神山美夏 さん プロフィール

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神山美夏さん: 腐女子の小説部屋
ハンドル名神山美夏 さん
ブログタイトル腐女子の小説部屋
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/yobikou_kankeisya
サイト紹介文創作BL小説を書いています。諸事情のため『腐女子の小部屋』から引っ越しました。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供459回 / 138日(平均23.3回/週) - 参加 2017/04/05 10:09

神山美夏 さんのブログ記事

  • 気分は下剋上 ジャズナイト 7
  • 「それは私も同じだ……祐樹の容姿も精神も含めて愛している」 祐樹が買った綿菓子を受け取ってリンゴ飴と二つ一緒に器用に持った――長い指と良くしなる指の力の賜物だろう――彼は、縁日の賑やかな電飾ではなくジャズナイト用に幾分明かりを落とした庭園をバックに端正で怜悧ながらも心の底から楽しそうに微笑んでいて、見ている祐樹もジャズの音楽よりも心が浮き立つような、そして落ち着いていながらも慌ただしいような不思議 [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫177
  • 「聡の極上の花園の門が私を求めてしとけなく開いていたなら、そして白い真珠の粒を零していたら、話は別です。 ここも……」 祐樹の右手が伸ばされて熱く尖った胸に近付いてくるだけで頭が薔薇色の毒に浸されたように痺れた。「あっ…ゆ……祐樹っ……ダメだっ……」 側面だけをごく小さな円を描く微細で精緻な動きにもルビー色の花火の小さな爆発が頭の中で起こって背筋を撓らせてしまう。「こんなに愛らしく可憐な煌めきも、 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>150
  • 「田中先生お久し振りですわね。紅茶しかないのですが……」 長岡先生の部屋は――彼女の自宅マンションのようにカオスとかラビリンスとしか表現出来ない滅茶苦茶さは流石になかったが――それでも几帳面な最愛の彼なら絶対に片づけたくなる衝動に駆られるだろうし、祐樹はそれほどでもなかったが乱雑過ぎて落ち着かない気分にはなってしまう場所だった。「いえ、お気遣いなく。手土産代わりにそこの自販機で紅茶とコーヒーを買っ [続きを読む]
  • 気分は下剋上 ジャズナイト 6
  • 「大丈夫だ。綿菓子もいつか食べたかったものだから……。ただ、子供の頃にワガママを言う機会を永遠に逸してしまって、大人に成らざるを得なかったし……。ただ私も祐樹と同じで……異性に……興味が持てないにも関わらず、一度は結婚というか婿に入るという決断をしたことが有って……。普通に子供を作れるかどうかは全く分からなかったが……色々な医学的方法もあるだろう?その程度のことは高校の時から知っていたが所詮は素人 [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫176
  •  祐樹が重厚さをシックな感じが和らげている木材の部屋のドアのキーを紙袋を持ったまま器用に開けて「やっと」二人きりの空間に戻って来た感じ――時間にすればそれほど経ってはいないものの、「ローマの休日」ごっこの濃厚な愛の時間を過ごしたせいで何だか遥かな時間と空間を経たような不思議な気分になった。 閉じられたドアに背中を預ける形で祐樹の唇が自分の唇に重ねられてしっかりと絡み合うのが嬉しくて唇の合わせ目を開 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>149
  •  数回のコール音がした後に電話が繋がったので「井伊玲子様でいらっしゃいますか?」と聞いてみた。『はい、左様でございます』 僅かに関西なまりは残っているものの、森技官が口ゲンカモードに入った時のように――男女の言葉の相違は当然あるものの――東京の山の手言葉といった感じだった。長岡先生も同じようなアクセントだったが、心筋梗塞で病院搬送というウソは確定したので長岡先生に会う必要は消滅した感じだったが、医 [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫175
  • 「ゆ……祐樹っ。ああっ……ルビー色の……大輪っ……花火が……弾けてっ……火花をっ…散らしっ……続けてっ」 祐樹の広い背中に胸の尖り――汗の雫で貼りついたコットンの重みすら悦楽に変わってしまう――を更に大きく円を描いて淫らで背徳的な動きは止まらなかったものの、一番恐れていた下半身の弾ける気配はしなかったのを1%程度に縮小した理性が教えてくれた。 ただ、胸の尖りと同じ色の紅い花火が次々と頭の中に爆ぜて [続きを読む]
  • 気分は下剋上 ジャズナイト 5
  • 「一つ下さい。あ、ついでにウーロン茶を二つ……ウーロン茶で構いませんか?」 屋台の人に注文を出しながら背後に佇んでいる最愛の人の方へと視線を向けた。 彼は伸び上がって屋台を楽しそうに眺めていた。「え?何だって?」 ジャズの軽快な音楽が「ハレの日」というか非日常の空間を嫋々とした楽器や歌声で切なく甘く染めていく。国立博物館の壮大で由緒のある建物と相俟って何だか外国に来たみたいな感じだった。「ウーロン [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>148
  • 「返信拝読致しました。当病院では有るまじき事態だと深く憂慮すると共に、私も出来るだけのことは致します。ただ、病院長との面会は来週の火曜日しか空き時間がなく、その時間に決定せざるを得なかったことを深くお詫び致します          内田」 短文のみのメールからは病院改革に努めている内田教授の怒りが伝わってくる。 祐樹最愛の彼とは異なって、教授職繋がりとかその他の人脈の広さとかを開拓する努力などは内 [続きを読む]
  • 気分は下剋上 ジャズナイト 4
  • 「あ、祐樹。これも持って行く」 彼の細く長い指が最近購入したデジタルカメラを大切そうに掴んでいる。「良いですね。プリントアウトして母に送って下さい。データはもちろん保存して……」 実の息子からの電話よりも、その良く出来た恋人からの手紙や電話の方をことさら喜ぶ祐樹の母のことは、最愛の彼も物凄く大切に思ってくれているのは嬉しい限りだ。 それに普段とは異なる恰好をした二人の幸せな姿を写真に収めて送るとそ [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫174
  • 「大丈夫ですよ。傍目には観光客が乱暴な自転車の乗り方をして、それを怖がっているようにしか見えませんから。 聡にとっては甘い嬌声でも、通りすがりの人はそんなことまで分からずに単なる悲鳴のようにしか聞こえませんし、ね。 ただ、背中に当たっている感触をもっと感じさせて下さい。上下に揺れる重なった身体といい、何だか公衆の面前で愛の交歓を交わしているようで素敵です。 そのエンディングが最高に愛し合っている私 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>147
  • 「えっ……そんな……。田中先生だけが頼りなのです……。本当は柏木先生なんかじゃなくて……田中先生直々の恋愛ご指南を、って……痛っ」 柏木先生が溜まりかねたような表情で手近の有ったと思しき論文集――最新の医師の研究成果を報告したかなり分厚い上に装丁もしっかり施されている豪華なモノだ――の角で頭を叩くと良く熟れた美味しそうなスイカのような音と共に久米先生の悲鳴が医局に響き渡って、事情を薄々知っていると [続きを読む]
  • 気分は下剋上 ジャスナイト 3
  • 「祐樹は前髪に少し手を加えるとさらに格好の良さが上がるな……。それに理知的な感じも際立つし。 患者さんの前でもそうすれば良いのに……」 土曜日の午後というのは二人にとって一番寛げる時間だった。そんな宝石のように貴重で甘い時間の後に彼のムースを借りてごく少しだけだが雰囲気を変えてみた。 祐樹が定時上がりの平日の夜――最愛の彼は教授職の特権を活かして患者さんの容態が著しく悪化しない限りは定時に帰宅出来 [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫173
  • 「こういうのも『ローマの休日』ごっこっぽくて……宜しいかと思いまして」 祐樹が自転車を押して自分の方へと歩み寄ってきた。目を酷使する仕事に就きながらも視力は何故か落ちずにいたので祐樹が支払ったのは福沢諭吉のお札二枚分なのを見ていたが、まさか自転車を通りすがりの若者から買うとは思いも寄らなかったので、驚きに目を見開いたまま声も出なかった。「…………それはとても楽しそうだが、ホテルまでそれで移動出来る [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>146
  • 「そうですね。もう、秩序も何もない状態ですよね。あの体たらくでは例の研修医が好き放題に跳梁跋扈する温床にしかなりませんね」 柏木先生も盛大なため息をつきながら思いっきり同意のような表情を浮かべている。「田中先生から依頼の有った件、いやかなりどうでも良い久米先生の方じゃなく、か……教授の件な、医局のシフト表を吟味して二人は必ず付くように、相手を選んでどの程度打ち明けるかはキチンと考えておくのは当たり [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫172
  • 「それは愉しみですね。ホテルの部屋に帰ったら、先ずはそのチェーンだけを身に着けた貴方を堪能させて下さいね。 それまでは『ローマの休日』ごっこを楽しみましょう」 祐樹が極上の笑みを浮かべて自分の隣に置いた宝石店の紙袋と自分の目を交互に見ている。絡まる視線からは「未だ」祐樹の怪我の痛みの気配は診て取れなかったが。時間の問題だろう、バーガー店で思いのほか楽しい会話を楽しんだので時計を見たら――脳内の時計 [続きを読む]
  • 気分は下剋上 ジャズナイト 2
  • 「今週の土曜日の夕方なのですが、国立博物館の庭園で開催される『ジャズナイト』に一緒に参りませんか?」 彼の最高に美味な夕食で胃も心も満たした後に、リビングへと移動してコーヒーを味わいながら誘ってみた。 医局で書類作成の仕事を終えた後にネットで調べてみたところ結構大規模な催しで、屋台も多数出店されることは確認済みだった。「ジャズか……アメリカ時代には同僚と聞きに行ったので私にはとても懐かしい音楽だが [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>145
  •  最愛の人の――何だかそこだけが涼しげな風が吹いているような――真っ直ぐに伸びた姿勢の良い姿とか颯爽とした足の運びのリズムの良さなどを心の中のカメラに収めてから通話ボタンを押した。『こんな時間に、しかも度々申し訳ありません』 電話越しの岡田看護師の声と共に風と思しき音がしているので、非常口の外階段からでも掛けて来ているのだろう。普通は施錠してあるハズだが、彼女は機転が効くタイプだし先輩の看護師達の [続きを読む]
  • 気分は下剋上  ジャズナイト 1
  • この話は前ブログで途中まで書いていて、しかも書庫設定を間違ってしまい「大変探しにくい」との声もあった物語の続きで、時系列的には「ドライブデート」の後、「夏」の前になります。再掲ですが続きは書きますので宜しくお願い致します「田中先生、お願いがあるのだが?」 柏木先生が医局で事務作業をしていた祐樹のデスクの方へとツカツカと歩んできた。「何ですか?救急救命室勤務を替われとかなら久米先生に振って下さいね」 [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫171
  • 「もう離脱してしまったので無理ですが、北教授がアメリカの学会から帰国することが出来なくて、最後までメインロビーを使った救急医療の現場の指揮官だったらお疲れ様のパーティを開けましたが……。まあ今頃気付いても後の祭りですし、厳密に言えばウチの医局員ばかりではなかったですし、その上手術室のメンバーとか、普段の半分以下の人数で通常業務を恙なく行ってくれた人たちから不満の声も上がりそうですが、ね」 祐樹の指 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>144
  •  普段よりも強い力で指の付け根まで絡み合わせて廊下を歩んで、部屋の玄関前で触れるだけの「行ってらっしゃい」キスも情熱的に交わした。 白皙の顔が薄紅色の花を咲かせたように綺麗な笑みを浮かべている。 マンション内は当然空調が快適な温度を保っているものの、徒歩数分とはいえ職場までの通勤路は盆地の内部に有る京都特有の高い温度と湿度に晒されてしまうので多少顔が紅くなっていても職場の人間は何とも思わないだろう [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫170
  • 「油分が女性のリップグロスのように唇を彩ってとても綺麗ですね」 女性が実際に使うリップグロスの具体的な形状は知らないし興味も全くなかったが和訳すればどういうものかは大体分かる。 それに祐樹の凛々しく引き締まった唇に同じような感想を抱いていただけに同じように思っていること自体が嬉しいし、祐樹に褒めて貰うのは世界中の誰に褒めて貰えることよりも心が薔薇色に弾んでしまう。「そうか?ああ、最後までダブルチー [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>143
  • 「祐樹……何があったとしても……心の底から……信じているし……愛しているので……。そのことだけは忘れないで欲しい。 そして、私に出来ることが有れば、公私共々何でも言って貰って構わない」 揺るぎない無垢な煌めきを帯びた瞳の光りが真っ直ぐに祐樹へと向けられているのを見つめ返しながら、最愛の人のひたむきさと真剣みを帯びた透徹な眼差しや、戸惑いに震えるやや薄い唇に――全く悪意はなかったし専門家でもある呉先 [続きを読む]
  • 気分は下剋上≪震災編≫169
  • 「森技官?彼は何だか高級なレストランとか銀座の一流の店とかが似合いそうだが。呉先生は、このフィズの味も気に入ってくれるだろうが」 あまり金銭的に恵まれていなかった大学生時代までは――病院の跡取りの養子に入って愛のない結婚をするという境遇を受け入れざるを得なかったし、それでも当時の今は亡き元婚約者のことは大切にしようと思ってはいたものの、それでもなお遠慮が有ったのも事実だったので必要最低限の生活支援 [続きを読む]
  • 「気分は、下剋上」<夏>142
  • 「そうですね。体調不良というのは最も情けないので避けて戴ければと思いますが『某医局の厚労省監査にウチの医局を代表して要請されたのでやむを得ず』とでも言って貰えれば幸いです」 体調管理も仕事のウチだし、激務が当たり前の病院内ですら「最も激務をこなしている」とウワサになっている祐樹自身の評判は落としたくないし、医局長の柏木先生に――彼の信頼度に応じてどう話すかは自ずと違うだろうが――井藤とかいう狂気の [続きを読む]