言祝ほうり さん プロフィール

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言祝ほうりさん: ほぎほぎ。
ハンドル名言祝ほうり さん
ブログタイトルほぎほぎ。
ブログURLhttp://hogi.hatenablog.com/
サイト紹介文ショートショートストーリーと写真を自由に気ままに、をモットーに?
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供65回 / 22日(平均20.7回/週) - 参加 2017/06/06 16:02

言祝ほうり さんのブログ記事

  • 大丈夫だよ
  • こわいことなど何もないさと、臆病なその小さな手を取って、走り出す。ほら、吹く風だって優しいだろう。君は目を三日月形にして、ほんとうだと微笑う。さっきまでの泣きそうな顔が嘘みたいだ。掴んだだけの手を繋ぎなおして、同じスピードで走ろうか。大丈夫、君のことは僕が絶対に守ってみせるから。 [続きを読む]
  • 大嫌いだ
  • それを愛すべきってさ、誰が決めたの。みんなが同じものを愛し好むなんて、馬鹿らしいを通り越して気持ちが悪いね。大きく腕を広げ、真っ向から風を受ける。大嫌いだ、思いの儘叫ぶ。好きなものを好きといって何も悪くないように、嫌いなものを嫌いと言ったって何も悪いことなどないんじゃないのかい。 [続きを読む]
  • 亡きあなた
  • 例えば彼女の手を取って、流れる涙を掬って。「生きてと言えたら何か変わった?」彼女が身を棄てたビルの屋上で、星空に向かい少女は呟く。揃えられたローファーは、今は痕跡すらない。「虚しいものね」今更、何を思っても遅いのに。 [続きを読む]
  • 再会の運命
  • 例えば、また君に会えたとしたら。そのとき僕は、どんな表情で君の名を呼ぶのだろう。そんな身も蓋もないことを眠る前にいつも考えてしまうのだと君が知れば、きっと君は嬉しそうに笑うのだろう。そうであってほしい。「君に話したいことが沢山あるんだ」下りた先で、今の今で踏み締めていた階段を振り返る。生まれ変わって、新しい人生を十六年生きても、それでもやっぱり君を好きだなんて女々しいかな。でも、それでも僕は。地面 [続きを読む]
  • 小悪魔
  • 僕を惑わす小悪魔は、今日も今日とて天使な笑顔で僕の隣を歩く。時折触れる手と手だとか、甘ったるい声とか、きっと君は全部わかってしているのだ。そう思わなければ勘違いしてしまいそうな僕を支配するのは、胸の奥の甘い痺れと、君が纏うフローラル。 [続きを読む]
  • 謝罪
  • 木々が紅く色づく頃には、もうわたし、きっと此処には居られない。肩を寄せるあなたを態度で拒んで、溢れそうな涙をぐっと堪える。ごめんね、零した謝罪の意味はちゃんと、あなたに伝わっていたかな。おもむろに口を開くあなたの発する言葉すら、心の狭いわたしは受け入れられなくて、唇に指で触れた。 [続きを読む]
  • 宝石よりも
  • 嬉しい楽しいは二倍、悲しい苦しいは半分こ。誰が言い出したのかわからないけど、今や常套句になったその言葉に心の底から共感するのは、とうとう僕もそういう相手を見つけたから。坂道の途中で止まる僕に、登りきった彼女が大きく手を振る。宝石なんかよりずっと輝くその笑顔に、僕は呼吸すら忘れた。 [続きを読む]
  • 菜の花色
  • あなたのためなら、わたしは何だって棄てられるわ。誇らしさなど微塵も感じられない笑顔で、至極当然のように君が言うから、僕は何も言えなくなってしまう。ふわり、君が動いて揺れるスカートの菜の花色は、嘘なんてひとつもつかないと囁く。僕の手を取り、だいすき、咲う君は恐ろしくなるほど純真だ。 [続きを読む]
  • 正しい正しくない
  • どうするのが正しかったかだなんて、もう今更考えてもわかりやしないのよ。抱きしめる僕の腕を拒んだ君は嘆く。結局、わたしの独り善がりだったのと君の頬を雫が伝う。行き場のない指先はそれを拭うことすらできなくて、噫、なんて愚か。ふたりの間に流れる沈黙がどうにも痛くて、僕は君に愛を紡いだ。 [続きを読む]
  • ああもう!
  • 彼女が欲しいってうわ言のように言うから、なってあげようかって言ったけど、冗談言うなよと君は呆れる。割と本気なんだけどなと唇を尖らせて、君の瞳をロックオン。でも君はいつものお兄さんぶった顔で私の頭をわしゃわしゃと撫でるから、ああもう。後悔してもしらないんだから、聞こえないよう呟く。 [続きを読む]
  • ダウンコート
  • 仕舞い忘れたダウンコートはあなたがいた冬のことを嫌でも思い出させて、苦しい。もう手を伸ばしても冬は遠く掴みっこないのに、胸の中の苦しさだけは、夏が目の前に迫っても去っていってはくれない。こんなことなら、束の間の幸せに触れなければよかった。新緑の薫りとともに、雪の匂いが鼻を抜けた。 [続きを読む]
  • 夏祭り
  • 赤提灯が並ぶ参道。屋台の中に金魚すくい。上手くできないと半泣きの君。全てが夢のようで、夏の暑さが見せた幻だろうかと呟く。諦められない君が、何度目かのもう一度を言い渡す。僕の指を軽く引っ張って、今に見ていてと笑う君が呼び覚ましたのは、夏の暑さにやられた僕の夢と、遠き夏の日の思い出。 [続きを読む]
  • 関係ないでしょ?
  • あんなにあからさまに好意を示されているのに、曖昧な態度を取るのは酷じゃないのかしら。僕らのことを何ひとつ知らない彼女は言うけど、君にとやかく言われる筋合いはないと、口にしないけど僕は笑みを浮かべる。いつの間にか冷ややかな目になっていたらしい、目前の彼女が怯えた表情で僕を見ていた。 [続きを読む]
  • 笑顔
  • ここ最近、うまく笑えてないのは自覚している。だって君がいないというのに、笑えるわけがないじゃないか。君がいたから、いつも笑えていた。もう僕は、あの頃のように笑うことは出来ないだろう。それでも笑うのは何故かって?「あなたの笑った顔が、いちばん好き」記憶の片隅に残った君の声が、そう微笑うから。 [続きを読む]
  • 微睡
  • 微睡む自分の髪を撫でる愛しい人の細い指が、冷たいのに心地良い。その指を取って一本一本に口付けたい気もするが、今はまだ、雲に寝転んだような快い気分を満喫したい。目が覚めたらそのときに、彼女の驚く顔を見よう。そして、恥ずかしがる顔も、はにかむ顔も、微笑む顔も、全て見たい。なんだか、良い夢が見れそうな気がした。 [続きを読む]
  • 気づかないでよ
  • 彼は嘘を付かない人だ。いつだって思ったままの言葉を投げかけてくる。それに比べ、私はいつだって取り繕った言葉ばかりを並べ、真実だけ言えないでいる。気付かれないように人との間に線を引いて、自分の領域には入れず。上手いものだと自分でも思う。だって、みーんなみんな、気付いていない。なのに、なんで。なんでこの人は、気付いてしまうの。 [続きを読む]
  • ヤンデレラ
  • そうやって笑う君が愛しくて愛しくてたまらない。私達を繋げてくれた、あの子さえも憎らしく思えるほどに。私はなんて醜いのだろう。良かったね、なんて言って彼に近付かないで。ありがとう、なんてあの子に笑いかけないで。その笑顔は私だけのものでしょ?その瞳は、私だけを映すものでしょ?キューピットなんて、撃ち殺してしまいたい。 [続きを読む]
  • 此の人
  • なんて澄んだ瞳で、この人は私を見るのだろう。何もかも見透かすようなその目が、恐ろしい。心の奥底にひっそりと隠した、黒い部分を見つけられてしまいそうで、怖い。私の心を突くような、直接的な言葉が、痛い。一番言って欲しくない言葉なはずなのに、言われて何処かほっとしている自分が居るのは、何故。ああ、もう。この人といると私は、息の仕方すら忘れてしまいそうだ。 [続きを読む]
  • 騙して
  • 馬鹿みたい。口の中で呟く。自分で決めていたことなのに。初めからそういう約束だったのに。今更、美しい想い出にしたくない、なんて。夢幻に浸っていたい、なんて。「最後の、お願い」ずっと好きだと、言って。離れていても愛していると、誓って。生涯私だけを想い続けると、嘯いて。―最後の時まで、抱きしめて騙して。 [続きを読む]
  • 清らかなる
  • 光に包まれて生まれてきたんじゃないかとすら思えた。舞う花びらと共に育ってきたんじゃないかと思えた。清らかな彼女に触れることは何人たりとも許されず、彼女は真白なまま生きていくと初めから決められていたのだと、僕はそう信じていた。だから、顔を歪める友に言う。「彼女の未来に僕はいらない」 [続きを読む]
  • 花と散る
  • 若き日、君を喪って数十年。この身は君が知らないうちに老いて、川沿いの道を独りで歩くには寂しくなってしまった。この姿で君の前に現れたらきっと君を驚かせてしまうから、僕は花化粧を施して君の元へ行こうと、桜の絨毯に寝そべる。まるで君の優しさに包まれているようだと目を閉じて、花と散ろう。 [続きを読む]
  • 教えて
  • ねえ、何も知らないわたしに、物知りなあなたが教えてちょうだい。あなたの膝に乗って、空気が抜けた風船のようにわたしは、ふにゃりと心の糸を弛める。戸惑いを隠せないあなたの首筋を指先で伝った、其のずっと先を知るのが大人になることだとしたら、わたしたちは大人になって、それからどうするの。 [続きを読む]
  • こわがり
  • どうしたことか貴方に触れるのが恐ろしくって、貴方が伸ばした手からひらりと逃げる。悲しそうな貴方の顔を見てしまって、悪いことをしてしまったなと申し訳なく思うけど、それでも私は貴方に触れるのが怖い。触れてしまえば、何かが弾けてしまいそうで。何かが終わって、何かが始まってしまいそうで。 [続きを読む]
  • 嘲う雨
  • 噫、なんて未練たらしいのかしら。自分の中で育つ想いに、はっと息を吐く。終わりにすると決めたのは私だった。先に手を離したのはこちらだった。そうだというのに、なんだ、このざまは。降り出した雨に濡れる瞼を閉じる。生温い温度、雨粒の弾ける音、雨の日の匂い。全て、私を嘲笑っているのだろう。 [続きを読む]
  • ボダイジュ
  • 菩提樹の木の下で、あなたを長らく待っていた。首を長くして待っていたものだから、新しい命が宿ったお腹がいつの間にやら大きく膨らんでいた。「会いたいな」呟くと共に、菩提樹の花を見上げる。薄黄色の清楚な花はほのかに香り、この鼻を魅了する。「――」囁きにも似たわたしを呼ぶ声に、鼻がツンとして声の先を辿る。「ただいま」あの日と変わらず笑顔のあなたに、怒られない程度に駆け足で駆け寄った。 [続きを読む]