tusccy1209 さん プロフィール

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tusccy1209さん: 本棚のすき間でつかまえて
ハンドル名tusccy1209 さん
ブログタイトル本棚のすき間でつかまえて
ブログURLhttp://tsuccy1209.hatenablog.com/
サイト紹介文読書感想ばかりを書いているブログです。
自由文海外翻訳本を好んでよく読みます。科学・物理も時々やります。哲学も少しかじります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供37回 / 143日(平均1.8回/週) - 参加 2017/03/22 23:34

tusccy1209 さんのブログ記事

  • トルストイ 「復活」 翻訳:木村浩
  • 「復活」とは、web辞典を見てみると「死んだものが生き返ること。よみがえること。蘇生」「いったん廃止したものなどを再びもとの状態に戻すこと」他には「キリスト教で、十字架上で死んだイエス・キリストがよみがえったことをいい、キリスト教の最も中心的な信仰内容」などと書いてある。「復活」の意味なんか今更言われるまでもないことだろうけど――、ただ今作で描かれる「復活」の味わい深さは「人生の再生」にその言葉がつ [続きを読む]
  • ポール・オースター「鍵のかかった部屋」 翻訳:柴田元幸
  • 今作は1986年に出版されたオースターの初期の作品です。「ガラスの街」「幽霊たち」と今作を合わせたものがニューヨーク三部作と言われていて、登場人物こそ違うけどいずれも人を探す(ある意味、自分を探している)という部分で共通している。数年前に「ガラスの街」が柴田元幸さんの翻訳で再出版されているので(以前は「City of glass」というタイトルで角川、講談社より別の翻訳家により出版されていた)三部作はすべてが同じ名翻訳家の [続きを読む]
  • スティーヴ・エリクソン「アムニジアスコープ」 翻訳:柴田元幸
  • タイトル「アムニジアスコープ」、アムニジアとは記憶喪失とか健忘を意味し、スコープは視野とか範囲とか……、あと他には銃器の照準器という意味にも使われる。どの組み合わせが著者の意図したニュアンスに近いのかは解らないけれども、僕個人としては「過ぎ去ってしまい真偽が定かではなくなっていく曖昧な記憶としてでしか過去を留めておくことの出来ない人間が、いざ自らを振り返り、その人生を覗きこもうとしたときに自分の歩ん [続きを読む]
  • 岩城けい「さようならオレンジ」
  • 「さよなうなら、オレンジ」を読みました。今作は公募による新人賞である太宰治賞を受賞した岩城けいさんのデビュー作。その後、単行本が筑摩書房より出版されると芥川賞の候補作となり、三島賞の候補作にもなった。この二賞は候補で終わったけれども――、大江健三郎さんによって選考される大江健三郎賞を受賞することとなっている。なので当時(2014年頃)には文学方面でけっこう話題になったような記憶がある。事実、その年の本屋 [続きを読む]
  • プラトン「ラケス」 翻訳:三島輝夫
  • プラトン著「ラケス」を読みました。ラケスとはアテナイ(ギリシアの都市)の将軍です。ある時にリュシコマスという人物が息子の教育方針についてラケスとニキアスという二人の将軍に問うんです。「どのように教育を行えば最もすぐれた人物になれるのか?」と。何故そんなことを戦いを専門とする将軍に聞くかと言うと――、リュシコマスは息子に重装武闘術を学ばせようと考えていて、それが有益がどうかを聞きたかったわけなんです [続きを読む]
  • チェーホフ「ワーニャ伯父さん」 翻訳:小野理子
  • 今作「ワーニャ叔父さん」はチェーホフの作品のなかで四大戯曲と呼ばれるもののうちのひとつです。人間の誰しもが感じるであろういかんともしがたい思いを表現した作品。言葉にし難い感情が登場人物たちの心の微妙な動きによって読者に再認識されるというもの。この作品が支持されているということは、みんながそう思っているということだから、このテーマは自分だけの悩みではないことを知ることが出来たというのもひとつの収穫。 [続きを読む]
  • ソール・ベロー「犠牲者」 翻訳:大橋吉之輔
  • ユダヤ人であるレヴィンサールは、ユダヤ人であるがゆえに世間から偏見を持たれていた。ジュー(ユダヤ人=ジューイッシュの略)と呼ばれ、怒りっぽい、傷つけられると復讐する、金にうるさい、と世間から思われていた。時々「ジューのくせに」と理由もなく揶揄されることがあり、ユダヤ人であるがために何かとおかしな目で見られることがあるとレヴィンサールは感じていた。業界紙の編集として活躍するレヴィンサール。彼は下積み [続きを読む]
  • ロベルト・ボラーニョ「ムッシュー・パン」 翻訳:松本健二
  • とある詩人にあてた作品図書館の新刊本コーナーで見つけた一冊。以前から気になっていたロベルト・ボラーニョが置いてあって……どれどれ、奥付を見てみると……発刊されたばかりではないか! やったー(古典をよく読む僕ですが、実は新しいものが好きなんです)。ということで、かっさらうように借りてきて他の本を押しのけて読んだ一冊。読後の感想はというと……あまりよく解らなかった。難しかったという訳ではない。何かを読 [続きを読む]
  • J.M.クッツェー「夷荻を待ちながら」 翻訳:土岐恒二
  • 冒頭のあらすじ舞台は帝国領の辺境にある、とある城壁都市。主人公はその地で長らく民政官を務めていた初老の「私」。郊外には夷狄と呼ばれる土着の民族――、遊牧民、漁を生業にする種族、なにやら不明な蛮族などなどがいる。とにかく帝国の境目である辺境の地とは、中心都市と違って異文化との接触がすぐそばにあるところ。ある時に中央からひとりの軍人がやってくる。ジョル大佐と言われるその人は「夷狄が帝国に攻め入ろうとし [続きを読む]
  • プラトン「メノン」 翻訳:藤沢令夫
  • 徳とは何か?プラトン著「メノン」を読みました。メノンとは人の名前――、彼はゴルギアスという弁論術の大家から教えを受けていて、既に色々と知っているつもりになっている若者です。今作のとっかかりはこう――、メノンがソクラテスに聞くんです。「徳とは人に教えることができるものか? できないならば訓練で身に着けるのか? そうでなければ生まれつきの素質か? それとも他の出どころがあるものか?」と。対してソクラテス [続きを読む]
  • ホーソーン「緋文字」 翻訳:八木敏雄
  • とあるモチーフがある話古典を読むことの面白さは、時代がかわっても変わらない人間の普遍的な何かに気がつかされるあたりだと思います。今作、出版されたのが1850年ですが――、著者ホーソーンが描いたのは1650年ころのアメリカについて。1650年頃(17世紀半ば)と言えばイギリスからの入植者達がアメリカに根をおろしてから50年程度が経過したころの話になります。今作の構成ですが――、まず現在(19世紀)からスタートして過去(17 [続きを読む]
  • プラトン「ゴルギアス」 翻訳:加来彰俊
  • 今作のテーマは弁論術についてプラトン著「ゴルギアス」を読みました。ゴルギアスとは人の名前――、古代ギリシアにおける弁論術の第一人者です。彼は多くの生徒を教えていて「弁論によっていかに人々を従わせることが出来るか」の技術を磨いていた人物。ということで今作のテーマは「弁論術の本質と是非」が問われる話。プラトンの著作と言えば「知について」「エロスについて」「徳について」「魂の不死について」など、どちらか [続きを読む]
  • オラシオ・カステジャーノス・モヤ「無分別」 翻訳:細野豊
  • 真実という重み……翻訳者によるあとがきを読むと、この作品の持つ重みが変わってくる。この作品の内容はとある男が千百枚にも及ぶ虐殺の記録原稿を整理編集するというもの。その虐殺というのはグアテマラで36年間という長さに及ぶ内戦の中でマヤ族という民族に行われた虐殺。軍がひとつの民族を根絶やしにしようとした事実。記録によると626の村が破壊され、死者・行方不明者は20万人以上。避難民150万人。国外避難民15万人。総人 [続きを読む]
  • オルハン・パムク「わたしの名は赤」 翻訳:宮下遼
  • わたしの名は赤〔新訳版〕 (上) (ハヤカワepi文庫)作者: オルハンパムク,Orhan Pamuk,宮下遼出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/01/25メディア: 新書購入: 3人 : 6回この商品を含むブログ (18件) を見る異国情緒あるれる文学 著者、オルハン・パムクはトルコ人作家です。2006年にノーベル賞を受賞しています(トルコ人初)。今作はフランスで最優秀海外文学賞、その他アイルランド、イタリアで文学賞を受賞し [続きを読む]
  • これまでの感想一覧
  • アメリカ文学アリス・ウォーカー「カラーパープル」スティーヴ・エリクソン 「アムニジアスコープ」ジョン・スタインベック「月は沈みぬ」トマス・ピンチョン 「競売ナンバー49の叫び」チャールズ・ブコウスキー 「パルプ」アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」ソール・ベロー「犠牲者」ホーソーン「緋文字」コ―マック・マッカーシー「チャイルド・オブ・ゴッド」イギリス文学マーク・ハッドン「真夜中に犬に起こった奇妙な事 [続きを読む]