OS さん プロフィール

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OSさん: S&R
ハンドル名OS さん
ブログタイトルS&R
ブログURLhttp://snr23.blog.fc2.com/
サイト紹介文超短編、ショートショート、エッセイ、詩
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供16回 / 12日(平均9.3回/週) - 参加 2017/07/15 22:44

OS さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 『啀み合う存在と愛情』
  •  仲の悪さは愛情の証である。一階に住む婆さんと二階に住む爺さんはいつも互いに罵り合い喧嘩し、第三者に相手のことを愚痴るのである。婆さんは歌を歌うことを愛しておりいつも数時間はお気に入りの歌を歌う。爺さんは彼女の歌を騒音だと言い、床を蹴っては黙れと叫ぶが婆さんにしてみれば相手を怒らせるのが楽しくて歌は勢いを増す。爺さんは老人ホームでもっともいい部屋に住んでいる。婆さんにしてみれば彼をそこから追い出し [続きを読む]
  • 『夏の退屈』
  •  僕と友人が家出をして、一週間になる。目的は、別にない。学校は夏休みに入っていて休みだし、暑いだけでこれといってすることもなく、ただ毎日かき氷とアイスクリームを食べて野球を観て腹を下して過ごしていた。あるとき、友人は言った。「暇だし、家出しようぜ」 友人が考えついた計画はこうだ。僕たちには金がない。だから都会にいてウロウロしてても日々の生活と何の違いもないし、どこの店にも行けなくてつまらないから遠 [続きを読む]
  • 『いい匂いのするコアラ』
  •  モテるコアラは匂いが違う。よく言われていることだが、コアラは人見知りでストレスの溜まりやすい動物だから人はあまりコアラに近寄っちゃいけないと。だがコアラはストレスの溜まりやすい動物かもしれないが、けっして人見知りではない。彼らは自分の発する臭いを気にしているのだ。動物園で人と一緒に写真を獲るイベントがある日はなんかはコアラにとっては地獄だ。人に抱っこされて写真を撮られる。別に写真を取られることに [続きを読む]
  • 『危機感を自覚しない人々』
  •  彼女の放つ雰囲気に俺はどうしても馴染めなかった。スマートフォンに向かって真剣な顔つきでゲームをやっている姿、ぽかんと口を開けてTV番組を眺めている姿。俺はどうしてもあれらの姿に我慢が出来ない。諦めきった弱者の姿だ。俺には感じられない。彼女が危機感を持ち、それを圧倒的なエネルギーに変えて何かに取り組む姿を。その姿を直視することで自分までそこまで落ちぶれてしまうのではないかと恐怖を感じてしまう。彼女は [続きを読む]
  • 『晴れの後に』
  •  もうここに座って夕日を眺めるのも7日目だ。サニーが僕の元を去って7日がたった。僕たちは休暇でバリ島に来ていた。楽しくなるはずだった休暇は彼女の喪失という形で悲しみへと変化した。別に彼女が突然何かの病気に掛かって死んだとか、事故にあったわけでもない。南国のプレイボーイとともに僕から去ったわけでもなく、彼女は突然いなくなったのだ。知り合った人々は言う。他の男と知り合ってそいつと何処かへ行ったとか、も [続きを読む]
  • 『12月のマフラー』
  •  ここ数年決まって彼女にはマフラーを送ることにしている。彼女が僕と会うときはいつも僕があげたマフラーを巻いている。最近は暗めの色のマフラーを送ることが多かったから、今年は明るめのそれをあげた。それは彼女にはとても似合っていた。そのことを彼女に伝えると、両手のひらで顔を覆いくすくす笑った。多分その瞬間、僕のほうが彼女より数倍も幸せだったと思う。「これとてもいいよ。好きだよ」彼女は言った。「そんなの当 [続きを読む]
  • 『タイムマシン』
  •  風呂からあがると時間が二時間進んでいた。俺が風呂に入っていた時間なんてせいぜい30分くらいなもんだ。まったくもって理解不能。 翌日、風呂に入る。いつものように30分ほどだ。風呂から上がり時計を見ると時間はまた二時間進んでいた。どうなってやがる……。 俺はその辺の人達の時間より二時間ほど進んでるってことか?いや一時間半だ。俺は一時間半、彼らより前にいることになる。この時間差で何かできないだろうか。 う [続きを読む]
  • 『寒さに怯える男』
  •  くしゃみと鼻水がとまらない。俺の鼻の周りはカサカサに乾いている。ティッシュの感触が気持ち悪くてしょうがない。寒さが俺を苛つかせる。寒い。どれがけ服を着込んでも寒さは俺をじわじわと蝕んでいく。なぜだ?なぜ奴らは俺ばかり襲うんだ。まわりの奴らは暖かそうにして笑いあっているのに。どうして俺は寒さに侵されくしゃみと鼻水に苦しんでいるのだ? 鼻をかむためにポケットを探った。鼻水で湿った菌だらけのティッシュ [続きを読む]
  • 『よそ者がやってきた』
  •  今から六年前、この町に彼らがやってきた。彼らは数組の夫婦だった。子供がいる夫婦もいた。おそらくここへ辿り着く前に何処かで出会い意気投合したのだろう。彼らは住みてのいない古い民家を買い取りそこで暮らし始めた。その民家には畑もついていて、彼らは食糧を自分たちで育て始めた。 週末の夜。彼らはパーティーを開く。パーティーと言っても優雅なものではなく、キャンプ場で開くBBQみたいなものだ。そして轟音の音楽と [続きを読む]
  • 『魔法のある生活』
  •  ベッドから起き上がり、朝食へ向かう。テーブルにつき目を擦りながら朝食を待つ。テーブルが開き、中から朝食が現れる。オムレツと納豆ご飯、よく焼けたウインナ−、そしてコーヒーだ。彼は言う。「コーヒーは食事の後だ」テーブルがコーヒーのある位置で開き、それを中へ下ろした。「申し訳ありません」テーブルが言った。彼は言う。「喋らなくていいよ、うるさいから」 沈黙 食事が終わり、彼は言う。「コーヒーをくれ」コー [続きを読む]
  • 『森の散歩道と別れ』
  •  僕たちはバスケットを持ち散歩道を突き進む。太陽が眩しく、僕と彼女は手傘を作り、顔をしかめる。どこからか虫が声をあげる。その声は僕たちを歓迎してはいない。彼らはきっと分かっているのだろう。僕たちがここで話し合う内容を。この美しい散歩道では悲しい別れは必要ない。ここは人々が楽しく幸せになるところだ。僕らは丘の天辺まで行き、そこに腰を下ろした。バスケットに入れてきたシャンパンと幾つかの食べ物を広げた。 [続きを読む]
  • 『空洞に潜む喪失』
  • いつも最後はあっけない目を交わすことはなく、微小は記憶の中で映えり続ける掠れた声は耳元で鳴り響き、喪失感を連れてくる落ちた破片を探し回り、希望で襲いかかる虚無を振り払う徒労が空洞を更に押し広げる虚無が喪失感を引き連れてやってくる逆らうことなくそれに身を委ねつつ、抜け殻のような記憶に思いを馳せる最後に残していった微笑みは現実の記憶かあるいは狂気に満ちた妄想かそして僕はそれにそっけない返事をした本当に [続きを読む]
  • 『コアラ的生活』
  •  朝日が昇る時間とともにコアラは起きる。大抵の人間と同じように顔を洗い、歯を磨き、朝食に笹を齧る。コアラはけっして人間のように急がない。案外、コアラと毒蛇は似た生き物なのかもしれない。時間をかけた朝食のあとコアラは仕事をする。コアラはいつも寝てるだろと思うかもしれないが、あいつらは引退した老コアラだ。老人も一日の大半は寝て過ごすだろ? 彼らはアイロン工場に向かう。そこには大勢のコアラがいて、一日中 [続きを読む]
  • 『おばさん』
  •  よく言われることだが、地球が亡びてもゴキブリだけは生き延びると。だがオレは思う。最後まで生き残るのはおばさんじゃないかと。オレは見てみたい。『おばさんVSゴキブリ』どっかの誰かがそんな小説や映画をつくってくれるんじゃないかと。昔、龍のおっさんが書いた『昭和歌謡大全集』みたいな感じで、誰かつくってくれないかな。…オレが書くか…。まあ勝者はまちがいなくおばさんだろうな。おばさんの数は五人、ゴキブリは無 [続きを読む]
  • 『偏愛できない少年』
  •  テレビを見ながら少年は考える。テレビには学校で話題の探偵アニメが映っている。なぜか僕はこの番組に夢中になれない。僕のともだちはみんなそれに夢中になりアニメのグッズやなんやかやを買い込んでると言うのに。僕は何かを好きになったことがない。いやもちろん好きなものはある。僕は卵焼きが好きだし、映画もすきだし、本も好きだ。もっと言ったらそのアニメだって好きだ。好きなんだけど、他のことすべてを忘れるほどそれ [続きを読む]
  • 『偵探的生活』
  •  デスクに足を載せ、ゆっくりと葉巻に火をつける。時間をかけて煙を口内で転がし物憂いげにそれを吐き出す。煙が天井に吸い込まれたのを確認すると、受話器を取りダイアルを回す。………………誰も出ない。受話器を元の位置に戻し、葉巻を深く吸い込み入り口のドアを注意深く眺める。誰かがドアをノックする気配はない。そのまま数分ドアを睨みつけた。ドアは何の返事もよこさない。まったくふざけた野郎だ。デスクの上に放ってあ [続きを読む]
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