rohen さん プロフィール

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rohenさん: 炉辺一冊
ハンドル名rohen さん
ブログタイトル炉辺一冊
ブログURLhttps://rohenone.net/
サイト紹介文読んだ本を紹介しています。日本文学、ノンフィクション、紀行、演劇、古典芸能関係の本が中心。
自由文備忘録としてつけてきた読書メモが増えたので公開することにしました。タグでジャンルごとに検索できるようにしています。読書量は月10冊前後。現在2014年以降の約400冊を掲載していますが、過去(2009〜13年)の分も順次アップしていきます。その他、お勧めの音楽も紹介しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供62回 / 106日(平均4.1回/週) - 参加 2017/02/11 01:23

rohen さんのブログ記事

  • 西行 魂の旅路
  • 西澤美仁「西行 魂の旅路 」和歌を解するような風雅な心も知識も無いけれど、西行から芭蕉、山頭火に至る旅する歌人が残した歌には幾つか心惹かれるものがある。それは、歌の精神性の高さに感銘を受けるというよりは、身近で分かりやすい感慨を素直な言葉で表現しているからだと思う。西行や芭蕉の旅は、未踏の地を切り開くようなものではないし、当然ながら彼らは世捨て人でもない。武士としての将来を捨て、家族と離れて和歌と信 [続きを読む]
  • 黒いトランク
  • 鮎川哲也「黒いトランク」ミステリーにおいて、第一に重要なのはトリックであるという「本格」と呼ばれるに相応しい作品。一見入れ替えることが不可能な二つのトランク。東京から九州へ、九州から東京へ行き来するトランクと、その中に詰められた死体を巡る謎。実際の時刻表を使った大がかりで緻密なアリバイ作り。思考の盲点を突いたトリック。論理に論理を積み重ねるような地道な推理。読み手のこちらも、丁寧に頭の中で整理しな [続きを読む]
  • ジュライホテル バンコクの伝説の安宿
  • 及川タケシ「ジュライホテル バンコクの伝説の安宿」バンコクの安宿街といったらカオサン通りが有名(今はもう違うかも)だが、90年代半ばまではカオサンに滞在するのは欧米人が中心で、日本人旅行者の溜まり場はチャイナタウンだった。自分は直接その時代を知るわけではないが、楽宮旅社や台北旅社、ジュライホテルの名前は、アジアを旅したことがあるバックパッカーなら聞いたことがある人も多いのではないかと思う。廃墟のよう [続きを読む]
  • フィリピンパブ嬢の社会学
  • 中島弘象「フィリピンパブ嬢の社会学」新書で、このタイトル。新書に多い「タイトルだけ秀逸」という“出落ち”を警戒して読み始めたが、非常に面白いルポルタージュだった。真面目な大学院生だった著者は、在日フィリピン人女性を研究テーマとし、論文の題材としてフィリピンパブのことを調べるうちに、ホステスの「ミカ」と恋に落ちてしまう。そのミカとの交際や、家族との出会いを通じて、外国への出稼ぎに頼らざるをえないフィ [続きを読む]
  • 勝手にふるえてろ
  • 綿矢りさ「勝手にふるえてろ」主人公は、誰とも付き合ったことが無いまま26歳になってしまったオタク女子。中学生の頃から片思いしている相手と、言い寄ってきた職場の同僚の間で、妄想の二股気分に揺れている。色々とこじらせてしまったその女性のキャラが秀逸。周囲の人間を鋭く人間観察しているようで、致命的に人生経験が不足しているため、行動は空転し、思考だけが先走っていく。内面描写が生々しくリアルな一方、物語の展開 [続きを読む]
  • 世界最低最悪の旅
  • 蔵前仁一編「世界最低最悪の旅」終わってみれば、旅はトラブルこそが面白い。下痢で悶絶し、ハードな移動で消耗し、行く先々で騙され、たかられ、それでも喉元過ぎれば何とやら。トラブルの無い旅は、きっと印象にも残らない。そんなバックパッカーの失敗談や悲惨な話を集めた一冊。収録されているのは主に80〜90年代に雑誌「旅行人」とその前身のミニコミ誌「遊星通信」に投稿されたもの。読者投稿なので、一本一本が全て面白いと [続きを読む]
  • 十七世紀のオランダ人が見た日本
  • フレデリック・クレインス「十七世紀のオランダ人が見た日本」十七世紀、日本の姿がどうヨーロッパの国々に紹介されたのか。当時、唯一の交易相手国だったオランダ商人の記録などをもとに西欧における日本観の形成を明らかにする。十六世紀、ポルトガルがアジアに本格的に進出し、そこで豊かな都市を多数目にした。当時のヨーロッパは現代のような先進国ではないし、豊かな土地が広がっていたわけでもない。そうした辺境の地から来 [続きを読む]
  • 劇場
  • 又吉直樹「劇場」芥川賞を受賞したデビュー作「火花」があまりに話題を呼び、期待と懐疑の中での第2作。前作の延長にある作風ながら、今後も書き続けていく底力を感じさせる作品だった。主人公は小劇場で活動を続ける劇作家。ふとしたことで知り合った女性の家に転がり込み、彼女の支えを受けながら創作活動を続ける。まるでヒモのような日々。プライドと自意識だけは人一倍で、他者より優位に立とうとしながら、そうした自分の卑 [続きを読む]
  • ワンちゃん
  • 楊逸「ワンちゃん」タイトルの「ワンちゃん」は、ワンワンではなく、王(ワン)ちゃん。著者の作品は3冊目。中国出身、母語が日本語以外の作家で初の芥川賞受賞として話題になった「時が滲む朝」はそれほど面白いとは思わなかったが、中国人留学生の日常を描いた「すき・やき」を読んで、その素朴でユーモアにあふれた筆に引き込まれた。「ワンちゃん」は文学界新人賞を受賞したデビュー作。かわいらしいタイトル、やわらかな文体 [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム・ガイド
  •   ニール・ヤング(Neil Young)は1945年11月12日にカナダ・トロントで生まれた。10代前半で両親が離婚し、彼は母方に引き取られた。多感な10代でロックの誕生と興隆を目の当たりにした彼は、自身もミュージシャンへの道を歩み始めた。当時のことは「Don’t Be Denied」などの楽曲に歌われている。ハイスクール時代には、スクワイヤーズ(The Squires)というバンドを組み、地元で人気を集めた。「The Archives Vol.1」では、「T [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム・ガイド
  • ニール・ヤング(Neil Young)は1945年11月12日にカナダ・トロントで生まれた。10代前半で両親が離婚し、彼は母方に引き取られた。多感な10代でロックの誕生と興隆を目の当たりにした彼は、自身もミュージシャンへの道を歩み始めた。当時のことは「Don’t Be Denied」(「Time Fade Away」に収録)などの楽曲に歌われている。ハイスクール時代には、スクワイヤーズ(The Squires)というバンドを組み、地元で人気を集めた。「The A [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム・ランキング
  • ニール・ヤングのアルバムをランク付けするのは難しい。アコースティックとエレキの曲でずいぶん雰囲気が違うし、70年代、80年代、90年代、00年代でそれぞれに味わいが違い、その中で一番を選ぶのは、かなり頭を悩ませる。そして何より、ワーストを選ぶのはもっと難しい。以下は、米国の音楽情報サイトStereogum(ステレオガム)に2013年に掲載されたランキング。ライブ盤を除く全35作をワーストまでランク付けしている。“Neil Yo [続きを読む]
  • Neil Young 関連作品
  • 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代はじめに 映像作品(製作中) 関連作品 The Bridge School Concerts 25th Anniversary Edition(ザ・ブリッジ・スクール・コンサート 25thアニヴァーサリー・エディション)ニールがさまざまなミュージシャンをゲストに招いて毎年秋に開催してきたチャリティー・コンサートの25周年を記念し、過去の名演を集めた企画盤。3枚組DVDと2枚組CDでリリースされた。それぞれ収録されてい [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム 2010年代
  • 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代はじめに 映像作品(製作中) 関連作品Peace Trail(ピース・トレイル) 2016年ジム・ケルトナー(Jim Keltner)、ポール・ブシュネル(Paul Bushnell)とのトリオ編成。アコースティックを基調としながら、ニールらしい緊張感のある曲も含まれている。 「The Monsanto Years」に続いて社会的なメッセージ色の強いアルバムで、石油パイプラインへの抗議が歌われている。やや地味な [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム 2000年代
  • 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代はじめに 映像作品(製作中) 関連作品Dreamin’ Man Live ’92(ドリーミン・マン・ライヴ ’92) 2009年92年のツアーからピックアップした10曲を収録。ツアーでは70年代などのお馴染みの曲も演奏されていたが、このアルバムは「Harvest Moon」からの曲でまとめられ、ライブ版「Harvest Moon」として楽しむことが出来る。ただこの年のツアーは曲目、演奏内容ともに充実したものだ [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム 1990年代
  • 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代はじめに 映像作品(製作中) 関連作品Looking Forward(ルッキング・フォワード) CSN&Y 1999年スタジオ録音としては3作目となるCSN&Yのアルバム。4人とも50代。楽曲、演奏、歌、それぞれに円熟を感じさせる。ニールが手掛けたのは「Looking Forward」、「Slowpoke」、「Out Of Control」、「Queen Of Them All」。どれも「Silver & Gold」の収録曲に近い優しい曲調。Year Of Th [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム 1980年代
  • 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代はじめに 映像作品(製作中) 関連作品 Freedom(フリーダム) 1989年80年代の最後に登場し、ニールのキャリアの中でも代表作の一つと言える名盤。ロック・アンセムとなった「Rockin’ In The Free World」は、アルバムに先駆けてライブで披露され、このアルバムもライブ録音のアコースティック版で幕を開ける。続く「Crime In The City」など勢いのある楽曲が並び、最後は、エレ [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム 1970年代
  • 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代はじめに 映像作品(製作中) 関連作品Live Rust(ライブ・ラスト) 1979年Rust Never Sleepsツアーからのライブ盤。弾き語り中心の前半とクレイジー・ホースと組んだエレクトリック主体の後半。曲目、演奏ともに充実した内容で、ニールの70年代の締めくくるに相応しい名盤。このツアーは巨大なセットやスタッフの衣装など、演出にもこだわっており、映像版の「Rust Never Sleeps [続きを読む]
  • Neil Young 全アルバム 1960年代
  • 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代はじめに 映像作品(製作中) 関連作品Everybody Knows This Is Nowhere(ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース) 1969年クレイジー・ホース(Crazy Horse)と組んでの第1作。ソロ1作目では良くも悪くも弱々しく感じられたニールの声に、荒々しい演奏が加わった。その後数々の名アルバム、名演奏を生み出したニール・ヤング&クレイジー・ホースの唯一無二のサウンドがこ [続きを読む]
  • 小山田浩子「穴」2013年下半期の芥川賞受賞作。語り手の女性は、夫の転勤に合わせて非正規の仕事を辞め、夫婦で田舎町にある夫の実家の隣に引っ越した。姑はややお節介だが良い人で、生活上の不満は何も無い。ただ無職になった引け目が、淡々と続く日常に欠落感をもたらしている。専業主婦になることを羨ましがる同僚、今も働いている姑、スマホばかりいじっている夫、とらえどころの無い隣人。持てあましてしまうような時間の流れ [続きを読む]
  • 時をかけるゆとり
  • 朝井リョウ「時をかけるゆとり」「何者」で、23歳という若さで直木賞を受賞した著者のエッセイ集。執筆時期は現役大学生だった頃から、直木賞受賞直後に書いたものまで数年間にわたっている。自転車旅行や就活の話など、内容的にはリア充(?)大学生の日記(しかも自虐風自慢多め)という感じだが、文章の巧みさと観察眼の鋭さ(この観察力は「何者」を読むとよく分かる)で非常に楽しい一冊になっている。腹の弱さを嘆き、美容師と [続きを読む]
  • 歌うクジラ
  • 村上龍「歌うクジラ」 不老不死の遺伝子が発見され、極端に格差が広がった22世紀の社会。最上層の人々のみがその遺伝子の恩恵を受け、最下層の人々は隔離された出島で暮らしている。15歳の少年が島を出て各地を旅する様子をロードムービーのようにつづっていく。あえて選択したのだろう、徹底的に内省を排除した描写の連続は、極端に映像的。この手法でこれだけのボリュームを書ききる筆力に圧倒されたが、読み進めるのには苦労し [続きを読む]
  • 文楽の女 吉田簑助の世界
  • 吉田簑助、山川静夫「文楽の女 吉田簑助の世界」お初・徳兵衛(曽根崎心中)、お軽・勘平(仮名手本忠臣蔵)、お染・久松(新版歌祭文)、お半・長右衛門(桂川連理柵)……。浄瑠璃などの近世文学に登場するカップルの名前は、大抵女性の名が先に語られる。それは物語の主人公が男であっても、究極的には女性の運命を描いていると多くの人が感じるからだろう。社会の理不尽に絶え、時には運命に抗い、意地を通そうとする姿は男の [続きを読む]
  • マチネの終わりに
  • 平野啓一郎「マチネの終わりに」どちらに否があるというわけでもないのに、成就しなかった恋愛。結果的に別の人生を歩むことになった二人がふとした偶然で顔を合わせ、それぞれの日常へ戻っていく「シェルブールの雨傘」のラストシーンは“大人の恋愛物語”の金字塔と言えるだろう。「マチネの終わりに」で描かれる男女の関係も、成就されなかったが故に、それぞれの人生で大きな意味を持つ。世界的なクラシック・ギタリストと、通 [続きを読む]
  • 書を捨てよ、町へ出よう
  • 寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」ここ数年、それぞれの本にも読むべき年齢があるということを感じるようになった。10代の経験が10代でしかできないように、10代の感性では、30代の今は本を読むことができない。その逆も然り。人生の時間は一方通行で、感受性は変化すれば戻らない。高校の頃にのめり込んだ中上健次や安部公房を今初めて読んでも熱狂しないだろうし、逆に色川武大を当時読んでもあまり惹かれなかっただろう。大学 [続きを読む]