ホーリー堀 さん プロフィール

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ホーリー堀さん: 白猫ものがたり
ハンドル名ホーリー堀 さん
ブログタイトル白猫ものがたり
ブログURLhttp://shironeko-monogatari.com/
サイト紹介文平凡な男子高校生、山吹光(ヤマブキコウ)がある日突然、不思議な猫の世界へといざなわれてしまう。
自由文服を着て、ヒトの言葉を話す個性豊かな猫たちとの不思議なものがたり。大人も読める青少年向けの物語を意識して、日々少しずつ更新しているオリジナル小説です。心の中にある物語を最後まで書ききりたいという想いで、WEB小説サイトという形をとり、ちょっとずつちょっとずつ頑張って書いています。猫が好きな方、ファンタジーが好きな方、なるべく毎日更新しておりますので暇つぶし程度にお読みくだされば光栄です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供21回 / 13日(平均11.3回/週) - 参加 2017/05/15 16:16

ホーリー堀 さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 暗闇トンネル(6)
  •  ウオッチは歩き慣れた道という感じで、迷うこともなく分かれ道も選択し、ぐんんぐんと進んでいく。ぬめる足元に最初のうちは苦戦していたコウも、徐々に慣れて前をゆく三匹に懸命についていく。暗闇にも慣れ、コウモリや、地面を這う様々な生き物にもいちいち驚いたりしなくなっていた。(だいぶ歩いたよな。) 時間的感覚は、まったくの感覚でしかないが、ぬめる下りのゆるやかな道を何度も分かれ道を選びながら、三十分以上は [続きを読む]
  • 暗闇トンネル(5)
  • 一瞬そう思ったが、すかさずトワイライトがウオッチに同調して、「なんだコウ、コウモリが怖いのか?ハハハハハ」とこちらも大きな声で笑うので、「コ、コウモリ?怖くなんかないよ!僕はてっきり異形のものってやつかと」と強がったが、「うふふふふ」とシュウも楽しそうに笑うので、心外だと思いつつも少し嬉しくなった。「異形のものはさすがにこの中には入ってこれないさコウちゃん、だってエーテルに弱いんだろ、飛んで [続きを読む]
  • 暗闇トンネル(4)
  •  三匹のやりとりを聞きながら、トワイライト、シュウについで一番後ろを歩くコウだったが、どうにも暗い。入り口からほどなく進んだところでわずかに差し込んでいた光ももう届かなくなった。暗闇の中のトンネルは足元も滑り想像以上に歩きづらい。「シュウ、ごめん。もうちょっとゆっくり進めないかな?目が慣れなくて」「あ、申し訳ございませんコウ様」振り返るシュウ、すぐに問題を察しウオッチを呼び止める。「ウオッチ君、ち [続きを読む]
  • 暗闇トンネル(3)
  •  想像していたよりも遥かに小さいとコウは思った。湖と言われれば確かに湖だが、勝手に巨大なものを想像していたせいもあり、せいぜい野球場が二、三個分くらいかなと思われる大きさにイメージとのずれを感じた。シリウスという隕石が落下したという湖面は、静かにたゆたうように凪いでいて、太陽光を反射して美しく煌めいていた。コウたちが立つその場所からも湖の全貌がわかる。向こう岸が見える。一見、何の変哲もない穏 [続きを読む]
  • 暗闇トンネル(2)
  • 「ごめん、やっぱり食べ過ぎだったかな?牡蠣がすごく好きなんだ」トワイライトの言葉に悪意はないだろうとは思ったが、ウオッチが仕事を切り上げて現れるまで夢中になって食べてしまったことを少し恥じていた。「いんだよ、いんだよコウちゃん。親父も喜んでたよ。救世主様に牡蠣を食わして精力つけさせるなんてさ、後で絶対自慢のネタになるしさ」ウオッチはにんまりとほほ笑むと、「まっコウちゃんすっごく牡蠣好きみたい [続きを読む]
  • 暗闇トンネル(1)
  •      6   暗闇トンネル 「いやー、牡蠣旨かったなー」「だろー、栄養もたっぷり、ぷりぷりよー」「ぷりぷりよー、ぷりぷりよー、ぷりぷりぷりぷりぷりっぷりっ」緊張感があるのかないのかわからないトワイライト、歌いながらウオッチとともに前を行く。 シュウは、「ウオルビーさんによろしく言っておいてね」と大柄な猫に声をかける。「お土産持って帰ろうぜ、なんかあんだろ、星流湖まんじゅうとか」 [続きを読む]
  • 師匠の言葉(5)
  • 二匹について歩いていった先には、子供が庭先で遊ぶプールぐらいの大きさの水槽が無数にあり、ここでも何匹かの猫が働いていた。「十六番にこのエビ、三十五番にはサバよろしくねー」何やらこのエリアを取り仕切っている様子の大きな猫が一匹いて、その猫の前に数十匹の猫が並んでいる。その大柄な猫はどことなく魚市場然とした格好の猫で、トワイライトはその猫の姿を確認すると小走りに近づいていった。「ウオッチ、おはよ [続きを読む]
  • 師匠の言葉(4)
  •  銀猫の言葉はコウの胸にもしみた。自分の尊敬する存在に、あのような言葉をかけてもらえたらやる気の出ない人間なんていないに違いない。自分にはそういう存在がいるだろうか。 朝から元気はつらつだったトワイライトが、マルキーニャスと話してから急に静かになった、かといって落ち込んでいるとか、悩んでいるという風でもないのだが、彼の中にも消化しきれないでいる何かモヤモヤとしたものがあったのかもしれな [続きを読む]
  • 師匠の言葉(3)
  •  真剣なまなざしで師匠を見つめ、話を聞いていたトワイライトは「はい!」というと押し黙り、言葉の意味を噛みしめているようだった。明るく、前向きで快活でお調子者のムードメーカーという印象のトワイライトだが、こういった場面では真面目に物事をとらえ、目上の者の話はしっかりと聞く。コウはすっかりこの白猫剣士のことが好きになっていた。そしてシュウのことも。彼らが直面する悩み、問題、壁はいったい自分のイチ [続きを読む]
  • 師匠の言葉(2)
  • 弟子は師匠にからかわれ、さも心外だという風に落胆する素振りで応答した。「ふふふ、失礼。元気な様子で良かったです。それが君のいいところ。ああシュウ、コウ殿、おはようございます。コウ殿、この度はお世話になります」銀猫がそういってうやうやしく頭を下げるので、コウは恐縮してしまった。このマルキーニャスと面と向かって話をするのは初めてだったが、物腰が柔らかく、穏やかで、どことなく安らぎを感じるような静 [続きを読む]
  • 師匠の言葉(1)
  •        5   師匠の言葉「じゃ、まずはウオッチのところだな」と言うトワイライトについて歩く。 昨日は見かけなかったが、マタタビスタ共和国内には蝶や蜂が飛んでいる。そして地上を這う蟻や緑の草地にはバッタなどの跳ねる姿も見られた。シュウやにゃんこ先生が「地球」と言ったこの猫だらけの異世界はまさしくコウが知っている「地球」の様子と変わらず、違うのは猫たちが喋り、歩き、文明を持っている [続きを読む]
  • 出発の朝(6)
  •  ブエナはにっかりとほほ笑むと、「よしよしシュウお姉ちゃんらしくなってきた」と言うとここで初めて背中の荷を円卓の上に下ろし、「料理長がいなくても食堂は大混乱だけど、みんな一致団結して奮闘中、そして休まず営業中!私もいつもよりもっと早起きしてお弁当を作ってきましたよー」と言いながら風呂敷の包みを開けた。すると現れたのは竹細工のケースが四つと小さな水筒のようなものが四つ、「と言ってもおにぎりと唐揚げと [続きを読む]
  • 出発の朝(5)
  •  とにかく自分のやるべきことはわかった。潜って石をこのリュックに入れて上がる、それだけのことだ。「頑張ります」シェルストレームのつぶらな瞳を見つめコクリとうなづくコウ、とそこへ聞き覚えのある元気娘の快活な声が響いた。「コウ様!みな様!おはようございます!」入口のほうを見るとブエナがにっかりと微笑みながら手を振っている。背中に大きな風呂敷のようなものを背負いながら、ちょこちょこと小走りで歩み寄 [続きを読む]
  • 出発の朝(4)
  • 「こちらにコウ殿のために開発・作成したウエットスーツが入っております」 手渡された円筒状の物体は、はんごうのような形をした樹脂製のリュックサックだった。高さは五、六十センチといったところだろうか。見た目の雰囲気とは逆にずいぶんと軽い。「ウエットスーツ?」「はい、中にウエットスーツ、ゴーグル、そしてバタ足などが入っております。セイメイ湖の水は冷たいかもしれませんが、これを着ることでほとんど感じること [続きを読む]
  • 出発の朝(3)
  • 「コウ殿、今日はお頼み申します」センター長はうやうやしく頭を下げると、コウの目を見つめた。深遠で荘厳、奥深い雰囲気は出会いの瞬間と変わってはいないが、その小さく光る双眸の奥に懇願の意思がくみ取れた。「あ、はい。頑張ってみます。できる限り、精一杯」「うむ、恩に着ます。丸腰ではフジには臨めぬ故」「フジ?ですか?」「いや、失礼。昨日の会議では詳細までは出なかったがの。フジというのはここからはるか南 [続きを読む]
  • 出発の朝(2)
  • 「俺たちだって履くんだぜ、連日一緒じゃ気持ち悪いだろ?」渡されたのは生成りの靴下だった。驚くコウ「え、あ、ありがとう」「はは、こりゃびっくりって感じだな。コウが来るのに合わせて特注で用意しておいたんだ。まあシャツとかはないけど、今日が終われば元の世界にいっちまうんだし、そこまでは用意してなかった。ごめんな」「いや、嬉しいよ。はは、やっぱり猫はきれい好きなんだね」「へへ、あ、あとどうしても風呂 [続きを読む]
  • 出発の朝(1)
  •    4 出発の朝 「ったく、いつまで寝てんだよ!ヒトってのもよく寝るもんだな」 昨日の午後の様子とは打って変わって元気いっぱいのトワイライトに起こされて、異世界への迷いビト山吹光の二泊三日目の一日が始まった。「う、うーん、トワイライト、ずいぶん早いね」知らずのうちにかなり疲れていたようで、白猫の快活な大声というアラームが鳴るまで一度も目を覚ますことなく眠りの中に [続きを読む]
  • 湖底下の地底湖の湖底(5)
  • シュウは申し訳なさそうに目尻を下げ、「すみませんでした。私も眠れなくて。コウ様とお話したいと思ったのです」「そう、なんだ。僕なら大丈夫だよ。気にしないで、どうしたの?お話って」「いえ、ただ感謝の意をお伝えしたかったのです。この度は私たちのお願いを引き受けて下さり本当にありがとうございます。私たちの問題の解決のためになんの関係もないコウ様を巻き込んでしまっているということ、申し訳なく思っており [続きを読む]
  • 湖底下の地底湖の湖底(4)
  •  あの場に集まった一同の視線が一気にこちらに向いたあの瞬間、コウは逃げ出したい気持ちでいっぱいになった。そして、もし仮に自分が断固として彼らの依頼を拒み、「嫌だ、元の世界に戻してほしい」という姿勢を固持しつづけたら、あるいは彼らもあきらめてくれたのかもしれない。 しかし、結果的には了承してしまった。あの時「わかりました」と答えて今、引くに引けない状況になってしまったのは、きっと潤んだ目で僕を見つめ [続きを読む]
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