yuko さん プロフィール

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yukoさん: 実が落ちる前に
ハンドル名yuko さん
ブログタイトル実が落ちる前に
ブログURLhttp://yukonoguchi.hatenablog.com/
サイト紹介文自作小説を載せるブログです。推理小説を書いています。
自由文現在は「御枷島(おとぎじま)」という小説を書いています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供56回 / 20日(平均19.6回/週) - 参加 2017/05/06 18:18

yuko さんのブログ記事

  • 400字詰め原稿用紙換算、数え方は?
  • 新人賞に応募するとき、いつも「原稿用紙換算の数え方」で悩みます。特に、自分の原稿が応募要項の枚数規定ぎりぎりだったとき。さあ、どうしましょう(´・ω・`)ということで、今回は原稿用紙換算の数え方について調べてみました。原稿用紙換算で考えられる計算方法は以下の3つです。①字数を400で割る②400字詰め原稿用紙と同じ20字×20行に設定したときの枚数③30字×40行→400字詰め原稿用紙3枚とみなして計算(40字×40行な [続きを読む]
  • 水虫(/ω\)と思ったら、水虫ではなかった件
  • 水虫の季節ですね。サンダルを履くついでに足の裏を見たとき、戦慄が走った方もいるのでは?実は私もその一人(;´・ω・)先週だったかな、久しぶりに自分の足の裏を見たとき、指の皮膚が剥けていたのです。まじか( ゚Д゚)と、しばらくショックから立ち直れませんでした(笑)ちなみにこんな感じで皮膚が剥けていました。指と指の間じゃなくて、指の腹(足でも腹っていうのかな?)の皮が剥けていました。かゆみはなく、ジュクジュク [続きを読む]
  • 新人賞応募、原稿を送るのはレターパックライト?クリックポスト?
  • ここ3、4年……4、5年?は忙しくて小説を書く余裕がなく、新人賞にも送っていないのですが、新人賞に応募していた頃は、レターパックライトで送っていました。追跡機能があるし、定型外郵便よりも安いので。で、久しぶりに小説を書きつつ、ふと思ったこと……今だったら、どの方法で送るのがいいのだろう。気になったので、ちょっと調べてみました。私は鉄道はJR、電話はNTT、テレビはNHKが安心という人なので、原稿を送 [続きを読む]
  • エピローグ② 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  • 「あのお守り、悠太朗さんのものじゃないよね」  香はぎくっと目を見開いてから、「えっ?」とごまかすように笑う。「香が埋めたこと、私、気付いていたよ」 あの場で祖母に告げなかったことは紗江の取り返しのつかないミスだが、気付いていたことは事実だ。「だって、事件の日の夕方、私、悠太朗さんからお守りをもらったもの。だから、三神島に悠太朗さんのお守りが落ちるわけがない」 香は腑に落ちたけど、納得できないとい [続きを読む]
  • エピローグ① 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  • 「香が島を出て行けって言ったのは」 紗江が話しかけると、香は仏壇からゆっくりと振り向いた。正座を崩し、胡坐に座りなおす。このシーンは前にも一度見たような気がしたが、もう遠い昔のように思えた。 紗江はまだ慣れないショートカットの後ろ髪に手をやった。うなじを風が撫でる。「こうなることが分かっていたから。だから私に強くなれって言ったのね」 それは香の優しさと受け止めるべきなのだろう。素直に頷く気にはなれ [続きを読む]
  • 過去⑨ 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  警察署の敷地を出たところで恵理と会う。恵理は長いコートを着て、それでも肌寒そうに腕を身体に巻いている。「聞いたよ」 恵理はそう言った。「俺も今、聞いてきたところ」 今朝、紫の遺体が見つかった、駅から道路に下りる階段の一番下で。「早く言ってよ」「何を?」「お前が殺したのかって」「そっちこそ」 恵理はコートの立てた襟に顎を埋めた。頷いたのかもしれないが、香には恵理の気持ちは分からない。「葬式二件も大 [続きを読む]
  • 現在⑨−2 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  • 「じいちゃんとばあちゃんはどちらもAB型、二人の息子にO型の子供が生まれるはずがない。息子の奥さんの血液型が何であろうと」 香はベッドの上であぐらになって、紗江の言葉を聞いている。紗江が言い終わると、彼は薄い入院着の肩を竦めた。 窓の外は明るい。まだ一日が終わらないことが紗江には不思議だった。昨日救急車の香と一緒に病院に来てからもう何日も経ったような気がする。 紗江は香の横顔に視線を戻した。青ざめ [続きを読む]
  • 現在⑨−1 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  緊急手術が終わったのは夜中だった。  祖母は警察に連れて行かれた。 紗江が頼めば、香は祖母を許してくれたかもしれない。だが香の怪我は事故とは説明できないものだった。紗江は警察の事情聴取に真実を話すしかなかった。 香が手術室から病室に運ばれたのを見届けてから、紗江は病室のソファで仮眠をとった。 朝、フェリーで島に帰った。 フェリーを下りたときから紗江は違和感を覚えていた。 初めて見たような気がした [続きを読む]
  • 過去⑧ 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  聞き慣れた音がすっぽり抜け落ちた部屋の中で、香は自分の呼吸の音だけを聞いていた。 夜は深まり、もう朝が近い。 香は武朗のベッドを背にして、床にあぐらで座っている。座っている? いや、へたり込んだまま、立ち上がれないでいる。 素足の指先に手をやる。青紫色の指先は氷のように冷たい。血が通っていないようだ。 少し手を伸ばせば煙草とライターに手が届く。しかし、その気力も今の香には残っていなかった。 脱力 [続きを読む]
  • 現在⑧ 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  夕方、家の前を香が通りかかった。警察からの帰りだ。紗江は走って彼を追いかける。紗江に気付くと、彼は立ち止まり、紗江が追いつくのを待ってくれた。「警察はどうだった?」「こってり絞られた」 香は情けなさそうな顔をして言った。「香、酒臭い」「二日酔い。今朝から頭はがんがんするし、警察は耳元でぎゃんぎゃん言うし」「でも、もう夕方よ。昨日、どんだけ飲んだのよ」「途中から記憶がないな。あの、底なしじじいに付 [続きを読む]
  • 過去⑦ 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  武朗の上でだけ時間が止まっているような気がしている。最近は発作は起きていない。目に見えて衰えもせず、弱ることもなく、新たなしわやシミが増えるわけでもない。 この男は、このままこの先何年、何十年、もしかしたら永遠に生き続けるのではなかろうかと思う。生きているのか死んでいるのか分からない姿を保ちながら、決して朽ちることはない。 香は武朗の部屋で夜を過ごす。そうすると、二時間おきに自然と目が覚める。く [続きを読む]
  • 現在⑦−5 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  法事の翌日、紗江はいつもよりも遅く起きた。昨晩は、体は疲れて切っているのに、脳みそは興奮したまま、そのギャップでなかなか寝付けなかったのだ。 紗江は起きた後も、しばらくベッドの上でぼーっとしていた。今朝は血圧も上がらない。火事以降、非日常的な出来事続きで、普段、十年一日のごとく平坦な毎日を送っている紗江の心身は疲れきっていたのだ。 顔を洗って、キッチンへ。両親の姿はもうない。代わりに、どこからや [続きを読む]
  • 現在⑦−4 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  • 「三神島に?」 香は訝しそうに眉をひそめた。「この前、忘れものでもしたの?」 とぼけているのか、それとも、本気なのか。夜の暗闇、外灯の明かりだけでは香の表情まで見極めることができない。「おばあちゃんが埋まっているかもしれないと思って」 表情は分からなくても、息遣いはわかる。それに足の運びも。香はすっと息をのんだ。そして、立ち止まった。「翔平と一緒に掘ってみた」「それで?」と先を促す香の声はかたい。 [続きを読む]
  • 現在⑦−3 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  明日は武朗の四十九日である。 隣家の女達が本家に集まって料理の支度をする。最近では島でも弁当の仕出しを頼むことが多いが、はっすんと白和えは隣家が作ることになっている。 紗江も朝から大忙しだった。井戸端でごぼうとれんこんの土をたわしで落とす。ゴムの長靴に跳ねた泥がつく。若手の紗江が水仕事をすることになっていた。今日はあいにくの天気で、曇り空の下での水仕事は身体にこたえるし昨日までの片付けからの今日 [続きを読む]
  • 現在⑦−2 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  三神島の様子は先日と全く変わらない。陽射しの向きが違うだけ、墓の影を紗江は踏んだ。 翔平が島の用具入れかシャベルを二本持ってきた。先日、香が言っていたシャベル、香の言った通り用具入れに入っていた。香はこのシャベルがあることも知っていた。この島に上がる前から、掘る気満々だったということはたしかだ。でもなぜ?「沖田のおっさん以外の誰かに訊いたか」 それなら、どうして香は沖田の名前を出したのか。「もし [続きを読む]
  • 現在⑦−1 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  火事から一夜明けてみると、燃えたのは蔵だけで母屋は無事だったことが分かった。現場検証が続いているということで、まだ焼け跡の片付けはできない。「おじいちゃんの四十九日は延期かね?」 紗江は不謹慎とは思いつつも、期待を込めて言った。四十九日をしないうちは香は島から出て行けない。 母親は首を傾げてから、「そうはならんじゃろ。母屋は無事だし、隣家さんにはもう頼んどるし。今日は何曜日……火曜日じゃろ。週末 [続きを読む]
  • 過去⑥−2 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  • 「彼女も流産したの? 私と同じように。それとも中絶させたの?」 閉じた瞼の裏に赤い世界が広がる。 あの夜も彼女は自分の部屋に鍵をかけていた。一つ屋根の下で暮らす性欲満載の男を自分の部屋に忍び込ませないために。当時、香は高校二年生、彼女はまだ中学生、従妹はたしか妹とおない年だった。 夜中、家に火がついた。 祖母以外の家族は二階に寝ていた。焦げた臭いに気付いた香は廊下に出た。叔父と叔母も寝室から飛び出 [続きを読む]
  • 過去⑥−1 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  年が明けて九日、恵理は防府天満宮の駐車場に車をとめた。香はシートベルトを外して、助手席から外に出る。 頬に一月の冷たい風が突き刺さる。香は風でほどけるマフラーを巻き直す。 顔にぺしんとマフラーが当たる。またほどけたのかと思ったが、今度のマフラーは恵理のそれだった。香は恵理のマフラーの両端を恵理の項で縛った。 年末年始はヘルパーを頼めなかったから、初詣が今日まで伸びた。今日は割り増し料金でいつもよ [続きを読む]
  • 現在⑥−3 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  紗江は黒い船の上で揺れていた。 海は黒い。夜なのだ。船尾の向こうに陸地の大きな影が見える。あの形は紗江が住んでいる島の影ではない。紗江は船首の方に歩いた。「紗江」 自分を呼ぶ声に紗江は辺りを見回した。船の上にいるのは紗江だけだ。 まさかと思って船の手すりに駆け寄る。上半身を海にのり出しながら、黒い海面を見下ろすと、そこだけスポットライトが当たったようにきらきらと光っていた。 紗江を呼んでいたのは [続きを読む]
  • 現在⑥−2 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  • 「どうして相続放棄してくれんの」 香は縁側で猫にえさをやりながら、うるさそうに耳の横で手のひらをひらひらと降った。香がさっきからえさにしているのは昔ここで飼っていた鯉のえさだ。もう二十年も昔のえさだが、野良猫はありがたがって食べている。「自分の懐に入る金をみすみす見逃す人間がいるか」「お金に困っているわけじゃないくせに、こっちの分までとるんだ」「その台詞、そっくりそのまま、そちらにお返しするよ」  [続きを読む]
  • 現在⑥−1 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  • 「紗江」 父親に話しかけられて、紗江は思わず箸を置いた。朝食の席だ。「香は今日は何をするんじゃろ」「さあ」「知らんのんか。仲がええようじゃけえ、てっきり知っとるんかと思った」 紗江は父親の言わんとしていることが分からず、困惑する。「できとるんか」 父親の目がじっと紗江を見つめる。紗江は慌てて否定した。「そんなわけないじゃん」「そうか」 父は「それがいい」とも「それは残念だ」とも言わなかった。「香に [続きを読む]
  • 過去⑤ 御枷島(おとぎじま)野口歩 ブログ小説web小説
  •  田中寿子はきびきびとした動きで、武朗の体温や血圧をはかったり、痰の吸入器の操作をしたり……香はその様子を彼女の後ろからぼんやりと眺めていた。 寿子が武朗の体を拭き始めても、香はぼんやり眺めるだけ、手伝った方がよいかという考えも浮かんだが、かえって足を引っ張りそうだったからやめた。香には、自分が出しゃばって事態が好転したという経験がない。あるのは、「俺さえいなけりゃなあ」という後悔と居たたまれない [続きを読む]