ちゃかぽこりん さん プロフィール

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ちゃかぽこりんさん: 夢を楽しむ
ハンドル名ちゃかぽこりん さん
ブログタイトル夢を楽しむ
ブログURLhttp://ameblo.jp/osiminaku/
サイト紹介文私が書いた小説です。暇つぶしにご一読いただけると嬉しいです。
自由文現実感のある身近な日常生活を題材にオリジナル小説を書いている50代主婦です。書き溜めた過去作品から現在進行中のものまですべてさらけ出します。感想もらえるとうれしいです。辛口も歓迎です!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供100回 / 84日(平均8.3回/週) - 参加 2017/02/16 09:39

ちゃかぽこりん さんのブログ記事

  • 飲みかけのコーラ 12(完)
  •  門の前ではもう、たくさんの同級生がひしめいていた。満流がてつの姿を見つけたときにはてつはもう、満流の方に駆け寄って来ていた。「どうだった?」てつは泣きそうに笑って、ひじを曲げた両手を小さく上げて見せた。「I高決定。」あの、事故のせいだ。そう思うと、なんだか満流は後ろめたいような気がした。しかし、てつは、けなげにも、すぐに笑顔で「でも、ユウちゃんも一緒だから、よかった」なんて言う。 職員室で芳村 [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 11
  •  胸騒ぎがした。呼んでいるような気がした。瞳に、呼ばれているようなそんな気が、根拠もないのに湧いてくる。 今日、高校の廊下ですれ違った時、何かを言いたそうに目を見つめられた。この前、大弥と連れだって、体育館の脇に消えて行った瞳。告白したのだろうか。聞く権利はある。そんな気がした。  バシューっと噴きこぼれる音がして、良子は台所にすっ飛んで行く。シチューの鍋が噴きかけたのだ。とりあえず夕飯の方 [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 10
  •  「伊勢大弥が好き。」耳の奥で、瞳の声が、何度も何度も繰り返し聞こえる。リフレイン。リフレイン。リフレイン。 なんで、俺に言うんだよ。しかも、なんでよりによって、大弥なんだ。 眠れない。ベッドの上で、満流は頭を空っぽにしようと天井を見上げる。瞳の黒目がちな大きな眼、そして突然、さっきの浅黒い、彫りの深い瞳の父親が天井に浮かび上がる。瞳と同じ、大きな二重瞼。まっすぐに俺を見た。笑ったときの少し下が [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 9
  •  新学期を迎え、三年生の教室は感傷的になっていた。もうすぐ、卒業、もうすぐ受験。 八洲の滑り止めに満流が選んだ市立高校は、祐二もてつも滑り止めに選んでいる、金さえ払えば誰でも入れる例のI高。 遠くてお金もかかる私立はあくまで滑り止めなのは田舎の中学の常識。みんな公立狙い。だから公立の方ががぜん偏差値は高くなる。もちろん、大弥やミカのような例外はあったけど。 二月に入るとクラスの雰囲気は受験一色。 [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 8
  •  今日もえみりが二階の階段の踊り場で満流を待っている。えみりの家は満流の通学路とは逆方向。校門までのつかの間のデートだけど、えみりにとっては大切な時間。他愛のない会話をしながら五分程度歩くだけだったけれど、それだけで、よかった。その間、満流は自分だけのものだった。そして、何よりも、周りのギャラリーが、自分と満流をカップルとして認めてくれることが嬉しかった。一年生の時からずっと好きで、憧れていたん [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 7
  •  翌日、数学教諭は意外そうな顔をして、昨日のテストのトップを発表した。「長崎満流、百点。」いつもトップから答案を返すのがポーカーフェイスのこの教師の常だが、今日は、誰もが予期せぬ名前。しかも、満点。 教室にどよめきが起こった。みんなが一斉に満流の方を見た。当の満流は教師から答案をもぎ取って、バツが悪そうに右手で頭をかいた。 瞳もびっくりして思わずみんなと同じように満流を見つめた。「俺も、開田にノ [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 6
  •  それぞれの家には警察から連絡が入り、ひろしを除く各々の両親が蒼い顔をして飛んできた。満流の痛々しい姿を見るなり良子はおろおろと落ち着かず、正文は、良子の横でただ気弱そうに突っ立っていた。警察と医師の話を一通り聞いて、自損事故で、命に別状はないとわかると、良子は一先ず安堵の溜息を洩らした。両親の居所がわからないひろしには、大分時間がたってから、親戚のおじさんが迎えに来た。ひろしの父は大分前に家を [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 5
  •  十二時。もうガラスをこつんとされなくても気配でわかる。車の音が遠くで止まる音が聞こえると、満流はこっそり家を抜け出した。チャリで遊んでいるうちに、夜遊び仲間が増え、満流らはバスケ部の元先輩たちの集団にも出入りするようになっていた。先輩が車を出して、行動範囲が俄然広くなる。「あれ、祐二?」てつの隣で祐二が頬をピンクにして照れくさそうに笑ってる。「今日だけ入れてな。ストレス発散するけん」てつとひろ [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 4
  •  あの時、髪に触れたかった。思い切り、抱きしめてみたかった。でも触れることができなかった。真っ黒なぴんとした堅い髪が、バリアのように阻んで、手は満流の膝の上から離れることができなかった。  夏休み、県総体で優勝し、瞳は四国総体へと駒を進めた。残念ながら全国大会までは行けなかったけれど、四国で四位という成績を残した。俺と別れた成果なら、別れて正解だったのか。  教室で、満流はいつも、 [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 3
  •  コツン。窓ガラスに丸めた紙が当たる音。これを合図に満流はこっそり家を出る。てつもひろしももう顔を揃えている。「おまえ、夜になると元気になるんやなあ。」「当たり前やん、昼は寝る時間に決まっとろ。」そう言ってひろしは猫背をさらに丸めて、さも得意げに鼻を鳴らす。昼間学校へ行っている奴なんかあほだと言わんばかり。ひろしは満流らと同級生だが、もうずっと学校へは来ていない。いわゆる登校拒否。日中限定の「引 [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 2
  •  粗大ごみから拾ってきた、サドルの破れたおんぼろ自転車はペダルを踏み込むたびにギシギシ擦れた音がする。今にも壊れそうな摩擦音にはおかまいなしに、力まかせにペダルを踏み込み、満流は焦って細い裏道から県道に出る。  満流の家は学校で定められた自転車通学の範囲にすれすれアウトで、徒歩通学では一番遠いところにあった。だから、遅刻しそうな時はこっそり自転車を利用する。そして、学校手前の畑の脇に乗り捨て [続きを読む]
  • 飲みかけのコーラ 1
  • 「みつるーっ、さぼってんじゃねーぞー」体育館横の手洗い場から野太い声。女子バスケット部鬼キャプテン仲野ミカが刈り上げた髪からしずくを垂らしながら叫んでくる。西海中ではイケてる部類に入る長崎満流にモーションかけてると陰で噂されてもどこ吹く風。そんな噂はミカを知らないヤツが言うだけで、ミカは男子といる方が馴染んでる。実際、水道の蛇口から直接口に水を流し込んで、タオルで首やら脇やらをゴシゴシ拭いている [続きを読む]
  • 連ドラ視聴開始
  • 春の連ドラ、今、観てるのは5つ。(多い) 「リバース」一番おもしろい。四人の男子それぞれ役に合っててうまい。特に、藤原竜也と小池徹平がいいね。武田鉄矢はやはりぐっと引き付ける存在感。何度もリバースしながらも、進んでいくストーリー、さすが湊かなえ。 「母になる」初回録りそこねて、どうしようかと思ったけれど、二回目から観ても面白かった。なんか法的にどうなのと思う不思議なストーリーだけど今後の [続きを読む]
  • 『愚行録』貫井徳郎著
  • 愚行録 (創元推理文庫) Amazon 終盤まで面白かったのですが、結末があっけなかった。雑な気がした。 まあ、たぶん、いろんな人の心理を細かく書くことに重きを置いたんだと思いますが、そこはとても成功してると思いますが、もうひとひねりほしかったかな。 8割がた読んで、これ、結末大丈夫かなと一抹の不安を覚えたのですが、案の定という感じでした。楽しく読めたのは読めたので、まあ、いいのです [続きを読む]
  • 春のテレビドラマ、どれにしようかな。
  • 個人的偏見に基づいた視聴計画ですので、あしからず。 貴族探偵フジテレビ、月曜21時、主演・相葉雅紀(嵐) とりあえず、宣伝とキャストがすごいので観ますかね。フジテレビの肝いりかもだけど、そんなに期待してない。 CRISIS〜公安機動捜査隊特捜班〜 フジテレビ、火曜21時、主演・小栗旬 西島秀俊が好きなので、観ます。 あなたのことはそれほど TBS、火曜22時、主演・波留 原作がいくえ [続きを読む]
  • 『惜しみなく愛は譲る』投稿後期
  • 全39回でやっと完結しました、『惜しみなく愛は譲る』最初から最後まで読んでくださった方、何人くらいいるのかな。いいねをくださっていた方、読んでくださったと思いたいです。 このお話は、私自身、ちょっと気恥ずかしく、キュンとするお話です。「初体験」を全部書いてみたくて、できたお話です。でも、まだまだ力量不足で、自分の思う光の魅力、ゆづるの魅力が書ききれてないような気もします。 R18的な表現は、 [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 最終話(今から始まる)
  • 本物か。春人は、何だったのかな。楽しい思い出だけど、それ以上の何もない。春の幻。思い出すのはドライブだけ。春人の指も、唇も、光との鮮烈な記憶には勝てない。「三宮で会うたとき、その時の男やないなと思うたけど、それはそれでよかった。おまえは隣に誰かいれば大丈夫。俺やなくても。それがわかったし。」私はずっと黙って聞いていた。「そうやったろ?」光が私に念を押す。多分、そう。大丈夫だったよ。光がいなくても [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 38(本物)
  • 三杯目の生ビールを注文して、光はぐっと本題に入ってきた。「俺はあれからおまえを必死で忘れようとしてた。」「あれから?」私の質問に光はちょっと笑って、「そやな。何回も忘れようとしたけど、ほんまに本気で忘れようとしたんは、おまえが、本気の相手ができたからもう電話してくるないうて言うた時かな。」大学三年の春。春人の時。あれから本当に、一度も電話がなかった。「結局あの時の男とはダメになったんか。」真面目 [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 37(ホテルのレストラン)
  • 光に指定されて待ち合わせた場所は、家から車で二十分程度の、市の中心部に最近できた、このあたりでは一番気の利いたホテルだった。平成の大合併で、私の町も、光の住んでいた町もそこら中がここの市と合併し、郡部だった我町も住所だけは立派な「市」に躍り出た。名前だけでなんにも変ってはいない、むしろ、水道代が値上がりしたデメリットだけだと母は言っていたが。四階建てホテルの最上階にある少し薄暗いレストランで、光 [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 36(懐かしい人)
  • 紙屋町西に新しくできたロイヤルホテルの屋上スカイレストラン。キャビア入りのクラブサンドイッチをほおばりながら、私はセリに聞いた。「メリちゃん、あれからどう?」「それがね、聞いてくれる? 彼と一緒に東京の大学に行って、一緒に住みたいなんて言うのよ。」ちょっとしかめっ面。私は逆に口の端が緩む。「そういうこと、親に言うんだね。」「そうなの、最近の子はまったく悪びれもせず、言うんだな、そういうこと。」「 [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 35(時の流れ)
  • 三ノ宮駅で電車を待ってると、行楽帰りの人の波に呑み込まれた。夙川方面からの寿司詰めの電車から降りてくる人の切れるのを待っていると、可愛い赤ちゃんを抱きかかえた男性に視線が釘づけになった。 彼は電車を降りていた。右腕にまだ一歳にも満たないほどの小さな赤ちゃんを抱き抱え、左手で細面の優しそうな目をした髪の長い女性を、周りの人の渦からガードするようにして。カジュアルな白とグレーのチェッ [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 34(社会人)
  • 神戸での新しい生活に、私は浮き足立っていた。知っている人は一人もいなかったけど、何も気にならない。むしろその方が、新しい私に生まれ変わるには好都合だったし。 会社が手配してくれたマンションに住み、引越し二日目には出社。会社もマンションも三宮の繁華街からは少し離れた比較的静かな場所にあった。マンションから会社へは歩いて十分。新しい会社は何もかも新鮮で、やりがいのあるものだった [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 33(恋人同士のまま)
  • どんなに目をこらしても、光は偶然私の前を通りすぎたりしなかった。そんなこと、わかってる。私は夕方までなんとなく三宮をぶらぶらして過ごし、ほんのり日が落ち始めた頃、光と入ったことのある喫茶店でコーヒーを飲み、ピンク電話の前に立った。 こんなに早く、家に帰ってるはずない。わかっていたけど、どうしても、電話せずにはいられなかった。指がまだ、光の家の電話番号を正確に覚えていた。回す度、じーっと [続きを読む]
  • 惜しみなく愛は譲る 32(旅人)
  • 「就職はどうするの」母に聞かれ、「してもしなくてもいいと思うてる。あたし、そのうち世界中を旅するから。」なんて大真面目に答えると、そこにいた父からものすごい大目玉をくらった。「なんのために大学に出したと思うとるんか。おまえは働くと言うことをどう思うとるんか。ちゃんとした会社に就職しないんなら家に帰ってうちの会社を手伝いなさい。」母に目で助けを求めても、母も同じ顔で私を見ていたから、バイトでいいや [続きを読む]