すでに著者の長編小説になじんでおり期待していたが、この短編集は初期のもので7篇とも死の影がつきまとい生々しく暗くて読後の爽快感がなく意外だったというのが多くの意見だった。 将来的にすごい作品を書いているのだが、この時期20代前半で徴兵検...
竃河岸(髪結い伊三次捕物余話) 宇江佐真理著 5月㏸の読書会
初めての作家名だったが読みやすく、映画を見ているような情景が浮かんだ。同心小者でありながら髪結い職人である伊三次のシリーズ物語。この15冊目が最後の章となって著者の訃報が伝えられた。函館で主婦をしながら書いていたときくが、その才能を惜しむ...
堀田善衛を読む (池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿)4月27日の読書会
5人の高名な創作者が絶賛する知の人【堀田善衛】を読んだことがないので難しく感じ、終章20の言葉から読み始めたがここでの感動が大きく初めから読むことにした。これだけの錚々たるメンバー5人が取り上げ、今なお尊敬能わざるものが心に溢れ奥深く残っ...
クーデンホーフ光子の手記 シュミット村木真寿美編訳 3月23日
裏表紙の紹介文に編者により日の目を見た記録とあるが、研究者でない普通の読者には読解不能で読みにくかった。作家でないため、文がべた書きで会話はなく、繰り返しが多い。明治初年日本にあこがれるオーストリア伯爵に見初められ結婚、4年のちに欧州へ渡...
現在の後期高齢者である我々がまだ20代のころは川端康成のブームだった。当時の若者はそのブームに乗せられて偉大な作家を信じそれを芸術の認識として背伸びして何でも知っている気持ちになった。しかし今はすでに古典となっており、なぜあれほどまでに必...
図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語 ヴィッキ-・マイロン著羽田詩津子訳2月2日の読書会
図書館長のヴィッキ−は厳しい冬の朝、返却ボックスの中で泣いている捨て猫をみつけた。デュ−イと名づけた雄ねこはたちまち人気者となり来館した人々の心を癒すだけでなく、危機に陥ったアトランタの町の活気をも取り戻した。ヴィッキ−は彼女自分の苦しい...
ひきこもりなど周囲とのコミュニケーションがうまく取れない若者と携帯電話でいつも他人とつながりたがる若者と、正反対に見えるが実は成熟した大人になることを拒否している点で共通している。 公的言語は公的空間で使われるが、それを拒否したり意識し...
正直なところ難しかった。これは新潮新書版だが新書は深く追求しなくても面白そうなところをとびとびに読めばいいと聞いているが、この著者自身も勝手なことを書いていますよ、いやになったらやめてくださいと言っている。話があちこちに展開する思い付きの...
読んだ考えた 読書会みのむし25周年記念誌完成 30年11月
読書会みのむし津山25周年の記念誌ができました。A5判180ページ、講師の先生からいただいた自筆絵ハガキを表裏の表紙にしました。約300冊を読んでいますがその中から選んだものの内容や感想を各会員が掲載しています。(紙数の関係で全部ではありま...
1865年生まれ、35歳で亡くなった。明治34年(死の前年)肺結核の症状にあえぎながら新聞「日本」に1月16日から7月2日まで途中4回休んだだけで連載された。病の苦しさを紛らわすため残された人生を精一杯生きようとしたものだろうか。 内容...
難解で読むのに努力のいる本だった。夜間飛行はともかくもう一編の南方郵便機は読み切れなかった。 今夜空を見ると、星の間に飛行機の何台かが滑るように見えロマンチックなこと限りない。しかし飛行機の歴史は浅く、開発の当初は命がけの危険を伴ってい...
西郷隆盛の名はよく知っていたがその内容はあまり知らなかった。西郷は明治の人であるにも拘わらず平成が終わろうとする今もなお大きな人気を保っているのは何故か。 当時隣国の清は欧米の侵入で植民地化され奴隷同然になっているのをみて日本人は大きな危機...
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