レタス さん プロフィール

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レタスさん: さまよえる子羊たちのための読書案内
ハンドル名レタス さん
ブログタイトルさまよえる子羊たちのための読書案内
ブログURLhttp://sheep-dokusyo.takezo-samurai.jp/
サイト紹介文読書初心者から普通レベル、上級者まで三段階に分けた読書案内をしています。
自由文管理人が実際に読んで良いと思った本だけを紹介しているサイトです。
半分フランスで育ったのでフランス語の小説で日本語に翻訳されているものも多数紹介していきます。
得意分野は海外小説、推理小説、美術、言語学など。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供40回 / 66日(平均4.2回/週) - 参加 2017/01/30 22:32

レタス さんのブログ記事

  • 「ヒトラー・マネー」ユダヤ人囚人達の命を賭けた偽札作り
  • 「ヒトラー・マネー」ローレンス・マルキン(著)戦時中ともなると相手国の偽札を大量にばら撒き、通貨の価値を暴落させて混乱に陥れるという作戦がこれまでに何百回と繰り返されてきた事をご存知だろうか。こちらは膨大な時間を費やして、作者のローレンス・マルキンが書き上げた第二次世界大戦中のドイツが目論んだ偽ポンド札作戦の全貌を追った渾身のノンフィクションだ。最初は慣れない名前の登場人物が次々と出てくるので混乱す [続きを読む]
  • 「後宮小説」お妃候補は野生児!?
  • 「後宮小説」酒見 賢一 (著)日本ファンタジーノベル大賞第一回目の大賞作品がこの酒見賢一の「後宮小説」である。酒見氏、この時齢25歳なり。この小説家の登場に刺激を受けてデビューを目指したのが恩田陸さんだ。「後宮小説」は「雲のように風のように」という題名でアニメ化されてもいる。架空の中国の架空の時代、腹上死した前帝王の跡継ぎが王位を継承する際、宦官達に課せられた任務は新帝王のために「後宮」すなわちハーレム [続きを読む]
  • 「青い城」箱入り娘の逆襲
  • 「青い城」モンゴメリ(著)作者の名前を見ておや?っと思ったかもしれない。そう、こちらは赤毛のアンで有名なモンゴメリの作品だ。赤毛のアンばかり持て囃されて他の作品がすっかり忘れられているのは忍びない。主人公のヴァランシーは家族のしつこい干渉のもと、ねちっこく行動を監視されてすっかり婚期を逃してしまった独身・29歳。自分達の過干渉のせいなのに周りは彼女を常にオールド・ミス扱い。ほぼほぼ自由など無い。胸の [続きを読む]
  • 「うわさの神仏」日本一ミーハーな神サマ仏サマ案内
  • 「聖☆おにいさん」が好きな方にはたまらない作品かもしれない。もの凄くディープな神道と仏教の話をチャラい口調でミーハー全開なおばさんが語ってくれる。専門家なんじゃないのかというほど詳しい加門さんが難しくて解り辛い宗教の話を簡単に説明してくれるのだが、あまりにも面白い神道と仏教の小話に終始笑いっぱなしだ。つくづく私達って自分達の神様仏様のことをさっぱり知らずに祀っているんだなぁ….仏は偏平足でなければ [続きを読む]
  • 「ウージェニー・グランデ」行き送れる娘の悲劇
  • 「ウージェニー・グランデ」バルザック (著)今回紹介するのはフランス文学界でフロベールが自然派を確立する前の時代、初めて多作な人気作家として有名になったオノレ・ド・バルザックの作品。貴族にしか付かない「ド」なんぞを本人は気取ってつけているが庶民の出である。舞台はだいぶ田舎のしょぼくれた町、ソーミュール。樽屋から一代で財を成したフェリックス・グランデは財産があるにも関わらず、底抜けの守銭奴ぶりから家計 [続きを読む]
  • 「地獄番 鬼蜘蛛日誌」地獄の沙汰も鬼次第
  • 「地獄番 鬼蜘蛛日誌」斎樹真琴(著)これは閻魔大王に鬼蜘蛛に姿を変えられ地獄の番をする羽目になった元女郎の女が閻魔に向けて書いた日誌という形で語られている。同じく女郎だった母親に売られ、一時花魁にまで上り詰めるも夜鷹にまで落ちていき、一人寒空の下で行き倒れて凍死したはずが、気づけば三途の川。鬼蜘蛛になって任命された仕事は地獄の見回り、鬼たちの御用聞きと日誌をつけること。周りは当然ながら地獄絵図….のは [続きを読む]
  • 「一日江戸人」一番わかりやすい江戸時代入門書
  • 「一日江戸人」杉浦 日向子 (著)江戸時代のことなんてさっぱり知らないから時代小説が楽しめないという方に朗報だ。この一冊を読めばそれなりに江戸時代の生活と社会の成り立ちがイラスト付きで詳しく解説されている本のなかでは一番優秀ではなかろうか。この著者は惜しくもかなり若いお歳で亡くなったが、漫画家としても活躍され、近年アニメ化された「百日紅」の原作者でもある。ちなみに「百日紅」は葛飾北斎と絵師でもあったそ [続きを読む]
  • 「カンディード」無垢でいることは本当に善なのか?
  • 「カンディード」ヴォルテール (著)18世紀のフランスの知識人、ヴォルテール。彼は当時のフランスの哲学や文学においてルソーや戯曲家コルネイユと肩を並べる花形であった。その彼が主人公の名前に選んだカンディード Candide とは今ではあまりにも世間を知らなさすぎるがゆえの純粋無垢を意味する言葉になったほどである。裕福な生まれの主人公・カンディードは「世の中はすべて善で出来ている」と家庭教師に教え込まれて育った世 [続きを読む]
  • 「五匹の子豚」ポアロ、過去を紐解く
  • 五匹の子豚 アガサ・クリスティー(著)アガサ・クリスティの推理小説にはいくつかのシリーズがあり有名なのはエルキュール・ポアロもの、ミス・マープルもの、トミー&タペンスものがある。こちらはポアロが活躍する一冊だ。ポアロのもとに子供の頃に起きた殺人の真相を解き明かしてくれと若い女性が訪ねてくる。自分は両親が亡きあと親戚に育てられたのだが、成人する時に明かされた母が父を殺し、獄中で死亡したという話にどうし [続きを読む]
  • 「ナスカ 砂の王国」研究者、マリア・ライヘの伝記
  • 楠田 枝里子 (著)ナスカの地上絵は誰もが知っている。けれどそれが発見されたのは近代になってからだというのはあまり認知されていない。航空技術が発達して初めて上空から発見されたものなのだ。それくらいうっすらと儚い遺跡なのでちゃんと保護しないとあっさり消えてしまう。このナスカの地上絵を研究し、守り続けた女性マリア・ライへをあの楠田枝里子が取材したドキュメンタリーになっている。戦前生まれのドイツ人女性が遥か [続きを読む]
  • 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ完結!
  • ビブリア古書堂の事件手帖 三上 延 (著)こちらは七巻目にして完結した「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ。アニメ化と実写映画化が決まったそうな。ライトノベルに分類されているが、あまりラノベっぽくはない作品だ。舞台は鎌倉。子供の頃に手に取ってはいけない本に触れたせいで祖母にきつく叱られて以来、活字の多い物を見ると頭がくらくらしてしまう主人公、五浦大輔は卒業後も就職先が見つからないままでいたところ、古本 [続きを読む]
  • 「ガソリン生活」もし車に意思があったなら
  • ガソリン生活 伊坂幸太郎【著】伊坂幸太郎の小説は大体あまり強くない善人がかなり凶悪な悪人に立ち向かう話だ。ワンパターンだと思うが今回は少し違った視点で書かれていてちょっと目新しい伊坂らしさが出ているので紹介したい。この物語の中では車には意思があり、他の車達とすれ違いざまに会話し乗っている人間達の話も理解出来るという設定だ。望月家の自家用車、緑色のデミオは母・郁子とちょっと抜けてる長男・良夫、気難し [続きを読む]
  • 「黄金の丘で君と転げまわりたいのだ」へべれけワイン講座
  • 「黄金の丘で君と転げまわりたいのだ」三浦しをん, 岡元麻理恵(著)タイトルを見ただけでは内容はさっぱり窺い知れないがこれは三浦しをんが愉快な仲間とワインについて楽しく学んでみた体験本だ。三浦しをんとそのお仲間のことだからワインを口の中で転がした後に吐き出すことなど出来ない性分なので毎回へべれけになり先生を呆れさせる。本当に楽しそうにワインの知識を先生に学んでいるので堅苦しくお高くとまった「お勉強」に [続きを読む]
  • 「殺人者の健康法」ベルギー式ブラック・ユーモア
  • 「殺人者の健康法」アメリー・ノートン(著)アメリー・ノートンがこの作品で衝撃のデビューを飾ったのは1992年のこと。当時は相当マスコミが騒ぎ立ててゴーストライター説まで飛び出したがそれほどまでにセンセーションを巻き起こしたのはやはりこれだけアクの強くて面白い作家が世に出ること自体当時のフランス語圏の文学界では久方ぶりだったということだ。それ以降、彼女は毎年欠かさず新作を出している。難解で誰も読破してい [続きを読む]
  • 「大誘拐」誘拐犯、婆さんに手玉に取られる!?
  • 「大誘拐」天藤真(著)少々古い作品だが面白さで言えばどんな誘拐ものの推理小説に引けを取らない。読む前、誘拐された婆さんが誘拐犯三人組をキリキリ舞いにすると聞いてどんないじわるバアさんが出てくるんだろうと思っていたら違っていた。刑務所で知り合った三人の男達が大金をせしめて人生一発逆転を狙うため、目を付けたのが和歌山県の大富豪の柳川とし子刀自、82歳(刀自は敬称)。最近毎日のように持っている山々の敷地を [続きを読む]
  • 「黄色い部屋の秘密」完全密室の元祖
  • 「黄色い部屋の秘密」ガストン・ルルー(著)19世紀の終わりから20世紀初頭の推理小説と言えばイギリスにエドガー・アラン・ポーとコナン・ドイルあり、フランスにモーリス・ルブランとガストン・ルルーありの時代。モーリス・ルブランはあの有名なアルセーヌ・ルパンの生みの親、そしてもう一人のガストン・ルルーの有名な作品で「オペラ座の怪人」と並ぶ作者の大ヒット作がこの「黄色い部屋の秘密」だ。発表されたのは1907年なの [続きを読む]
  • 「ル・オルラ」狂気の日記
  • 「ル・オルラ」モーパッサン(著)昨日モテる作家は短編が上手いと言った手前、ここで紹介しないわけにはいくまい。今日の作家はフランス文学の「自然派」の中でも群を抜けて短編が得意だった伊達男、モーパッサンの作品だ。モーパッサンと言えば「脂肪の塊」や「女の一生」の方が有名だけど、「ル・オルラ」も負けず劣らずの珠玉の一作だ。まるで作家自身が主人公のような、日記の形をとっている。最初の頃はすこぶる元気で地元ノ [続きを読む]
  • 「アンナ・カレーニナ」現代と変わらぬ不倫劇
  • 「アンナ・カレーニナ」トルストイ(著)「アンナ・カレーニナ」を読んだのは高校生の時でフランス語で読んだので今回のレビューの際の再読は断念した。申し訳ない。とにかく印象に残っているところから話すとこれは呆れるほど長い不倫小説だ。トルストイなので長くなるのはしょうがない。誰かが言っていたが、モテない作家ほど小説が長く、モテる作家ほど短編が上手い。モーパッサンの写真を見るとなるほどモテるだろう御顔立ち。 [続きを読む]
  • 「移民の宴」日本に住むということ
  • 「移民の宴」 高野 秀行(著)こちらは日本に住んで何年も経つ外国人がどのような暮らしをしているのか台所を取材してみたドキュメンタリー。彼らはどのようにしてこの地に根を張り、生活しているのか?食事の基本は和食なのか、自国の郷土料理なのか、それとも半々か?色んなコミュニティを取材してみると結構な割合で和食は簡単だから楽と言われる。それくらい、手間が掛る料理が多かったりするのだ。下ごしらえに17時間!もか [続きを読む]
  • 「活版印刷三日月堂」手仕事が繋ぐ物語
  • 「活版印刷三日月堂」 ほしお さなえ(著)「活版印刷」と聞いてどんなものかピンとくる人ももはや少ないだろう。もしかしたら「あ!ジョバンニがやってたバイトだ!」と気付く人もいるかもしれない。そう、活字をひとつひとつ拾い、木枠に並べてセットし手刷りで行う昔の印刷スタイルのことを言う。ほしさなえの「活版印刷三日月堂」は、小江戸の街・川越が舞台の話。そこに開業した活版印刷の店。どうやら昔ここに住んでいた老 [続きを読む]
  • 「風の中のマリア」女戦士はオオスズメバチ
  • 「風の中のマリア」 百田 尚樹(著)最初の印象は奇妙な小説があったもんだ、だった。けれどもハチが主人公のアニメだったらみなし子ハッチもミツバチマーヤもあるし…と思って読んでみたら凄かった。百田尚樹の「風の中のマリア」はたしかにハチが主人公の小説ではあるものの、ハードな自然の中をタフに生きる女戦士のようなオオスズメバチの雌が主人公だ。オオスズメバチの生態を膨大な資料を読み込んで書いたであろう迫力の一 [続きを読む]
  • 「ジヴェルニーの食卓」画家たちの足跡
  • 原田マハという作家はよく絵画を題材にした小説を書く人だ。こちらはそのなかでも比較的に読みやすい短編集なので初心者におすすめの一冊となっている。かと言って固苦しいわけでも知識が必要なわけでもないのでリラックスして読んでほしい。kindle版のほうでは登場する絵が一緒に掲載されているのでご安心を。本当に誰にでもお薦めできる本というのは稀なものだが、こちらは文句なしに万人受けする作品に仕上がっている。あくまで [続きを読む]
  • 「モンテ・クリスト伯」壮大なる復讐劇
  • ああっ、伯爵様!…..あれがかの有名なモンテ・クリスト伯爵よ!行く先々で名前を囁かれる謎の人物、それがモンテ・クリスト伯爵。下の名前を聞かれれば、「私の両親はうっかり者でしてね、私に名前を付けるのを忘れたのです」とうそぶく。人前では決して食べ物を口にしない。ミステリアスな暗い眼差しをこちらに向け上品な物言いの奥に潜む得体の知れなさよ。これぞフランス文学史に残る、陰のあるイケメン№1…..物語の始まりで [続きを読む]
  • 「ボヌール・デ・ダム百貨店」働く女性の応援歌
  • エミール・ゾラというのは人間の暗い部分ばかりクローズアップしてうちの母曰く、落ち込んでる時に読んだらピストル自殺したくなる作品ばかり書いている。そんな中で20冊にも及ぶ大作「ルーゴン・マッカール家」シリーズ唯一のハッピーエンドがシリーズ11作目の「ボヌール・デ・ダム百貨店」になる。ハッピーエンドに終わるとはいえ、決して明るさ一辺倒の作品ではない。親を亡くし、弟二人を抱えて田舎のノルマンディー地方から親 [続きを読む]