rohen さん プロフィール

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rohenさん: 炉辺一冊
ハンドル名rohen さん
ブログタイトル炉辺一冊
ブログURLhttps://rohenone.net/
サイト紹介文読んだ本を紹介しています。日本文学、ノンフィクション、紀行、演劇、古典芸能関係の本が中心。
自由文備忘録としてつけてきた読書メモが増えたので公開することにしました。タグでジャンルごとに検索できるようにしています。読書量は月10冊前後。現在2014年以降の約400冊を掲載していますが、過去(2009〜13年)の分も順次アップしていきます。その他、お勧めの音楽も紹介しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供29回 / 46日(平均4.4回/週) - 参加 2017/02/11 01:23

rohen さんのブログ記事

  • 「子供を殺してください」という親たち
  • 押川剛「『子供を殺してください』という親たち」予備知識無くタイトルだけ見て、精神科医の書いた本かと思って手にしたが、著者は精神病の患者を家族等の依頼で医療機関に繫ぐ「精神障害者移送サービス」の経営者。病識を持つように本人を説得するとともに、受け入れ先の病院を探し、その後の面会等のフォローも手がけている。本書では著者自身が実地で体験したケースを紹介するとともに、現在の日本の精神医療の問題点を指摘して [続きを読む]
  • 対岸の彼女
  • 角田光代「対岸の彼女」人はしばしば、生きる意味と、何かに属するということを混同し、自分を生きづらさの隘路に追い込んでいく。中高生は細かく階層化されたグループを形成し、そこからはじき出されることを恐れる。大人になっても、グループが重なり合って複雑化しているだけで、実は思春期と同じことを繰り返している人は多い。働き始めた主婦と女社長の話、その女社長の学生時代の日々が交互に綴られる。一児の母の小夜子は、 [続きを読む]
  • すきあらば 前人未踏の洞窟探検 洞窟ばか
  • 吉田勝次「洞窟ばか」洞窟はやったことがないけど、むちゃくちゃ楽しそうだ。著者の洞窟愛に、読みつつ、くらくらしてしまう。自分は何をしているのか、本当にしたいことをして生きているのか、と。少し前まで「探検」や「冒険」はもはや存在しないと思っていた。地理的な空白部は20世紀までにほぼ埋め尽くされ、21世紀の今、Google Earthで見ることができない土地は無いし、費用と時間さえあればどこにだって辿り着ける。と、思っ [続きを読む]
  • 性的人間
  • 大江健三郎「性的人間」大江健三郎の手にかかれば、ただの痴漢の話が、これほどまでに文学的な色彩を帯びるのだから、すごい。表題作は二部に分かれていて、性的に倒錯した金持ちの青年Jを中心に、前半は別荘での奔放な男女の集まり、後半は痴漢に情熱を傾ける少年と老人、Jの3人の関係が描かれる。痴漢という行為を、死への衝動や背徳的な喜び、征服感などが混ざり合ったものとして読み解けば、確かに人間の根底を描いた小説と [続きを読む]
  • 性的人間
  • 大江健三郎「性的人間」大江健三郎の手にかかれば、ただの痴漢の話が、これほどまでに文学的な色彩を帯びるのだから、すごい。表題作は二部に分かれていて、性的に倒錯した金持ちの青年Jを中心に、前半は別荘での奔放な男女の集まり、後半は痴漢に情熱を傾ける少年と老人、Jの3人の関係が描かれる。痴漢という行為を、死への衝動や背徳的な喜び、征服感などが混ざり合ったものとして読み解けば、確かに人間の根底を描いた小説と [続きを読む]
  • 世界天才紀行
  • エリック・ワイナー「世界天才紀行」「その国で尊ばれるものが、洗練される」“天才”は不規則に生まれるのではない。特定の時期に、特定の場所に相次いで現れる。アテネ、杭州、フィレンツェ、エディンバラ、カルカッタ、ウィーン、そして、シリコンバレー。なぜ、その土地に天才が生まれたのだろう。紀元前のアテネも、ルネサンス前夜のフィレンツェも、当時の世界一の大都市でも先進都市でもなかったし、周辺の都市にすら後れを [続きを読む]
  • ストリーミングサービス
  • 国内で本格的に音楽のストリーミングサービスが始まってから、もうすぐ2年。apple music→google play music→apple music→spotifyと乗り換え続け、再びspotifyからapple musicに戻して2週間。今のところ楽曲のラインナップもappleが若干優位な印象で、とりあえず当面はここに落ち着きそう。アプリの出来やプレイリストの質、レコメンドの的確&多彩さなど、使いやすさは明らかにspotifyが上だったけど、昨年末に肝心のディスカ [続きを読む]
  • プログラム
  • 土田英生「プログラム」MONOの芝居はハズレがない。毎回、対話の面白さをたっぷり堪能させてくれる。しかも、ただ笑って終わりではなく、登場人物一人一人の置かれた立場やその言葉を通じて、現実の生活や社会についても振り返らされる。主宰の土田英生氏による初の小説であるこの作品も、それは変わらない。舞台は近未来。移民が増えた日本社会に対する反動として、東京湾の人工島に“古き良き日本”の面影を残す「日本村」が作ら [続きを読む]
  • スミヤキストQの冒険
  • 倉橋由美子「スミヤキストQの冒険」架空の政治思想「スミヤキズム」を信奉する青年Qが、革命を起こすことを意図して孤島の感化院に赴任し、そこで院長やドクトルら奇妙な人物に出会う。頭でっかちなQは理論武装で現実に立ち向かい、周りの人間や状況に翻弄される。ここに描かれる「スミヤキズム」は、現実のマルキシズムやトロツキズムを容易に連想させる。だとしたら、院児の肉を食料とする感化院の姿は権力や資本主義のメタフ [続きを読む]
  • 墓地を見おろす家
  • 小池真理子「墓地を見おろす家」怖いと評判の作品。墓地を見おろす新築マンションに越してきた一家の周りに奇妙な出来事が次々と起こる。エレベーターでしか出入りできない地下フロアに閉じ込められたり、エントランスのガラス戸に白い手形が次々と現れたりと、たしかにぞっとする場面はあるが、登場人物の描写や細部のリアリティ不足であまり怖いと思えなかった。なぜ、の説明が無いまま恐ろしい出来事が続くのはホラーとしては欠 [続きを読む]
  • 騎士団長殺し
  • 村上春樹「騎士団長殺し」第1部 顕れるイデア編、第2部 遷ろうメタファー編 これを成熟とみるか、停滞とみるか。集大成ととるか、懐古趣味ととるか。評価が大きく分かれそうな印象を受けた。妻が離れていき、社会と隔絶された孤独な環境に身を置く。やがて非日常への誘い手となる不思議な存在やミステリアスな少女が現れて……。さらに、井戸のような深い穴、得体の知れない暴力の予感、戦争の記憶、完璧で奇妙な隣人、様々な楽曲 [続きを読む]
  • しんせかい
  • 山下澄人「しんせかい」作中では【先生】【谷】としか書かれないが、倉本聰が主宰していた「富良野塾」での日々を綴った小説。19歳。【先生】のこともよく知らなければ、俳優になりたいという強い思いがあるわけでもない。たまたま目にした新聞記事を見て飛び込んだ【谷】は、俳優教室というよりは小さな共同体で、日々小屋作りや農作業に追われる。一人称の語り手に主体性が無いことと、感情の機微をあえて描かないスタイルは最近 [続きを読む]
  • Africa Express
  • Maison Des Jeunes(2013)アフリカ・エクスプレス(Africa Express)は、ブラー(Blur)のフロントマン、デーモン・アルバーン(Damon Albarn)によるプロジェクト。ブライアン・イーノ(Brian Eno)らが参加し、2006年から各地でアフリカと欧米のミュージシャンのコラボによるコンサートを開き、アルバムもリリースしている。なかでもこちらは大傑作。In C Mali(2014)ミニマル・ミュージックの巨匠、テリー・ライリー(Terry Riley [続きを読む]
  • ホワット・イフ? ―野球のボールを光速で投げたらどうなるか
  • ランドール・マンロー「ホワット・イフ? ―野球のボールを光速で投げたらどうなるか」多彩な質問にユーモアたっぷりの回答。著者はNASAで働いた経験を持つ理系漫画家。ウェブサイトに寄せられた「空気圧で肌を温めるにはどれくらい早く自転車をこげばいいか」「どのくらいの高度から肉を落としたらステーキが焼けるか」といった質問に、シュールなイラストを交えて、科学的知見で回答する。たとえば、表紙に書かれている「光速の [続きを読む]
  • 誰が音楽をタダにした? ─巨大産業をぶっ潰した男たち
  • スティーヴン・ウィット「誰が音楽をタダにした? ─巨大産業をぶっ潰した男たち」「音楽を手に入れることだけが目的じゃなかった。それ自身がサブカルチャーだったんだ」よくあるネット史の概説書かと思いきや、一級のノンフィクション。事実は小説より奇なり。音楽が無料で(その多くは違法で)流通するのは、何となくインターネットの発達の必然で、自然にそうなったような気がしていたが、あくまで人の物語なのだ。“音楽をタ [続きを読む]
  • 夜市
  • 恒川光太郎「夜市」表題作と「風の古道」の2本。さまざまな世界が混ざり合い、対価さえ払えば何でも手に入る夜市。魑魅魍魎が闊歩し、世界の裏側を通って各地をつなぐ不思議な古道。設定だけ書いたら既視感のある話だが、舞台の見せ方や物語の進め方が巧みで、それがシンプルな文体と相まって非常に魅力的な世界を構築している。夜市で弟と引き替えに野球の才能を買った男は慚愧の念から再び市を訪れる。古道に迷い込んだ少年は、 [続きを読む]
  • しろいろの街の、その骨の体温の
  • 村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」読みながら気分が沈んでいく。ただ中学、高校で“強者”として生きてきた人には全くピンとこない小説だろう。こじらせた初恋の物語。といっても最近よく使われるコメディチックな「こじらせ」ではなく、歪んで、暗く、痛々しい。拡大していくニュータウンに、主人公の少女の身体の成長が重ね合わせられる。やがてその街は、不景気で開発が止まり、中途半端なまま放置される。思春期の [続きを読む]
  • 日本語のために 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集30
  • 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集30日本語のために日本語は世界的に見ても非常に多様な表現形態を持っている。池澤夏樹選の日本文学全集30巻は、文体のサンプル集とでも言うべき内容。祝詞や経文、漢詩から、琉歌(琉球語の定型詩)や、アイヌ語の文章まで。聖書の翻訳や、ハムレットの独白もそれぞれ6種類収録され、日本語の幅の広さがよく分かる。たとえば、最初に収録されている祝詞の六月晦大祓(みなづきのつごもりのおおはら [続きを読む]
  • 平家物語 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09
  • 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09古川日出男訳「平家物語」祇園精舎の鐘の声/諸行無常の響きあり/沙羅双樹の花の色/盛者必衰の理をあらはす冒頭の文章は誰でも知っているのに、ちゃんと平家物語を読み通したことがある人は少ないのでは。古川日出男は壮大な軍記物語を、現代の小説の文体を取らず、あくまで琵琶法師の語りとして現代に蘇らせた。「祇園精舎の鐘の音を聞いてごらんなさい。ほら、お釈迦様が尊い教えを説かれた遠 [続きを読む]
  • 僕らの歌舞伎: 先取り! 新・花形世代15人に聞く
  • 葛西聖司「僕らの歌舞伎: 先取り! 新・花形世代15人に聞く」次代の花形15人のインタビュー集。松也、梅枝、歌昇、萬太郎、巳之助、壱太郎、新悟、右近、廣太郎、種之助、米吉、廣松、隼人、児太郎、橋之助。一人一人の人柄が滲むと同時に、誰に、いつ、どんな教えを受けたのかを具体的に聞いていて、芸の継承や人間関係が分かって興味深い。本人以上に、おじさん、おにいさん(歌舞伎では先輩をこう呼ぶ)の人柄が伝わってくる。特 [続きを読む]
  • 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08
  • 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集鎌倉時代に成立したとされる「宇治拾遺物語」。煩悩を断ち切るために陰茎を断ち切った、という僧侶が貴族の家を訪れ、証拠として下半身を露出。主の命を受けた小僧が下半身の密林を探ると、刺激を受けたモノが巨大化して?が露見。という話(「玉茎検知」)があって、高校生の頃に読んで度肝を抜かれたことを思い出す。「毛の中より松茸のおほきやかなる [続きを読む]
  • Songlines Music Awards
  • Songlinesは英国の雑誌。BBC Radio 3がAwards for World Music(BBCワールド・ミュージック・アワード)を廃止したのに伴い、2009年に独自の賞を創設した。毎年、最優秀アーティスト、グループ、多文化コラボ、新人の4部門を選出している。2016年からは多文化部門が各地域部門に変更された。◇Songlines Music Awards2009BEST ARTIST: Rokia TraoréBEST GROUP: Amadou & MariamCROSS-CULTURAL COLLABORATION: Jah Wobble & T [続きを読む]
  • BBC Radio 3 Awards for World Music
  • BBCワールド・ミュージック・アワード ワールド・ミュージック、と一言で言っても幅が広い。(世界の広さだけ包括する音楽の幅があるのだから当然だ)最近のワールド・ミュージックは、伝統的な民族音楽(etnic music)を下敷きにしつつも、RockやR&B、Hip-Hopなど西洋音楽の影響を受けていたり、それらの技法を逆輸入して洗練された音を作り出していて、いわゆるポピュラー・ミュージックが好きな人でも抵抗無く聞くことが出来る [続きを読む]
  • 温室/背信/家族の声
  • ハロルド・ピンター「温室/背信/家族の声」ハロルド・ピンターの戯曲集。難解と言われる作家だが、「背信」は純粋にドラマとして引き込まれる。不倫する男と女、その夫。ほぼ三人芝居で、関係の終わりから始まりまでの場面を時間を遡って見せていく。その過程で、誰がどこまで知っていたのかが次第に明らかになり、人間関係のさまざまな“背信”が浮き彫りになる。一方、「温室」は精神病棟か思想犯の収容所らしき施設が舞台だが [続きを読む]