黒書院御上段の間 さん プロフィール

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黒書院御上段の間さん: 黒書院御上段の間
ハンドル名黒書院御上段の間 さん
ブログタイトル黒書院御上段の間
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/tatuya_sintaro
サイト紹介文棋士のBLをコソーリ書いていきます。 BLが苦手な方は、そっ閉じ推奨でお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供45回 / 29日(平均10.9回/週) - 参加 2017/08/28 09:37

黒書院御上段の間 さんのブログ記事

  • 片想い 4
  • 終局後。竜也が棋士室に現れた。観戦記者のインタビューに答えている姿を、慎太郎は少し離れた場所から見つめる。慎太郎の存在に気づいたのか、竜也は一瞬視線を慎太郎に向けた。日が暮れるのも早く、すでに外は薄暮になっていた。「菅井さん。話があるんですけど、いつでもいいんでお時間取ってもらえますか?」将棋会館を出ようとした竜也に、慎太郎は声をかけた。「今でもいいけど?」「でも、対局後ですし・・・・・・」「今の俺は、おまえ [続きを読む]
  • 片想い 3
  • 「悩んでる事なんかないですよー」「そうかー?」練習将棋も終わった帰り際、数歩先を歩く竜也の背中を、慎太郎はただ見つめている。将棋会館を出て、宿泊しているホテルへ戻る竜也を見送ろうと、慎太郎は立ち止まった。その時だった。振り返った竜也は、視線を落として口を開く。「おまえ、嘘つくの下手やな?」「え?」「何を隠してんのかわからんけど、吐き出さんとあかんと思うよ。じゃあ、明日来れたら棋士室に来て」竜也は右手を上げて [続きを読む]
  • 片想い 2
  • 「目に砂埃入りそうですわー」苦笑いで、慎太郎は言う。「気いつけなあかんで。慎ちゃん目弱いんやから」竜也の何気ない言葉に、心が揺れる。(ずるいなぁ)と、慎太郎は思う。棋士室に入ると、竜也が手招きをした。「練習将棋付き合ってくれる?」竜也は翌日、対局を控えていた。「いいですよ」二人は駒を並べはじめる。「よろしくお願いします」「よろしくお願いします」そして、静かに練習将棋は始まった。奨励会員も、興味深げに集まってくる [続きを読む]
  • 片想い 1
  • 片想いが、こんなに辛いとは思わなかった。いまにも泣き出しそうな気持ちを持て余し、斎藤慎太郎は最寄り駅へと急ぐ。彼は、幼馴染みであり、仲間であり、ライバルでもある。手を伸ばせば届く距離。慎太郎にとって、それがいちばん遠い距離だった。子供の頃、将棋大会でいつも目にしていた名前。眼鏡の奥の瞳が、慎太郎をクギ付けにする。あの頃も、今でも。棋士室に彼がいると、それだけで胸が痛む。しかし彼の姿がないと、もっと [続きを読む]
  • 傷心 最終回
  • 千駄ヶ谷にある、東京将棋会館。本来なら、竜也はタイトルホルダーなので関西対局なのだが、スケジュールを理由に東京対局に変更してもらっていた。終局後、竜也は対局相手の阿久津に、変更してもらったことへの謝罪をした竜也。その去り際だった。「俺の慎太郎に、手を出さないでいただきたい」視線を外したままで言う。「怖いねぇ、菅井王位は。もし嫌だと言ったら?」「僕は、慎太郎のためなら悪魔にだってなれますよ?」竜也の刺すよ [続きを読む]
  • 傷心 4
  • 『腹立つ』慎太郎からの電話。「いきなり腹立つって・・・・・・」竜也は苦笑する。阿久津とのことを、阿久津の名前を出さずに慎太郎は言う。「へぇ、将棋の話に釣られて、ほいほいついてったん?」竜也の声に、慎太郎が慌ててるのが手に取るようにわかる。『・・・・・・怒ってる?』「ん・・・・・・ちょっとなぁ・・・・・・」『なんにもなかったで?』「んなことはわかってるよ」『・・・・・・』「で、相手は誰?」竜也は意地悪く訊いてみた。『あの・・・・・・言わなあかん [続きを読む]
  • 傷心 3
  • JR大阪環状線福島駅。慎太郎は重い足取りで、駅に降り立つ。これから向かう関西将棋会館で、阿久津主税(ちから)が対局しているからであった。その昔、竜也と想いを交わすその前に付き合っていた、慎太郎にとって初めての相手。だからこそ、気分は重くなる。持ち時間を考えると終局に近いのだが、棋士室に行かなければいいだけだと自分に言い聞かせ、将棋会館へと向かう。事務所での所用が思いのほか手間がかかり、気がつけば阿久津 [続きを読む]
  • 傷心 2
  • 「ちょっと・・・・・・お兄さん?」菅井竜也が、いつものように慎太郎の部屋に行くと、慎太郎は竜也を背後から抱きついた。「どうしたん?」「もうちょっとだけ・・・・・・」「あー前に来てくれると、菅井さんは嬉しいんやけどなぁ」「ん」慎太郎は顔を伏せたまま、また竜也に抱きつく。「綺麗な顔見せてくれへんの?」「・・・・・・」「困った子やな・・・・・・」竜也は、慎太郎を寝室まで誘導する。「よっと」竜也がベッドに身を横たえると、慎太郎を抱き寄せる。「竜也・ [続きを読む]
  • 傷心 1
  • 午前2時。斎藤慎太郎は、鳴り響く着信音に目が覚める。「はい・・・・・・」「しーんちゃん!あっそっぼっ!」電話の主は酔ってるのか、テンションの高い声で言った。「寝てるんですけど?」慎太郎は、不機嫌な声で応える。「ちょっと、声が聞きたかっただけじゃん」「何をいまさら・・・・・・」「もう、他の棋士(おとこ)に抱かれたの?」慎太郎は身を起こすと、ベッドに腰掛ける。「そんなこと聞いて、どうするんですか?」「西の王子の動向は、いつも気にな [続きを読む]
  • 夕映えを待ちながら 最終回
  • 夕映えの源八橋。行き交う人に見向きもせず、慎太郎はただそこに立ち尽くしていた。将之と別れて数ヶ月。どこにいても、将之を探してしまう癖に気づく。慎太郎は限界だった。人目もはばからず、泣き叫びそうになるのをこらえ、唇を強く噛み締める。視線すら合わせてもらえない。将之を傷つけた代償は大きい。もう将之にさよならを告げたのだからと、顔を上げようとしたその時だった。聞き覚えのある足音に気づく。顔を上げた慎太郎 [続きを読む]
  • 夕映えを待ちながら 3
  • 関西将棋会館の棋士室。慎太郎は奥に将之がいるのに気づき、一番手前の席に座った。微妙な距離が救いだった。将之はこちらに気づいているのかいないのか、ディスプレイに映る盤面をずっと見つめている。慎太郎は小さくため息をついた。いつまでも引きずっている自分が悲しい。自分が選んだ選択が、間違いだったのか。いや、最善手だったのだ。自分のためにも、将之のためにも。そう心の中で言い聞かせる。すると将之は立ち上がり、 [続きを読む]
  • 夕映えを待ちながら 2
  • それは、どちらから別れを切り出したのかそれすらわからなくなってしまうほど、慎太郎と豊島将之は話し合いを重ねて出した結論だった。嫌いになって、憎しみあっての別れではない。それだけが、二人を支えていた。そして最後の夜。ありったけの愛を吐き出そうとする慎太郎に、将之は優しく言った。「もうええよ、慎太郎。朝まで側におって?それだけでいいから」そうして朝まで、二人は抱き合ったまま時を過ごす。最後の瞬間まで、二 [続きを読む]
  • 夕映えを待ちながら 1
  • 夕映えの源八橋。行き交う人に見向きもせず、斎藤慎太郎はただそこに立ち尽くしていた。恋人と別れて数ヶ月。どこにいても、別れた恋人を探してしまう癖に気づく。もう、忘れたはずの愛ではなかったのか。納得づくの別れではなかったのか。人目もはばからず、泣き叫びそうになるのをこらえ、唇を強く噛み締める。思い出すのはすべて、あの夢のような日々。もうさよならをしたのだからと、顔を上げようとしたその時だった。聞き覚え [続きを読む]
  • Haungry Spider 最終回
  • 深夜。竜也は、リビングから漏れる明かりに目が覚めた。寝室に慎太郎の姿はなく、リビングで研究をしているのだろう音が微かに聞こえる。竜也は思い出していた。天才と称される羽生善治という人間に、同じ初挑戦でタイトルを取れなかった自分と、タイトルを取れた竜也。自分に何が足りないのか、竜也との差は何なのか、悔しくて夜も眠れない時があると慎太郎は言っていた。寝室の引き戸の前で、竜也は逡巡した。何を言えばいい?慎 [続きを読む]
  • Haungry Spider 3
  • 自宅のある岡山に帰った竜也は、まんじりともせず夜を過ごしていた。もうひとつの顔に戸惑いつつ、甘い唇が忘れられなくなっていく。スケジュールを確認すると、3日後に休日があった。慎太郎にメールを送ると、待っていたかのようにすぐに返事がくる。『大阪に来れる?』『その次の日、大阪で仕事があるから』『待ってる。新大阪に着いたら、メールして。迎えに行くから』『わかった』『楽しみにしてるな』デートの約束のようなメ [続きを読む]
  • Haungry Spider 2
  • その日はタイトル戦のために、棋士室は賑やかだった。「なぁ、菅井っち」モニターに映し出される盤面を見て、慎太郎は竜也に声をかけた。「ん?」「この筋は悪くないんやけど、こっちの方がよくない?」その言葉を聞いた瞬間、二人はその局面まで駒を並べていく。「駒の損得を考えると、まぁこうやろなぁ」竜也の言葉に、慎太郎はうなずく。「なるほどなぁ。さすがタイトルホルダー」「知ってたんやろ?」「なんで?」「慎ちゃんやったら、これぐ [続きを読む]
  • Hungry Spider 1
  • あれは、いつのことだったか。菅井竜也は、記憶の糸を手繰り寄せる。あの時・・・・・・奨励会の喧騒の中、はにかむ笑顔を見つけた。斎藤慎太郎。あの出逢いが、竜也の人生を変えたと言ってもいい。今でも変わらない笑顔に、竜也は心を揺らしていた。「ライバル?誰が?」竜也は仲間たちと昼食を取っていた。「慎ちゃんと竜也」そう言ったのは、兄弟子の船江恒平。「あ、俺?」「巷で有名やで?」「考えたことないなぁ・・・・・・」竜也は首をかしげた。 [続きを読む]
  • 軒下のモンスター 最終回
  • 「へぇ・・・・・・やるなぁ」土佐堀川沿いのカフェ。都成と慎太郎は、川を眺めながら食後のコーヒーを楽しんでいた。都成は、驚いたような顔で慎太郎を見る。「なるようにしかならんし」「この間まで、泣きそうな顔しとったのに」「開き直ったら、俺強気よ?」「・・・・・・やなヤツ」心地よい風が、慎太郎の前髪を揺らす。「俺も、開き直ればよかったかなぁ?」少し寂しげに微笑む都成に、慎太郎は視線を外した。「今からでも遅くはないと思うけどなぁ。 [続きを読む]
  • 軒下のモンスター 6
  • 「とはいえ、どうしょうかなぁ?」畠山は、ぽつりと呟く。「・・・・・・僕の家へ行きませんか?」慎太郎は答える。「そうやな」二人は、ただ黙って歩き出す。手を伸ばせば届きそうな畠山の背中を、慎太郎は見つめながら歩く。電車に乗り、最寄り駅まで目も合わそうともしなかった。慎太郎の部屋に入った瞬間。「辛いなぁ・・・・・・」畠山が言った。「辛い・・・・・・です」慎太郎も応える。無言のまま、二人の間に時は過ぎた。「いつから、気づいてはったん [続きを読む]
  • 軒下のモンスター 5
  • その日、慎太郎は仲間たちと飲んで帰宅した。気持ちのもやもやを都成のメールに送り、ベッドに倒れ込む。だが、慎太郎は間違いに気づかなかった。都成のメールアドレスにではなく、畠山のショートメールに送っていたことに。それに気づいたのは、翌日のこと。二日酔いの頭で、メールのチェックをしていた。畠山からの返信に、慎太郎は二日酔いも眠気も覚める。慎太郎の気持ちは知っていました。いつか、ちゃんと話ができればと思う [続きを読む]
  • 軒下のモンスター 4
  • 「告るのなんか・・・・・・」「ほんなら諦める?」「それは無理!」切なげに首を横に振る。都成は、少し呆れた顔で微笑んだ。「しんたろーおにーさんは、頑張るしかないわな」家に戻った慎太郎は、畠山からのメールに気がついた。『お月さん綺麗やなぁ』その短いメールに、慎太郎は微笑む。『僕も見てました。先生と同じ月が見れて嬉しいです』『俺も嬉しいです』(え?)慎太郎は、困惑した。(社交辞令・・・・・・やんなぁ?)もやもやが胸に拡がる。そ [続きを読む]
  • 軒下のモンスター 3
  • 「恋する乙女なぁ・・・・・・当たらずといえども遠からずかなぁ?」都成は、慎太郎の隣に座る。「そんなとこやろうと思たわ」慎太郎は、缶コーヒーを一口飲んだ。「苦しそうな顔してた、畠山先生見てる時。感情を抑えてたやろ?」「なんでわかんねん?」「俺がそうやったからってゆうたら、信じる?」「まさか」「ほら、畠山先生が『谷川さんも持ってるやろ?弟子からのラブレター』って言うてはったやん?バレてるかと思たわ」「マジで?」「マジで」「マ [続きを読む]
  • 軒下のモンスター 2
  • 今にして思えば、あれは初恋だったのだ慎太郎は、ひとり苦笑する。仕事終わりに、師匠の畠山と食事をしての帰り道。月明かりの下、慎太郎は畠山との思い出をあれこれと思い出す。嫌な思い出はひとつもなかった。弟弟子に嫉妬さえした。親よりも、畠山に褒められたくて将棋を指していたように思う。今日のように、逢えただけでも嬉しかった。(そう・・・・・・か)あれはすべて、畠山に愛されたい一心だったのだ。慎太郎はなんとなく家に帰 [続きを読む]
  • 軒下のモンスター 1
  • 「弟子にしてください」斎藤慎太郎は遠い昔、そんな手紙を書いたことを思い出した。師匠の畠山鎮の指導対局があれば、何処へでも行って指導してもらったことも。師匠に憧れを抱いて、必死の思いで書き綴った手紙。まさか、大事に取っておいてくれたとは思わなかった。騎士仲間の都成竜馬と、畠山と三人で食事をした時に、そんな話になった。「そら、谷川さんも持ってるやろ?弟子からのラブレター」(確かにラブレターやな)慎太郎は独り [続きを読む]
  • お知らせ?
  • 将棋の王座戦がなかなか面白くかつ長い対局だったので、小説書いてません(笑)たぶん明日、別の小説を投稿することになります。|ω・`)スミマセン [続きを読む]