西 千石 さん プロフィール

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西 千石さん: 西 千石 ショートショート
ハンドル名西 千石 さん
ブログタイトル西 千石 ショートショート
ブログURLhttp://ameblo.jp/skunk5000/
サイト紹介文ショートショート物語、原稿用紙5枚完結を 1枚分ずつアップします。どうぞお楽しみ下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供15回 / 14日(平均7.5回/週) - 参加 2017/04/10 14:58

西 千石 さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 運ぶ転柿 第4回
  • 「泣いて許されるもんじゃないぞ」先生は、そう僕に言った。僕はさらに涙が止まらなくなって、しまいにはしゃっくりが出始めた。 「もういい。今後はこういうことがないように」 それでお終いだった。 給食の時間になり、僕は必死に食べ物を腹に詰め込んだ。 帰り道、僕はすでにお腹が空いていた。明日の給食の時間まで、こらえなければならないと思うと遣り切れない思いになった。 転柿の甘い香りが漂っ [続きを読む]
  • 運ぶ転柿 第3回
  • 僕が学校につくと、黒板に (泥棒野郎が教室にいる) と大きく書かれてあった。みんなの 冷たい視線が僕に集まる。 「クックックッ」 多田が、こらえきれずに笑い出した。 僕は頭にきて、唾を飛ばしながら思 い切り怒鳴り散らした。 「金持ちのお前に何がわかる」 多田はそれでも笑うのをやめなかった。 僕の大きな怒鳴り声を聞いて、先生達が何事かと駆けつけてきた。 そ [続きを読む]
  • 運ぶ転柿 第2回
  • 僕はポケットの上から転柿を触り、小躍りした。両手を握りしめて、上に高く上げ下げして足を左右交互に踏み鳴らし、回転しながら舞った。僕は息を急き切って家へと帰った。 翌日もまた転柿が吊るしてある家のところまでいって、誰もいないか辺りを見回して、木製の塀をよじ登った。これもまた上手くいって、転柿をポケットに入れた瞬間、後ろから多田の声が聞こえてきた。「みたぞ」多田は不気味な笑みを浮かべて、そのまま学 [続きを読む]
  • 運ぶ転柿 初回
  • 僕の家は貧乏で朝と夕は飯はない。御飯にありつけるのは給食の時だけで、それが唯一の楽しみだった。学校で腹が減り、グーっと音が鳴る度に、みんなからからかわれた。給食は残さず食べた。平気で嫌いだからといって残している人をみると落ち込んだ。学校が終わり、僕は一人で帰路についた。石ころを蹴りながら、少しずつ前へと進んでいった。交差点の少し手前あたりで、ほのかに甘い香りが鼻についた。僕は辺りを見回した。すると [続きを読む]
  • 次回作を楽しむための「転柿」の紹介
  • 転柿と書いて、ころがき、と読みます。 渋柿の皮をむいて、乾燥させたもので非常に甘いものです。 干し柿と同じです。 なぜ、干し柿にしなかったのか。 使われていない日本語を使いたい。 それだけです。言葉の命を大切にしたい。 そういった思いから、転柿という言葉を題材に書いてみました。 拙い物語ですが、楽しんでいただけたなら幸いです。 にほんブログ村 [続きを読む]
  • 桐の悲しみ 最終回
  • 「わざわざいらっしゃって下さりありがとうございます」僕はとっさに気の利いた言葉がみつからず「こちらこそ」と一言だけ言って軽くお辞儀した。3人がソファーに座ると、お手伝いさんが紅茶を出してくれた。「尚美とのお付き合いのことだけど」「はい」いきなり話は核心に迫った。「尚美はどう思うの?」「私は恋もいいけど、他にやるべきことが、大切なものがあると思うわ。だからあなたには悪いけど」その後は思い出したくなか [続きを読む]
  • 桐の悲しみ 第4回
  • 学校が終わり、僕は尚美の家へと向かった。昨日、地図と住所が書かれた紙を渡されて、それを手にしながら歩いて行った。長いコンクリート製の壁面に囲まれた、大きな屋敷が目に飛び込んできて、すぐにそれが尚美の家だろうと見当がついた。大きな門は木製の扉がついていて、それは重苦しく閉じていた。右手の方に小さくインターホンが設置されていて、僕は覚悟を決めてそれを押した。「はい」それは尚美の声だったが、いつも会う時 [続きを読む]
  • 桐の悲しみ 第3回
  • 桐の葉を見ていたら、とても悲しい気分になって、そうしたら桐の葉も少しだけ下を向いた。歩いている地面が僕の足を跳ね上げるように軽くなった。尚美が川辺で座っていた。僕は尚美を驚かしてやろうと隠れながら足音をたてずに近づいていった。「私、びっくりなんかしないんだから」僕が尚美の後ろまでいくと、尚美は前を向いたままそう言って、少し笑った。また空が橙色に染まってきた。もうそろそろお別れの時間だ。「今度、母さ [続きを読む]
  • 桐の悲しみ 第2回
  • 僕は尚美が愛おしくてたまらなかった。思い出すだけで胸が痛くなる。なんとしてでも結婚したい、一緒に家族をつくっていきたいと思っている。諦めなければ思いは叶う。そう信じようと思った。しかし、尚美の母さんが許すだろうか。貧乏で学歴のない僕を受け入れてくれる可能性は低そうだ。でも、尚美の母さんが学歴や家柄で判断するとは限らない。今度、あいさつにいって、僕の気持ちを打ち明けてみようと思った。「御飯が進まない [続きを読む]
  • 桐の悲しみ 初回
  • 川の岸辺に僕と尚美は座っている。僕は尚美の右側にいて、左手を差し伸べた。尚美も黙って右手を差し出して、両手を繋いだ。橙色の夕日が沈みかかっている。人々は足早に家路についている。僕は両手を強く握りしめ、静かに息を整えた。心臓は激しく鼓動している。「じゃあ、そろそろ帰ろうかしら」聞きなれた、しかし何回聞いても死刑宣告を受けるような気持ちになる言葉だった。「もう少し」「でも、帰んなきゃ。母さんが」尚美の [続きを読む]
  • 殴りたい規律 最終回
  • 会場は一気に静まり返り、やがてヒソヒソと僕を見て話始めた。僕はそんな周囲の様子を腹を立てながら見回した。そこへ、尚美がこちらへ向かって歩いてきた。「どうしたの?」尚美は耳元で囁いてきた。「気持ち悪いんだよ」僕はトレードされた野球選手の気持ちがわかるような気がした。尚美は首を振って「ここでは必要なのは思いやり。後は守る規律も何もないわ」思いやり。それがない人間は村八分という訳だ。守るべき規律がある時 [続きを読む]
  • 殴りたい規律 No,4
  • 駅に着いて降りると尚美も後ろからついてきた。「友達と待ち合わせしてるからここで」僕がそう言うと尚美は笑顔で「あら、同じVIVAじゃない。いいでしょ、どうせ会合で一緒になるんだし」僕はそれもそうかと思い尚美と一緒に友人の所へと向かった。友人と尚美は、すぐに打ち解けた。僕だけジーンズにTシャツだった。会場に着くと、やはりみんなスーツ姿だった。僕は、ある種に異様な雰囲気を感じとった。おどろおどろしいといって [続きを読む]
  • 殴りたい規律 No,3
  • 「・・・そうなんだ」僕は嫌な予感がした。「なんて会合?」「VIVAだよ」案の定だった。僕は深く息を吸い込み、暫く様子をみることにした。話しかけられないよう目をつぶり、下を向いて寝るふりをした。すいた電車は都心の方へと向かっていく。停車のアナウンスが流れ、人が乗り降りしていった。待ち合わせの駅のアナウンスが流れ、僕は恐る恐る目をあけた。顔を上げると尚美がこちらを見ていた。「もしかして、あなたもVIVA?」僕 [続きを読む]
  • 殴りたい規律 No,2
  • 友人からメールがきた。そして、彼と待ち合わせをして、家をでた。靴を履いて玄関を出ると、午前中にもかかわらず蒸し暑さが肌にへばりついてきた。駅まで一歩一歩近づくにつれて不安が込み上げてきた。切符を買い、電車に乗った。通勤時間がすぎていたからかガラガラだった。僕は座席に腰かけながら中吊り広告を眺めた。「ねぇ、もしかして」その声に振り向くと懐かしい顔があり、すぐ尚美とわかった。別れて5年にはなるだろうか [続きを読む]
  • 殴りたい規律 No,1
  • 目が覚めると、僕は布団から起き上がり、コップにコーヒーを入れて煙草を2本吸った。今日の予定が頭を駆け巡る。僕は居間に歩いて行ってラジオをつけた。あいかわらずのニュースが流れている。時折いかした音楽も流れてくる。カレンダーの早見表に目をやる。今日は、(VIVA)という会合に出席しなければならない。胡散臭そうな会合だとは思ったが、友人のしつこい誘いに断りきれなかった。僕は自分以外は信じない。科学でさえも信 [続きを読む]
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