samuraisf さん プロフィール

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samuraisfさん: 霧の港街の静かな日々
ハンドル名samuraisf さん
ブログタイトル霧の港街の静かな日々
ブログURLhttp://samuraibluesf.blogspot.com/
サイト紹介文この物語はサンフランシスコに住む30代後半ゲイが健康優良40歳を目指す愛のロマンである(C)来宮良子
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供38回 / 96日(平均2.8回/週) - 参加 2017/01/13 06:53

samuraisf さんのブログ記事

  • 桜の雨、いつか
  • 職場でのバタバタもやっと落ち着いてきて、この日曜は久しぶりに出社せずに、家で過ごしている。映画「ムーンライト」のピアノとチェロの奏でるサウンドトラックを静かにかけて、雨の降る街を眺めながら、ソファーに座って朝から一杯ひっかけている(アル中!)。トマトジュースにウォッカとわさびをぶっこんだだけよ--------------------------------「熱出して、寝込んでる。103度。どうしよう。今日は仕事休むわ」先週の月曜の [続きを読む]
  • はらはらと涙あふれてくる 春一番耳元吹きぬける
  • 土曜日の朝、ベランダの植木に水をやっていると、隣の家の庭に立っている桜の木から、白に近い薄紅色の花びら達がひらひらと風に舞っているのに気づいた。このままぼーっと座って、美しく花が散っていくのを、酒でも片手にずっと見ていようかしらん・・・などと乙女な気持ちを抑えつつ、中年の重い体を引き摺ってジムへ向かった。卒業できない恋もある。木々の色も変わるけれど。 (C)渡辺美里窓際にあるマシーンに座り、周りで運動 [続きを読む]
  • LA LA LAND ツアー
  • 「どうしよう。仕事休みになったんだけど、何をしていいか分かんないわ」いつもなら土日は仕事のY子が、今週末は休みをもらったらしいのだが、これと言った趣味もなく、時間を持て余しているという。「たまの休みなんだから、家でぼーっとゆっくりすればいいのよ。まあ、ほんとは打ち込める趣味でもありゃいいんだろうけど」Y子にはそう返事してみたものの、自分も趣味といえば、せいぜいへたっぴピアノくらいで、胸を張って趣味と [続きを読む]
  • 春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ
  • 夏時間がはじまり、1時間遅く起き出した日曜日。ついこの間までコートにマフラーをしていたのに、突然春を飛び越えて夏の陽気となり、オカマの街を歩けば、タンクトップとショートパンツのオカマたちであふれている。ジム帰りにジムの隣に新しくできたカフェで買った冷たいミントティを片手に、中年オカマがおされぶって街を歩いてみる。中年オカマには、コーヒーよりも胃腸を整える作用のあるミントティよ。東京の新宿にも店舗を [続きを読む]
  • いつかきっと自分らしく この街で戦いながら
  • 久しぶりに晴れた週末。せっかく雨もやんだことだし、と朝からジム着で散歩に出た。長く続いた雨のせいで梅や桃の薄紅色の花たちは殆ど散ってしまったが、それでも雨上がりの空気の中を歩くのは気持ちがよい。十数分程歩き、ゲイのメッカ「カストロ通り」に到着すると、まだ朝なのに大型バスが何台も止まり、その通りにあるカストロシアターの前には、大勢の女性達が並んでいる。何かイベントでもやっているのかと近づいてみると、 [続きを読む]
  • ショーシャンクの空に
  • 好きな映画を一つ選ぶとしたら、何を選ぶ?と聞かれると、今まで大して観てきた訳でもないのだが、「サウンドオブミュージック」や「ララランド」のようなミュージカル映画も好きだし、「リトルダンサー」や「ガタカ」のような静かな映画も捨てがたいし、「プリシラ」や「ブエノスアイレス」といったオカマ映画も外せないし、「ラピュタ」や「魔女の宅急便」の宮崎駿作品はもう何十回も観てるし、と思わず悩んでしまう。それでも、 [続きを読む]
  • 雨上がりの空を見ていた 通り過ぎてゆく人の中で
  • 小雨の降る月曜日。まだ外が明るい中、仕事帰りにオカマ仲間のY子と飲み屋の窓際の席に座って、ハッピーアワーの安い酒を片手に道を往く男達を眺めていた。「なんか寒いわ」「そう? 大分暖かくなってきたじゃん」「心が寒いのよ」大分前に数ヶ月付き合っていた男と喧嘩別れをしたY子が、女優めいた表情で淋しいと遠くを見つめながらいう。「何いってんのよ。ほら聖子の歌でもあったじゃないのよ。『淋しく寒い冬の次にはきっと [続きを読む]
  • この世界に潜む怒りや悲しみに あと何度出会うだろう
  • 朝の6時半。携帯のアラームで目が覚める。すぐに起きてシャワーを浴びればいいものの、毎朝ぐずぐずとベッドの中で携帯をいじって数十分過ごす。まずはと、仕事のメールをチェックすると、会社の米国本部のトップから従業員に向けた長いメールと、サンフランシスコ・ベイエリアのオフィスを統括するトップから従業員に向けたメールがそれぞれ早朝に届いていた。どちらのメールも、週末の空港での中東・アフリカ7カ国からの出身者の [続きを読む]
  • 一瞬の光が重なって 折々の色が四季を作る 二人セゾン
  • 久しぶりに晴れた週末。久しぶりのジムでの筋トレを終えて外に出ると、このまま家に帰るのがもったいないくらい暖かかったので、そのままもう少し歩いてドロレスパークへ向かった。春になればゲイのオネエさんたちや子供連れの家族でにぎわうこの公園も、さすがにまだ人は少ない。ひとりベンチに座り、暖かくなる春を待ちながら、遠くに見えるサンフランシスコの街を眺めて、ぼーっと過ごす日曜の午前。家に篭らずに、太陽の光にあ [続きを読む]
  • LA LA LAND
  • 数ヶ月前まで水不足を心配していたのが嘘だったかのように、ずっと雨の日が続いている。それでなくても、エジプト帰りの時差ぼけが続いているのに、太陽の光を浴びないといつまでたっても時差ぼけ治らないじゃないのよ〜。「時差ボケで、眠れないわ〜」明日も仕事があるのに夜眠れず、焦燥感に駆られて、東京に住むK子にLINEでメッセージを送ると、「あんた時差ボケじゃなくて、ただのボケでしょ?」と突っ込まれる。"眠れなくても [続きを読む]
  • 時の河を越えて ⑤
  • エジプトを語る上で、やはりイスラム文化は欠かせない。外務省のページに、宗教に関する建物には近づかないように、って書いてあったよねと、今までそういった建物に立ち寄ることはなかったが、アメリカへ戻る前にやはり訪れておきたいと、ルクソールから早朝便でカイロに戻ったその足で、ムハンマド・アリー・モスクを訪れた。エジプト最後の王朝時代に建てられたモスクだという。カイロの街を見渡せる丘の上にあるモスクモスクの [続きを読む]
  • 時の河を越えて ④
  • 中年オカマ4人を乗せた船は、元旦早朝にルクソールに到着した。ルクソールは、古代エジプト中王朝から新王朝時代の中心として栄えた都市で、古代遺跡を含む街全体が、古代都市テーベとして世界遺産に登録されている。ガイドさんの説明を聞きながら、まずは車で王家の谷へ向かう。街はナイル川により東西に分かれていて、太陽の沈む西側が「死」を象徴し、ツタンカーメンやラムセス2世が眠る王家の谷や王妃の谷がある。太陽の昇る東 [続きを読む]
  • 時の河を越えて ③
  • アブシンベルからアスワンに戻った後、ロイヤルリリー号というナイル川を往くクルーズ船に乗り込み、3泊4日この船をベースにナイル川沿いの遺跡をまわっている。 「何だか、全然寝れなかったわ。時差ボケかしら」「何言ってんの。あんた4人の中で一番はじめにイビキかいて寝てたわよ?」「やだ。あんたなんか、寝言で明菜の『難破船』歌ってたじゃないのよ!」「やめてよ、船の上なんだから。縁起でもない!」同室のK子と朝っぱ [続きを読む]
  • 時の河を越えて ②
  • ==================前回までのおはなし時の河を越えて ① - カイロ・ギザ編==================今回のエジプト旅行で、ピラミッドよりもエジプト人の男達よりも何よりも観ておきたかったのが、アブシンベル大神殿だった。古代エジプトのラムセス2世の栄光を映すその大神殿は、ナイルの東に上る朝日に照らされた時、最も美しく見れるという (C) 寺尾聰。何だか素敵でねーの!というわけで、早朝にカイロの空港を発ち(みんなババア [続きを読む]
  • 時の河を越えて ①
  • カイロから三大ピラミッドのあるギザへ車で向かっている。子供の頃から、テレビやオカルト雑誌で「ピラミッドの謎に迫る!」といった特集がある度に、妹と一緒に興奮して、いつか自分の足で赴き、自分の目で見ることを夢見ていた。それが今、現実に起ころうとしている時、いい年して、興奮して冷静に事態をとらえられないからなのか、畏れ多くて気が動転しているからなのか、あと数十分もすれば、あのピラミッドとスフィンクスに出 [続きを読む]
  • 夜明けの来ない夜は無いさ あなたがポツリ言う
  • 2017年、元旦。「起きて!もうすぐ日の出の時間だよ!」隣で寝ていたはずのK子は既に起きていて、ユニクロの防寒ジャケットを羽織って外にでる準備をしている。眠い目をこすり、隣の部屋で寝ていたほかのふたりも起こして、寝癖のまま4人で急いで船の甲板に出た。ひんやりとした冷たい空気の中、ナイル川を下る船は古都ルクソールに向かって静かに航海を続けている。川の向こう側に見えるエジプトの空が少しずつ明るくなってくる [続きを読む]
  • 悠久の時の流れを
  • 大晦日。今年は仲間四人とナイル川を船で下りながら過ごしている。2016年は、長引く咳や10円ハゲなどでジタバタしたものの比較的穏やかに過ごせたと思う。古代エジプトの雄大な遺跡を一つずつ訪れていると、日々の細かい出来事や悩みなどどうでもよくなってくるもので。2017年も、家族、友達、自分自身が健康に平穏に過ごして行けますように。穏やかに流れるナイル川を眺めながら、2017年もこうやって穏やかに過ごせることを祈る中 [続きを読む]
  • 微笑がえし
  • 月曜の朝の地下鉄。まわりを見渡すと、週末明けで憂鬱な顔をした乗客でいっぱいだ。窓に映った自分の顔を見ると、そこにはブスな中年オカマの自分。目元のしわや顔のたるみはさておき、こんなに自分の口角って下がっていたっけ!?と思わず目を逸らす。この時期は毎年毎日残業で、週末はホリデーパーティ続きだから、肉体的にも精神的にも疲れが溜まるのはしょうがないと理由をつけるにしても、こんな不幸顔をしていたら、以前オカ [続きを読む]
  • Stand by me
  • 自分が10歳だったクリスマスの日の朝。目が覚めると枕元には、赤い包み紙に包まれた小さなプレゼント。包み紙を開けると、それは真っ白い箱に入った、数ヶ月指折り数えて待っていた、新しいファミコンのゲームソフトだった。--------------------------------それから、30年後。ここ数週間は、夜中前に仕事から帰り、疲れた身体でビール片手にテレビの前に座り、夜中の2時、3時までゲームに熱中している。大学を出て社会人になって [続きを読む]
  • 背の高いサンタクロース 私の家に来る
  • 東京でサラリーマンをしていた頃のクリスマスは、祝日じゃなくて通常業務だったこともあってか、それほど気持ち的に盛り上がらずに過ごしていた。仕事を早めに切り上げる同僚や先輩を横目に、同じく当日予定なしの同僚女子と「年末進行で忙しいんだから、クリスマスなんて関係なしでしょ!クリスチャンでもあるまいしさあ!」などと強がりな発言をしたり(ブス)。だけど、アメリカに来てからは、周りのアメリカ人達の「ホリデー」 [続きを読む]
  • ひとりきりの長い夜 いつかきっと終わるでしょう
  • 11月も半ばを過ぎると、急に空気が冷たくなってきた。街のあちこちでは、早々クリスマスソングが流れ、クリスマスツリーが売られている。「毎年、10月のハロウィンが終わると、サンクスギビング、クリスマスで、あっという間に年越しよね〜」「ほんと年々、1年終わるのが早くなるわ・・・」残業帰りにいつもの飲み屋で酒片手にY子としみじみする。「あんた今年のサンクスギビングはどうするの」「どうしよう、あたし今年もひ [続きを読む]
  • Moonlight
  • トランプが次期大統領に選ばれてからの数日は、この街のあちこちで反トランプ派の抗議デモが続いていて、街全体もまるで大事な人を失って喪に服しているような重い空気だった。サンフランシスコ郊外を走る電車内で、中東の言葉で会話をしていた乗客に対して、トランプ次期大統領の名の元に"テロリストは国に帰れ"などと酷い言葉を投げかけた女性のビデオも投稿されていたのを観た。カリフォルニアの中でも最もリベラルといわれるこ [続きを読む]