tusccy1209 さん プロフィール

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tusccy1209さん: 本棚のすき間でつかまえて
ハンドル名tusccy1209 さん
ブログタイトル本棚のすき間でつかまえて
ブログURLhttp://tsuccy1209.hatenablog.com/
サイト紹介文読書感想ばかりを書いているブログです。
自由文海外翻訳本を好んでよく読みます。科学・物理も時々やります。哲学も少しかじります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供31回 / 63日(平均3.4回/週) - 参加 2017/03/22 23:34

tusccy1209 さんのブログ記事

  • チェーホフ「ワーニャ伯父さん」 翻訳:小野理子
  • 今作「ワーニャ叔父さん」はチェーホフの作品のなかで四大戯曲と呼ばれるもののうちのひとつです。人間の誰しもが感じるであろういかんともしがたい思いを表現した作品。言葉にし難い感情が登場人物たちの心の微妙な動きによって読者に再認識されるというもの。この作品が支持されているということは、みんながそう思っているということだから、このテーマは自分だけの悩みではないことを知ることが出来たというのもひとつの収穫。 [続きを読む]
  • ソール・ベロー「犠牲者」 翻訳:大橋吉之輔
  • ユダヤ人であるレヴィンサールは、ユダヤ人であるがゆえに世間から偏見を持たれていた。ジュー(ユダヤ人=ジューイッシュの略)と呼ばれ、怒りっぽい、傷つけられると復讐する、金にうるさい、と世間から思われていた。時々「ジューのくせに」と理由もなく揶揄されることがあり、ユダヤ人であるがために何かとおかしな目で見られることがあるとレヴィンサールは感じていた。業界紙の編集として活躍するレヴィンサール。彼は下積み [続きを読む]
  • ロベルト・ボラーニョ「ムッシュー・パン」 翻訳:松本健二
  • とある詩人にあてた作品図書館の新刊本コーナーで見つけた一冊。以前から気になっていたロベルト・ボラーニョが置いてあって……どれどれ、奥付を見てみると……発刊されたばかりではないか! やったー(古典をよく読む僕ですが、実は新しいものが好きなんです)。ということで、かっさらうように借りてきて他の本を押しのけて読んだ一冊。読後の感想はというと……あまりよく解らなかった。難しかったという訳ではない。何かを読 [続きを読む]
  • J.M.クッツェー「夷荻を待ちながら」 翻訳:土岐恒二
  • 冒頭のあらすじ舞台は帝国領の辺境にある、とある城壁都市。主人公はその地で長らく民政官を務めていた初老の「私」。郊外には夷狄と呼ばれる土着の民族――、遊牧民、漁を生業にする種族、なにやら不明な蛮族などなどがいる。とにかく帝国の境目である辺境の地とは、中心都市と違って異文化との接触がすぐそばにあるところ。ある時に中央からひとりの軍人がやってくる。ジョル大佐と言われるその人は「夷狄が帝国に攻め入ろうとし [続きを読む]
  • プラトン「メノン」 翻訳:藤沢令夫
  • 徳とは何か?プラトン著「メノン」を読みました。メノンとは人の名前――、彼はゴルギアスという弁論術の大家から教えを受けていて、既に色々と知っているつもりになっている若者です。今作のとっかかりはこう――、メノンがソクラテスに聞くんです。「徳とは人に教えることができるものか? できないならば訓練で身に着けるのか? そうでなければ生まれつきの素質か? それとも他の出どころがあるものか?」と。対してソクラテス [続きを読む]
  • ホーソーン「緋文字」 翻訳:八木敏雄
  • とあるモチーフがある話古典を読むことの面白さは、時代がかわっても変わらない人間の普遍的な何かに気がつかされるあたりだと思います。今作、出版されたのが1850年ですが――、著者ホーソーンが描いたのは1650年ころのアメリカについて。1650年頃(17世紀半ば)と言えばイギリスからの入植者達がアメリカに根をおろしてから50年程度が経過したころの話になります。今作の構成ですが――、まず現在(19世紀)からスタートして過去(17 [続きを読む]
  • プラトン「ゴルギアス」 翻訳:加来彰俊
  • 今作のテーマは弁論術についてプラトン著「ゴルギアス」を読みました。ゴルギアスとは人の名前――、古代ギリシアにおける弁論術の第一人者です。彼は多くの生徒を教えていて「弁論によっていかに人々を従わせることが出来るか」の技術を磨いていた人物。ということで今作のテーマは「弁論術の本質と是非」が問われる話。プラトンの著作と言えば「知について」「エロスについて」「徳について」「魂の不死について」など、どちらか [続きを読む]
  • オラシオ・カステジャーノス・モヤ「無分別」 翻訳:細野豊
  • 真実という重み……翻訳者によるあとがきを読むと、この作品の持つ重みが変わってくる。この作品の内容はとある男が千百枚にも及ぶ虐殺の記録原稿を整理編集するというもの。その虐殺というのはグアテマラで36年間という長さに及ぶ内戦の中でマヤ族という民族に行われた虐殺。軍がひとつの民族を根絶やしにしようとした事実。記録によると626の村が破壊され、死者・行方不明者は20万人以上。避難民150万人。国外避難民15万人。総人 [続きを読む]
  • オルハン・パムク「わたしの名は赤」 翻訳:宮下遼
  • わたしの名は赤〔新訳版〕 (上) (ハヤカワepi文庫)作者: オルハンパムク,Orhan Pamuk,宮下遼出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/01/25メディア: 新書購入: 3人 : 6回この商品を含むブログ (18件) を見る異国情緒あるれる文学 著者、オルハン・パムクはトルコ人作家です。2006年にノーベル賞を受賞しています(トルコ人初)。今作はフランスで最優秀海外文学賞、その他アイルランド、イタリアで文学賞を受賞し [続きを読む]
  • これまでの感想一覧
  • アメリカ文学アリス・ウォーカー「カラーパープル」ジョン・スタインベック「月は沈みぬ」トマス・ピンチョン 「競売ナンバー49の叫び」チャールズ・ブコウスキー 「パルプ」アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」ソール・ベロー「犠牲者」ホーソーン「緋文字」コ―マック・マッカーシー「チャイルド・オブ・ゴッド」イギリス文学マーク・ハッドン「真夜中に犬に起こった奇妙な事件」サマセット・モーム「月と六ペンス」フラン [続きを読む]
  • 辻原登「冬の旅」
  • とある日に刑務所から出所した男の行方は?5年の刑期を終え滋賀刑務所から出所した緒方(主人公)の所持金は17万とわずかだった。大阪の街に戻ってくると辺りを彷徨い、酒を飲んで女を買った。そして博打に手を出してしまうと、わずか3日で金は底をついた。やむなくドヤ街へ行き日雇いの仕事を求め――、腹が減れば公園の炊き出しにあずかった。寝る場所を求めてシェルターへ行き、定員オーバーならば公園で丸まって寝てしまう。ど [続きを読む]
  • モーパッサン「女の一生」 翻訳:新庄嘉章
  • 箱入り娘がみた夢自死で生涯を閉じようとしたモーパッサン。今作を読むとモーパッサンが人生というものをどう捉えていたのかが解るような気がする。今作はプロット自体は現在においてはよくあるもので、将来を夢見る娘(箱入り娘)が大人になり現実を知って絶望を味わうというもの。貴族の家に生まれ何不自由ない青春時代を送ったジャンヌ(主人公)の前には輝ける未来があるはずだった。ジャンヌは美少年のジュリアンに出会い恋を [続きを読む]
  • J.M.クッツェー「恥辱」 翻訳:鴻巣友季子
  • デヴィッドが捨てたもの南アフリカのケープタウンで大学教授をやっているデヴィッド。彼は二度の離婚を経験し、今ではもう結婚には興味がなくなっている。性欲は娼婦で満たせばいい……、そんな考えに落ち着いていた。しかしある日にデヴィッドは一人の女生徒に惹かれてしまう。彼は理性的であろうとしながら、結局は女生徒を手籠にしてしまう。その事実は教授と学生という関係上スキャンダルになった。デヴィッドは周囲から叩かれ [続きを読む]
  • プラトン「パイドン」 翻訳:岩田靖夫
  • プラトン(紀元前427-紀元前347)著「パイドン」を読みました。今作のジャンルは哲学です。さて、どう感想を書いたものやら……、というのが率直な今の気持ちです。僕は哲学に関して知識はありませんので「何がどうだ」と書けるわけではありません。今作を読み終えた今、思い返してみてもこの本に何が書かれていたのか具体的には言えません。なんとなく解ったような気にはなったのですが正確なアウトプットなんてとても無理です。 [続きを読む]
  • アンドレ・ブルトン「ナジャ」 翻訳:巖谷國士 
  • 美を追求する姿勢ひらめき、勘、直観、予感、第六感、etc…… ある時にふと、自分の行動はそんなものに導かれているのではないか? と感じてしまうことは誰にでもあるのだと思う。著者アンドレ・ブルトンはシュルレアリスムという思想の生みの親のようだが、新しい芸術の方向性としてただの現実ではなく、もっとこうひらめき的な現実(我々が現実と思っているものよりも、もう一段階上にある現実)を重視しようとしていたようで [続きを読む]