシャル代表ではありません…

  • 更新履歴

    2018/01/24 higirisbookshelf.hatenablog.com 2018/01/21 higirisbookshelf.hatenablog.com 2017/10/29 higirisbookshelf.hatenablog.com higirisbookshelf.hatenablog.com higirisbookshelf.hatenablog.com higirisbookshelf.hatenablog.com higirisbookshelf.hatenablog.com higirisbookshelf.hatenablog.com higirisbook…

  • NHKプレミアムドラマ『弟の夫』(第1回)

    NHKプレミアムドラマ(全3回)の一回目。タイトルのとおり、亡き双子の弟の夫と会うことになったシングルファーザーの物語。 ゲイの話らしいのにLGBTドラマ、みたいなあおりがついていたから警戒しながらみた。制作と宣伝は別とはいえ、原作がよくてもメジャーな場所で映像になると、変な改変をされることが多いから、「よくわかってない人が適当に流行りの現代問題をとりあげてみました」みたいなつくりになっていたら嫌だ。 けど、メインはゲイだけど『ゲイとかいう変な人たちの特別な話』じゃなくて家族という形を問う話になっていてほっとした。ゲイがそこらにいる当たり前の人間として扱われていて、しかも『家族のかたち』という…

  • 小野ハルカ『桐生先生は恋愛がわからない。』小学館 つづき

    前にも書いたけど、『桐生先生は恋愛がわからない』というアセクシャル漫画(?)を少しずつ読み進めてる。うーん。ちょっと頭でっかちかなぁ。今の私にとってアセクシャルであることはさほど重要な問題ではないから、この話はあまりにもすべての問題を「恋愛しないこと」に帰結していると感じてしまう。多分、私の中のアセクシャル性の比重と、この漫画のマイノリティ性の比重があってないんだと思う。 主人公がわかってほしい部分、セリフやモノローグで一所懸命説明している内容は、わかるけど説明過多で共感のまえに食傷してしまう。この話はお仕事漫画というよりセクマイ漫画で、あくまでアセクシャルであることがすごく重要な意味をもつ。…

  • 三田織『白のころ』東京漫画社

    BL漫画の短編集。セクシャルマイノリティものではなく、ほのぼの系日常BL。だけど、「まほうのおくすり」の親子関係が妙にリアルでなんかうわーってなった。Xメンのキュアみたいなおくすりをつくりたいおかあさんの息子の話。描き方は重くない。おかあさんも自己否定もつらいこともみんな回想だからかな。でも受け取るマイノリティとしてはずしっとくる。 おかあさん(親)からの言葉って子供にとってはすごい重みがある。お母さんは子供に幸せになってほしいから普通にさせようとするし、「そんなんじゃ幸せになれない」のを恐れて、自分にできることをしようとする。でも、そんなのは子供からしたら「お前は幸せになれない」という呪いに…

  • 那木渡『恋愛不行き届き』竹書房(ネタバレあり)

    ずっと互いに好きというか性的な目で見てたけど、なんやかんやでこじれまくるふたりが主役のBL漫画。クローゼットなゲイ(自覚あり、自覚なし)の大暴走な話なんだけど、そうならざるを得ない背景がきちんと存在しているのが面白いと思った。 あとがきに「(脇役も)皆見た目ではわからないギャップや悩みをかかえながら人生を謳歌しているんだといつもコマ外に想像しながら描いていました。」とある。あとがきを読む前から、そうやって描いてくれてるんだなってわかる描き方だった。 県議会で同性婚を争うとか、変化までに3年じゃ短すぎるだろとか、私が主人公の友達だったら絶対そいつと別れろっていうわとか、いろいろ思う。 でもこれだ…

  • エリナー・ファージョン 『ガラスのくつ』 岩波書店

    ファージョンのシンデレラ。ディズニーみたいなひらひらした仕草でくるくる動く絵が浮かぶ。生き生きとしたキャラクターと美しい文章。キャラクターが、素敵なのもろくでもないのも人間くさくて楽しい。でもセクマイ読みなのでメインストーリーは置いといて、気になる脇役の感想。 ピュアピュアおぼっちゃまな王子様には、道化が配属されている。この道化のマイノリティ感が良かった。道化であることが属性で生き方で扱われ方だから、マジョリティの王子様には人間扱いしてもらえない。エラと王子が出会った後、恋に焦がれるセンチメンタル王子を笑わせようとして道化が乙女のようにふるまってみせる。 「やめろ、そんなばかなことを。あの人は…

  • Booking.com: CM 男達がおいしい食を求める旅

    Booking.comの CM 大好き。 若くもない男ふたりがいろんな場所で「うまかー」って言ってるやつ。 全力でおだやかに楽しんでいるのがかわいくて見ると幸せな気分になる。 男ふたりなのに女あさりも冒険も馬鹿騒ぎもせず、ただひたすら食べて満足げにしている。 男ふたり旅って、一昔前の女おひとりさまみたいなもんなんだと思う。 『正当な』理由をつけないと妙に勘繰られたり変な目でみられたりする。 だから、どんな関係だとかモテないからしかたなくみたいな言い訳を付けずに、ただただ幸せそうにしている様子が流れるってのは新鮮だった。 場所ごとに服装が変わるのも楽しんでいる感満載で、タイトルの『食の旅』すら大…

  • 手塚治虫 『MW』 小学館

    手塚治虫(黒)のピカレスク的漫画。 ページのわりに内容がものすごく濃い。 主役の男二人がほのめかしじゃなく性的な関係を結んでいるので、社会派な内容だけどセクマイ面の感想だけ書きます。 MW(ムウ) 小学館文庫 全2巻セット メディア: セット買い この商品を含むブログを見る 古い本だから、必ずしもセクシャルマイノリティが肯定的に描かれるわけじゃない。 現在のセクシャルマイノリティがうんざりして闘っている『セクシャルマイノリティ(=ゲイ&MtFおよびレズビアン)キャラは悪役か生き残らない』系の話だし、二人の関係も全然幸せじゃないエログロな描写になっている。 でも二人ともちゃんと人間だ。 かたっぽ…

  • 枝屋初 『ばけむこ』

    セクシュアリティゆらぐなめくじファンタジーな和風web漫画(?) 説明がへたすぎて意味が分からないとおもうけれども、そういう話!すごい! ちゃんとなめくじがなめくじ!かたつむりもでるよ! かたつむり好き的にもマイナーなセクマイとしてもうれしすぎるテーマと描き方。 なにこれ私のために描いてくれたの!? 主人公は、娘が呪われる家に生まれ、男の子として育てられた。 それはそれとして多分本人の性質的にも性自認があいまい。 で、その子がたまたま遭遇して婿入りすることになった人外はなめくじ姫(男子にもなれる) 生物学的な性も性自認も性指向もあいまいで、というかどうでもいいような具合のあいまいさをはっきり描…

  • 小野ハルカ 『桐生先生は恋愛がわからない。』 小学館

    まったく読む気のおこらないラノベ風タイトルのせいで萌え系とかハーレム系とかの恋愛漫画かと思ってたら、まさかの王道ハーレムに疑義を呈するAセク漫画だった! 主人公は生れてこのかた恋愛感情を抱いたことも恋にあこがれたこともない人。 アセクシャルかもしれないけどそうともいいきれるほどの確信もない。 この辺の迷いがリアルにアセクシャルっぽい。 というか、同性愛者かとも思ったけど違うみたいだしもしかするとアセクシャルやノンセクシャルとか✗ジェンダーも近いかもしれない、と自己を分析する主人公がでてくる漫画を出版社が出す時代がこんなに早くくるなんて数年前には想像もできなかった。 私はアセクシャル(多分)が出…

  • 『RENT』20周年記念来日公演

    年末に、RENTの来日公演を観てきた。 RENTは90年代アメリカを舞台にしたミュージカル。 ボヘミアンな若者たちの1年間…なんていえばいいんだろう。あらすじ難しい。 とにかく曲が良い。 『I’ll Cover You』(ゲイカップルのものすごくかわいいラブラブ曲)と『Take Me Or Leave Me』(レズビアンケンカップルの痴話喧嘩曲)が大好きで一時期延々とリピートしてた。 もちろんほかの曲も好き。 ミュージカルはかけあいの歌がいっぱいあるから楽しい。 www.rent2016.jp ここんとこずっと自分を楽しませるためだけの買い物ってのをしてないなと思ったところにCMが流れてチケッ…

  • セクシュアリティの多様性を踏みにじる暴力と虐待―差別と沈黙のはざまで (アムネスティ・ジェンダーレポート)

    好きな服を着るとか、好きな言葉づかいでしゃべるとか、好きな人と双方合意の上でつきあうとか、そんな「罪」をおかした人たちがどんな目に合わされたのかをつづったリポート。 差別なんてないよとか言ってる人や事情がわかっていない人にこそ読ませたい。ヘコんでるセクマイにはオススメしない。日本で生きるのだって厳しいのに、さらに厳しい現実がわんさかあるって分かっちゃうから。 セクマイは罪じゃないけど、たとえ罪悪だったとしてもここまでしていいはずがない。 書いた日:2007年9月29日 セクシュアリティの多様性を踏みにじる暴力と虐待―差別と沈黙のはざまで (アムネスティ・ジェンダーレポート) 作者: アムネステ…

  • 諫山創『進撃の巨人』講談社

    今更ながらの話題作。 14巻まで読んだ。 タイトルは知っていたけれど、おおきいもの(物理的な意味じゃなくて)と闘う系の話にはあまり食指が動かないので興味を持たずにきた。 が、置いてあったのをなんとなく読んだら面白かった。 キャラクターのそれぞれに大事なものがあって(大事なものがわからない人もいて)、みんな必死。この人だけと決めてたって他も大事だったり、その逆もあったり、本当は弱かったり優しかったりする人が闘ったり、信用させるために自分を開示したり隠したり、うさんくさくても信用すると決めたり、大事なのに裏切ったり、いろいろ。そういう中でなんとか人とつながって生き抜いていく。 で、セクマイ読み。 …

  • 『揺らぐ「結婚」―同性婚の衝撃と日本の未来』 (View P books)

    アンチゲイサイドからの同性婚論。パラパラと拾い読み。あちらがわの人たちがなにを恐れているのか知りたくて手に取った。前書きの時点で気分が悪くなりそうで、これ読めるかなと不安になったけど、案外平気。こういう本がでてくるくらい日本でもセクマイが可視化されつつあると思うと感慨深い。 同じものを見ても、こんなに違う論理展開になるんだってことが新鮮で興味深い。内容自体は論破されつくしたものばかりだし主語がでかいし論拠も甘いけど、この人たちがなにを大事にしていてどんな風に変化を恐れているのかが、はっきりと表明されている。 自分の信念を語る時は、正しさを確信しているがゆえに論理や論拠や説明をすっとばしてしまい…

  • オ・ジョンヒ『鳥』段々社

    親にネグレクトされた幼い姉弟を徹底的に姉視点で描いた韓国の小説。 詩的な文章のおかげで雰囲気は幻想小説。 設定は『誰も知らない』に似てる。 でもお姉ちゃんと弟だから、かなしさの質が違う。 子供のかわいくなさがリアル。 こんな子供が近くにいたら不気味だろうしきっと嫌悪する。 だけどそれは子供が生き延びるためのあたりまえな歪み方で、だからそれが悲しい。 ないがしろにされる子供たちは、予言の自己成就みたいに、言われた通り素直にひねくれていく。 新見南吉の『花をうめる』の中にあった話http://booklog.jp/quote/516472を思い出した。 周囲の大人たちのやさしくなさもリアル。 「暗…

  • サザエさんのちバリバラ

    成人の日まえの昨日、ひさしぶりに「サザエさん」を見た。 クリーニング屋の孝行娘が自分の成人式そっちのけで店の手伝いをしていて、父親である店主は本当は晴れ姿がみたいと思っている。それを聞いたイソノさんちが協力して晴れ姿をみせてあげるのも親孝行とかなんとかいって、娘を説得してめでたしめでたし。てな話だった。 古き良き昭和の話だし、晴れ着をきせてやることが間違ってるわけじゃない。 だけどアニメの善良なるイソノさんちはあまりにも無邪気にマジョリティで、それ以外の価値観が存在すらしないようにみえる。 それ以外の価値観が見えないと、そこにあてはまらないものを排除されている気分になる。 これを見たのが二十歳…

  • 『戦場のメリークリスマス』

    観たいなーと思っていたらちょうどクリスマスで放送されていたので観た。 というより、クリスマスが近づいたから観たくなったのかもしれない。 全然クリスマスっぽくないのにクリスマスものとしてインプットされているあの曲がやはり印象的。 デジタルの高画質は、前に見たときには暗い所でなんかゴソゴソしているとしか見えなかった部分もくっきり見えて、意味を理解する手助けになった。 しかし画質がいいと音が悪く感じる。 前に観たのは十代後半頃だったと思う。 その時は「なんかよくわかんないな。ホモソーシャルな耽美は好みじゃないんだよな」くらいの感想しかなかった。 あとは曲がきれいとか教授腰細いとかデビッドボウイ意外と…

  • 室生犀星『舌を噛み切った女 またはすて姫』新潮文庫

    室生犀星の時代物短編小説。 芥川の平安ものとか坂口安吾の『桜の森の満開の下』とか、あの辺の雰囲気。 山賊の中で育った女が都の女と出会う。 なんとなーく雪の女王の山賊の娘を連想した。 あのこが悲しく大人になっちゃったようなお話。 野郎ども、とくに庇護者のおっさんが胸くそ悪い。 昔の男が書いた話だし仕方ないかもしれないけれどこの男目線ときたらこの野郎、と思いながら読んでいた。 が、思いがけずヒロインが格好よかった。 冷静な目を残しながら感情で動いて、自分の足で自分の道をゆく。 胸のすくような展開でこそないけれど、あがいて生き抜く強さが好きだ。 そんで、女の子同士の関係を汚さない書き方が好きだ。 描…

  • みんなのみんなのうた

    テレビをつけたら「みんなのうた」が流れてた。 なんだかすごく耳に残った。 絵と歌詞にセクマイセンサーが反応した。 「ドミソはハーモニー」という曲らしい。 かわいい。 ちらっとしか聞けなかったんだけど、多様性っぽいテーマだった気がする。 みんな違うからハモれるんだよ的な… 歌詞をみたい。もう一回ききたいのでメモメモ。 ドミソはハーモニー アーティスト: INSPi 出版社/メーカー: inspiritualrecors 発売日: 2016/02/24 メディア: MP3 ダウンロード この商品を含むブログを見る

  • リンダ・ハーン『王さまと王さま』ポット出版

    王子様とお姫様がしあわせになる話しかないのは教育上よろしくないよね。ということで作られたオランダの絵本。 王さまと王さま 作者: リンダハーン,スターンナイランド,Stern Nijland,Linda de Haan,Andrea Germer,アンドレアゲルマー,眞野豊 出版社/メーカー: ポット出版 発売日: 2015/08/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 王子ミーツ王子のこころみは買うけれど絵本としてもジェンダー(セクシュアリティ)本としてもいまいち。 原著が2000年ってこともあるかもしれないけれど、すじがきがいかにも啓発用教材っぽくて自然じゃない。 『タンタン…

  • 志村真介『暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦』講談社現代新書

    真の暗闇を体験するドイツ発祥のイベント、ダイアログインザダーク(DID)の日本版を主催した人の手記。 良いのはイベント自体への興味がわくこと。行きたい。もっと知りたい。悪いのは著者のマジョリティぶり。自分が知らないだけのことを「知られていない」と思いこんでいる無知にいらいらする。 日本版のDIDは「ダーク」より「ダイアログ」に比重をおいて、ソーシャルビジネスとして成功をおさめているらしい。普段目にたよった生活をしている人は暗闇に入ると無力になる。他の感覚にたより、他者にたより、目から入る情報に惑わされずにフラットな関係をつくる経験が、あらたな価値観につながる。 暗闇で戸惑う入場者たちをサポート…

  • 少年アヤ『少年アヤちゃん焦心日記』河出書房新社

    アイドルにはまってて占いに依存して物質依存でオカマで機能不全家庭出身でアート系?で物書き?で……と、いろいろ濃いアヤちゃんの日記。 日記という体裁のエッセイとか評論とも見える。 ジェンダーとかアイデンティティとかマジョリティの鈍さとかの傷がわかりすぎて、思いのほか良かった。 最初の数ページを読んで、これはちょっとやめとこうかなと思った。 痛いし攻撃的だし、いかにも関わりたくない感じだし。 なのにむさぼるように読んでしまった。 なんなのこの吸引力は。 叩かれ上等な文章なのに投げやりな印象がないのは自分を捨てていないからなのかな。 捨てない、というより捨てられない。 欺瞞に浸りきれずに、依存する自…

  • J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと死の秘宝』 静山社

    ハリーポッター最終巻。つらいシーンや苦しい状況が目白押しだけど、ここにたどりつくための七年だと納得のいく決着だった。 この巻の序盤は、シリーズ中盤からどんどん増していく重さの最高潮だから、きつい。現実世界のそうだった過去や、そうなりかねない近い未来と重ねて更に息苦しくなる。大人の庇護から離れて3人だけでぐるぐるしちゃうあたりなんかは本当に恐い。 ”死は突然であり妥協がない。”という文のとおり、なじみのキャラクターも名もなき人もぱたぱた死んでいく。いくつかの死は必然。その死によって物語が動いたり、目的を持って殺されたりする。いくつかの生も必然。このテーブルにつくために、この人は生き残らなければな…

  • J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 静山社

    ハリーポッター六年目。おっもいなー。どんどん重くなっていく。 いやがる奴隷の意志を無視して力で無理矢理従わせる役を主人公サイドに持ってきたり、悪い人じゃないけど保身が大事とか、悪い人だけど(自分の)家族は大事とか、この期に及んでまた難しいテーマをどんどこつっこんでくる。 被差別グループのひとつ、狼人間の描き方もそのひとつ。 暗い時代にありがちな護符ビジネスの中で、狼人間は当然のように「襲ってくる化け物」にカウントされる。 そんな扱いを受ける狼人間がまっとうに生きられるはずもなく、怒りを抱えてあつまったものたちは反社会的グループを形成する。その怒りの言葉の前に理性的な呼びかけは無力で、解決法はし…

  • J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 静山社

    ハリーポッター五年目。過去あり大きな動きありでもりだくさん。早足のウサギたちが転びまくり、着実にすすんできたカメたちのかっこよさに(読み手が)救われる巻。老いも若きも男子は危機的傾向。女子たくましい。 きっとここは物語の中ですごく重要な時期だ。でもしんどい。いろんな意味で目をそらしたい。洋の東西を問わず十代半ばってのは恥ずかしい失敗をする時期らしい。 この巻のハリーはまさにそこにいる。児童書の主人公にあるまじき陰湿なすさみ方は読みすすめるのがつらい。『はてしない物語』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/B000J7LMGKくらいつら…

  • J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 静山社

    ハリーポッター四年目。時代の恐ろしさがいよいよ過去だけのものではなくなってくる。こわいものから目をそらしてはいけない。 発売当時はこの巻まで読んだ。先に進まなかったのは、思春期アレルギーと、ファンタジーに重さを求めていなかったのが原因。と、思っていたけれど、あれは怖さの理由を整理できていなかったからかもしれない。ヘイトやら集団心理やらが、悲しいことに今ではくっきりと見えてしまう。怖さだけを感じていると作品自体を敬遠したくなるけれど、なにが描かれているのか理解できれば、恐ろしさを描いてくれることに感謝できる。思春期成分は……かわいい。遠くなったなあ。 ダーズリー家とウィーズリー家はやっぱり対なの…

  • J.K.ローリング 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 静山社

    ハリーポッター三年目。両親の過去が少しずつ見えてくる。庇護者が万能でないことに気づく成長期。 最初の方でハーマイオニーの誕生日にちらりと触れるセリフがあった。そういえばハリーがもらうシーンはたっぷりあるけれど、あげるシーンはほとんどない。プレゼントを選ぶのも、贈りたい相手がいてはじめて経験できる「幸せな出来事」なんだけどな。これだけ冒険しているのにハリーが受け身なイメージなのは、(ヒーロー行為は別として)「してあげる」描写が少ないせいかもしれない。傷つけない配慮はあっても喜ばせるための気遣いがあんまりない気がする。そのシーンがないだけで、きっとあげてるんだろうけど。 シリウスの怒りに、『溺れる…

  • J.K.ローリング 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 静山社

    ハリーポッターシリーズ、二年目。差別や違いのテーマが更に鮮明。 「特別なハリー」の葛藤が、周囲の反応への戸惑いから自分自身への疑問にシフトしてきた。そうであるからといって、必ずしもそうならなくてもいい。という部分に泣きたくなる。昔は気づかなかったか、他人事として読んでいた部分だ。 みんなを心配するロンは優しくていいやつ。ハーマイオニーとのケンカが子供っぽくてかわいい。ハリーがちょっと引いた態度なのはまだ完全にオープンになれてないんだろうか。 ハグリッドは「違うもの」と自分の間に線引きできない。だから良い人なんだけど、それだけじゃうまくいかない現実味がきつい。 あっさり手のひらを返す「みんな」と…

  • アルコ『俺物語!!(7)』集英社 Aセク読み

    超男前高校生が主人公の少女漫画。 男前というか「漢」というか「おのこ」というか「アニキ」というか。 少女漫画なのに主人公がごつくて暑苦しい野郎な異色作品。 その7巻がAセク的に面白かったです。 恋愛ものなのに恋愛向きじゃない人を無視せず描いてくれていて嬉しかった。 俺物語!! 7 (マーガレットコミックスDIGITAL) 作者: アルコ,河原和音 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2015/02/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 以下ネタバレ。

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