g-ishzk さん プロフィール

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g-ishzkさん: 大人のための歴史学
ハンドル名g-ishzk さん
ブログタイトル大人のための歴史学
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/g-ishzk
サイト紹介文地方私大の日本史研究者です。「大人」の視点から歴史を眺め直してみませんか。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供48回 / 26日(平均12.9回/週) - 参加 2017/02/26 12:19

g-ishzk さんのブログ記事

  • エッセイ:織田信長と「忖度(そんたく)」(下)
  • そこで朝廷の窓口である勧修寺晴豊という公家と、信長家臣で京都所司代の村井貞勝が協議し、その結果、征夷大将軍、太政大臣、関白のいずれかに推挙するとのことになり、晴豊がそれを信長に伝えた。なおその際、晴豊は特に将軍に推挙する意向も伝えた。しかし信長はこれに明確に答えず、やがて本能寺の変で世を去った。というのがおおよその理解になっている。しかし、これには多くの議論がある。まず三職への推挙は、朝廷の意向な [続きを読む]
  • エッセイ:織田信長と「忖度(そんたく)」(上)
  • 「忖度」という言葉をたびたびニュース番組で耳にするようになった。例の国有地払い下げ問題である。ニュース番組によればお役人たちが大臣や政治家の意向を忖度して、自主的にいろいろな取り計らいを行ったのではないか、との推測がなされている。辞書を引くと、忖度とは、他人の心中をおしはかること、推察、とある(広辞苑)。よその世界ではどうか知らないが、大学の教師は時々使うことがある。しかし、あまり、一般的に使われる [続きを読む]
  • コラム:連歌とはカラオケである(下)
  • さて、綿抜氏『戦国武将と連歌師』によれば、連歌の「効用」として次の6点を挙げている。(51頁から52頁)①連歌そのもの享楽②連歌会で家臣や同輩と連帯感の形成③連歌師から中央や他国の情報収集④連歌師を通じた情報伝達⑤戦勝祈願といった祈祷⑥古典教養等の学習以上であるが、さらに同氏は、①と②からは組織力が、③と④からは情報力が生まれるとしている。なお⑤については、戦術その他としているが、筆者から言えば、意思統 [続きを読む]
  • コラム:連歌とはカラオケである(上)
  • 筆者はカラオケが大の苦手である。理由は簡単で音痴だからである。以前はそれでも、嫌々ながら歌わされることもあったのだが、歌い終わると同時に冷や汗、油汗、自己嫌悪が浮かんできて、翌日以降はしばらく落ち込んだものである。カラオケでいい気持ちになった記憶は一切ない。一方で気持ち良くなる人もいる。だいたい歌が上手い人で、歌い終えるとスッキリした顔をしている。一度でいいからそんな思いをしてみたい。さてそうした [続きを読む]
  • レビュー:NHK「英雄たちの選択」大村益次郎(下)
  • そういえばひとつだけ強い違和感を感じた箇所があった。磯田氏が「現場」の実情や都合にとらわれていたら、改革などできない。それらを無視して合理的に物事を押し進めないと改革はできないと言っていたが果たしてそうか? 大村は村医として 幕藩体制の動揺を肌身で感じ、また洋書で学んだナポレオン軍の国民皆兵軍の強さと、対幕府戦争の現場指揮で経験した武士兵の限界(これは磯田氏自身も紹介していたはずだ) が符合するのを実 [続きを読む]
  • エッセイ:日本史・対比列伝(2)阿部正弘と井伊直弼(下)
  •  対する井伊直弼であるが、これは阿部が開いた合議的姿勢を一蹴し、従来の譜代大名のみが幕政中心部を独占する姿勢に回帰した。つまり、阿部が開放した、外様や親藩、更に朝廷などの幕府政治への介入・関与を全面否定したという点で守旧的である。そして幕政への反対者を大々的に弾圧した安政の大獄を引き起こした。しかし、半ばこの力づくのやり方で、無理やりにでも国論を統一し、迷走を続けていた開国および通商条約締結にまつ [続きを読む]
  • エッセイ:日本史・対比列伝(1)阿部正弘と井伊直弼(上)
  •  幕末日本の開国に携わった江戸幕府の指導者として、阿部正弘は進歩的・開明的人物で、井伊直弼は保守的・頑迷固陋な人物な人物となっている。 確かに阿部正弘は幕府の軍備の西洋化を図り、また開国にあたり、朝廷、諸大名に広く意見を求めて国論の統一を図ろうとした。 筆者は合議制や議会制、民主主義といったものは、時間と手間がかかるが、長い目でみれば、それは政治や社会の安定化につながると考えている。なぜなら、それ [続きを読む]
  • レビュー:NHK「英雄たちの選択」大村益次郎(上)
  • NHK「英雄たちの選択」の大村益次郎の回を見た。まあ磯田道史氏の従来通りの捉え方(ということは結局、司馬遼太郎の人物造型の継承)に沿った話で、筆者としては特に新鮮味を感じなかった。ただ、やはり、大村にも情念や野心、理念のようなものがあったということを改めて感じた。 筆者の捉え方は既に当ページのコラム「大村益次郎再考」に述べてある。大村にも「人間味」があり、しかし、彼の役割は基本的に技術者であって、 [続きを読む]
  • ブックレビュー:近江俊秀氏『古代日本の情報戦略』朝日新聞出版
  • 読んで感銘を受けた。古代特に律令制国家期の情報と歴史については、現段階で最も詳しく、また最も芯をついている一冊ではないか。 情報の歴史と銘打った先行書の多くは、結局通信手段の歴史や、通信技術の歴史に止まっている。しかし、著者はそうした点にも充分にふれながら、筆者の関心の中心である、実際の具体的な情報が歴史や社会、時代をどう動かしたかという点にも答えてくれている。 特に、藤原広嗣の乱や藤原仲麻呂(恵美 [続きを読む]
  • エッセイ:脇役の日本史(2)足利直冬(ある親子の愛憎劇)(下)
  •  この話はよく出来すぎていて、逆に信憑性が疑われるが、その素地はあったと思われる。「太平記」的な視点で見ると、「逆賊」尊氏に多くの武士がつき、負けても負けても多くの軍勢がそのもとに集まってくるのは不思議な感があるが、その理由の一つはこうした鷹揚さ・おおらかさ・太っ腹さ、逆に言えばおおざっぱさが、将としての魅力につながっていることにありそうなことは想像がつく。しかし、こうしたおおざっぱさが、几帳面に [続きを読む]
  • エッセイ:脇役の日本史(1)足利直冬(ある親子の愛憎劇)(上)
  •  このエッセイでは、あまり広く知られていない、歴史上の人物を紹介していきたい。 足利直冬と聞いてピンと来る人は少ないだろう。室町幕府を開いた足利尊氏の実の息子であり、尊氏の弟直義の養子となった人物といえば、出自はお分りいただけるだろうか。この直冬は足利尊氏の長子である。しかし嫡子、つまり後継ぎではない。しかも、父尊氏はこの我が子との対面をたびたび拒絶している。それは、直冬が妾腹だったからだったとい [続きを読む]
  • コラム:坂本竜馬とは芳醇なる「カクテル」である(上)
  •  実は坂本竜馬について前々から不思議に思っていたことがあった。それは竜馬のある手紙の中の「幕府を滅ぼすのに簡単な方法がある。それは金座や銀座を京都に移せばよい。」との一節である。このくだりを始めて見た時、衝撃を受けた。その意味するところは通貨発行・供給権を握ることが国家の命運を握るとの意味になろう。 筆者は「貨幣の歴史学」というものにも取り組んでいる。「貨幣から見た日本史」というテーマで新年度から [続きを読む]