海月あみ さん プロフィール

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海月あみさん: 地球の果てまで
ハンドル名海月あみ さん
ブログタイトル地球の果てまで
ブログURLhttp://ameblo.jp/ami-kurage/
サイト紹介文切ない系片思いボーイズラブの長編小説です。
自由文川原遼は幼馴染の銀次に思いを寄せていたが、それは報われない恋だった。遼は淋しさを埋めるために複数の男女と体だけの関係を持つが、その事は銀次に隠している。そんな中ライブ中に起こった変死事件をきっかけに遼の仮面がはがされてゆく。真相を知った銀次との関係は転機を迎えるように見えたが…。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供38回 / 55日(平均4.8回/週) - 参加 2017/01/29 10:11

海月あみ さんのブログ記事

  • 第29話 犬猿の仲
  • 「美味そうだな」 海老原は悠然と部屋に入ってくるなりそう言いながら、皿の上のミニトマトをつまんだ。聖人が、席に戻りながら言う。 「残念ながら、君のぶんはないよ。朝食は摂ってこなかったの?」「ああ。朝飯は摂らない主義だ。だが、こういい匂いをさせていると、食いたくなる」「仕方ない。僕のぶんを半分譲るよ」「そりゃあ、嬉しいね」 海老原はまるで自宅にいるような気軽さで聖人の向かいに座り、心のわ [続きを読む]
  • 第28話(第2部スタート)珍客
  • 「おはよ、銀ちゃん」 遼がダイニングキッチンに入ってきて、銀次の背後から抱きついた。 銀次は野菜を切っているところだった。フライパンの中ではベーコン・エッグがもうすぐ出来上がろうとしている。あとはパンをトースターに入れればいいだけだ。 「うっす。今日は早ぇな」 「うん。なんだか、目が覚めちゃった」 背中が温かく、心地よい。遼の心地良さだ、と思う。遼の体温、遼の重み、遼の思い…… [続きを読む]
  • 番外編 銀次の『走る大捜査線』(最終話)
  • 銀次の怪我は、全治一ヶ月と診断された。怪我の詳細は、肋骨の骨折、顔、腕、脚、胸の打撲・挫傷・挫創、額の裂傷。 入院して二日ほどは治療薬の影響もあってほとんど眠っている状態だったが、三日目になると意識もはっきりしてきて看護婦と会話できるほどにまでなっていたので、さっそく武田に電話をいれた。 「遼はどうなった?」 「おいおい、開口一番にそれか。おまえ、怪我のようすはどうなんだ?起きて [続きを読む]
  • 番外編 銀次の『走る大捜査線』(6)
  • 「くっ…この…っ!」銀次は、自分の体が燃えたかのように、身悶えた。「あ、そうだ。いいことを考えた」春樹の目がちかりと光り、赤い唇が笑みにくずれた。「藤堂さん」椅子のひとつに浅く腰をあずけ、くわえ煙草で悠然とこの場面を見ていた大男が、瞳だけを動かして春樹のほうを見た。春樹が無邪気な笑顔で言った。「ちょっと播磨さんのこと、可愛がってあげてくれないかな」まるで少女がおねだりをするように、人差し指を唇にあ [続きを読む]
  • 番外編 銀次の『走る大捜査線』(5)
  • 春樹はジャケットの懐から、小さな正方形のセロファンの袋を、優雅なしぐさでとりだした。透明な袋の中に、白い粉が入っているのが見えた。 その袋を人差し指と中指ではさんでかかげ、春樹は問いかけた。「これが何かわかりますか?」「ヤクか?」「…ええ。でも、普通の薬じゃありません。これは『ファッシー』です」「ファッシー?」「はい。英語で正確に言うと、ファッシネイション。意味は『幻惑』です。そのファッ [続きを読む]
  • 番外編 銀次の『走る大捜査線』(4)
  • 時刻は七時になろうとしていた。日はとっぷりと暮れて、空には闇のとばりがおりてきた。銀次たちはチンピラの案内で、四谷に来ていた。チンピラの話では、以前家具を製造するために使用されていたが、経営不振で今は使われていない工場が四谷にあり、そこに遼は連れて行かれた、ということだった。* * *今、銀次の目の前には、数階建てで白いコンクリートの、かなり大規模な建物がたっている。 敷地周辺にはスタッコ塗りの塀 [続きを読む]
  • 番外編 銀次の『走る大捜査線』(3)
  • 空は、だいぶ暗くなってきていた。あと一、二時間で陽が沈むだろう。 『ブラッド・G』のビルに到着すると駐車場にまわり、あいているエリアに車をとめさせた。後部座席から、あたりを見まわす。 武田の黄色いワーゲンは来ていない。黒いベンツも見あたらない。ここには遼はいないかもしれない。遼をビルに引きこんでから、車だけ違う場所へ行ったということも考えられるが――そう考えながら視線を泳がせていた銀 [続きを読む]
  • 番外編 銀次の『走る大捜査線』(2)
  • 「俺の怪我はたいしたことねぇ。ちっとそこで待っててくれ」 銀次はそう言って救急隊員に背をむけ、カーゴパンツのポケットからスマートフォンをつまみだし、武田に電話をかけた。 「武やん、遼がさらわれた」「なに!誰にさらわれたんだ」 「よくわからねぇ。ヤクザ者みたいだったが……。もしかしたら、新宿の麻薬組織の関係かもしれねぇ」 先日、ライヴハウス『ブラッド・G』のビルで遼に乱暴を働いたヤク [続きを読む]
  • 番外編 銀次の『走る大捜査線』(1)
  • 遼が、帰ってこない――――。 銀次が遼と同居を決めた翌日から、何故か遼と連絡が取れなくなった。 銀次は数日後に遼の部屋に移ろうと思ってその準備を進めていたのだが、ある時ちょっとした用で遼に電話をかけてみると、留守電になっている。そのあと何度かけても繋がらない。心配になってアパートへ出向いて行ったが、遼はいなかった。 銀次が知っている限りの『遼の知人・友人』に電話をしてみたが、皆、 [続きを読む]
  • 第27話(第1部・最終話) 二人の明日
  • 「俺は、おまえと一緒に住みたいんだよ、遼!」遼は床に座ろうとしていたところだったが、銀次のその一言で動かなくなった。大きく目を見開いて銀次を凝視し、しばらくして叫んだ。「な、なに言いだすんだよ、銀ちゃん!」握りこぶしを震わせる。「そんなの……、そんなの、意味わかんねーよ!」「遼」銀次は当てが外れて、ちょっと呆気にとられた。遼がすぐに喜んでくれると思っていたからだ。遼は缶ジュースを低いテーブルの上に [続きを読む]
  • お知らせ
  • いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。 さて、先日『兄と弟の淫靡な情事』という短編を掲載したのですが、内容が過激すぎたためか、強制的に非表示にされてしまいました。 そこで別サイトに掲載しましたので、ご興味ありましたら下記へアクセスしてくださいませ。https://fujossy.jp/books/748 [続きを読む]
  • 第26話 銀次の決心
  • その日、銀次はバイトを休み、朝イチで病院へ向かった。心は弾んでいる。 遼に早く会いたい。気持ちが明るいのは、遼に会えることだけが理由ではないだろう。 おそらく、心が決まったためだ。自分がどうすればいいのかが、明確にわかった。 今日はその計画を、遼に話すつもりだ。(あいつ……俺の『計画』を聞いたら、どんな顔するかな……) 想像すると、自然と笑顔になった。もちろん突飛な『案』だから、断 [続きを読む]
  • 第25話 俺と遼の未来
  • ----------- 「これでだいたいの『材料』は揃った。あとはゆっくりと戦略を考えるだけだ」海老原は笑いながらそう言い、帰って行った。銀次は肺に入っていた空気をすべて吐き出すようにして、大きな溜息をつく。色々な話を聞かされて、心は満腹状態だ。拾い集めたたくさんの『遼の心のカケラ』を、整理する必要がある。海老原と別れたあとは真っ直ぐに帰宅せず、近くにあった小さな喫茶店に入り、カウンターに座を占め [続きを読む]
  • 第24話 宣戦布告?
  • (だが、本当にそうなんだろうか?)ほんの少しの疑念が、頭をかすめる。(こいつの言っていることを、鵜呑みにしていいのか?)「海老原、おまえ……なんでおまえに、そんなことがわかるんだ。遼が俺のことを想ってるなんてこと……」「あいつの態度を見てれば、わかるさ。――俺は人の心を読める超能力者じゃないがね」と言って、またフフン、と笑う。本気なのか冗談なのか、いまいち判断がつかない。「おい、まじめに答えろよ」 [続きを読む]
  • 第23話 本当の気持ち
  • 二人は近くのバーに入って、酒を注文した。海老原が言った。「昔話で時間を無駄にするつもりはないから、単刀直入に言う」率直で肝の据わっているところは、学生の頃と変わらないようだ。「お前の所にも、妙な手紙は届いたか?」「なに!?」「写真の入った手紙だよ」(なんで、そのことを知ってやがる!?)海老原は、フン、と鼻で笑った。「その顔からして、届いてるんだな」「なんで、そのことを……」「俺のところにも来たから [続きを読む]
  • 第22話 情事の相手は……
  • ←海老原豪くんです。 「もしもし……」「…………」「もしもし?」「……播磨か?」「おう。久しぶりだな」海老原豪と話すのは、高校卒業以来だ。数年ぶりの、旧友からの電話。普段だったら心躍る出来事だったが、今は、とてもはしゃぐ気にはなれない。「ああ。……元気か?」「あ、ああ……」「どうした?……タイミング悪い時にかけたか?」「いや、……悪い、ちょっと、あってな……」「……久しぶりに、会わないか?」海 [続きを読む]
  • 第21話 激情
  • しかし次の瞬間わき上がった感情は、予想外のものだった。それは、怒り――――。あの写真の光景が、頭の隅をよぎる。知らない男と密着し、口づけを交わしている遼。何かに駆られて、体が動いた。遼の体を、強く押し戻す。遼が、戸惑った表情を浮かべた。「銀ちゃん……? どうしたの?」銀次は顔をそむけ、自分でも驚くほどに冷たい口調で言った。「おまえ、なんでそんなことをする」「えっ?」「おまえ……」遼の顔を睨み、吐き [続きを読む]
  • 第20話 オレは生まれ変わったんだ
  • ―― 遼side ――人生で、一番大なものは何か?人は、あまりにも恐ろしいことを体験して初めて、それを知ることができるのかもしれない。遼は今、実感していた。オレにとって、一番大切なもの。それは、播磨銀次という男が、この世に存在している、ということ。そして自分が、播磨銀次を愛しているのだ、ということ。自分は今、人を愛しているのだ、ということ。遼は今、自分が新しい人間に、生まれ変わったような気持ちだった。あ [続きを読む]
  • 第19話 俺が遼のことを……?
  • ―― 銀次side ――遼の心の中は、『空っぽ』なんだろうか?なんの生き甲斐もなく生きている?情けないことに、高校を卒業してからはあまり深く付き合うことをしてこなかった銀次には、遼か今『空っぽ』なのかが、よくわからなかった。以前、特に小学生の頃はいつも遼のそばにいて、見つめてあげていたのだ。小学六年生のときに、遼は銀次のいるクラスに転校してきた。班が同じになったのでなんとなく話すようになり、いつのまにか [続きを読む]
  • 第18話 比叡敏行
  • ―― 銀次side ――銀次はその日、一睡もせずに悩み続けた。(どうしてこんなことになったんだ、遼。なんでこんなこと、するんだよ!)いつからこんなことを、するようになったのか?何がきっかけで、こんなことになったのか?思考は堂々巡りを繰り返した。あの写真を送って来たのが誰なのかまでは、今は考える余裕はない。とにかく一刻も早く、遼がこうなってしまった原因が知りたいのだ。原因がわかれば、何か解決策も思い浮かぶか [続きを読む]
  • 第17話 衝撃の真実
  • ―― 銀次side ――遼の状態が落ち着いたので、銀次は家に帰ることにした。あまり長時間そばにいると、かえって遼を疲れさせてしまうかもしれない、とも思ったのだ。医者によると、あと数日もすれば退院できるということだったので、ひとまず安心した。病院を出ると、『ブラッド・G』の駐車場にバイクを取りに行った。* * *家に到着し、バイクを軒先にとめて中に入ると、ランニングに短パン姿の弟・照之が頭をかきながら階段をお [続きを読む]
  • 第16話 リンゴは恋の味
  • ―― 遼side ――遼は、とても心地良い眠りの中にいた。そこはとても暖かで、ふんわりしていて、安心感に包まれている。何処からか、声が聞こえた。『遼、俺がついてるぞ。俺が一緒にいるから、もう大丈夫だ』『泣くな、もう、大丈夫だから……』それはなんて、頼もしい声だろう。なんて、愛に満ち満ちた声だろう。オレは、この声が大好きだ。ときに、叫びながら力一杯、歌っている声。ときに、何かを守ろうとして、大きくなる声。 [続きを読む]
  • 第15話 二人の涙
  • 新宿までの道中ずっと銀次は、心の中で遼の名を叫んでいた。(遼!…遼!…遼!……。もしお前に何かあったら……、俺は……、俺は……!)言葉にならない、『思い』――――。心臓が締め付けられる。苦しい。(もしお前が危ない目に遭っているのなら、俺が……俺が必ず、お前を助けるからな!)* * *『ブラッド・G』が入ったビルに到着すると、ビル裏手にある駐車場に入り、奥まった場所にバイクを停めた。満車状態だったが、そ [続きを読む]
  • 第14話 謎の電話
  • ―― 銀次side ――その電話がかかってきたのは、ちょうどバイトが終わって自転車に乗ろうとした時であった。 「銀ちゃん、助けて……」 掠れていてかなり小さかったが、その声は遼のものだった。 銀次は叫んだ。「おい、どうしたんだ、遼!」 しかし電話は突然、切れてしまった。それはまるで、誰かに電話を強引に取り上げられたかのようだった。 通話の最後に『なにやってんだ、この野郎!』という見知 [続きを読む]