ぱこぺら さん プロフィール

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ぱこぺらさん: ぱこぺら 映画批評
ハンドル名ぱこぺら さん
ブログタイトルぱこぺら 映画批評
ブログURLhttp://pakopera.blog.fc2.com/
サイト紹介文映画の批評・評論・考察など。取り上げる映画は多少なりともいいと思った映画です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供18回 / 78日(平均1.6回/週) - 参加 2017/07/07 00:20

ぱこぺら さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 非常線の女
  • 監督 小津 安二郎 1933年 アメリカのギャング映画のパロディのような作品。1933年当時の日本にアメリカ映画の風景、文化、キャラクターを移植している。人物表現は薄っぺらく、作品世界はでたらめに設定され、ストーリーも荒唐無稽にできている。B級映画を楽しめる人にとっては面白い映画だ。小津安二郎が作っているというのも楽しい。 作品世界は作られた部分と1933年の日本が混在していて面白い仮構世界を形成している。壁の [続きを読む]
  • ノスタルジア
  • 監督 アンドレイ・タルコフスキー 1983年 イタリア・ソ連合作映画 描写が素晴らしい。しかし冗長さも伴っている。そして物語は特異だ。ロシアの詩人アンドレイが取材のためにイタリアを巡り、少し俗っぽい通訳の女性や狂信的キリスト教徒のドメニコとの交流が主に描かれるのだが、ドメニコはローマで意味不明な演説をした後焼身自殺し、アンドレイは世界を救うために温泉を蝋燭を持って渡る。不可解であり独創的だ。 この映画 [続きを読む]
  • サクリファイス
  • 監督 アンドレイ・タルコフスキー 1986年 スウェーデン映画 この映画はキリスト教的な世界観、表象、物語…つまり何もかもがキリスト教的だが、キリスト教礼賛ではない。人類が持っている宗教的な心情、信仰や迷信への心的傾向がこの映画においてはキリスト教に像を結んでいるということだ。テンポの遅ささえ気にしなければ誰もが楽しめる。描写も物語も独創的でとても面白い。特にタルコフスキーの映画としては偏りがちだった [続きを読む]
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー
  • 監督 ロバート・ゼメキス 1985年 アメリカ映画 最初から最後までとにかく楽しいコメディ映画。娯楽と銘打った映画が実際はちっとも面白くないことも多く、「娯楽映画」と聞くと「またどうせつまらない映画だろう」などと考えてしまいがちだが、この映画は言葉本来の意味での娯楽映画だ。 冒頭の日常描写からもう楽しい。描かれる世界は現実的な範囲で理想化されており、まさに痒い所に手が届くといった感じだ。主人公はハンサ [続きを読む]
  • スター・ウォーズ (スターウォーズⅣ:新たなる希望)
  • 監督 ジョージ・ルーカス 1977年 アメリカ映画 有名な映画だがシリーズでジャンルのようなものを形成してしまって、ちょっとした閉鎖性を感じさせるとともに映画としての正当な評価を阻んでいるような雰囲気も漂っている。しかし、SFという分野を代表する1本であり、独特の魅力がある映画だ。 この映画の面白さはアイデアそのものと細部の意匠にあって、物語や演出はそれが狙いであったとしても平凡なのも確かだ。この作品を契 [続きを読む]
  • 妻よ薔薇のやうに
  • 監督 成瀬巳喜男 1935年 1935年当時の現代劇。物語の本筋はちょっと悲しい話でもあるが、君子のキャラクターをはじめ楽しい要素も多い。登場人物は皆、理性的に振る舞い、描写は心理に深入りしない。カットはリズミカルで、あくまで軽く、深刻にならずに楽しめる。 現代の観客が見ると1935年の同時代的描写が最初に気づくこの映画の魅力だ。当時の都会や農村の様子が見られる。普段見られないものが見られるというのは原始的だ [続きを読む]
  • 人情紙風船
  • 監督 山中貞雄 1937年 江戸時代、江戸の町を舞台に社会や経済など状況に制限された中に人間が描かれる。その世界観は基本的に『丹下左膳余話 百万両の壺』と同じだ。違うのは『人情紙風船』が悲劇を志向している…というよりは意図的な喜劇を目指していないことだ。価値観を転倒する仕掛けを排除し、構成を少し変えるだけで同じ世界が悲劇のように見えてくる。『丹下左膳余話 百万両の壺』では逆説的なカット繋ぎやあからさまな [続きを読む]
  • 丹下左膳余話 百萬両の壺
  • 監督 山中貞雄 1935年 1935年公開の楽しい喜劇映画。古い映画が時々、現代の映画より現代的だったり、ずっと出来もよかったりすることがあるが、これもそんな1本。現代の作り手は過去の文化遺産から出発できるのだから、理屈の上ではそんなことはありそうにないように思えるが、それがあるのが芸術という分野の面白いところだ。 喜劇であり軽い作品だが、軽薄だったり浅はかであったりはしない。現実と同じように人の死や借金は [続きを読む]
  • 『時計じかけのオレンジ』
  • 監督 スタンリー・キューブリック 1971年 アメリカ映画 単純明快なストーリー、倫理観を無視した表現、無神論的な人物描写などがこの映画の特徴だ。いや、過剰な色彩や社会と人間に対する風刺を先に挙げるべきだろうか? ストーリーの特徴も単純明快さより皮肉な展開を言うべきか? ともかく様々な点において特徴的で、色んな意味で際立つ映画だ。見所は沢山ある。 ストーリーの骨格は4コマ漫画にもできそうなほど単純だ。凶 [続きを読む]
  • 『未知との遭遇』 彼岸への憧憬
  • 監督 スティーブン・スピルバーグ 1977年 アメリカ映画 特殊効果で作られた風景が魅力的だ。そこだけ僅かに明るくなっている地平線、その向こうの星空、灯りが消えていく遠景の街。森の中の一軒家はまるでおとぎ話のようだ。U.F.O.の色彩豊かな光ももちろんいいが、一見特殊効果でなくてもよさそうな風景が、日常の中に微妙に非日常が混じり合ってとても魅力的な世界を作っている。 踏切の遮断機や郵便箱がガタガタと動くのは [続きを読む]
  • 『マイノリティ・リポート』
  • 監督 スティーブン・スピルバーグ 2002年 アメリカ映画 彩度を落としコントラストを強めた映像が印象的。プリコグの見るビジョン、雑誌や壁面、窓の反射など至る所に映し出される映像、過去の立体メモリー、スクリーンに映る映画…そしてそれらを見る目、眼球など、様々な見られるものと見るものが頻出するのも興味深い。ただ、それらは映画の内容との意味的な連関はあまりない。 この映画の見どころはSF的な世界でのアクショ [続きを読む]
  • 『ストーカー』 人類と恩寵
  • 監督 アンドレイ・タルコフスキー 1979年 ソビエト映画 この映画が娯楽作品として作られてないのは、主要登場人物3人が頭の禿げた中年男ばかりであることからも明らかだ。普通なら一人は美少女であるべきだろう。男性が感情移入し女性が憧れるようなカッコいい男もいない。科学者は帽子を被っていてもハゲだと察せられる。更にタルコフスキーはテンポというものを知らないらしい。眠ってしまいそうだ。 しかし、これは失敗作 [続きを読む]
  • 影武者 (詳説4 諸要素の総合)
  • 監督 黒澤明 1980年 『影武者』では終局に至ってそれまでの矛盾が次々と解消してゆく。不協和音を奏でていた諸要素は統一され協調し合う。武田家の人々の生み出していた意味や価値が虚構に過ぎないことが判明し、虚しさを描き始めた物語がまず、虚無的な視点に統合されていく。 武田家は信玄の存命中から敵味方に与える心理的効果によって勝敗を制御してきた。人の心を舞台に戦ってきた。しかし今や神話は解体し、最後の戦いで [続きを読む]
  • 影武者
  • 監督 黒澤明 1980年 非常に独創的で特殊な映画だ。なかなか語る言葉も見つからない。 そのせいか公開時から今に至るまでずっと賛否両論が続いているようだ。その意味では評価の決定している『生きる』や『七人の侍』などより現代においてはもっとも生きのいい黒澤映画と言えなくもない。 この映画の変わっている点はいくつもあるが、まずその描写が特異だ。 一見アクションが見どころの時代劇のような外見だが実際は全く逆で [続きを読む]
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