ラプレツィオーサ伸子 さん プロフィール

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ラプレツィオーサ伸子さん: ホスピスナースは今日も行く
ハンドル名ラプレツィオーサ伸子 さん
ブログタイトルホスピスナースは今日も行く
ブログURLhttp://gnaks.blog.fc2.com/
サイト紹介文アメリカ在住の日本人在宅ホスピスナースがホスピスで出会った普通の人達の素敵な人生をおすそわけします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供8回 / 28日(平均2.0回/週) - 参加 2017/08/15 12:47

ラプレツィオーサ伸子 さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • タフガイの苦悩 (3)
  •  ホスピスの患者さんの誰もが自分の死を受け入れているとは限りません。自分の存在がこの世界から消滅すると言う事は、客観的には想像できても、自分自身にとってそれがどういうことなのかは、生きている限り知ることはできないからです。ビルさんは、自分の心臓が限界に近付いてきていると、客観的には理解できても、それが実際に止まった時のことをなかなか受け入れられませんでした。薬を調整し、少しずつ眩暈が改善されて気分 [続きを読む]
  • タフガイの苦悩 (2)
  •  ビルさんは食欲もあり、夕食はいつも奥さんと一緒に長い廊下を歩き、エレベーターに乗り、また歩いて、ダイニングルームまで行っていました。ビルさん達が住んでいるリタイアメントコミュニティーは、広い敷地内に三翼5階建てのアパートメントビルディング(日本でいうマンション)が六棟あり、すべての棟が渡り廊下でつながっていました。一周すると2km以上あり、それだけでも62歳以上の入居者達にとっては結構な運動にな [続きを読む]
  • タフガイの苦悩 (1)
  •  ビルさん(仮)は、70代後半の元ノースフィリー(フィラデルフィアの北部地区)の警察官でした。フィラデルフィアの警察官と言えば、“タフガイ”のイメージが強く、特に治安の悪いノースフィリーのコップ(警官)といったら、泣く子も黙る、と言うのが常識でした。ビルさんは高校卒業後海軍に入り、3年間の奉仕のあと警察官になり、20年以上勤めてから、保険会社に転職しました。昔は筋骨隆々だったと言うビルさんは、銀髪 [続きを読む]
  • Always
  •  先日、自宅でホスピスケアを受けていた義父が亡くなりました。 イタリア系が多く住むサウスフィリーで生まれ育った義父は、やはりサウスフィリーっ子の義母と、20歳になったばかりの時に知り合いました。二人が出会ったのはフィラデルフィアのダンスホールでした。あの頃の若者達にとっては一番人気のある遊び場で、出会いの場でもありました。義母はその時17歳で、友達と一緒に踊りに来ていたのです。義父から誘って一緒に [続きを読む]
  • ドイツ魂 (4)
  •  フランツさんは一日の殆どを眠って過ごすようになりました。ほんの少しの水と牛乳を飲むだけで、ハロペリドールも必要なくなりました。身体の向きを変えたりするときに痛がるため、エイドさんが来る30分ほど前にモルヒネをあげて、ベッドバスを行なう時には薬が効いているようにしました。空気の量を自動調節するエアマットレスを敷いて、褥創(床ずれ)ができないようにし、フランツさんのケアにおけるエリザさんの負担は、大 [続きを読む]
  • ドイツ魂 (3)
  •  フランツさんがホスピスケアを受け始めて、一年半になろうとした頃、ある日エリザさんが声をひそめてこう言いました。「一昨日の夜中にね、突然誰かが来て、私の脚をね、ガーンって殴ったの。まるで鉄の棒か何かで殴られたみたいだった。誰かはわからないの。玄関のドアは鍵が掛かってたし。でもね、ものすごく痛くて、しばらく歩けなかったわ。」私は、「え?誰か知らない人が入ってきたって事ですか?」と訊くと、エリザさんは [続きを読む]
  • ドイツ魂 (2)
  •  アメリカに渡ってから、フランツさんもエリザさんも必死で働きました。そして、3人の子供を授かり、エリザさんはしばらくの間、子育てに専念したそうです。フランツさんは子煩悩ではなかったけれど、まじめにコツコツと働き、家族を養ったのでした。しかし、フィラデルフィアにはユダヤ人のビジネスオーナーも多く、ドイツ人の二人は、その為に辛い思いをした事や、仕事を失った事もありました。二度の世界大戦によって、古くか [続きを読む]
  • ドイツ魂 (1)
  •  フランツさん(仮)は86歳のドイツ人で、同い年の奥さんと二人、55歳以上の入居者を対象にした、小さな平屋ばかりのリタイアメントコミュニティーに住んでいました。フランツさんはmyxopapillary ependymoma (粘液乳頭状上衣腫)と言う、脳や脊髄の中の組織にできる腫瘍で、彼の場合、尾仙部皮下(背骨の一番下の部分の辺り)にありました。フランツさんは何年も前に前立腺癌のため、放射線治療を受け、幸いそちらは完治し [続きを読む]
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