クロール さん プロフィール

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クロールさん: ネット小説「works」
ハンドル名クロール さん
ブログタイトルネット小説「works」
ブログURLhttps://ameblo.jp/fpkks223/
サイト紹介文「かっぱのななこ」超連載ちう。 火曜、土曜更新!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供29回 / 92日(平均2.2回/週) - 参加 2017/06/20 22:38

クロール さんのブログ記事

  • 「かっぱのななこ」 24話
  • 貨物列車が到着したのは品川の「とうきょうそうごうしゃりょうせんたーしゃこ」。無事脱出したのはいいが、 ここからもえの家へはどうやって行けばいいのだ? 広い通りの景色に見覚えがある。あぁ、この道は私がトラックの荷台から植え込みに飛び降りた道だ。 あの時、パオパオとけたたましく通り過ぎた白い車は「きゅうきゅうしゃ」。私がケガしてると心配した「ひと」が、勝手に呼んでくれたに違いない。 つくづく、「ひ [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 23話
  • たった数日の留守だったのに、ずいぶんと里の我が家が懐かしい。 帰宅は丑三つ時。ハチローの部屋の明かりがまだついていて、それだけでホッとした。 「餓死してないか?」なんていう私の心配は全く要らぬお世話であり、「ぺやんぐ」というヤキソバをズルズルとすすり、ハチローは「ぱこそん」に向かっていた。 予想通りだが私の心配より、買ってきた「すまほ」を催促するハチロー。 脱いだサロペットのポケットから、帽子に [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 22話
  • 騒がしい昼間の「とうきょう」。煌びやかな夜の「とうきょう」。そして、朝の「とうきょう」は、それら全てが跡形もないような厳かな顔をしていた。 もう使わないお金を全部、もえの部屋のテーブルに置いてきた。もう私が使うことはない。せめてもの河童のお礼なのだ。 ハチローのスマホだけを右ポケットに突っ込んだ。 もえはまだ眠っている。 長いまつ毛と小さな寝息。時々鼻がヒクヒク動いてる。無防備で笑っちゃうのだ。 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 21話
  • 冬の河原は少しだけ、塩辛い匂いがする。 大きな川の流れを遡り、風が「うみ」の匂いを運んでいる。里とは違う姿をした「とうきょう」の川だけど、水の近くが落ち着くのは私が河童だからなんだな。 「ちょっと寒いね」と言いながら、もえがまふらーを膝に置く。「しえろいりお」という「かふぇ」の外のテーブル。 当たり前のように「くりすますつりー」が飾られ、小さな「さんた」の人形がモミの枝の隙間から顔だけ覗かせて [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 20話
  •      「開いた口が塞がらない.」 文字通りこのことなのだ。 「すかいつりー」は「とうきょうたわー」よりはるかにデカかった!白い柱が幾重にも絡まりてっぺんが見えない、巨大な樹のようだ。ず〜〜っと見上げすぎて、すっかり首が痛いのだ。 良く晴れた冬の日差しに右手をかざす。 「ンふふ。。?」 嬉しくて顔がにやける。何度見てもきれいなのだ。 昨夜の約束。もえは私の爪に色を塗って飾ってくれた。 青と白の沢 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 19話
  • 「ふんぎゃ〜〜〜〜〜!!!」 洗面所の時計は21:56。河童の叫び声が響き渡った、「とうきょう」の「びる」の「おふろば」。 何もわからず蛇口をひねると、頭上の「しゃわー」から出てきたのは熱湯だった。もえが「何事か!?」とばかりに部屋に飛び込んでくる。 「ななこ!なんで服着てるのよ!?」 仕方ないのだ。。お風呂などはじめてなのだ。 そうか、「ひと」は裸になってお風呂に入るのだった。服がびっしょりに [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 18話
  • 「すまほ」も無事に買えた。「すかいつりー」は見られなかったが、負けず劣らずの「とうきょうたわー」もしかと見た。うすのろのハチローはちゃんとご飯食べてるだろうか?少し心配だが、まぁいいや。 「とうきょう」は煌びやかに瞬いているが、具合よく月のない夜空。用も済んでこっそり帰るには都合のいい夜。やり残したことはないのに、「ひとに関わるな」と言ったハチローの言いつけは、どうやら守れそうにないのだ。 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 17話
  • 里で練習してきた名前の書き方。 河童の手は水かきが邪魔で、細いペンなどが上手くつかめない。それに比べて「ひと」の手は便利なのだ。物を書いたり裁縫をしたり、細かい仕事するのに長けている。特に先っちょについている「爪」というのが、どこか可愛くてお気に入りなのだ 「川田ななこ」 紙の上を滑る「ひと」の手と文字。それは私の手であり、教わった私の「ひと」の名前。ハチローの郵便物にいつも書かれていた名 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 16話
  • 里と違い、やたら建物に囲まれたとうきょうは夕焼けが見えない。それでも夜はやってくる。まちは次第に薄暗くなり、たくさんの灯りが目を覚ますように灯り始めた。 女の子の名前は「もえ」。持っているのは「琵琶」ではなく「ぎたあ」という楽器だそうだ。とうきょう生まれのもえは、この近くに一人で住んでいるのだという。私は今日、とうきょうへやってきたことを話すと、ようやくその目的を思い出した。 「もえ!なな [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 15話
  • 前を見ても、上を見ても、右を見ても、左を見ても、後ろを見ても、どこもかしこも看板なのだ。「とうきょう」の街は様々な看板が、置かれ吊るされ、靡きぶら下がり、道を走る「とらっく」そのものも看板だったりする看板祭りだ。 スラッとキレイな女の「ひと」が巨大な写真となり、「びる」のてっぺんで微笑んでいる。右手に持っている瓶は「お茶」らしい。世界で1番美味しそうに見せるかの如く、優し気に笑っていた。 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 14話
  • 高いはずの冬の空。 高い「びる」に囲われ、その隙間から覗く冬の空さえ、さながら「ひと」が描いた模様のようにさえ見える。 鉛色の縞模様の雲が、建物の間を張り巡らされた電線と絡まりそうだ。行きかう車。多くのひとのざわめき。 ここが「とうきょう」。 「はぁ〜〜〜」だの「ほえ〜〜〜」だの、さっきからため息しか出ないのだ。 「頼むから目的を忘れないでくれよな。」 口うるさいハチローの言葉を思い出す。もちろん [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 13話
  • 「ひと」の作った乗り物は、こうも恐ろしいものなのか。もうこりごりのクタクタなのだ。 私の乗った(しがみついた)電車は長い時間をかけ、結局どこにも止まらず走り続けた。 ハチローにもらった地図は、もうさっぱり当てにならないはず。敷き詰められた何本もの線路が、ただただ広がる殺風景な景色。 どこなのだ?ここはいったい? 「俺は速いぜ、走らせろ!」とばかりに待ち構えた電車が、何台も顔を揃え並んでいる。 見 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 12話
  • 里を下りると、平らな黒い道が真っすぐ続く。歩くことさえ楽しようとする「ひと」が作った「あすふぁると」と言うこの道は、河童の私には歩きづらい。 「ひと」の暮らしが集まる村に辿り着いた。小さい村ながらも懐かしい「ひと」の暮らしが残っていて、私は少し安心した。年の瀬が近いせいだろうか。一軒の開けた玄関から門松の支度をしている家族の姿を見つけた。 しばらく見なかった「ひと」の暮らし。時代も変わり、ここ [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 11話
  • 白いブラウスに青いデニムのサロペット。うむ!やはりこれが一番しっくりくるのだ。拾った木の実がたくさん入りそうな、大きな胸ポケットがいい。 「いんたーねっと」は便利なのだ。今の「ひと」の生活を知ることができるばかりか、家に居ながら欲しいものは全て手に入る。 とうky・・もとい、「すまほ」を買いに行く私に,「服でも買ったら」と言い出したのはハチロー。私は「ぱこそん」の「ぞぞたうん」で、気に入った服 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 10話
  • 赤い「ばいく」がやって来た。ハチローはいそいそ部屋に隠れ、私はぼうしをかぶり玄関へ出る。 「お届けものでーーす。」 「ご苦労様なのだ!」 又ハチローの買い物だ。。。 私は「うけとりしょ」に「はんこ」を押して、小さい箱を受けとる。「ばいく」が帰るのを見計らうと、ハチローは部屋から飛び出してきて私の持っている箱を奪う。又「ぱこそん」の「しゅうへんきざい」だろう。こう度々お届けものの「ひと」に来られて、 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 9話
  •     里の山に再び桜が咲く。 「ひと」が里を捨てて30年ほど経つ。 住む者は居ない里だが、それでも時々「ひと」が「くるま」でやってくる。様々なゴミやものを、夜を見計らい森に棄てていくのだ。「ふほうとうき」だとハチローは顔をしかめる。 私は狩りの帰り。時々その中から「でんき」で動くものを持って帰るようになった。「ふほうなんたら」と顔をしかめてたくせに、ハチローがえらく喜ぶのだ。 「でんき」で動く [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 8話
  • この屋敷に越してきた冬には、まだ苗ほどだった柿の木。すくすくと育ち、この秋はじめて実を付けた。私は縁側で、針と糸をつかって着物を直していた。 ハチローが帰ってきた。又、無駄なものを拾ってきたに違いない。 ゴロゴロと転がしてきた大きな白い箱は「れいぞうこ」というものだった。「でんき」がないと使えない、とハチローは嘆いていた。んなら拾ってくるな!なのだ。 あれから数年、私たちの生活はすっかり「ひと [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 7話
  • 刺さりそうな北風が山を駆け上がる。こりゃ雪になりそうなのだ。 里を逃げて5回目の冬がやってきた。かつての里は以前ほどの騒々しさは消え、どうやら「せんそう」は終わったらしい。「だんぷかー」や「とらっく」を従えて、「ひと」が次々と里を下りていく。 逃げかくれていた山は、食料も豊富で決して悪い環境ではなかった。しかし河童は水辺に住むのがしごく当然。沢も池も沼もない山では、やはり居心地はよろしくなかった [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 6話
  • もう誰もいなくなった「ひと」の家。朽ちた箪笥から、残っていた着物を盗み出し羽織る。帯の締め方がわからないので、麻紐を拾い適当に腰に結んだ。「うん、どこから見てもひとなのだ!」 弟のハチローは、未だ私の「ひと」の姿に慣れないらしく、怖がり寄り付かない。ぼうしをかぶった私は、「ひと」となりすまし、「ひと」の集まる場所へ近づいた。 騒がしい音がけためく森。林の木がすでに何本も切り倒されている。その切り [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 5話
  • 桜の花は、あれから20回は咲いただろうか。今やその木の下で、子供たちが集まり遊ぶ姿も見なくなった。 ていうか。 子供たちどころか「ひと」は里を次々と離れて行った。村の祭りは年々寂しいものとなり、仕舞には行われなくなった。 多分これがせっちゃんが言ってた「そかい」だ。その証拠に、里に「せんそう」がやってきた。 ある日、道ほどの幅の「くるま」が次々と里にやってきた。「だんぷかー」や「しょべるかー」や [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 4話
  • 朝と夜の風が向きを変え、すすきを揺らす秋。村の祭りも近くなった頃、「せんそう」が終わったらしいと、せっちゃんが話してくれた。 そういえば最近は遠くの「まち」に「あめりか」が飛ぶこともあまりなくなった。田んぼの稲が育つころには、せっちゃんは里を離れると言った。 「おみおくりに来てね」と寂しそうな顔してせっちゃんは言ったけど、「おみおくり」とは何なのだ?わからない。 そんなことより、せっちゃんと村の祭 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 3話
  • カサカサにしおれ、色を無くしたアジサイ。それを掻き分け、私は待っていた。 騒がしいセミの声、夏が押しせまるころ、私はせっちゃんが帰る頃を見計らい待ち伏せた。            「また来てね」って言葉、ほんとかなぁ? だって私「河童」だし、あの時はなんとなくそんな気分だっただけで、日も暮れかけてたし、はっきり私の姿見えなかっただけなのかもしれないし、実はドクダミ欲しかっただけだったのかもし [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 2話
  • 傾きだしたおひさまが、子供たちの影を長くする。カラスが鳴くと、遊びの時間は終わり。 「又、明日ね〜〜!」 みんな手を振って、それぞれの家に帰っていく。夏は昼が長いのに、まだ遊べるのにもったいないのだ。 私は山を下り、せっちゃんの後を追った。 一人とぼとぼ歩くせっちゃんは袖をめくり、擦りむいたひじを「はんかち」で押さえていた。 「一人になると泣くかな?」 そう思ったけど、せっちゃんは泣かなかった。 [続きを読む]
  • 「かっぱのななこ」 1話
  • 河童は泣くと「ひと」になる それは古くからの言い伝え。「んなら、「ひと」になった河童はいるんか?」と聞かれると、ぐぅの音もないのだが。 長く降り続いた雨も止んだ、蒸し暑い晴れた日。ぶらさがったビワをほおばりながら、私は待っていた。 そろそろ学び舎が終わる時間。かすりの着物の藍と白の模様が集う、桜の木の下の広場。 「来た!」 1,2,3,4、・・5,6!6人!! 今日は6人も来た!ワクワクと胸が高鳴る [続きを読む]
  • [around the world] #5
  • 最後の車両。その扉を開ける。 そこにあの人はいた。「はじめまして、又忘れてしまったのかい?」 見覚えのある声と穏やかな笑顔。その手には2枚の切符を携えていた。 私が大好きな人。愛してやまない恋人。どうして私は、いつもこの大事な人を忘れてしまうんだろう。 自分の病を呪い、しゃくりあげて泣く私の頭を撫でで、あの人はそっと抱きしめてくれた。 この人と旅に出るため、私は一緒にこの電車に乗ったんだ。目的地も住 [続きを読む]