関戸英春 さん プロフィール

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関戸英春さん: Sekiの詩とエッセイのブログ
ハンドル名関戸英春 さん
ブログタイトルSekiの詩とエッセイのブログ
ブログURLhttps://toshi0078.muragon.com/
サイト紹介文自作詩やエッセイ、おすすめ本などを載せたいと思っています。文章や詩のかたちは整えてあります。
自由文詩やエッセイやおすすめ本などを織り交ぜながら、書いていこうと思います。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供169回 / 144日(平均8.2回/週) - 参加 2017/04/02 22:45

関戸英春 さんのブログ記事

  • 自作詩 <K310>に寄せて
  • 運命であるか わたしを遠くへ連れ去ろうとするものは 過去を振り返ろうとは思わない わたしはあんまり出鱈目な道を歩いてきたから それが生きるに値する 物語であるなら 過去は自らを自らの言葉で語り始めるだろう 町の灯が雨に滲む バスは濡れている 病んだ心を抱えていることが わたしを前へ進ませるのか 空きカンが外灯に光る 徒らな光に迷うことも一つの生になり得るのか 夜は病み 町の眠りは浅い 天井には黄ば [続きを読む]
  • 「ヨオロッパの世紀末」吉田健一
  • 著者の吉田健一は、総理大臣を務めた吉田茂の長男です。多くの著作がありますが、著者のもっとも円熟した時期に書かれた傑作です。吉田健一の文体は独特です。奇妙と言っていいほどですが、紆余曲折しながら進む文章に導かれていくと、豁然と展望の開けた高台にいることに気付きます。ヨーロッパが真にヨーロッパであった18世紀「幸福は決して得られるものではないという諦念が、われわれを本当に優雅なものにしてくれる」という [続きを読む]
  • 「ラ・ロシュフコー箴言集」ラ・ロシュフコー
  • 若い頃の渡辺一夫が、この書物を読み「人生に絶望した」と言っているほど、強烈な毒を中に秘めた書物です。「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない。」この書の中心思想となる巻頭言です。ラ・ロシュフコーはフランスのモラリストですが、人間洞察に格段の炯眼を見せました。著者にはポルトレと呼ばれる短い文章による自画像があります。フランス風のエスプリの利いた苦い味のする、率直に自己を綴った文章で [続きを読む]
  • 「エセー」モンテーニュ
  • 本の上での友人が欲しいと思う人は、このエセーを読んでみるといいでしょう。モンテーニュというまったく等身大の当たり前な人間が現れて、そのモンテーニュという何者でもない人間と付き合うように本を読んで行くことが出来ます。モンテーニュがこの書物を書くきっかけとなったのは、無二の親友を亡くしたことにあります。その心痛を慰めるために文章を書いて紛らわそうとしたのです。筆はおのずから、亡き親友に語りかけるような [続きを読む]
  • 「セザンヌ物語」吉田秀和
  • 著者は絵画の専門家ではありませんが、日頃から傾倒している画家セザンヌについての一書を著してみたいと筆を執りました。遠近法に従って見ていると、どうしても違和感の出て来るセザンヌの絵の特徴を詳しく説明し、その拠って来たるセザンヌの創造の秘密に迫ろうとします。人物としても非常に風変わりであったセザンヌの風貌もあますところなく描き出されています。小林秀雄の「セザンヌ」も参考にして読むと、より得るところが大 [続きを読む]
  • 「告白録」ルソー
  • 日本の私小説の源流となった著作です。言葉の最上の意味でバカ正直と言っていいほど、自分をさらけ出した書物ですが、作品の色調は少しも暗さを感じさせません。徳を愛するルソーのたくましい精神が横溢しているからです。ただ、自分を語るという難しい仕事は、終わりというものがないもののようで、ルソーの晩年の著作には、告白録の補筆のような文章が現れたりします。本当の自分というものは、自己を告白することによって表すこ [続きを読む]
  • 「私の好きな曲」吉田秀和
  • 著者は音楽や絵、文学に造詣の深い文芸評論家です。詩人の中原中也とも親交がありました。中也はバッハの「パッサカリアとフーガハ短調」が大好きだったそうです。豊富な音楽体験をもとに、どの曲がどのように好きなのか鍛え上げられた審美力を用い、懇切に楽曲の本質に踏み込んで解き明かしてくれます。著者自身をさらけ出したような章もあります。近代音楽批評の基本路線を敷いた著者会心の書物です。 [続きを読む]
  • 「エミール」ルソー
  • 数多いルソーの著作の中でも、もっとも優れた作品です。ルソーはフランス革命の引き金となった「社会契約論」の作者ですが、ルソー自身は自分のもっとも優れた作品を知っていました。このエミールは小説の形態をとっていますが、単に小説を模したわけではありません。エミールに最良の教育を施したとき、どのような成長を見せるかその足跡を微に入り細を穿ち表現したかったのです。出来上がった作品は、どのような教育指南書も凌駕 [続きを読む]
  • 「個人的な体験」大江健三郎
  • 著者の長男光君は、脳に障害を持って生まれました。著者はこの小説で、その受け入れがたい現実を虚構の世界に仮託して、自分と血を分かつように書いた主人公が、その過酷な現実を進んで受け入れるまでの魂の遍歴を翻訳体の独特な文体を用い、具に描きました。小説では、障害の程度は軽かったように描かれていますが、本物の知的障害を負った光君は後に作曲家として成功し、障害児の教育者としての役割も果たしました。日本のノーベ [続きを読む]
  • 「狂気について」渡辺一夫
  • 戦争という狂気に走らざるを得ない人間というものを、深く考究した書物です。著者は、ある著名な文学者の書いたまったく当たり前な戦争反対論を携えて、第二次世界大戦当時、少しでも戦争反対に尽力しようと、自分の知り合いたちに、戦争のような無益なものに関わることがいかに馬鹿げているかを説いて回ります。著者のユマニテの思想は筋金入りでした。結局、日本は負け、言いようのない虚しさに襲われたと著者は語ります。人間の [続きを読む]
  • 「甘えの構造」土居健郎
  • 非常に名高い本ですが、実際に読んでいる人の少ない本です。著者は心理学者で、クライアントとして来た英語の堪能な女性が、息子のことを相談するときに、「この子は幼いとき甘えなかった」という言葉だけを日本語で語ります。英語には「甘える」という言葉がなかったからです。それが、著者の「甘え」論のきっかけになりました。日本の社会では、むしろ、うまく甘えられることが社会への適応力を増すという著者の所論は、この本を [続きを読む]
  • 「名曲三〇〇選」吉田秀和
  • クラシック音楽の好きな人なら、ぜひ座右に置いておきたい一冊です。古今のクラシック音楽の中から、年代順に300曲を厳選しそれぞれに著者の卓抜で正確な評価を加えていきます。グレゴリア聖歌からシュトックハウゼン、武満徹に至るまで、クラシック音楽に対する著者の並々ならぬ造詣の深さは、単なる紹介書の域を超えて、一つの独立した作品としての価値を持っています。これから、クラシックを聴いてみようという人にも、絶好 [続きを読む]
  • 「タテ社会の人間関係」中根千枝
  • 日本はタテ社会であるという現在では当たり前となっている常識を作った書です。著者の言うタテ社会の意味は、しかし、実際に本書を読んでみれば分かりますが、現在流布している「タテ社会」という言葉とは、ずいぶん異なったものです。常識として通用している言葉が、いかに本来の意味合いから遠ざかってしまうものであるかの見本のような言葉です。著者は、西洋社会で流布している言葉が、日本の社会でそのまま使用することに無理 [続きを読む]
  • 「無心の歌 有心の歌」ウィリアム・ブレイク
  • イギリスロマン派の神秘詩人ブレイクの詩集です。ブレイクには次の言葉があります。「生きとし生ける者はみな神聖である」心の無垢なやわらかさというものをこれほど見事に詩にのせることのできた詩人は他にいません。わたしたちには何の準備も要りません。ブレイクの語る言葉に素直に聞き入っていれば、そのまま自分のもっとも繊細な心を見つけることができます。「天国と地獄の結婚」ブレイクの幻視力によって生み出されたイマー [続きを読む]
  • 「星の王子様」サン・テグジュペリ
  • サン・テグジュペリはフランスの作家です。この作品は世界中の多く人に読み継がれて、中には熱狂的なファンがいます。「星の王子様」は永遠の少年の物語と言っていいでしょう。本当に大人と言える人間が果たしているのだろうかという現代の状況にあって、むしろ、進んで開き直って大人になることを拒んだ書と言えるでしょう。その代わり、永遠の少年から見た世の中の愚劣さ、バカバカしさ加減が容赦なく暴かれます。作品の底流を流 [続きを読む]
  • 「沈黙」遠藤周作
  • カトリック作家、遠藤周作の代表作です。日本におけるキリスト教受容の歴史において欠かすことができない人物です。ルオーの描く、常に弱き者貧しき者の隣に寄り添うキリストの絵に衝撃を受け、長崎で出会った人々に踏まれ続けた踏み絵のイエス像を見て、この作品は形をとりました。 責め苦に遭ったバテレンの神父は、踏み絵のイエス像が進んでわたしを踏めと言っている内心の声を聴き取ります。神は沈黙しています。作中、もっと [続きを読む]
  • 「文章読本」三島由紀夫
  • 三島は、現代では稀な名文家と言っていいのですが、この文章読本は、谷崎のそれに劣らないほどの仕上がりになっています。「あなたが小説を書くとき、彼女は絶世の美女だと書けば、それで、そのままその人は絶世の美女となるのです。」というような言葉には、なんとも言えないユーモアさえ籠もっています。鴎外の簡潔な文章を引き、現代の作家の文章と比べている個所は圧巻です。三島の才能の広さを感じさせる卓抜な文章読本です。 [続きを読む]
  • 「文章読本」谷崎潤一郎
  • 良い文章を書きたい願いは誰でもあります。この本は大谷崎と称された文豪が、読書人のために良い文章を書くための便宜を図るために書かれたものです。単に文章の手引き書というだけではなく、文章自体に味わい深い品格があります。懇切丁寧な文章の紹介を読むと、思わず自分でも何か文章を書きたくなってきます。作品としても読んでも充分に読み応えのある文章読本です。 [続きを読む]
  • 「新約聖書」 <輝かしい書>
  • キリスト教では、先述の聖書を旧約聖書と呼んでいます。コーランも、拠り所となっているのは、聖書です。ムハンマドはイスラーム教をアブラハムの宗教だとさえ言っています。 この新約聖書くらい輝かしい書物はないでしょう。古代中国ではキリスト教を景教と呼びました。「景」とは、光り輝くという意味です。イエス・キリストほど光り輝くメシアはいないということです。欧米を中心とする文化の脊髄を作り上げてきた書物です。こ [続きを読む]
  • 「聖書」 <無類の書>
  • アダムとイブの物語が載せられた有名な書物ですが、この書物を最後まで読み通した人は少ないでしょう。聖書は神話ではありません。神話はその民族の永続を願って作られるものと言っていいのですが、聖書の神は、そのイスラエルの民に、もしあなた方がわたしの言葉に背くようなら、わたしはあなた方を滅ぼし尽くすであろうと言います。 聖書には随所に、イスラエルの人々は神の目の前で罪を犯したと記録しています。もし、現在、聖 [続きを読む]
  • 「マルテの手記」リルケ <劇薬のような書物>
  • 作者のリルケはロダンと同時代人のドイツの詩人です。何よりもネガティブなもの、特に夜をこよなく愛しました。「闇の詩人」と言ってもいいでしょう。この「マルテの手記」の毒は強烈です。リルケ自身が、マルテの心情に付き添うことは危険だと自分の愛読者に語っています。 読み進むうちに、われわれ自身のうちの確かなものが次第に揺らぎ始め、やがて根元から浸食されていくのを感じます。読後も、なんとも言いようのない悪夢が [続きを読む]
  • 「ゴリオ爺さん」バルザック
  • 数多いバルザックの作品の中でも、選り抜きの最高傑作です。バルザックは、スタンダールと同時代人のフランスの小説家ですが、スタンダールとはまるで作風が違います。充分に前置きを固めておいて、大団円まで持っていきます。 前置きがかなり長いために、中途で読むことを諦めてしまう読者も少なくないほどです。けれども、この小説を読み通した人は知っていますが、引退した市井の一市民に過ぎないゴリオ爺さんの偉大な悲劇性は [続きを読む]
  • 「戦争と平和」トルストイ <無二の小説>
  • 大文豪トルストイの面目が躍如とする一大叙事小説です。トルストイは人間が想像しうるあらゆる才能を備えた人間と絶賛されました。 「戦争と平和」はそのトルストイが、幼年時代から続けていた日記も止め、図書館が一つ建つくらいの膨大な文献を渉猟し、文字通り天才が心血を注いだ作品です。登場人物は五百数十人にも及び、そのどの人物にもトルストイ自身の血が通っています。 ナポレオンの凡人性を暴き、どの人物の心の中にも [続きを読む]
  • 自作詩 夜のかけら
  • 深海のように夜は更けていく 打ち砕かれた希望 喉を締め付ける怒り 夜の水圧は高まる ベッドの中で 一人 心臓の鼓動は早くなる 砕かれた磁石のように方向を見失った意思 それでもおずおずと動き出そうとする感覚 深海に住む生物が自らを発光させるように 闇を見つめようとする目 家具がピシンと鳴る 全身が一時に電流を帯びたように痺れ 絶え入るように静まって行く 虫の声が聞こえる どこからか 風が流れてくる [続きを読む]
  • 「基督信徒の慰め」内村鑑三 <感動の書>
  • 内村鑑三は、明治期を代表するプロテスタントのキリスト教徒です。内村は日本史にも登場する「不敬事件」で当時の社会から指弾を受け、内村の家は投石され、妻はその心痛に耐えかね病死します。 この書は、その内村独自の人生経験から生まれました。「艱難を受けそれを耐え忍ぶ者は、すでにして基督教徒である。」という言葉は、この書を読む者の肺腑を衝かずにはいません。内村の異常な精神力と繊細な感受性とが溶け合った本書は [続きを読む]