山猫 さん プロフィール

  •  
山猫さん: 森の奥へ
ハンドル名山猫 さん
ブログタイトル森の奥へ
ブログURLhttp://www.keystoneforest.net/
サイト紹介文小説や映画、アニメ、スポーツ選手の言葉、セリフ。人や猫たちとの出会い、旅について書き留めています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供52回 / 70日(平均5.2回/週) - 参加 2017/03/20 08:58

山猫 さんのブログ記事

  • 空から降ってきた・・・ (創作短編小説)
  • 寒くて目が覚めた。僕は手足をぎゅっと縮めて身体を丸くした。鼻先に何か当たる。むずがゆい。背中もチクチクする。誰かが突っついているみたいだ。まったく。ひとがせっかくいい気分で寝てるって言うのに・・・。悪戯するのだれ?でも、目を開けないぞ。まだまだ眠いんだから。このまま瞼を閉じていれば、またすぐに眠れるさ。でも、背中がなにか変な感じ。気持ち悪い。背中で何か踏んづけてるのかな?ゆっくりと身体をずらし [続きを読む]
  • 我が家のクスリ箱 (創作短編小説)
  • えっとクスリ、クスリ・・・「ねえ和子。クスリ箱どこにあるのー」久しぶりの病気だった。頭が割れそうに痛い。そして胃が重い。心臓の鼓動がこめかみを切り刻んでいる。体を動かすたびに、頭の芯に釘を打ち込まれるような激痛が走る。生唾が口の中に広がってくるのは、吐き気を催す前兆なのだろうか。和子の返事がない。もっとも、大きな声を出すと頭に響くので、ささやくような声しか出せないでいるのだが。和子は珍しく僕より [続きを読む]
  • 一番最初の記憶。ブカブカの革靴を履いた日。
  • 記憶は欠けらでしか存在できない。私たちは立ち会った出来事のほんの一部しか覚えていられなくて、その出来事の前と後とを思い出そうとしても、それらは白い混沌とした靄の中をどんどん加速しながら遠ざかっていくばかりだ。ようやく見つけた記憶の欠けらを拾い集めて、出来事を再構築してみても、果たしてそれが本当に自分が経験した記憶なのかどうか、誰にも分からない。私の一番最初の記憶。おそらく私が二歳半くらいの頃の記 [続きを読む]
  • 私は子供の頃、家のお風呂を薪で焚いていた。
  • お風呂の中でブログのネタを考えていた。考えるにはもう少し温まらないといけない、と思い、「追い焚き」ボタンをタッチした。すると、モーター音のようなものが聞こえて、噴き出し口から暖かいお湯が流れ出てきた。便利なものだ。と思った瞬間、そう思った自分を見るもう一人の自分を感じた。もう一人の自分が見た自分は、ずいぶんくたびれた老人のようだった。子供の頃住んでいた家のお風呂は薪で焚いた。薪は近くの製材所か [続きを読む]
  • シャワーを浴びる方法。 (創作短編小説)
  • 不動産屋の車で案内されたマンションまでは、駅から徒歩15分と聞かされてはいたが、実際に歩けばもう少しあるように思えた。1階にはコンビニが入っていたらしいが、締め切られたシャッターはどこかで見たスプレー画の落書きで賑やかに彩られ、真ん中に貼り付けられた「閉店のお知らせ」の末尾には1年ほど前の日付が記されていた。日当たり良好と紹介された南向きのリビングの窓、それは5階建てのマンションの2階部分にあった [続きを読む]
  • iPhoneの位置情報で標高差を確認しつつ帰宅する。
  • ある休日の朝。私は朝帰りをしました。とても気持ちのいい朝でしたので、最寄の駅から自宅まで歩いて帰ることにしました。自宅は大阪湾を望む、ある山中にあります。ですので、最寄駅から自宅までの移動手段を、普通の人はこれを歩くとは表現せず、登ると言うのかも知れません。平日の朝は、私は自宅から駅まで歩いて出勤します。約15分くらいの道のりです。適度な運動になる、という利点もありますが、最大の理由は自宅の近隣住 [続きを読む]
  • 5月の家庭菜園、野菜の種まき。いんげんと大根の植え付けをしました。
  • 好天に恵まれたゴールデンウィーク最終日の今日、ずっと後回しにしてきていた庭仕事にやっと取り掛かりました。雑草だらけ庭の草抜きと野菜の種まきです。5連休あれば、あれもできるこれもできる、といろいろ皮算用していましたが、結局ほとんど何も達成できずに最終日を迎えていました。子供たちが大きくなり(高3と中3)、部活動やら友達との遊びやらが優先されて、家族4人のスケジュール調整もうまくいかず、出掛ける予 [続きを読む]
  • 眩暈 めまい。
  • 電車が駅に着く。ガタリと体が揺れて私は目を覚ました。少し寝ぼけている私はゆっくりとあたりを見回した。酔客で一杯だった車内はいつの間にかひっそりとしている。この車両には私しか乗っていないようだ。電車の扉が静かに開く。冷えた夜の風とアルコール臭の漂う車内の空気とが入れ替わる。ホームに人気はなかった。見覚えのない駅だった。案の定乗り過ごしてしまったようだ。普段飲んで帰る時、私は絶対に座席には座らない [続きを読む]
  • 急性チョコレート中毒
  • 「ま、おひとつどうぞ。いける口なんでしょう。今夜は御社と弊社とが、めでたく手をとりあって、新たなる旅立ちを始めようと言う門出でございます。ま、遠慮なさらずに、どんどんいって下さい。支払の方はこちらで持たせて頂きますから。はははは」 男はうすら笑いを浮かべながら、やたらと気前よく俺に勧めていた。 どうせ使い捨ての営業のくせに、弊社なんて偉そうに言うなよ。さっきからへらへらへらって、大きな口を開け [続きを読む]
  • 円卓で食事をする場合の父親の居場所について。
  • Kindle (Newモデル) Wi-Fi、ブラック、キャンペーン情報つきモデル、電子書籍リーダー出版社/メーカー: Amazon発売日: 2016/07/20メディア: エレクトロニクスこの商品を含むブログ (2件) を見る私と奥さんと長男Mと次男Kがいて、私の家は4人家族です。朝の6時半くらいに家を出て、仕事から帰ってくるのは8時くらいなので、家で過ごすのは1日の半分に満たない時間でしかありません。けれど、まぎれもなくここが私の居場 [続きを読む]
  • 三日月の夕
  •  寒い寒い夜だった。風がガタガタと病室の窓を叩いていた。しっかりと締め切ってあるはずなのに、部屋の暖房は全然効いていなかった。冷たい風は僕の心のぽっかりと空いたすき間に吹き込んでいた。僕と両親はばあちゃんの危篤の知らせを受け、少し前に病院に駆け付けたところだった。 北部の山間部では今年初めての雪が降ったと、来る途中の車のラジオで言っていた。強い北風が落ち葉を舞い躍らせ、もうすぐこの町にも冬を運ん [続きを読む]
  • スナフキンならなんて言うだろう。
  • 仕事や人間関係に迷ったとき、悩んだとき、僕はスナフキンに相談します。スナフキンは僕の心の中にいるから、詳しい事情を説明する必要はありません。スナフキンはしばらく考えて、「答えは君自身が見つけるしかないね」とか、「海を見に行けばいい。一日中海を眺めていれば、答えはきっと見つかるさ」とか答えてくれます。それは、そのとき僕が直面している問題の何の解決にもならない答えだけど、「ああ、そうか」と僕は納得し [続きを読む]
  • やまさま 〜朝靄に沈む村・街〜
  •  土曜日の朝、起きると街は朝靄に沈んでいました。 桜がやっと咲きそろい、この週末の花見を楽しみにしていたのに、木曜から続く雨。そして気味が悪いくらいの生暖かさ。条件は十分整っていました。 窓を開けると、景色がモノクロに変わっていました。道をはさんだお向かいの家のシルエットが白くぼやけて見えます。朝靄は世界から色彩を奪っていったようです。 僕の実家はYという山村で、H市からバスで2時間くらい揺ら [続きを読む]
  • 山猫家、家族そろって少林拳空手道に挑む。
  • 山猫家では家族4人(私、奥さん、長男M、次男K)で近くの公民館で開かれている空手教室に通っていた。K以外は黒帯をもらっていて、Kも次の昇級審査に合格すれば初段、黒帯を巻くことができる。練習は日曜の午前にあり、家族4人そろって習っていた数年前までは、山猫家の日曜の朝はけっこう慌しかった。一口に空手と言っても、いくつもの流派がある。空手は2020年東京オリンピックの新種目に選ばれたが、空手道として一つ [続きを読む]
  • 百万ドルの夜景を肴に呑む男
  •  いやぁ、なかなか結構な見晴らしではありませんか。 …… ええ、ええ。坪百万で? それはそれは、いい買い物をなさいましたな。いずれはこんな所に住んでみたいものです。 …… 元は池ですか。こんな山の上に池? …… ひめがいけ? ああそうですか。お姫様の姫にカタナカのケで、姫ヶ池ですか。お姫様の池で姫ヶ池、姫ヶ池姫ヶ池──、なかなか色っぽい名前じゃありませんか。 …… なんだか曰く因縁がありそうですな [続きを読む]
  • イノシシの森に群生するふきのとう。
  • 山猫の家は山の傾斜地にある。辺りの山が住宅地として拓かれたのは、つい五十年ほど前のこと。それまでは、イノシシやサルたちが棲む雑木林だった。だから、イノシシたちは平気で家の近辺を闊歩している。”あとからやってきて偉そうにするな” と、きっとイノシシたちは思っているはずで、先日、山猫がイノシシに遭遇した事件は、実は、イノシシが山猫に遭遇した事件であったはずだ。www.keystoneforest.net家の前の道から一 [続きを読む]
  • 関東煮(かんとだき)は生姜醤油で食べるに限る。
  • 山猫家のきのうの夕食メニューは関東煮だった。入っていた具材は、大根、じゃがいも、ちくわ、ごぼ天、ゆで玉子、餅いり巾着、がんも、こんにゃく、手羽先、あと練り物が何種類か。え? それって「おでん」のこと? と思われるかもしれない。そう、「関東煮」は、実は「おでん」のこと。「かんとだき」と読む。「関東」と書いて「かんと」と読み、「煮る」のに「炊く」という動詞を使う。この辺がいかにも関西っぽい、かな?きの [続きを読む]
  • 紙とペンと海鼠腸と白衣、そしてたくさんの花。
  • 配偶者の互いの両親のことを義父、義母と言うが、それとは別の言葉があって、奥さんの父親のことを『岳父(がくふ)』と呼ぶことがある。語源は中国の故事で、娘婿の昇進に関われるほど力がある人物という意味らしい。奥さんの母親のことは岳母(がくぼ)とか丈母(じょうぼ)とか言う。では、奥さん側からみて旦那さんの両親のことを何と言うかというと、父(尊父)母(母堂)だけでいいらしい。つまり、旦那さんにとって奥さんの [続きを読む]
  • 尻尾の短い野良猫ポチ、飼い猫になる。
  • 猫には2種類の尻尾がある、ということをポチと出会って初めて知った。尻尾が長い猫と短い猫の2種類だ。ポチの尻尾はとても短かった。鞭のようにしなやかに自在に動き、第3の手のように、いや、第3の前足のように、かな? 便利に使える細長い尻尾では全然なかった。まるでお団子がお尻に乗っているだけのような、そんな短い尻尾だった。野良猫同士の喧嘩で負けてちぎれたのかと最初は思った。でも、仲良くなってからしみじみ観 [続きを読む]