isyokukataribe さん プロフィール

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isyokukataribeさん: ダブル移植の語り部
ハンドル名isyokukataribe さん
ブログタイトルダブル移植の語り部
ブログURLhttp://ameblo.jp/isyokukataribe/
サイト紹介文生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
自由文「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。
ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。
これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供62回 / 54日(平均8.0回/週) - 参加 2017/03/04 22:11

isyokukataribe さんのブログ記事

  • 第13章 入院生活雑記 その4
  •  栄養上は、「この流動食をすべて飲む」事を、前提にして、カロリー計算をしている訳ですから、「飲まない自分」は、当然、カロリーが取れていません。 ため息の昼下がり、ウトウト昼寝から目覚めると、テーブルの上に、何か置いてあります。「よく寝ているので、帰りますね」とのメモと、差し入れ…長男が差し入れてくれたのは、和菓子それも、裏ごしされた、消化の良さそうなものばかり。 これを食べました。(内緒 [続きを読む]
  • 第13章 入院生活雑記 その3
  •  ドナーの術後の食事について、お話します。(最初に口にした「水」のおいしさに、感動した私でしたが、)何日間か、空っぽ状態の消化器には、まず、流動食が、提供されました。それが、…本当に…「食べる(正確には飲む)気がしない」ものなのです。古びた、プラスチックのコップに、四つ、液体が入っているのですが、プリン味の液体、洋風のドロドロした液体、赤い液体、…どれも、全く飲むことが出来ません。唯一、口に出来 [続きを読む]
  • 第13章 入院生活雑記 その2
  •  仕方のない事ですが、「メヌエットが流れ、ナースがドタバタ急ぎ足で動き、ガラガラと、医療台を動かす」…この作業は、絶え間ない「音」を産み出します。入院中は、昼間に睡魔が襲って来て、何十分間か眠り込み、夜は、ほとんど眠れずに、カーテン越しの夜明けを迎える、そんな毎日でした。 「バッハのメヌエット」の旋律を聞くと、「大学病院での入院生活」が、脳裏に浮かぶのと同じく、「シャボネット」という、(洗面 [続きを読む]
  • 第13章 入院生活雑記
  •  私の体調は、日に日に良くなりましたが、レントゲン検査の為、検査室の固いベッドに横たわる、その瞬間が、痛くてたまらなかった事を、覚えています。「横になって下さい。」と言われ、「はい」と答えるものの、心の中では、「助けてくれえ!」と叫びながら、横たわる時の傷の痛みに、耐えていました。  術後、3,4日して、シャワーを浴びる事ができるようになったのですが、胸からの大きな切り傷が、まだ生々しいピン [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その12
  •  次の日、ICU(集中治療室)に行くと、丁度、難手術を成功に導いた血管外科のO医師が、夫の様子を診に来ています。「ハシモトさんは、もう、ヘロヘロの状態での手術だったから、今のこの状況は、想定内です。」    テキパキとものを言うO医師が、想定内というのだから、    乗り切れるだろう、と心配しませんでしたが、実際には、    合併症もあり、かなり大変な状況だったようです。 「それと…(何?何かまだ [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その11
  •  「ダンナさんが、奥さんに会いたがっていらっしゃいますよ。」という言葉で、手術後初めて夫に会いに、ICUまで、「おばあさん歩き」で、出向きました。 夫はICUの奥のベッドで、酸素マスクをして、横たわっていました。寝たままで見られる大型のテレビが、設置されていました。そこで初めて会ったのが、手術後から夫の担当医になった、目のきれいな若いK医師です。手術直後で、片時も目を離せない状況では、体力のある [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その10
  •  それまで、入院経験の無かった私は、「点滴棒を押して歩いている患者」を、院内で見かける度に、「ワタシもやってみたい。」と、ミーハー気分で、眺めていました。実際に体験してみて、(当たり前ですが)「やっぱり、体一つで動けるのが一番」だと、分かりました。何事も体験しなければ分かりません。健康体である事に、無自覚すぎた自分に、「ドナー体験」は、たくさんの気付きを、与えてくれました。  ただし、私の場合、 [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その9
  •  痛みに関しては、「痛くなったら、痛み止め用のボタンを、押してください。」と、言われていたのですが、予想していた痛さではなく、耐えられる範囲だった記憶があります。勿論、「イタッ!」と、強烈に感じる時には、ボタンを押していたのですが、「あまり使われていないようなので、取り外しましょうか。」と、かなり早い時期に、背中の麻酔薬装置は、なくなりました。 自分で取り外しの出来る、酸素吸入チューブも、鼻 [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その8
  •  辛かったのが、一般病棟に移るまで、「水」を、一滴も、口にできなかった事です。唇がカサカサに乾いて、ヒビ割れ寸前…吐き気がおさまってきた頃、看護師さんに、「お水を飲んでもいいか」と聞くと、「OK」が出ました。吸い口に、冷たいお水を入れて、持って来てくれたのですが、…この時の冷水の美味しかったこと!!命の水、だと思いました。「水」に感動する自分に、驚きました。 ドナーになって、たくさんの事を学 [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その7
  •  ICUを出て一般病棟に移った翌日の昼、吐き気はまだ続いていて、移動する時、(吐いてもいいように)ビニール袋を持って、車椅子に乗せてもらった記憶があります。夫ほどではありませんが、私の体にも、様々な管が付けられていました。ドナーの管状況  ・心電図モニタ ・鼻から挿入する酸素吸入用チューブ  ・点滴用チューブ ・血圧測定用チューブ ・尿管カテーテル  ・腹腔ドレーンチューブ ・痛み止め注入用のチュー [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その6
  •  ICU(集中治療室)には、翌日の昼までいました。麻酔の影響でしょうか、「体がかゆい」「筋肉痛がする」と、訴えると、娘たちが、かゆみ止めと湿布を、買って来てくれました。 ICU(集中治療室)の看護師さんは、実にかいがいしく、まさに、ナース、という感じでした。手術後寝たままだと血流が悪くなる為、血栓予防策として、ひざ下に、ポンプで圧縮する青い布を巻き付けるのですが、これが、煩わしいというか、束縛感があっ [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その5
  •  その時に、O医師は、「これが、摘出した肝臓と胆のうです。」と言って、夫の臓器を見せてくれたそうです。肝硬変末期で、有害な存在と化した肝臓の、娘の印象は、「ちっちゃくて、硬そうで、どす黒い石」のよう…胆のうの印象は、「薄くて、丸くて、ヒラヒラしている」…でした。  そう言えば、手術日の朝、同意書が椅子の上に置いてあり、「何の同意書だろう?」と、読むと、「夫の摘出した肝臓を、肝臓研究の為に、解剖させ [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その4
  •  それからどれくらい経ったのか、時間感覚が、無くなっています。再び、娘たちがICUに入室してきて、興奮した声で、「お父さんの手術、無事終わったよ!」「成功したよ!」  と、報告。「そう、良かった。」「良かった」頭がボンヤリしていて、それしか言えません。 9時に入室して、私の手術終了が4時。夫は、その後も難手術に耐え、日付が変わる真夜中の12時半に終了。実に、15時間を超える大手術でした。 手 [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施 その3
  • 手術室到着手術着を着た手術専門の看護師さんが、2,3人いて、にこやかに挨拶して下さいました。ストレッチャーに乗せられた私に、「横向きになって下さい」「ちょっと冷たいので、ごめんなさいね。」と、優しく言って、背中に麻酔を打ったようです。 …そこから、記憶が途絶えています。… 「終わりましたよ。起きてください。」と、声を掛けられたのが、新たな記憶の再開。手術する当の本人にとって、手術の間の事 [続きを読む]
  • 第12章 生体肝移植実施
  •  平成26年4月28日、私は朝から浣腸の液剤を入れられました。徹底的に、体内を空っぽにする作戦…「15分間は、トイレに行くのを我慢してくださいね。」と、看護師さんに念を押されましたが、強力な作用で、15分がとても長く……トイレに駆け込みました。点滴への薬剤投入、体温・血圧・脈拍測定、手術着への着替え、そんなこんなで、緊張する間もありません。 そこへ、娘たちが到着。まず、私のベッドに来て、エールを送ってくれ [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その10
  •  食事は、「入院当日の昼食と夕食」は、普通食でしたが、翌日から、徐々に減らされ、手術前日は、流動食…点滴の太い管が入り、夜は、絶食、プラス 下剤服用「食べる楽しみ」とは、暫く、お別れです。 明日は、手術当日、手術中は、娘が、一人ずつ、「手術成功」を祈りに、お参りに行き、その後は、手術終了まで、二人で、待機していることに、なりました。 長男は、ちょうどその日、前々から決まっていた「対局日」 [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その9 子どもからのあの時のメッセージ
  •  TO  FATHER これまでの入院の時よりも、腹水が、悪化していて、普通に過ごすのも、辛そうですね。今まで、お仕事頑張ってくれて、ありがとう。 やっぱり、私や家族にとって、一番大切なのは、父の体だから、手術出来ることになって、本当に、良かったです。 母は、心配事が多いせいか、父より、ホッペが、こけたけど、母は、強靭なハートと、神仏への信仰を、持っているから、心配要らないな、と勝手に思って [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その8
  •  なぜ、こんなに、「指輪をはずす」事にこだわるか、というと、「電気メスを、手術時、使用するので、感電の危険性がある。」からだとか。…初めて、知りました。  そのうち、若いE医師が、やって来て、ふと、思いついたのか、液状の石けんを、リングに塗り、グルグル、回し始めました。 少しずつ、リングが、動き始め、関節部分を、見事に乗り越えて、抜けました!  思わず、その場にいた、医師・看護師・そし [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その7
  •  そういえば、「指輪抜けない事件」も、ありました。 手術前の病院の説明書には、「指輪は、はずしておいて下さい。」と、書かれていますが、私の指の、金のリングは、長年、つけ外しをしなかった為に、薬指の関節部分が、太くなっていて、抜けないのです。 「抜けません」と言って、それで、済ませていました。それで、どんな問題が生じるか、知らされていないので、軽く考えていたのです。 ところが、「抜けな [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その6
  •  A医師による説明終了後、コーディネーターのTさんに、質問しました。 「今までに、手術室に入った後に、何らかの、不具合があって、移植が中止になったケースは、あるのでしょうか?」 「二例ありました。」 「ひとつは、手術室に入って、ドナーの細胞を、直前検査したところ、移植に適さないと、判断され、急きょ、中止になりました。」 「もうひとつは、ドナーに、ゴムアレルギーがある事が、判り、執刀 [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その5
  •  長女が、耐えきれずに、部屋を飛び出しました。私、続けて、コーディネーターのTさんも、廊下に飛び出しました。長女は、廊下で、ハンカチを目にあてて、大泣きしています。 「娘さん、大丈夫でしょうか?」…娘の大泣きに、Tさんも、動揺しています。A医師の術前説明は、一時中断する事に、なりました。 終了になったら…どうなるか…父の命は、間もなく絶たれる。… 「怖いよ」「怖いよ」と言いながら、泣いて [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その4
  •  40歳前後の、イケメンA医師は、私の検査画像を、詳細に見ながら、「この手術は、症例が無いので、他の実施病院にも、問い合わせました。『うちだったら、やりません。』とも、言われました。」 「それで、今回は、同時進行ではなく、まず、ドナーである、奥さんの方から、切ります。肝臓の血管の位置が、移植可能かどうかを見ます。」 「その結果、血管が、余りにも複雑に入り組んでいたり、取り出す血管が、奥深い [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その3
  •  この言葉は、何よりの、心の拠り所になりました。何といっても、夫の命は、手術医の力量次第ですから。(実際、O医師によって、様々な血管や胆管の切り取りや、接合が、行われた「肝移植」でしたが、夫は、一度も、血管や胆管のトラブルを、起こしていません。) 入院翌日、私と、長女と、担当医と、記録係の医師、そして、移植コーディネーターのTさん、の五人が、椅子に座り、「ドナーの術前説明」が、行われました。&nb [続きを読む]
  • 第11章 ドナーの入院 その2
  •  夫は、大部屋から、個室に移ったので、テレビを見たり、CDを聴いたり、周囲を気にせずに話したり…と、体調は、相変わらずですが、つかの間の、「スポーツ観戦」??、「音楽鑑賞」♪を、楽しんでいました。  個室に移ると同時に、「手術前の免疫抑制剤の投与」が、始まり、また、身体の感染予防の為、看護師さんが、念入りに、「殺菌消毒の入浴」を、して下さるようになりました。  また、個室では、看護師さんと [続きを読む]