isyokukataribe さん プロフィール

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isyokukataribeさん: ダブル移植の語り部
ハンドル名isyokukataribe さん
ブログタイトルダブル移植の語り部
ブログURLhttp://ameblo.jp/isyokukataribe/
サイト紹介文生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
自由文「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。
ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。
これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供30回 / 22日(平均9.5回/週) - 参加 2017/03/04 22:11

isyokukataribe さんのブログ記事

  • 10章 家族描景 その4  子どもからのあの時のメッセージ
  • お父さん、お誕生日おめでとう!CDをプレゼントします。たくさん聴いて、青春の日々を思い出してね。 去年は、釜石に行っていたから、直接言えなかったけど、今年は、一緒だね。 一年間、心が折れそうになっても、なんだかんだで、乗り越えてこられた忍耐力は、きっと、お父さんゆずり… わたしは、不器用だけど、ゆっくり、じっくり、頑張れる。そう、思えるようになったよ。 いつも、ありがとう。CD,たくさ [続きを読む]
  • 第10章 家族描景 その3
  •  ほどなく、返事が届きました。「私の拙い話に、たくさんの反響を頂きました。皆が、ユーミンを共有していることを、改めて、再認識しました。」…という、お礼状だったと、記憶しています。  ユーミンについては、後日談があります。二女は、ユーミンの名曲が流れる、夫の病室で、過ごす時間が多く、知らず知らずのうちに、歌を覚えてしまいました。これが、思わねところで役立ったとか…  会社の集まりで、カラオ [続きを読む]
  • 第10章 家族描景 その2
  •  ユーミンの溢れる才能の、果実の多さは、「マイベスト3」の票が、バラバラに分かれる、という集計結果にも、表れています。私も、「帰愁」とか、「ロンド(輪舞曲)」という、少しマイナーな曲が、大好きで、この曲を聴くと、泣きそうになります。  音楽は、心の糧になる…誰もが体感する事ですが、色あせない歌の力を、今更ながらに思い出しました。  そう言えば、数年前、産経新聞の同年代の記者の方が、「ユーミン [続きを読む]
  • 第10章 家族描景
  •  この頃、娘たちが、バースデープレゼントに、夫の好きなCDを、用意してくれました。1〜ブラームスの交響曲全集 夫は、貧しい学生時代、チャイコフスキーとブラームスのレコードを、擦り切れるまで聴いて、癒されていたようです。ブラームスの交響曲第3番、3楽章は、バックミュージックにも使われる、映画音楽のような楽曲です。 民族楽派、といわれる作曲家の楽曲は、例えば、スメタナ作の「モルダウ」のように、人の心に染 [続きを読む]
  • 第9章 肝移植手術前の身辺雑記 その9
  •  その後も私は、毎日、レモンを枕元に置いて、帰りました。そして、とうとう、「果物は、カリウムが多いので、…手術までもうすぐだから、レモン、我慢しましょう。」という、若いE医師の言葉で、レモンの摂取も終了。…唯一、「痰がからむから」と、一日中なめていた、のど飴だけは、ストップが、かかりませんでした。  手術日の4月28日に向け、医師には、「くれぐれも、体調を崩さないようにして下さい。お二人の、ど [続きを読む]
  • 第9章 肝移植手術前の身辺雑記その8
  •  食欲は、相変わらずありません。腹水は、時々抜いてもらえるのですが、せいぜい三リットル。「手術に耐えられるだけの体力維持」と、「腹水除去」とのバランスで、制限があるのでしょう。苦しそうな大きなお腹と、真っ黒な中華まんじゅうと化したおヘソだけは、弱まる気配もなく、夫を、攻め続けます。  「レモンが食べたい。」と、夫が言いました。手術に向けて、食事制限、水分制限も、厳しくなり、いちいち、「これを [続きを読む]
  • 第9章 肝移植手術前の身辺雑記 その7
  •  大学病院に転院し、移植手術までの一か月余り、葉桜は、すっかり、新緑の瑞々しい葉へと、変容し、早咲きの夾竹桃のピンクの花を、眺めながら、毎日毎日、電車を乗り継いで、夫のもとへ通いました。 「今日は、シャンプーしようか?」「うん」…洗面台に連れて行って、パジャマが濡れないように、ナイロンのエプロンを付けて、頭を洗います。こんな事でもなければ、夫の頭を洗うことなど、なかったでしょう。タオルで、濡 [続きを読む]
  • 第9章 肝移植手術前の身辺雑記 その6
  •  そういえば、こんな事も、思い出しました。「肝移植をする」と知った、私の親の心配は、レシピエントの夫以上に、私に、向けられました。 普通、余命宣告された夫に、「心配」が集中し、術前・術後の様子も、レシピエント中心。無理もありません。ドナーの私でさえ、自分のことより、「夫が助かるか」で、頭がいっぱいで、自分のことなど…という状況でしたから。 「私がドナーじゃダメかしら。私なら、老い先短いか [続きを読む]
  • 9章 肝移植手術前の身辺雑記 その5
  •   私は私で、その大量の焼き菓子を、「受け取ってくれないか」、病院関係者に、お願いしましたが、断られ、仕方なく、自宅に持ち帰り、冷凍室に、詰め込んだ記憶があります。  その中で、「まともな夫」を感じたのは、傷病手当金、についてでした。 傷病手当金  病気やケガで、会社を休まねばならなくなった人に、  最長一年六か月間、  支払われていた給与の三分の二相当額が、給付される 普通は、医師 [続きを読む]
  • 第9章 肝移植手術前の身辺雑記 その4
  • …驚いて、正面玄関に駆け付けると、その日は休診日で、誰もいないうす暗いロビーに、ポツンと、配達のお兄さんが、立っていました。 引き取ったのは、ぎっしり焼き菓子が詰まった大きな箱、が二つ 訊けば、かつての部下に、「美味しそうなお菓子を、たくさん送ってくるように」、頼んだとのこと。  加えて、「かつての会社の従業員全員にも、ドーナツを2個づつ、配ってくれ。」と、指示したとか… 「どうして、 [続きを読む]
  • 9章 肝移植手術前の身辺雑記 その3
  •  若い担当医に、「毎日、どれ位のアルコールを、飲んでいたのか?」と訊かれて、「ワイン二杯」、と答えたり…(「ワイン二杯では、絶対、肝硬変にはなりません。」と、担当医は、半ばあきれ、困っていました。)  真夜中にもかかわらず、長男に電話して、「氷とのど飴がほしい。」と、要求したり…  「俺は、宝石鑑定士の資格を持っているから、今度、警察に行って、資格の更新をしてくるんだ。」と、看護師さんに [続きを読む]
  • 9章 肝移植手術前の身辺雑記 その2
  •  リハビリ担当のS女医は、とても気さくな方で、しょっちゅう、病室まで出向いて、シンドくて、リハビリをやる気のない夫に、声掛けをしてくれました。そればかりか、病室のベッドで、効果的に足を上げ下げする、という、出張サービスまで、してくれました。 いろいろな病院情報も、S女医から、入ってきました。夫の移植手術の事では、中心となるS主治医と、血管外科のO医師が、頻繁に、長時間、顔を突き合わせて、移植方法 [続きを読む]
  • 第9章 肝移植手術前の身辺雑記
  •  大学病院に転院後の夫は、当初こそ、トイレまで、歩いて行っていたのですが、次第に、(足の筋力が衰えたり、転ぶと大変との理由で、)車椅子に乗る回数が、増えていきました。医師からは、「手術に耐えられる体力」を、求められ、週に二回程度、リハビリ病棟に、車椅子で出向き、リハビリ訓練をしました。この病院には、車椅子担当専門の、制服を着た職員さんがいて、いつも、送り迎えして下さるのには、驚きました。   [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その12
  •  「連絡先」については、入院の前後でも、何度も何度も、確認されました。が、地方から上京される方、家族のいない方、事情があって、親族はいるけれども頼みにくい方、…誰もが、「連絡相手」や、「手術時の待合人」が、揃うわけではないのです。 確かに、不測の事態が発生した時、「家族の判断」を仰ぐ、可能性はあるのですが、その「家族」が、十分揃わなくなっている現代、対策、が必要だと思われます。 私のケースは、た [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その11
  •  O医師は、最後に、「手術前後で、緊急連絡が必要なので、常につながる連絡相手と連絡先を、二人以上伝えておくように。」と、言い、私が携帯電話を持っていない、と知ると、「すぐ、契約してください。」と、指示しました。この頃は、病院ー電車ー自宅、の毎日でしたから、…突然、慣れない携帯電話をもったところで、「ただ今、電話に出ることができません。」ばかりだろうし、家の電話の方がつながるのに…と、思った記憶があ [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その10
  •  もうひとつ、知らなかった事実、それは、「肝臓は、切り取られても、数か月で、もとの大きさに復元する!」という、驚くべき事実です。 この事実を告げると、ほぼ、100%の方が、「ホント?!」 「知らなかった!」と、言います。私も、ドナー決定後に、知ったのです。 「三分の二切り取ったら、残りの三分の一の肝臓で、生きていくのだ。」と、思っていました。…まさか、数か月で、もとの大きさ(形は変わるよ [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その9
  •   この最終面談で、分かったことが、まだあります。肝移植手術の際に、レシピエントとドナー双方の、胆のうが、摘出されるということ。「えーっ、ホント?!」…家に戻って、病院から渡された「手術の手引き」を、よく読むと、小さな文字で、書かれているだけ…医療側の人間にとっては、「その他領域」のことかもしれませんが、当事者にしてみれば、ひとつの臓器(胆のう)を、失うのですから、「何故、摘出するのか」「摘出後 [続きを読む]
  • 8章  肝移植手術に向けて その8
  •  「今回の移植についてですが、ドナーの年齢が、56歳ということで、一般的には、まだそんなお年ではありませんが、肝移植の世界では、40歳以上の方を、『高齢者ドナー』と呼んでいます。」 それを聞いた時、思わず、「えっ、じゃ、ワタシって、後期高齢者ドナーじゃん!」と、自分で自分に、ツッコミを入れてしまいました。つまり、「40歳以上は、リスクが高くなり、手術前後の十分な注意が必要」という事です。…初めて [続きを読む]
  • 8章  肝移植手術に向けて その7
  •  夫と私の検査は、ほとんど終わり、あとは、(ドナーの肝臓が、レシピエントの体に合うかどうかを調べる)リンパ球クロスマッチテストが、最終検査として、残されるのみとなりました。拒絶反応を防ぐ為に、不可欠な検査のようです。 リンパ球クロスマッチレシピエントの血清中に、ドナーのHLA(抗原)に対して、攻撃をしかける抗体がないかどうかを、調べる検査  移植手術三週間前になり、家族と移植医との、「 [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その6
  •  暦は、四月に入り、大学病院前の桜は、早くも散り、葉桜になり始めていました。 二男が、新学期の為、帰寮する事になりました。父親が使用していたパソコンのデーターを、整理していたら、夥しい量の、売り上げデーターが、次々に、画面に出て来ます。 「これが、我が父が、命を懸けてやっていた仕事か…」と、つぶやく息子。 もう二度と、このパソコンの前に座る事は、ないかも… 只々、切なくなりました。&nb [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その5
  •  麻酔科の診察では、まず、様々な病気の手術予定者が、10人から20人位、集められて、麻酔のビデオを見ました。「安心してください」的内容の、ビデオでした。その後、一人ずつ、診察室に呼ばれ、医師の説明を受けました。とても細かな説明で、まれに、麻酔が合わない人がいたり、麻酔の副作用が出現することに、慎重に対応している様子でした。 進化しているなぁ、と感心したのは、患者の背中に、麻酔の菅を取り付け、手 [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その4
  •   後半になると、更に綿密な、肝臓検査が、ありました。緑色の液体を注射して、それが、肝臓に到達し、どのように分解して、各器官に送られるかを、診る検査です。緑色が、体内に分散する様子は、神秘的であり、人体のち密さを、体感しました。  心療内科の診察では、「ドナーの意志の確認」が、主目的でした。私の意志に、迷いが無いことは、すぐに伝わったので、「短い時間の雑談」という、印象でしたが、診察費は、1 [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その3
  •  「動脈採血」というのも、やりました。普通の血液検査は、静脈血を、採血するのですが、静脈血では分からないことを、検査する為のようです。 動脈採血動脈血酸素分圧・動脈血二酸化炭素分圧・水素イオン濃度・酸素飽和度を、検査するので、「血液ガス分析」といい、動脈に穿刺するため、看護師は、行えない。呼吸機能や、低酸素症、内分泌疾患など、広範囲の診断に、用いられる。  この注射は、医師がやるそうで、 [続きを読む]
  • 8章 肝移植手術に向けて その2
  •  胃カメラ検査は、至急なので空きがなく、提携病院に出向きました。受付ロビーはゴージャスな雰囲気でドギマギしていると、麻酔をかけるか、かけないか、を尋ねられ、ノータイムで、麻酔を、選びましたが、麻酔は、注射ではなく、「コップに入っている薬を、口に含む」というもので、驚きました。胃カメラ検査の場合、「注射」よりも、食道がすぐ麻痺するからでしょうか?バタンキューで、その後は、何も覚えていません。 [続きを読む]
  • 第8章 肝移植手術に向けて
  •  こうして、ドナーに決定した私と、レシピエントの夫には、様々な精密検査が、課せられました。 今までの人生で、入院したのは、出産の時の産婦人科のみ…何から何まで、「人生初」でした。例えば、CTスキャンでは、検査室で、造影剤を注射されたのですが、注射されると、「体中に、強力なカイロを入れられたように、血液が熱くなる」感覚……ビックリしました。  心臓は、レントゲン検査はもちろんのこと、胸に、いくつ [続きを読む]