篠坂弦 さん プロフィール

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篠坂弦さん: 篠坂弦の小説ブログ
ハンドル名篠坂弦 さん
ブログタイトル篠坂弦の小説ブログ
ブログURLhttp://shinosakanovel.muragon.com/
サイト紹介文小説「直」を書いてます。高校2年生の元気な主人公「直」が吹奏楽部の活動を中心に成長していく物語です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供27回 / 75日(平均2.5回/週) - 参加 2017/05/09 15:48

篠坂弦 さんのブログ記事

  • 直 〜なお〜  第23回
  • 小節のカウントができずにオロオロしている直のために凛は隣から譜面の小節を指差し数えていた。そして自分たちの出番が近づくとさっと楽器を構えた。直もやっと追いつくようになり合わせて構えた。 木管群の音が重なって行き、思ってもいなかった大きな音の塊が直を包み、時間とともに変化していった。初めて聞くメロディーに直は練習して来たパッセージを必死に吹き続けるのが精一杯だった。冷房の効いている技術室なのに汗が噴 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第22回
  • 7月に入り、コンクール演奏曲の仕上がり具合を確認する最初の合奏練習が始まった。放課後、音出しが終わったパートから技術室に集まった。この教室が広くて合奏に適しているからだった。全員で机を端に寄せて椅子を指揮台を中心に半円形に並べた。後ろに打楽器が配置された。 直は初めての合奏に緊張していた。今まで雨の日以外は中庭でタオルを首にかけスポーツドリンクを飲みながら練習していたのに、今日は冷房の効いた室内。 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第21回
  • 吹奏楽部は41名。一年生6名、二年生18名、三年生17名で文化部では大所帯である。だが歴史は浅く直が入部の時は創部から9年だった。 直と同期の部員はパーカッションの和田音の他にトランペットの碇早苗と真田浩子、クラリネットの木田貴子と高嶋咲で和田以外は全員女子だった。 入部したての頃には凛以外話ができる相手がいなかったが、同期が増えるにつれ自然に会話をするようになっていった。 直は練習が終わるとミー [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第20回
  • 「武田はどう思う?」小林が美津に意見を求めた。ここで美津が同意すれば、リーダー全員の同意があったものとみなされる空気だった。 「確かに、そうかも知れません…」美津が話しかけたその時、凛がそれまでの空気を変えるかのように話し出した。 「先生の言うことはよくわかります。でも、今日まで私たちは1年から3年までみんなひとつになってコンクールを目指してきました。これは創部以来ずっと変わらなかったことです」 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第19回
  • その日の練習が終わった後、顧問の小林涼介の元に部長の武田美津、朝倉凛をはじめパートリーダーが集まった。 「えー!そんなあ、1年生だってコンクールに向けて懸命に練習してますよ!」 部長の美津が小林に噛み付いた。 この日、小林から今年のコンクールは2、3年生だけで編成をし、1年生は出場させないとの方針変更が提案された。 「武田、言うことはわかるよ。だけどな、我が校はこれまでずっと銀賞止まりだったよな。 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第18回
  • 直は課題曲の写譜をしてもそこから曲のイメージなど読めるはずが無かった。単に記号として音符を書き写したに過ぎなかった。ただ教則本をまめにやっていたのでまるっきり吹けないわけでは無かったがそれは音符通りに音を出すことが出来るというレベルだった。 練習が終わって凛が言った。「今日は初めてだから、まだまだだけどそんなものかも知れないわね、でもこのままでいいや、自然に上手くなるだろうなんて思っちゃダメよ。テ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第17回
  • 5月も半ばになり、直はいつものように練習を始めようと中庭の大きなにれの木の下で準備をしていた。凛が直に言った。 「直、今日から課題曲練習してみようか」 直は驚いた。ずっと基礎練ばかりでナーバスになっていたからぱあっと眼の前が広がったようだった。 「ホ、ホントですか?」 「でも練習時間の後半だよ、それまではロングトーンと教則本みっちりやるよ」 「わ、わかりましたあ!頑張ります!」 「それと直は譜面ま [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第16回
  • あくる日、直は部活に行く足が重かった。 思い切ってサボろうかとも思ったが、結局部室のドアを開けていた。 「おはようございます」そこには和田音が立っていた。 「あらら和田くん、おはようございます」 「おはよう、なんだか元気なさそうだね」 「そんなこと…そんなこと…あるよ」 「どうしたんだい?」 凛はまだ来ていなかった。 「和田くんってコンクールの練習はしてるの?」 「打楽器だからね、僕はスネア担当み [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第15回
  • 直は毎日基礎練も頑張っていたが、凛から借りた教則本を順番にやっていくのが日課だった。ただフルートで1年生がひとりなので自分の上達度合いがわからなかった。毎日の練習で凛は決して直をほめなかった。悪い点は指摘してできるまで練習だった。出来ても「はい、次これね」と事務的だった。もっとも凛のクールな性格からすれば「うまーい!出来た出来た!」とほめられる方が気持ち悪そうだった。クラリネットにも1年生がふたり [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第14回
  • 直は帰宅しても上機嫌だった。真奈美が「何かいいことがあったの?」と聞いても「いや、何でもない」とはぐらかしたが全ては顔に出ていた。総司も娘の上機嫌に何やら不気味なものを感じたが詮索するのをやめておいた。 5月になり、吹奏楽部はコンクールに向けての練習に入った。ただし、1年生は基礎練がメインでまだまだ課題曲の練習はさせてもらえなかった。 凛に叱られて写譜をしようと家で白紙に五線を書いていたらそれを真 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第13回
  • 直が入部した1週間あと、もうひとり1年生が入部した。 パーカッションに来た和田音だった。 直は凛から彼のプロフィールを聞いて驚いた。 小学校を卒業後、母と渡米して音楽の英才教育を受けて帰国。ピアノは3歳から。指揮法をみっちり勉強して帰って来たまさに音楽のエリートだった。 「なんでうちみたいな学校に来たのかわかんないわ、普通なら音大附属にいくよね」 凛が不思議そうに言った。直もわからないなりにうなづ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第12回
  • 直はショックだった。まだまだ音階すらおぼつかないのにコンクール出場、ヘタクソだったら補欠と言われて発奮する前に落ち込んでしまった。 重い足取りと気持ちを引きずって家に帰ったが、真奈美に「どうしたの?」と顔色が冴えないのがバレてしまい、直はその一言でぽろぽろ泣きだした。 「学校で何かあったの?」と真奈美が続けて聞くと、堰を切ったように今日あったことを話しだした。 「あのね、直はやっと音が出だしたんだ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第11回
  • 入部してから直は音を出す喜びで毎日が楽しかった。運指も少しづつ慣れて音階らしきものも形になってきた。 凛も自分の練習があるので時々直と離れて個人練習になることもあったが、直は決してサボろうとはしなかった。 凛は練習の鬼と言われるだけあってきつく感じることもあった。しかし初心者の直はそんなものと感じていて、萎縮したりしなかった。ある意味少々鈍感な直にはその方が良かったのかも知れない。 凛は常々言って [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第10回
  • その夜、食卓を囲んで上機嫌の直に総司も真奈美も少しホッとした。 「直、昨日は疲れたようだったけど、今日はどうだったんだい?」総司が聞いた。 「うん、今日はね、音出したんだよ。最初はね、なかなか出なくて悲しくなったんだけど、何回も何回もやってね、音が出たときはすっごいうれしかったよ」直の目がキラキラしていた。 「そうか!良かったなあ。明日からも頑張るんだぞ」総司も真奈美も娘が少し成長したことがうれし [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第9回
  • 凛は直にフルートの構え方から教えた。慣れない直は指がなかなかポジションに押さえられなかったが凛は丁寧に手を添えて教えていた。 「ポジションは見なくても押さえられるように頑張ってね。今度は頭部管を外して」 直は不思議な顔をして頭部管を抜いた。頭部管だけで音を出す練習だ。 「まず唇の形を作らなくちゃ、こうやって息を吹き込むの」 凛も自分の楽器の頭部管を抜いてやって見せた。凛の唇は薄くてフルート向きだっ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第8回
  • あくる日の放課後、直は吹奏楽部の部室に向かった。 ドアをガラガラと開けるとそこに凛が立っていた。 「直、これからそうして欲しいんだけど、部室に入るときは先輩がいるんだから『おはようございます』と元気よく挨拶してね」 「え?昼間なのに『おはようございます』ですか?」 「部活の始まりは『こんにちは』じゃ締まらないのよ、だから昼間でも『おはようございます』なの」 「はい!わかりました。おはようございます [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第7回
  • 直は帰宅すると「ただいま!」と言うなり階段を駆け上がり、自分の部屋に直行した。しばらくして夕食なのに降りてこない直を真奈美が心配して覗きに来た。そこには直が制服のままベッドでうつ伏せで爆睡していた。 「直、よっぽど疲れていたのかしら、制服のまま寝てるわ」 様子を見て来た真奈美が心配そうに言った。 「初日だからなあ、昨夜寝てないみたいだし。そのうちお腹すかせて降りてくるよ」 総司は笑いながらビールを [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第6回
  • その日のミーティングではその日ただ一人入部の直が部長の美津から紹介された。 「梢さん、あいさつしてください。」 直は40数名の部員の前に立った。 「こ、こんにちは。こ、こずえなおと言います。苗字も名前も一文字の変な名前ですがおじいちゃんがつけたこの名前、とても気に入ってます。音楽のこと、全然わかりませんが、朝倉先輩について頑張りますので…」 「辞めんなよ!」パーカッションの男子部員がからかった。 [続きを読む]
  • 登場人物の紹介
  • ここで登場人物の紹介をします。 梢 直  こずえなお   この物語の主人公 高校2年生 快活でおっちょこちょい 泣き虫 運動オンチ 吹奏楽部でフルート担当 先輩にあこがれ無謀にも音楽知識ゼロさらに音痴で入部した 梢 総司 こずえそうじ 直の父 44歳 商社勤務 課長 ひとり娘の直をやや溺愛する 梢 真奈美 こずえまなみ 直の母 42歳 専業主婦 性格はクール 直に対しては甘くもあり厳しくもある 直 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第5回
  • 凛と直は楽器を片付け、まだ練習しているパートを回り、直を紹介した。とはいっても10分程度しかなかったから部長の武田美津のいるトランペットが精一杯だった。 トランペットが練習している教室に二人は入った。 「よ!頑張ってる?」朝倉凛と武田美津は同期で親友。共に吹奏楽部を盛り上げてきた中核的な存在だ。 美津と1年生の女子二人が机の上に置いたメトロノームを前に基礎練をしていたが、凛と直が入ってきたので美津 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第4回
  •  初日の練習は凛に楽器について教わった。フルートの構造、どうやって音がでるのか、構え方、手入れの仕方や注意するところなどを一通り教わり、次に楽譜の読み方だった。凛は優しかった。  〈なんだ、言うほど厳しくないじゃん〉そう気が緩むと昨夜の寝不足もあってあくびが出た。  途端に凛がピシッと直の手を叩いた。  「こらっ!人の話聞いてんの!なんなら帰ったっていいんだよ」  「す、すいません!」  直はハッ [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第3回
  • その夜、直は昼間に会った朝倉凛が気になって仕方がなかった。 あんな素敵な先輩がいるクラブに入りたい! 〈でも楽器って高価そうだしなあ。〉 直は学校にもある程度楽器はあって必ずしも自分で購入しなくてもいいことに気が付いていなかった。 直は思い切ってお父さんに打ち明けようと、リビングでくつろいでいる総司に 「お父さん、私、クラブ決めた!」 「そうか!で、何やるんだ?」 「吹奏楽!フルートやる!」 総司 [続きを読む]
  • 直 〜なお〜  第2回
  •  直は授業が終わると吹奏楽部の部室に向かった。 ガラガラとドアを開けると顧問の小林涼介が立っていた。 「あれ、先生どうしたの?」顧問がこんなに早く来るのが珍しかった。 「梢、今日はフルートの成果が気になってな。基礎練終わったら呼んでくれ。」 そう言って部室を出た。  フルートパートは直と1年生の斎藤絵美のふたりだ。 〈なんで?この間の合奏そんなに出来悪かったのかなあ?〉  直はちょっと考え込んでし [続きを読む]
  • 紗代子   第1回
  • 大阪の残り少ない遊郭街「松島」で働く三人の女の人生を描いてます。 主人公は「紗代子」九州出身、音楽の道を目指していたが、父を助けるべく身体を売る仕事に着くようになります。 風俗で働く女性の人生も考え方も様々、私にはまだまだわからないことの多い世界ですが、私なりの見方で物語を作っています。 タイトルは「紗代子」ですが、変更する可能性もありますことをご了承ください。 一、紗代子 おかあさん、お元気 [続きを読む]