たれ たれを さん プロフィール

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たれ たれをさん: ibisノベル
ハンドル名たれ たれを さん
ブログタイトルibisノベル
ブログURLhttp://ibisnovel.com/
サイト紹介文ibisノベルの公式ブログです。ブログ小説として『終ノ刻印』などを連載中。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供49回 / 39日(平均8.8回/週) - 参加 2017/06/12 21:24

たれ たれを さんのブログ記事

  • 第41話 門番
  • 「お。終わったか」 戻ると、何やら待ってましたとばかりに、所長がこっちを見た。 消えてしまっているかと思ったが、エクセリアもしっかり座って待っている。「ああ」「そうか。いや実は相談なんだけどな。このお嬢さんも新たに所員に加えてはどうかと思ってなあ」「はあ?」 何を言い出すかと思ったら、何やらとんでもないことを口にする所長。「いや少し話してみたんだが、まだ小さいのにしっかりしてるし、昨夜の一件を見て [続きを読む]
  • 第40話 ディーネスカの紋章
  •  隣の部屋に移って。 少し疲れたように、黎は長椅子に腰掛ける。「お前、本当に大丈夫なのか?」「だるいけれど、動けないわけじゃないわ」 少なくとも本調子ってわけではないらしい。当然だろうけど。「あなたには、色々謝っておきたくて」「今更かい」「そうね……今更ね」「別に責めてるわけじゃねえけどな」 けれど、やはり今更といえば今更だろう。「第一、俺に謝ることなんて、あるようでないだろ」「……かもね」 せい [続きを読む]
  • 第39話 及ばないとしても
  •      /真斗「目が覚めたのか」 枕元で、声がする。 落ち着いた声は茜に似ていたが、もっと静かな声。「――時間は!?」 ベッドから身を起こすなり、俺は時計を捜した。 いったいどれほど眠ってしまったのかと思い、慌てる。「昼を過ぎたところだ」 俺が時計を見やると同時に、答えがあった。 時計の針は、一時を過ぎたところだ。 どうやらずいぶん眠ってしまっていたらしい。「……っと」 飛び起きようとして、ハッと [続きを読む]
  • 第38話 真の刻印
  •      /茜 二人を追う。 追うのは見知らぬ少女と、由羅。 信じがたいことではあったが、あれは明らかに由羅だった。 あの封印をどうやって解いたのかは分からない。あんな代物、イリスでもなければどうにもならないと思っていたのに。 どうやったのかは分からない。 しかし確実に分かるのは、あの二人に黎がやられたということだ。 放っておくわけにはいかなかった。「さすがに憑いているものの力だけはあるわね。逃げ [続きを読む]
  • 第37話 エクセリアの答え
  •      /黎 夜になって。 わたしはそっと、その場を訪れていた。 隣の部屋。 この事務所を徐々に覆っていく、冷気の源。 その結界された空間は、すでに凍っていた。 中心に、氷漬けにされた妹の姿がある。 やはり、その身に剣を受けて。 その姿はこれまで幾度と無く見てきた。 何も変わってはいない。 しかし、変わったものもある。 それはわたしの心境――この子を見る、わたしの気持ちが、違う。 この憎悪の空間 [続きを読む]
  • 第36話 一縷の望み
  •      /真斗「初めて見たな。そういうの」 部屋に入って。 エクセリアを寝かしつけるジュリィの姿を、俺はまじまじと見てしまっていた。 歌っているのが誰かなど分かっていたが、それでもこうやって改めて確認すると、どうにも多少は驚いてしまう。 そして同時に、気持ち良さそうに目を閉じているエクセリアに対しても。 何もかも、意外だった。「似合わないかしら」 苦笑気味に、黎は言う。「そうでもないけどな」 肩 [続きを読む]
  • 第35話 子守唄
  •      /真斗「――あれが、結果か」 早朝になってやってきた茜は、何の感慨もないかのように、ただそうとだけ言った。「ああ」 俺の気の無い返事に、ため息が聞こえてくる。「一応、結界は強化しておいた。しばらくはもつだろう」「すまない」「お前……少しは寝たのか?」 呆れたようにこちらを見る茜に、俺は苦笑して首を横に振った。「そんな気分じゃなくてさ」 はあ、と息を吐いて天井を見上げる。 視線の先に映るの [続きを読む]
  • 第34話 最初の決着
  •      /真斗「お前……」 それは一瞬だったので、はっきりと見たわけではなかった。 今こうして見るエクセリアは、これまでと何ら変わらない。 けれどさっき、こいつは泣きそうな顔をしていた。いや、泣いていたのかもしれない……。「……どうしたんだよ。えらくしょげた顔して」「…………」「だから……」 黙ってしまったエクセリアを前に、俺は半ば途方に暮れていた。 今のエクセリアは外見そのままの子供のようで、 [続きを読む]
  • 第33話 アルティージェと名乗りし
  • 「……?」 さも当然のように、そいつはそこにいた。 俺の知らない顔。 淡くて長い髪をした女――いや、少女というべき年齢だろう。 細い顎をつんと反らして、どこか見下すようにこちらを見ている。――いや、俺ではなくエクセリアを。「なぜ……そなたがここに」 僅かなりとも驚いた様子で、エクセリアが小さく口を動かす。 顔見知りか……?「ふん、なぜですって? わたしがあなたに言ってやりたいことがないとでも思って [続きを読む]
  • 第32話 糸口
  • 「――――?」 思わず声のした方向を振り向いた途端――「おわっ!?」 何かに体当たりされた。 いや、抱きつかれたのだ。「おまっ……由羅――!?」 俺は驚いて、抱きついてきた奴の名前を口にした。 ふわりとした淡い金髪が、視界一杯に広がっている。 間違いなく、あいつの髪。「お願い……私と来て!」「お前、いきなり……」 俺は慌てて由羅を引き剥がそうとしたが、馬鹿力で抱きしめてくる由羅の腕はびくともしない。「 [続きを読む]
  • 第31話 たまさかの逢瀬というには③
  • 「はー……疲れた」 目的の所までやってきた俺は、手摺にもたれかかって遠くを見る。 ここはまだまだ途中の場所だが、視界が開けていて、京都の町並みを遠くまで見渡せる。 個人的に気に入っている場所だ。「どうだ? けっこう見晴らしがいいだろ?」「そうね……」 隣にやってきた黎は、頷いて、同じように遠くを眺めやる。「清水寺なんかでも見えただろうけど、こっちの方が落ち着いて見られるしな」 時間帯のせいもあるだ [続きを読む]
  • 第30話 たまさかの逢瀬というには②
  •  というわけで。 俺たちがやって来たのは、大学よりもさらに北にある、上賀茂神社。 ここには開けた場所があって、まあちょっとしたピクニック気分になれる。 人も意外に少ないし。「……こんなところもあるのね」 しみじみと、黎がつぶやく。「まあな」 頷いて、俺は適当に腰を下ろした。「北から南に向かって俺の知ってるところを順番に案内してやるよ。スタートは、とりあえずここからってことで。くらま鞍馬なんかもいい [続きを読む]
  • 第29話 たまさかの逢瀬というには①
  •      /真斗「――お前」 間違いなくそいつは、昨日俺の前に現れた奴だった。 黎の話からすると、確かエクセリアとかいう名前の……。「……いきなり何だ?」 じっとこちらを見つめるそいつの表情に少々気圧されながらも、とりあえず口を開いておく。 だがそいつは答えず、ゆっくりとした足取りで俺を眺め歩き出した。 ぐるりと、一周。 ……何か見せ物にでもされたようで、面白くない。「おいこら。何とか言えよ」「… [続きを読む]
  • 第28話 生きる為とはいえ
  •      /由羅「あ……」 見つけた。 直接彼の家に行く勇気は無くて、ここなら……と思って来てみて。 見つけることができた。 真斗。 うん……元気そう。 ちょっと安心する。 だって真斗、あの時あんなだったから。 よし、行って声をかけよう――そう思って。 一歩踏み出したところで、身体が震えた。 それ以上、歩けなく――ううん、近づけなくなる。「――――」 私の視線の先にあるのは、真斗だけじゃなくて。  [続きを読む]
  • 第27話 ただの妹であったならば
  •      /黎「エルオード」 真斗の姿が見えなくなってから、わたしは誰にともなく声をかけた。「ここに」 当然のように、返事が返ってくる。「そういうわけだから。あなたはユラの行方を追って」「……ジュリィは大丈夫なので?」「き……真斗がいるわ」 そう答えるわたしの後ろに、音も無くエルオードは姿を現していた。 ここでは上田と名乗っているが、本名はエルオードという。 わたしに先立って、この国に来ていた者で [続きを読む]
  • 第26話 命の人質
  • 「……なんだって?」 一泊遅れて、俺は聞き返した。 いまいちよく分からんのだが……。「そうね。簡単には信じられるものではないわね」「いや、ていうかもう一度――」「兄、と言ったな。ということは、お前はレイギルア・ミルセナルディス――かつての魔王の、妹だというのか?」 俺なんかはそっち退けで、茜は冷静に確認する。 それに対して最遠寺は頷く。「とすると、お前は千年だか二千年だか昔から生きているというわけ [続きを読む]
  • 第25話 ミルセナルディス
  •      /由羅「ん……」 誰かが私に触れている。 それに気づいて、私は目を覚ました。 視界に映ったのは、見覚えのある光景。自分の部屋だ。「ようやくお目覚めね」 横から、どこか嬉しそうな声が響いて――私はびっくりする。「え、なに……!?」 だってこの部屋に、自分以外の誰かがいたことなんて、ないから。 驚く私とは対照的に、そこに座っていた少女は、とっても優雅な微笑をこしら拵えて、口を開いてきた。「おは [続きを読む]
  • 第24話 一夜明けて
  •     /黎 …………。「おいで。いいのよ? 遠慮しなくても」 わたしの言葉に、妹はほんのしばらくの間だけ悩んでいたようだったけど、やがて意を決したように飛び込んできた。 長くて淡い金の髪が、ふわりと軽く舞う。 妹のものでありながら、つい自慢に思ってしまう髪。「きもちいい……!」 わたしの腕の中で、本当に心地よさそうに、ユラはじゃれついてくる。 まだ小さくて、つい最近わたしの妹になった子。 この子 [続きを読む]
  • 第23話 約束、もしくは誓約、あるいは呪いか
  •         /由羅「…………っ」 やられた傷が痛む。 あの刻印ほどの痛みは無いとはいえ、戦っている最中にこれだけの傷の痛みは堪えてしまう。 かなりの時間、ジュリィと戦って。 相手もさすがに無傷とはいかなかったけど、私の方はもっと深刻だった。 この身体はほとんどの干渉に対して不死だけど、無敵というわけではないから。傷つけられもするし、痛みもする。 何度か狙撃を受けて、身体はかなりの損傷を受けてい [続きを読む]
  • 第22話 愚かだとしても
  •         /真斗 夜になって。 昼間には全く手がかりすら得られなかったというのに、この時間になってあっさりと見つけてしまった。 まあ……あれだけ派手に動いていれば、嫌でも気づいてしまうか。 二人の戦いはすでに始まっていたが、住宅街を移動しながらで、しかも静かだったせいもあって、全くといっていいほど騒ぎにはなっていなかった。 けれど、気づくものなら気づいただろう。 俺のように。 本当ならば、俺 [続きを読む]
  • 第21話 一途で愚かなこと
  •         /由羅 都合良くといえば、確かにそうかもしれない。 私は目覚めてからこれまで、綺麗にそれ以前のことを忘却していた。 あれからどのくらいたったのかは分からなかったけど、それでもきっと長い長い眠りだったのだろう。 だって、私が覚えている世界と、今の世界とではずいぶんと違ってしまっているから。 そこで、苦笑。 これじゃあ同じだ。 前回目覚めた時も、今と同じ印象を世界に対して持った。 ずい [続きを読む]
  • 第20話 少女と記憶と
  •         /真斗 今日はとうとう目覚ましが鳴らなくなった。 針はしっかりと動いているところを見ると、その程度にはまだ電池は残っているらしい。 まあおかげさまで、授業には完全に遅刻してしまいそうだが。「まあ……いいか」 俺は布団の中で、ぼんやりとした頭のままつぶやいた。 授業、か。行った方がいいんだろうけど、今日はどうにも行く気になれない。 寝過ごしたばかりが原因でないことくらい、分かっている [続きを読む]
  • 第19話 覚えのない真実
  •         /真斗 信じられないくらい、最遠寺は速かった。 咒法には、自分の身体能力を一時的に高めたり、また恒常的に高くしておくことのできるものがあるらしい。 しかしそんなものを自分にかけているような咒法士など、限られている。よほど咒法の知識に精通し、また戦いというものを日常に位置付けている連中。 俺は何とか後を追いながらも、どうやら最遠寺が誰かの後を追いかけているらしいことに気づく。 俺にも [続きを読む]
  • 第18話 追撃と迎撃
  •         /真斗「早いな」 深夜になり、俺は二人との待ち合わせ場所である事務所へと来ていた。 来てみると、最遠寺はもう来ていて俺を待っていたというわけだ。「ここでの仕事は初めてだというのに、わたしが遅れるわけにはいかないわ」「充分間に合ってるって」 俺は時計を見て言う。 時間は二時半。 実際の待ち合わせの時刻は三時だ。 茜はまだ来ていない。 と、最遠寺が口を開いた。「……一つ、聞いていいかし [続きを読む]
  • 第17話 流れは変わる
  •  とりあえず由羅に連絡をつけなければならない。 まずはそれが第一と考えた俺は、茜をあいつが送って欲しいといった場所に連れていってやった後、またあいつのマンションへと戻った。 面倒臭かったが仕方無いので、一軒一軒尋ねて回ることにした。運が良ければあっさりとぶち当たるかもしれないし。 ただワンルームマンションということもあって、平日のこの時間に在宅している者はほとんどおらず、出てきた住人の中に由羅の姿 [続きを読む]