篠坂弦 さん プロフィール

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篠坂弦さん: 篠坂弦の小説ブログ
ハンドル名篠坂弦 さん
ブログタイトル篠坂弦の小説ブログ
ブログURLhttps://shinosakanovel.muragon.com/
サイト紹介文小説「直」を書いてます。高校2年生の元気な主人公「直」が吹奏楽部の活動を中心に成長していく物語です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供39回 / 108日(平均2.5回/週) - 参加 2017/05/09 15:48

篠坂弦 さんのブログ記事

  • ブログを引っ越します。
  • いつも「直〜なお〜」をお読みいただきありがとうございます。 さてこの度、ブログをアメブロに移すことにいたしました。 ここのブログでは33回まで連載していますが、引越し先ではまだ移動中です。 近いうちに全て移動を終える予定です。そのあとここも閉鎖する予定です。 今後とも変わらぬご愛読をよろしくおねがいします。 篠坂弦 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜 吹奏楽を愛するあなたへ 第33回
  • 8時の集合時間には全員が揃い、チューニングを始めた。 「おはよう!」小林が入ってきた。 「おはようございます!」 本番前の通し練習が始まった。 午前9時半、合奏を終え、小林は話し出した。 「みんな、よくここまで仕上げました。今日まで本当にご苦労様でした。特に三年生、君たちにとっては最後のコンクールになった。泣いても笑っても今日で終わりです。悔いのない演奏をしてください。そして、一、二年生は先輩が恥 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜 吹奏楽を愛するあなたへ 第32回
  • コンクール本番の朝、直は自分でセットした目覚まし時計より早く目が覚めた。いつもなら二度寝するところだが、寝坊の危険を考えると起きざるを得なかった。 「よしっ!」直は自分に気合を入れてベッドから降りた。 「おはよう!」元気よく階段を降りるとすでに食卓には朝食の用意がされていた。目玉焼き、焼いたベーコン、コールスローサラダ、ひじきの煮物、暖かいわかめと豆腐の味噌汁、焼き海苔、そしてピカピカの白いご飯。 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜 吹奏楽を愛するあなたへ 第31回
  • 「ただいま」 直は帰宅して自分の部屋に入ったまま夕食の時間になっても降りてこなかった。 昨日までなら「お腹空いたよう」と急いで降りてくるのだが今日はその気配すらないので、真奈美が心配してドアを開けた。 直は部屋着には着替えていたが、机に向かったままうなだれていた。 「直ちゃん、ご飯よ、どうしたの?」 直の肩が震えていた。よく見ると机の上に涙が落ちていた。 「どうしたの?」 「おかあさん!直、明日が [続きを読む]
  • 直 〜なお〜 吹奏楽を愛するあなたへ 第30回
  • OBが見守る中、コンクール本番1日前の演奏が始まった。 小林はOBが来ているので止めずに最後まで演奏を通した。 課題曲、自由曲を連続して演奏した。本番と同じ形にした。 タクトを下ろした小林が美津の方を向いた。 「武田、時間はどうだ?」美津が腕時計のストップウオッチを見た。 「はい、11分30秒です」 「そうか、30秒余裕あるか、明日もこのテンポでいこう」コンクールには時間制限があり、12分を超える [続きを読む]
  • 直 〜なお〜 吹奏楽を愛するあなたへ 第29回
  • コンクールは翌日になった。 午前中のパート練習を終えて、午後の合奏練習が始まった。 この日は土曜日だったので多くのOBが来た。 直は緊張していた。初めて見る人ばかり、年齢の近そうな人もいれば、父親くらいの人もいた。 小林が来る直前、一人の上品そうな女性が凛の元に来た。 「りんちゃーん!元気だった?いよいよ明日ね、すごい、今年は後輩がいるのね」 「桜先輩、来て頂いてありがとうございます。この子は今年 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第28回
  • 直はあくる日、たくさんのタオルを紙袋に入れて学校に向かった。 真奈美と二人できちんと畳んだタオルだった。 「おはようございます!」いつも以上に元気に部室に入った。 「おはよう!直!もう大丈夫ね」美津と凛が直の顔を見て言った。 「はいっ、本当に申しわけありませんでした。先輩の皆さんが私のために、私の…」 そこからはボロボロ泣いて言葉にならなかった。 「直、あんたは本当に泣き虫だねえ、涙はコンクールが [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第27回
  • 美津と凛が帰ったあと、真奈美は和室で直を目の前に正座させた。 「直」珍しく真奈美は呼び捨てにした。 「あなたは昨日、大事な大事なコンクール直前に熱中症になって救急車まで呼んだわね」 「はい」直は下を向いていた。 「そして小林先生、武田部長、朝倉さんたち部の人たちがあなたを懸命に介抱したから大事にはならなかったのはわかっている?」 「はい、わかっています」 「熱中症になったのは誰のせい?無理やり炎天 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第26回
  • あくる日はすっかり元気になった直だが、美津の命令で休んだ。 コンクール直前で倒れてしまったことでしょげていたが、真奈美が「仕方ないじゃない、この時期ならある事よ。休んだ分は明日取り返すことね」と励ましたので部屋着のままおとなしくすることにした。 それにしてもヒマなので課題曲と自由曲の譜面を見ながら時折吹く真似事をして指使いを確認した。 窓から物干し場を見ると真奈美が大量のタオルを干しているのが見え [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第25回
  • 毎日練習に明け暮れていた直は家に帰るとそのまま2階に上がりベッドに倒れこむようになっていた。夕食も真奈美が呼びに部屋まで入るまで爆睡している。 それでも食欲は旺盛で毎晩ペロリと平らげ、朝も「お腹空いたよう!お母さん」とダダダッと降りてくる毎日。 総司も真奈美も「よくこれだけ食べて太らないな」と半ば呆れ気味で、直に夏バテは無縁に思われた。 そんな直が8月に入ったある日、熱中症で倒れた。 その日は最高 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第24回
  • 後片付けが終わって解散した時、凛が直に声をかけた。 「初めての合奏だったね、どうだった?」 「うーん、自分の音っていうのがほとんど聞こえなかったです」 「ああ、周りの音でね、でもそのうち自分の音も聞こえるようになるわよ、でも本番のホールなんて周りも自分の音も前に飛んじゃうから本当に自分の音も聞こえなくなるよ」 「そうなんだあ」 「明日からまたできていないところ練習しよ、じゃ、お疲れ!」 凛が先に教 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  番外編
  • こんにちは、直です。 いつもこの小説を読んでいただいてありがとうございます。 今日は少し説明が足りないところをお話させてくださいね。 私の通っている高校は「県立第三高等学校」で、もちろん架空の学校です。 作者の篠坂弦がここまでずっと書いてなかったのでどこで読者にわかってもらおうか悩んでいたそうですよ。最初の方の話を今では訂正して初めからわかるようにしたそうです。 ライバル校が県立第二でうちが第三な [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第23回
  • 小節のカウントができずにオロオロしている直のために凛は隣から譜面の小節を指差し数えていた。そして自分たちの出番が近づくとさっと楽器を構えた。直もやっと追いつくようになり合わせて構えた。 木管群の音が重なって行き、思ってもいなかった大きな音の塊が直を包み、時間とともに変化していった。初めて聞くメロディーに直は練習して来たパッセージを必死に吹き続けるのが精一杯だった。冷房の効いている技術室なのに汗が噴 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第22回
  • 7月に入り、コンクール演奏曲の仕上がり具合を確認する最初の合奏練習が始まった。放課後、音出しが終わったパートから技術室に集まった。この教室が広くて合奏に適しているからだった。全員で机を端に寄せて椅子を指揮台を中心に半円形に並べた。後ろに打楽器が配置された。 直は初めての合奏に緊張していた。今まで雨の日以外は中庭でタオルを首にかけスポーツドリンクを飲みながら練習していたのに、今日は冷房の効いた室内。 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第21回
  • 吹奏楽部は41名。一年生6名、二年生18名、三年生17名で文化部では大所帯である。だが歴史は浅く直が入部の時は創部から9年だった。 直と同期の部員はパーカッションの和田音の他にトランペットの碇早苗と真田浩子、クラリネットの木田貴子と高嶋咲で和田以外は全員女子だった。 入部したての頃には凛以外話ができる相手がいなかったが、同期が増えるにつれ自然に会話をするようになっていった。 直は練習が終わるとミー [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第20回
  • 「武田はどう思う?」小林が美津に意見を求めた。ここで美津が同意すれば、リーダー全員の同意があったものとみなされる空気だった。 「確かに、そうかも知れません…」美津が話しかけたその時、凛がそれまでの空気を変えるかのように話し出した。 「先生の言うことはよくわかります。でも、今日まで私たちは1年から3年までみんなひとつになってコンクールを目指してきました。これは創部以来ずっと変わらなかったことです」 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第19回
  • その日の練習が終わった後、顧問の小林涼介の元に部長の武田美津、朝倉凛をはじめパートリーダーが集まった。 「えー!そんなあ、1年生だってコンクールに向けて懸命に練習してますよ!」 部長の美津が小林に噛み付いた。 この日、小林から今年のコンクールは2、3年生だけで編成をし、1年生は出場させないとの方針変更が提案された。 「武田、言うことはわかるよ。だけどな、我が校はこれまでずっと銀賞止まりだったよな。 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第18回
  • 直は課題曲の写譜をしてもそこから曲のイメージなど読めるはずが無かった。単に記号として音符を書き写したに過ぎなかった。ただ教則本をまめにやっていたのでまるっきり吹けないわけでは無かったがそれは音符通りに音を出すことが出来るというレベルだった。 練習が終わって凛が言った。「今日は初めてだから、まだまだだけどそんなものかも知れないわね、でもこのままでいいや、自然に上手くなるだろうなんて思っちゃダメよ。テ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第17回
  • 5月も半ばになり、直はいつものように練習を始めようと中庭の大きなにれの木の下で準備をしていた。凛が直に言った。 「直、今日から課題曲練習してみようか」 直は驚いた。ずっと基礎練ばかりでナーバスになっていたからぱあっと眼の前が広がったようだった。 「ホ、ホントですか?」 「でも練習時間の後半だよ、それまではロングトーンと教則本みっちりやるよ」 「わ、わかりましたあ!頑張ります!」 「それと直は譜面ま [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第16回
  • あくる日、直は部活に行く足が重かった。 思い切ってサボろうかとも思ったが、結局部室のドアを開けていた。 「おはようございます」そこには和田音が立っていた。 「あらら和田くん、おはようございます」 「おはよう、なんだか元気なさそうだね」 「そんなこと…そんなこと…あるよ」 「どうしたんだい?」 凛はまだ来ていなかった。 「和田くんってコンクールの練習はしてるの?」 「打楽器だからね、僕はスネア担当み [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第15回
  • 直は毎日基礎練も頑張っていたが、凛から借りた教則本を順番にやっていくのが日課だった。ただフルートで1年生がひとりなので自分の上達度合いがわからなかった。毎日の練習で凛は決して直をほめなかった。悪い点は指摘してできるまで練習だった。出来ても「はい、次これね」と事務的だった。もっとも凛のクールな性格からすれば「うまーい!出来た出来た!」とほめられる方が気持ち悪そうだった。クラリネットにも1年生がふたり [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第14回
  • 直は帰宅しても上機嫌だった。真奈美が「何かいいことがあったの?」と聞いても「いや、何でもない」とはぐらかしたが全ては顔に出ていた。総司も娘の上機嫌に何やら不気味なものを感じたが詮索するのをやめておいた。 5月になり、吹奏楽部はコンクールに向けての練習に入った。ただし、1年生は基礎練がメインでまだまだ課題曲の練習はさせてもらえなかった。 凛に叱られて写譜をしようと家で白紙に五線を書いていたらそれを真 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第13回
  • 直が入部した1週間あと、もうひとり1年生が入部した。 パーカッションに来た和田音だった。 直は凛から彼のプロフィールを聞いて驚いた。 小学校を卒業後、母と渡米して音楽の英才教育を受けて帰国。ピアノは3歳から。指揮法をみっちり勉強して帰って来たまさに音楽のエリートだった。 「なんでうちみたいな学校に来たのかわかんないわ、普通なら音大附属にいくよね」 凛が不思議そうに言った。直もわからないなりにうなづ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第12回
  • 直はショックだった。まだまだ音階すらおぼつかないのにコンクール出場、ヘタクソだったら補欠と言われて発奮する前に落ち込んでしまった。 重い足取りと気持ちを引きずって家に帰ったが、真奈美に「どうしたの?」と顔色が冴えないのがバレてしまい、直はその一言でぽろぽろ泣きだした。 「学校で何かあったの?」と真奈美が続けて聞くと、堰を切ったように今日あったことを話しだした。 「あのね、直はやっと音が出だしたんだ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第11回
  • 入部してから直は音を出す喜びで毎日が楽しかった。運指も少しづつ慣れて音階らしきものも形になってきた。 凛も自分の練習があるので時々直と離れて個人練習になることもあったが、直は決してサボろうとはしなかった。 凛は練習の鬼と言われるだけあってきつく感じることもあった。しかし初心者の直はそんなものと感じていて、萎縮したりしなかった。ある意味少々鈍感な直にはその方が良かったのかも知れない。 凛は常々言って [続きを読む]