isyokukataribe さん プロフィール

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isyokukataribeさん: ダブル移植の語り部
ハンドル名isyokukataribe さん
ブログタイトルダブル移植の語り部
ブログURLhttp://ameblo.jp/isyokukataribe/
サイト紹介文生体肝移植・人工透析・生体腎移植を乗り越えて社会復帰を果たした夫婦の軌跡をドナーが綴っていきます。
自由文「ダブル移植の語り部」、このタイトルを見て、「どういうこと?」と思われる方がほとんどでしょう。「ダブル移植」には二重の意味があります。
ひとつは、生体臓器移植を一人の人間が2回(生体肝移植と生体腎移植)行っている、という事。もうひとつは、一人の人間が生体臓器提供者、いわゆる「ドナー」となって、2回移植手術を受けている、という事。
これが、「ダブル移植の語り部」という変わったタイトルの内実です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供92回 / 84日(平均7.7回/週) - 参加 2017/03/04 22:11

isyokukataribe さんのブログ記事

  • 第15章 突然の人工透析 その5
  •  人工透析をするには、透析用の機器が必要で、これが、かなり、大きなものなので、夫の病室は、透析をする日は、透析用具や機器だらけで、手狭になります。 私が入室した時、若い男の人が、椅子に座って、機器の数値を見ていました。この青年は、「臨床工学技士」別名、「メディカルエンジニア」という資格を持ち、人工透析に携わっているとのこと。…すぐ、仲良くなりました。なにしろ、人工透析時間は、(透析する血液量 [続きを読む]
  • 第15章 突然の人工透析 その4
  •  初めての人工透析は、5月20日。あの悪夢の感染から、1週間しか経っていません。…急を要する重篤な容体だった事が、分かります。 私が初めて、人工透析を見学(?)したのは、自分の(退院後初の)ドナー検診日でした。 夫は、一週間のICUでの集中治療を経て、再び、もとの個室に、戻っていましたが、人工呼吸をコントロールする、大きな機器が、ベッド脇に置かれ、たくさんの数値や曲線が、絶え間なく、ディスプ [続きを読む]
  • 第15章 突然の人工透析 その3
  • シャント  静脈を動脈に縫い合わせてつなぐことにより、  動脈血を、直接、静脈に流すこと、をいう。  体内の老廃物が(腎機能低下により)蓄積され、  それを取り除くために、透析が必要。  透析を行うには、毎分200mlの血液循環が必要だが、  静脈には、それだけの流量がない。  動脈には、たくさんの血液が流れているが、  奥深くにあるため、穿刺が難しく、痛みも激しい。  シャントを造ることで、静 [続きを読む]
  • 第15章 突然の人工透析 その2
  •  O医師は、この同意書を差し出した時、「腎臓を犠牲にしても、命を助けねば、」と、言っていたそうですが、この時点では、その意味が解りませんでした。  二枚の同意書には、次のような説明が、記されていました。1〜病名:生体肝移植後、腎機能障害  手術術式:シャント造営術・生体肝移植後、敗血性ショックを契機に、腎機能障害が、 増悪しました。腎臓の働きを代替する、人工透析を、 行うために、シャントが必要 [続きを読む]
  • 第15章 突然の人工透析
  •  悪夢の翌日、再び、娘に、呼び出しがかかりました。大学病院に出向くと、(夫の肝移植の中心となり、命を助けて下さった)、血管外科のO医師が、同意書を二枚出してきました。一枚は、「シャント造営手術」もう一枚は、「気管切開手術」 娘は、この二つの手術の不可欠性を、余り理解しないまま、サインをして、帰宅しました。 「シャントって何?」というのが、家族全員の第一声でした。「悪いのは肝臓」で、「腎臓病 [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その16
  • 緑膿菌 緑膿菌は、 免疫力が落ちることで、感染する。 重度の糖尿病や、肝不全などの患者や、 抗がん剤、免疫抑制剤を、投与している人、 カテーテル類を、長期間挿入している人、 寝たきりの人や、高齢者などは、特に、 緑膿菌に、感染しやすいため、注意が必要。 また、血液中に、緑膿菌が入り込むと、 敗血症を引き起こすが、敗血症になると、 全身に、緑膿菌が、散らばってしまう為、身体中で、 緑膿菌による感染 [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その15
  •  その日の夜、九時過ぎでした。新入社員の二女が帰宅し、夕食を終えたところに、大学病院の移植医から、電話が入りました。「夜になって、ICUに、再び運ばれましたが、細菌感染していて、危険な状態です。」「(療養中の)お母さんは、来ないで下さい。娘さんが、至急、来てください。」 …妙に、冷静な自分がいました。危険!? 生命の危機!?…当たり前でしょ、遅すぎたのだから。 二女は、「真夜中になると、 [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その14
  •  私は、1時から6時まで、夫の病室にいたのに、その間に行われた、医療行為は、熱を下げる注射一本…それだけでした。シロウトでさえ判るような、明白な病変に対して、何も処置しなかったに等しい。…夫は、丸一日、放って置かれたも同然でした。 病院の中では、このような事が、日常的に起こっているのだろうと、思います。けれども、・密室の出来事・医療側の圧倒的優位・いかようにでも変えられる説明 etc.によって、 [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その13
  • 更に、「血管を収縮する注射を打ったので、間もなく熱は下がる。」と言って、出て行った、見たことのない中年女医、かりにも、医師であるなら、「熱を下げる注射」の依頼があったから、「注射しました。」…それで、何が悪いのでしょう…的な、「患者を診ない処置」のいい加減さ、に、気付けないのでしょうか?いや、それより以前に、朝の回診もあったはずです。その時、既に高熱になっていた夫の異変を、夜勤の看護師は、医師に [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その12
  •  それなのに、「それを軽く超える高熱の入院患者」には、感染症対応をしない!一刻を争うはずなのに、何もしない! 担当が、一日の中で、次々と変わる大学病院の、患者情報伝達のスキマに、「夫の重篤な変化」は、ヒラヒラと落ち込み、致命的な遅れに、つながりました。 ドレーンの扱いについても、十分な看護教育がなされているとは、とても思えません。「ドレーンの掃除」という行為は、若い看護師が、「だいぶ汚れ [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その11
  •  でも、これも甘かった。…報告は、無かったのです。患者家族の私には、正直に言えた事が、伝わらなかった。…残念です!この報告が、上がっていれば、もっと違った展開に、なっていたと思います。 そもそも、「ドレーンのお掃除」によって、「感染したと思う」という、若い看護師の言葉は、この大学病院の看護教育、あるいは、患者情報、のいい加減さを、露呈するものです。  夫は、ICUから出て、まだ五日しか経って [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その9
  •  私にしてみれば、「一大事発生」の報告だったのですが、対応は、いつもと同じ…何も、動きません。 30分位して、待ちに待った医師が来ました。ところが…来たのは、中年の女医が二人、見たことのない人たちです。夫に注射をしようと、血管を触っているのですが、なかなか、注射針に合う血管が、見つからないようで、看護師さんに、「サイズの異なるものを、持って来て。」と、言っています。ところが、そのやり取りに、 [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その10
  •  一時に病院に到着してから、三時間、私や長男が感じた、「尋常ならざる夫の異変」と、病院側の対応には、明らかに、違いがありました。 … はっきり、言います。この時に至っても、病院側は、「夫が、感染症にかかって、一刻を争う状況にある。」と、気付いていなかったのです。 私が、もっと、騒げばよかったのかもしれません。けれども、「久しぶりに、病室に来た、自分」よりも、「ずっと、夫を診ている、病院スタッ [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その8
  • 一時間経ったところで、「じゃ、オレ、仕事があるから」と言って、長男が立ち上がりました。去り際に、「こんなシンドそうな父親、初めてだ。普通じゃないよ。」と言ったのを、覚えています。 看護師さんが、30分位に一回、入室してきて、夫の体温や血圧を測って、出て行きます。その度に、「何故、医者が来て、処置をしてくれないんだろう?」「何故、ICUに、運ばれないんだろう?」と、医師が来ないことが、不可解で [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その7
  •  病室に入ってきた、若い看護師さんに、「何故、突然、こんな高熱が、出たんですか?」と、尋ねました。  すると…「昨日、ドレーンが、だいぶ汚れてきたので、ドレーンのお掃除を、したんです。その後、昨夜から、熱が出てきて、今朝からは、ずっと高温のままです。なので、ドレーンから、細菌感染したと、思います。」 …衝撃の返答でした。その瞬間、「人為ミスだ」と、思う一方で、「正直な人だな」とも、思いました [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その6
  • 退院から5日目、「病院には来ないで、自宅療養していてください。」と、言われていたので、そーっと、夫の居る病室に、入っていきました。時間は、午後一時(ショッキングな日の事は、時が経っても、よく覚えています。)病室には、長男が、先に来ていました。「来てたの」と、声を掛けてのですが、長男が、明らかに動揺しています。…「すごい熱なんだ。」…と、高熱である事を、知らせます。思わず、夫のオデコに、自分の手を [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その5
  •  また、感染対策の為に、必ず、殺菌作用のある漂白剤を用いるように、看護師さんから、言われていますから、夫の洗濯物は、別枠で扱っていました。  夫は、少しずつ、少しずつ、元気になっているようでした。毎朝、夫の担当の若いK医師が、ベッドに来て、エコー(超音波)検査をする度、「うん、大きくなってる、大きくなってる!」と、嬉しそうに、肝臓の成長を確認している、と聞いて、こちらまで、うれしさ一杯に、な [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その4
  •  二男が、県外の寮に戻ったので、誰もいない部屋に、布団を敷いて、ゴロンと、横になりました。肝臓の三分の二を占める右葉を、切除した、私の体に、特に、異変はありません。  ただ、食事は、小分けにして取らないと、小さな肝臓に、大きな負担が、かかるのでは、と思って、少しずつ食べては、ゴロンと、横になる。「手術後の体」という、大義名分が、ありますから、自分自身への罪悪感もなく、時々、買い物に出かけるくらい [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 その3 子どもからのあの時のメッセージ
  • 大好きなお母さんへ お母さん、退院おめでとう!!本当に、つらかったろうと、思います。お母さんとお父さんが、大変な思いをしている間も、やっぱり私は、いつも通りで、部屋も散らかるし、お菓子も食べていたけれど、やっぱり楽しい気持ちになることは、 全然ありませんでした。 いつも、いろんな事に、不満を抱いているけれど、早く今までの日常にもどって欲しい、と思ったし、自分の健康な体を大切にしたい、と思いま [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日 その2
  • いよいよ退院です。寝たきりの夫の紙おむつを、持って来た二男が、私の退院の荷物を持ってくれ、二人で電車に乗りました。 五月の車窓の風景は、まばゆくて、二週間ぶりに、病院の外に出た私は、今更ながら、「普通の生活が出来る」喜びを、かみしめていました。  あの移植が、失敗に終わっていたら、  とてもこんな心境には、なれなかったでしょう。…全ての「普通」が、キラキラ輝いて見えました。☆彡  最寄り [続きを読む]
  • 第14章 ドナーの退院 そして悪夢の5月13日
  •  退院当日、退院の手続きを終え、夫の居るICUに出向くと、夫も丁度、この日、ICUから、(手術前にいた)一般病棟に、移されたところでした。と言っても、ドナーの私のように、身軽になった訳ではなく、たくさんの医療機器が導入され、体には、様々な管が、付けられています。まだまだ、最重要注意患者です。 それでも、ICUから出られた事で、夫、本人が、何より、元気付けられたようでした。   「一足先に退院する [続きを読む]
  • 第13章 入院生活雑記 その12
  •  移植手術後、私の担当医になった若いⅠ医師は、「いやあ、術後の経過が、とても良いので、誇りですよ。」と、私の体調を、褒めてくれます。 「先生が、昨日台の上に置いていた、茶色いバッグ、すごく素敵ですね!」と、話しかけると、「いやあ、うれしいなあ。あれ、父親が使っていたバッグなんです。僕の父は、ずっと台湾で、会社員をしていて…」と、お父さんの話をし始めます。  …若い医師とは、こんなプライベート [続きを読む]
  • 第13章 入院生活雑記 その11
  •   医師とも、仲良くなりました。指輪を抜いてくれた、E医師は、夜、歯磨きをしている私に、「ICUで、ご主人の様子を見て来ました。」と、声をかけてくれました。もう担当医でもないのに、私が、「マヤク、マヤクと訴えている」と言ったのを、気にして、行ってくれたようです。 このE医師とは、色々な話をしました。 「先生って、外科っていう感じには、見えないけど。」「皆に、内科っぽい、と言われます。ボク [続きを読む]
  • 第13章 入院生活雑記 その10
  •  入院生活にも慣れ、いろいろな患者さんと、話をするようになりました。  二男と同じ年齢の娘さんは、長い入院生活を送りながら、大学受験の勉強を続けている、とのこと。 隣の、三十代の女性は、難病で、人工肛門をつけていて、かなり強力な薬剤を投与されているようで、医師との会話が専門的だと思っていたら、薬剤師さんでした。「子どもの小学校の入学式に、行ってやれなかった。」と、淡々と、今の自分を受け入れて [続きを読む]
  • 第13章 入院生活雑記 その9
  • ICU症候群  ICU(集中治療室)に入った後に、幻覚・せん妄・不眠など、  精神不安定になる状態を言う。  点滴や医療装置に繋がれ、身体拘束が長時間続く上、  時間・空間の感覚がなくなったり、家族との面会が制限される、  などの要因が挙げられる。  ICUという特別な環境ゆえ、不安や恐怖など、生命の危機感を  引き起こしやすく、これらの要因が複合的に絡み合って発症する、  と、考えられている。& [続きを読む]