sakanauranai24 さん プロフィール

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sakanauranai24さん: 鮎高ゆう
ハンドル名sakanauranai24 さん
ブログタイトル鮎高ゆう
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サイト紹介文小説、書いてます >゜)))彡
自由文私は、舞台の上の彼に恋をした───
そして私は、舞台の上で彼に恋をする。

『ある劇団員の恋』
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供345回 / 143日(平均16.9回/週) - 参加 2017/02/28 17:33

sakanauranai24 さんのブログ記事

  • 第44幕◇携帯のメモとカレンダー機能を、上手く使いこなせない
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「………………いない?」千紗都がメモを構えたままの格好で、眉間にしわを寄せている。健吾は小さく息をふっと抜くと………顔を少しだけ千紗都の方に向けて、言った。「親は───俺がガキの頃に、交通事故で死んじまってるから………居ないんだわ。」「え………?じゃぁ………兄弟とか、親族とかは?」健吾は一度、チラリと千紗都のことを見たが───また前の方に視線を [続きを読む]
  • 第43幕◇アレって何だよ?!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次昼間の病院。あの病院独特の、消毒液の様な匂いがしている………健吾の乗った車椅子を押しながら、千紗都は病室へと入って来た。「脳波も異常ねぇって。」健吾が言う。「そう。───良かった。」千紗都は明らかにホッとした表情を浮かべながら、車椅子をベッドの横につける。健吾は自分でベッドの上に移動しながら───そんな千紗都のことを、チラリと見る。「お前、さ─ [続きを読む]
  • 第42幕◇遮光カーテンにしてくれよ。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次(………………朝?)カーテン越しに漏れ入る陽の光に、健吾は目を開(ひら)く。(ここ───どこだ?家じゃねーな………)目に入るのは、見覚えのない天井。(カーテンレールに………点滴。───ってことは………)健吾は陽の光が漏れ入る左側の方へ、首をめぐらしかけたが───(左頭が痛ぇ………。何で俺、病院に─────)痛みに顔をしかめ、痛くない逆側の方に顔 [続きを読む]
  • 第41幕◇揺すっちゃダメだよ!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次カラシ色のスリッパが、舞台の上に転がっている───寝そべるように倒れていた浅山が、パネルの方を振り返る。パネルのすぐ傍(そば)には、千紗都がいた。「…う……ん………………」千紗都もなんとか、上体を起こす。そして、倒れているパネルの方を見ると───「───!!ちょっ!……あんた………………」千紗都の膝に右頭を乗せるような形で───健吾が、倒れてい [続きを読む]
  • 第40幕◇地震かっ?!…いや、貧乏ゆすりでした。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次背景になっている大道具の1つ───建物が描いてあるパネルが、小さく揺れていた。演技は続いてゆく………「アンタもしかして───」果物屋の女主人が、姫のことを見つめる。「アオイ様!行きましょう───」不穏な気配を察した騎士が、姫に歩み寄ろうとする。そんな時………千紗都のすぐ後ろにある町の背景───さっき微(かす)かに揺れていた木製のパネルが、グラリ [続きを読む]
  • 第39幕◇純金積み立てコツコツ…金、高いよなぁ。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「いいねぇ〜。やっぱ舞台稽古は───いいねぇ〜。」客席から舞台を眺めながら、金口が言う。「………………………。」健吾は無言で、そんな金口を右目でチラリと見やる。「衣装着て稽古するのは、いつから?」金口の右隣にいる翔太が、聞く。「週明けからだって。」「ふ〜ん………。そうなんだ。」翔太は柔らかな表情で、金口へと応(こた)える。健吾はそんな翔太のこと [続きを読む]
  • 第38幕◇俺に気があるだろ←それ、だいたいが勘違いだよ。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次───その日の午後。健吾も千紗都も………稽古場にいた。千紗都は翔太と共に中央のスペースで、団長に演出の指導を受けている。団長が離れて行くと───翔太が千紗都に向き直り、何かを話しかける。千紗都はそれに小さく頷き、はにかんだような笑顔を見せる。(俺と話す時とは─────)舞台の下手側に当たる位置から………健吾は、そんな二人のことを眺めていた。(ず [続きを読む]
  • 第37幕◇嬉しい、恥ずかし、朝・帰・り………イラっ!!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「峯岸が、さ─────」健吾が顎に手を添えて、軽く首を傾(かし)げながら言う。「この辺に住んでるらしいんだよ。しかも、駅の近く。」「それが─────」「何よ?」と、千紗都も言いかけたが………(もしも────)(コイツと2人で居るとこ見られたら………)現在の時刻───7時13分。そろそろ通勤・通学の人たちで、電車が混み始める時間。(朝帰りだと、思 [続きを読む]
  • 第36幕◇ブーツ履いてる女の人って…足臭くならないもんかね?
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「どうも、お世話になりました。お………おだ、小田───小田桐、さん。」コートを着て、帰り支度をした千紗都が───健吾に向かって、ぺこりと頭を下げている。「無理に『さん』付けで呼ばなくてイイって。こっちも───調子狂うわ。」健吾はその言葉の通り、微妙な顔をして、右手で後頭部を掻きながら、ため息をついていた。「名前───呼び捨てでいいよ。」「けん… [続きを読む]
  • 第35幕◇これ、エッグベネディクトじゃねーし!!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次マグカップに入ったコーヒー牛乳が、千紗都の前に置かれる。「そう言えば何で───こんなにムダな部屋の使い方してるの?こんな使い方するなら2K?じゃなくて、ワンルームにでも住めばいいのに。」健吾は千紗都の後ろにある、空の部屋に視線を送る。ベッドが置いてある10畳ほどの部屋の方には───ローテーブル、テレビ、洋服の入った収納ケースなど………生活の品が [続きを読む]
  • 第34幕◇エッグベネ…ベネ…ディ……ぐで●まかっ!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「へ〜………谷山先輩───日本に帰ってくんの?」千紗都が洗面所から出てくると………健吾はキッチンで食パンにバターを塗りながら、誰かと電話で話していた。千紗都は戸口から、そんな健吾の背中にチラリと視線を送りつつ………ベッドのあった部屋へと、短い廊下を戻って行く。健吾はマヨネーズで食パンの縁(ふち)に土手を作ると、その中に卵を落とし………電話の相手 [続きを読む]
  • 第33幕◇都会と田舎の『一駅』を、同じと考えてはいけない。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次悲鳴にも近いような千紗都のセリフに、健吾は振り返る。「何でって………。昨日、お前、飲み屋で寝ちまうから仕方なしに─────」「っていうか、ここ、どこよっ?!」「俺んち。」「………って!何で、アンタん家(ち)になんか連れて来られてんのよっ………?!」千紗都は布団を両手で掴みながら涙目で、健吾に噛みつきそうな口調で言う。健吾はそんな千紗都を見つつ… [続きを読む]
  • 第32幕◇『朝チュン』の意味が、実は未だによく解らない。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「う…………ん………………」千紗都は、寝返りを打つ。そして、すぐ横にあった『何か』に当たる。(あったかい………………)千紗都は右手で、それを掴む。(でも何か───ゴツゴツする……………)そんな事を思いながら、すりすりと頬を擦り寄せ、左腕を『何か』に絡ませる。(何だろう………安心、するな……………)千紗都は暫し『それ』にぴったりと、貼りつくように [続きを読む]
  • 第31幕◇ハンガーって昔、『えもん掛け』って言ったらしい。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次(さぁて………………)健吾はベッドの上でスヤスヤと眠る千紗都を見ながら、自分もコートを脱ぎハンガーに掛けると、それをベッドの壁の上のヘリに掛けた。そしてVネックのセーターを脱ぎながら、洗面所へ向かい、洗濯機の横のカゴの中へとそれを放り込む。ベッドのある部屋へと戻って来ると、健吾はまた改めて千紗都を見つめた。「………………………。」ベッドの上で、 [続きを読む]
  • 第30幕◇庭なんか駆け回らないよ。犬だって、寒いもん。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次千紗都をおぶって、とぼとぼと歩いていると………白いものが舞い降りてくる。(ゲッ!雪─────どーりで、寒いわけだ。)一瞬、足を止めたが………健吾はまたとぼとぼと、歩き出す。健吾は千紗都をおぶって、車通りの多い国道沿いを歩いていた。飲み屋街の喧騒は抜け───車の音以外はしない、眠りに落ちた夜の道。健吾の右腕に通された千紗都の手提げカバンが、健吾の [続きを読む]
  • 第29幕◇夜のネオン街は、意外に割高。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次居酒屋のドアが閉まる間際………「ありがとうございましたぁーっ!」語尾を跳ね上げるような口調で───店の中から、威勢のいい声が飛んで来る。「………………………。」健吾はひとり、ため息を吐(つ)いた。吐(は)く息が───白い。(これから………どーすんだ?)チラリと振り返ると、千紗都はまだすやすやと眠っている。健吾は───千紗都をおんぶしていた。千紗 [続きを読む]
  • 第28幕◇もう姫って年齢じゃない時は、どーすりゃいいんだ?!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「ありゃ………」健吾が席に戻って来ると千紗都は───(寝ちまってるし。)カウンターに突っ伏し、重ねた手の甲の上に頭を置いた状態で───すやすやと眠っていた。(ま、いっか。このまま寝かしておけば。)そっと………椅子の背に掛かっていたコートを、千紗都に掛けると─────健吾は自分の席につき、グラスの中に残っていた酒を飲もうとした。と、そんな時……… [続きを読む]
  • 第27幕◇『殿』の反対は『姫』でイイのか?!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「俺、ちょっと───トイレ行ってくるわ。」健吾はそう言うと、席を立ち上がる。千紗都は相変わらず突っ伏したままの姿勢で、グラスの縁をなぞっていた。そんな千紗都を横目でチラリと見ると、健吾はトイレへと向かって歩き出す。(何やってんだか………………俺は。)左手をジーンズのポケットに突っ込み………右手で後頭部を掻きながら、健吾は思う。(イイと思ってた女 [続きを読む]
  • 第26幕◇酒のおかわり頼んでやれよ。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次千紗都は沈んだ顔をして、空になったグラスを見つめている。そんな千紗都を横目で見ていた健吾は───またタバコに口をつけ、視線を千紗都から真っ正面に戻すと………言った。「諦める必要は無いんじゃねーの?」千紗都はブスッとした顔で、チラリとだけ健吾を見た。「別に翔太が結婚してるって訳じゃないんだし。」「………………。」千紗都は不満げな表情で、目の前にあ [続きを読む]
  • 第25幕◇まだ続くのかよ。このカウンターがある居酒屋のくだり
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「姫役に選ばれた途端にさ、他の団員の人達も何だか───よそよそしくなっちゃったし。」千紗都は不満そうに口を尖らせながら、視線をカウンターへと落とす。(ま………解らなくもねーな。みんな───とばっちりはゴメン…だろーし。)健吾は灰皿に置いたタバコを右手の人差し指と親指で、つまみ上げる。千紗都はグラスを掴むと、それに口をつけ、ゴクゴクと飲む。そんな [続きを読む]
  • 第24幕◇ヅラじゃない。カツラだっ!
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「カピバラ─────」健吾の脳裏には、いつも翔太に真っ白なタオルを用意して待っている、地味目の女性団員の姿が浮かんでいた。(確かに似てっかも!)健吾は可笑しそうに笑いながら、千紗都の横顔を見る。千紗都は何だかまた一人で、むくれていた。「確かにさ───入って何ヶ月かのアタシがさ、主役んなるのは気に入らないかもしれないわよ………」千紗都はやや、ろれ [続きを読む]
  • 第23幕◇オバサンのボーダーラインは年齢?それとも見た目?
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「翔太くんが、あんなオバサンと付き合ってたなんて─────ショック。」千紗都はカウンターに両手で頬杖をつき、口を尖らせている。(さっきのペンギンって、何だったんだ?)そんな事を思いつつも、健吾は言う。「お前、それ───世の中のアラサー全員にケンカ売ってる様なもんだぞ。っつーかお前、いくつ?」健吾はタバコを取り出し、それに火をつける。「22。」「 [続きを読む]
  • 第22幕◇『局』と書いて『つぼね』と読む。日本語、ムズカシイ
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「なかなか劇団の募集もなくて………。それで、やっとよ!やっと3ヶ月前に募集あったから、受けたの!そしたら見事合格!それで入ってすぐ、次の舞台のオーディションあるって言うから、とりあえず……翔太くんの相手役、選んで、受けて───」千紗都はまた前を向き、劇団に来た経緯を語っている。(そーだよな………………)右手にグラスを持ち、そんな千紗都を見ながら [続きを読む]
  • 第21幕◇小さい頃にピ●キオの舞台を見て、怖くて泣いた。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「一昨年(おととし)の舞台………だったの。」口を尖らせ、前の方を向いたまま───千紗都がまたポツリポツリと話し始める。「一昨年?」「うん。」「ウチの劇団の?」「うん…………。翔太くんが子爵役で───」「お前あの舞台、見てたの?!」健吾はちょっと嬉しそうな笑顔を浮かべながら───「俺、あれの主役やってたんだよ。侯爵(こうしゃく)役で。」と言った。 [続きを読む]
  • 第20幕◇彼女くらい居るさ。いい歳なんだし。
  • 『ある劇団員の恋』第1話はこちら作品一覧・劇団員◇目次「彼女が………いたの。」千紗都がポツリと、口を開く。健吾は暫し無言だったが───「好きな男に、女でもいたか?」と言うと、今度は鰹(かつお)のタタキに箸をつける。「うん。」千紗都はコクリと頷く。そして───「翔太くんに………彼女が、いた。」と言った。健吾は軽く、むせかけたが………何とか堪(こら)え、小さな咳払いを何度かすると、平静を装う。気にして [続きを読む]