ST上昇型心筋梗塞(STEMI)と非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)を含む急性心筋梗塞(AMI)を発症した患者は、心不全(HF)、冠動脈イベント、死亡のリスクが高いことが報告されています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬はSTEMI、NS…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬の効果はSTEMI患者とNSTEMI患者で異なるのか?(PARADISE-MI試験の事後解析; J Am Coll Cardiol. 2024)
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)と非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)を含む急性心筋梗塞(AMI)を発症した患者は、心不全(HF)、冠動脈イベント、死亡のリスクが高いことが報告されています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬はSTEMI、NS…
カペシタビン関連手足症候群予防のためのジクロフェナク局所投与は有効か?(DB-RCT; D-TORCH試験; J Clin Oncol. 2024)
手足症候群(HFS)はカペシタビンの用量制限的副作用です。セレコキシブは、関連する炎症のために発現が増加するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を阻害することにより、HFSを予防することが報告されています。しかし、セレコキシブの全身的副…
ブロッコリー類の摂取と炎症および死亡率との関連性は?(大規模前向きコホート研究; J Med Food. 2024)
食事パターンには、炎症を引き起こすものもあれば、炎症を抑えて健康を増進させるものもあります。しかし、多くの人は完全で健康的な食生活を送ることはできません。したがって、より予後改善に影響する食品の特定が求められています。そこで今回は、慢性炎…
2型糖尿病における血糖コントロールと大血管および微小血管転帰に優れる薬剤とは?(RCTのSR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
糖尿病は、血管内皮細胞の機能低下に続く種々の血管合併症の発症により、健常人と比較して寿命が短くなることが知られています。糖尿病治療における血糖コントロールは、目標範囲に収まるように行われますが、これはあくまでも手段です。本来の目的は、健常…
変形性膝関節症に対する多血小板血漿と指導付き運動の併用はより良い疼痛緩和と機能改善をもたらすのか?(RCT; Clin Orthop Relat Res. 2024)
変形性膝関節症は、多額の医療費を伴う身体障害の主要な原因であり、効率的な非外科的治療法が依然として必要とされています。多血小板血漿(PRP)注射と運動療法は米国や英国では臨床で頻繁に用いられていますが、PRPまたはPRPと運動の併用が運動…
新型コロナワクチンを29ヵ月で217回接種するとどうなるのか?(症例報告; Lancet Infect Dis. 2024)
SARS-CoV-2感染流行は収束せず、Withコロナ時代に突入しています。日本では5類感染症に分類され、かつ全数報告ではなく定点報告に移行しています。つまり、季節性インフルエンザのように、基本的な感染予防対策の実施が求められます。基本的…
骨粗鬆症治療患者におけるデノスマブと糖尿病リスクとの関連性は?(コホート研究; JAMA Netw Open. 2024)
核因子κBリガンド活性化因子(RANKL)に対するヒト化モノクローナル抗体であるデノスマブは、骨粗鬆症治療に広く用いられている抗骨吸収薬です。前臨床研究において、RANKLシグナル伝達の阻害がインスリン感受性、耐糖能、β細胞増殖を改善する…
妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児転帰への影響はどのくらい?(コホート研究; JAMA. 2024)
妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象に関する知識を深めることは、ワクチンの安全性に関する懸念に対処するのに役立つ可能性があります。しかし、倫理的側面からランダム化比較試験の実施は困難です。そこで今回は、妊娠中のCOVID…
日本人の大うつ病性障害に対するブレクスピプラゾール vs. アリピプラゾール(SR&NMA; Neuropsychopharmacol Rep. 2024)
ブレクスピプラゾールは、脳内の神経伝達物質のセロトニン・ドパミンの働きを調整し、統合失調症による幻覚、妄想、意欲の減退などの症状を改善する薬剤です。日本では2023年12月22日に「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合…
代謝性アシドーシス患者におけるベベリマーのCKD進行抑制効果はどのくらい?(DB-RCT; VALOR-CKD試験; J Am Soc Nephrol. 2024)
代謝性アシドーシスはCKDの一般的な合併症であり、腎機能の急速な低下と関連していますが、代謝性アシドーシスの治療がCKDの進行を遅らせる効果を検証するための、充分なパワーを有する対照ランダム化試験は実施されていません。ベベリマーは消化管か…
集中的な血糖コントロールは大血管および細小血管の転帰を改善できるのか?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2024)
2型糖尿病(T2D)における集中的な血糖降下戦略と標準的な血糖降下戦略が、大血管および細小血管の転帰を改善するのかについては充分に検証されていません。そこで今回は、上記の血管関連転帰と試験群の糖化ヘモグロビン(HbA1c)低下との関係を検…
高リスク集団における早期の健康診断は有用なのか?(データベース研究; Atherosclerosis. 2024)
高リスク集団における健康診断後の患者転帰については充分に検証されていません。そこで今回は、健診後の病院への受診時期と心血管イベントによる入院および全死亡リスクとの関連を検討することを目的に実施したデータベース研究の結果をご紹介します。本研…
急性冠症候群患者の予後に対するチカグレロル単剤療法 vs. DAPT(RCT; T-PASS試験; Circulation. 2024)
薬剤溶出ステント留置後1ヵ月以内にアスピリンを中止してチカグレロル単剤療法を行うことは、広く心疾患を有する患者を対象に行われてきました。したがって、急性冠症候群患者を対象としてのみ評価されてきたわけではありません。そこで今回は、急性冠症候…
嚥下障害に対する”とろみ”は薬剤の溶出に影響するのか?(システマティックレビュー; Eur Geriatr Med. 2024)
嚥下障害は、脳卒中、認知症、パーキンソン病、虚弱(フレイル)などの長期疾患と関連しています。嚥下障害は65歳以上の人口の30~40%にみられます。嚥下障害のある成人は、多くの場合、複数の薬剤(しばしば5種類以上:ポリファーマシー)を必要と…
2020~2021年、日本の祝祭日がCOVID-19の伝播を増加させた?(モデリング研究; Epidemiol Health. 2024)
祝祭日はCOVID-19患者数の増加と関連するのか? 特定の祝日が感染症の伝播動態を変化させる役割についての研究が注目されていますが、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の伝播に対する祝日の疫学的影響については不明な点が多いこと
原発性胆汁性胆管炎を対象としたセラデルパーの効果はどのくらい?(DB-RCT; RESPONSE試験; N Engl J Med. 2024)
原発性胆汁性胆管炎患者に対するセラデルパーの効果は? 原発性胆汁性胆管炎患者に対する有効な治療法は限られており、ウルソデオキシコール酸が使用されています。しかし、アンメットニーズの分野であることから更なる治療法の確立が求められています。ペル
ヘリコバクター・ピロリ除菌後の胃癌リスクとボノプラザン使用との関連性は?(日本のデータベース研究; Clin Gastroenterol Hepatol. 2024)
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に代わって上部消化管障害の治療に使用されるようになってきています。PPIはHelicobacter pylori(Hp)除菌後の胃癌リスク上昇と関連して…
青年および若年成人におけるSARS-CoV-2 mRNAワクチンのブースターワクチン接種と心筋炎との関連性は?(北欧のコホート研究; Eur Heart J. 2024)
SARS-CoV-2 mRNAワクチンは心筋炎のリスク上昇と関連しています。この関連は、思春期の男性や若年男性、2回目の接種後に最も強い可能性が報告されていますが、更なる検証が求められています。そこで今回は、12~39歳のSARS-CoV…
心房性心疾患患者における潜在性脳卒中後の再発予防に対するアピキサバン vs. 低用量アスピリン(DB-RCT; ARCADIA試験; JAMA. 2024)
心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)患者における脳卒中発症を防ぐ方法は? 心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)は臨床的に明らかな心房細動がなくても脳卒中と関連していることが報告されています。左房のリモデリング
キノコ摂取と認知症発症リスクとの関連性は?(CIRCS試験; Br J Nutr. 2024)
食物繊維や数種類の抗酸化物質を豊富に含むキノコ類の食事摂取が、認知症リスクの低下と関連しているかどうかは不明です。そこで今回は、キノコの摂取と認知症リスクとの関連を前向きに検討した日本のコホート研究の結果をご紹介します。1985〜1999…
日本のプライマリ・ケア提供者のためのベンゾジアゼピン処方中止の質改善の実現可能性と認識は?(質的研究;
日本のプライマリ・ケアにおける質の向上(QI, Quality Improvement)*の取り組みは稀です。QIの重要な領域の1つは、高齢者人口が増加傾向にある日本における、ベンゾジアゼピン系薬剤の適切な処方ですが、実臨床において充分に…
病院での転倒予防として患者の転倒予防教育の効果はどのくらいですか?(RCT; Age Ageing. 2024)
転倒は、世界中の病院で頻発し、回避可能な問題であるものの、予防対策としての介入については充分に検証されていません。病院における転倒率は過去の報告で3~16/1,000病床日であり、超高齢者や認知機能障害、パーキンソン病などの慢性疾患患者で…
レジオネラ症に対する抗菌薬併用療法の有効性はどのくらい?(全国入院患者データベース研究; Int J Infect Dis. 2024)
レジオネラ肺炎(レジオネラ症)はレジオネラ属菌により引き起こされる細菌感染症です。早期診断、早期治療が重要な疾患の一つです。 治療薬としてマクロライド系やニューキノロン系の抗菌薬、リファンピシン等が挙げられます。 一方、レジオネラ症に対す…
治療中の低血圧と心血管イベントとの関連性は?(日本コホート研究; Hypertens Res. 2024)
リスクの高くない高血圧患者における不充分な血圧コントロールは世界的な関心事であり、治療の最適化の必要性を示唆しています。しかし、これらの患者における過度の血圧降下による潜在的な有害性については、充分な研究がなされていません。そこで今回は、…
医師のバーンアウトを軽減するための介入には何が良い?(RCTのSR&MA; Am J Med. 2023)
医師は職業上の強いプレッシャーにさらされており、そのことが燃え尽き症候群を増加させる一因となっている可能性があります。しかし、介入効果については充分に検証されていません。そこで今回は、医師、研修中の医師、その他の医療専門職のバーンアウトを…
2型糖尿病でアルブミン尿を有する患者における心血管、腎臓、死亡率の生涯ベネフィットに優れる併用療法とは?(Circulation. 2024)
ナトリウムグルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2i)、グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)、非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(ns-MRA)であるフィネレノンは、2型糖尿病でアルブミン尿を有する患者におい…
うつ病に対する運動の効果は?(RCTのNWM; BMJ. 2024)
大うつ病性障害(MDD)は、抑うつ気分、興味の減退、認知機能の障害ならびに睡眠障害や食欲障害などの自律神経症状を特徴とする消耗性疾患です。MDDの治療に対して心理療法、抗うつ薬が選択されますが、運動の効果については明らかとなっていません。…
テネクテプラーゼ投与は脳梗塞発症から4.5時間を超えても効果があるのか?(DB-RCT; TIMELESS試験; N Engl J Med. 2024)
テネクテプラーゼを含む血栓溶解薬は一般に脳卒中発症後4.5時間以内に使用されます。そのため、テネクテプラーゼが4.5時間を超えても有効かどうかに関する情報は限られています。そこで今回は、虚血性脳卒中患者を対象に、患者が最後に元気であること…
2型糖尿病患者におけるSGLT-2阻害薬と腎結石リスクとの関連性は?(米国データベース研究; JAMA Intern Med. 2024)
2型糖尿病(T2D)は腎結石リスクの上昇と関連していることが報告されています。一方、ナトリウム-グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2i)は尿組成を変化させることにより腎結石のリスクを低下させる可能性を有しています。しかし、糖尿病治療薬と…
成人非合併性急性A型インフルエンザ感染症に対するオンラジビルの安全性と有効性は?(DB-RCT; Lancet Infect Dis. 2024)
オンラジビル(Onradivir, ZSP1273)は新規の抗インフルエンザAウイルス阻害剤です。前臨床試験において、オンラジビルはインフルエンザA H1N1およびH3N2の複製を阻害し、インフルエンザ感染動物の生存率を増加させることが示…
抑うつ症状を呈する心不全患者のQOLに対する心理療法 vs. 抗うつ薬(RCT; JAMA Netw Open. 2024)
心不全(HF)は米国では600万人以上、世界では6400万人以上の成人が罹患しており、うつ病の有病率は50%であるとされています。患者や臨床家は、心不全のうつ病に対してどのような介入がより効果的であるかについて、充分に情報を得られていませ…
人工呼吸器関連肺炎に対する抗生物質の最適な投与期間は?(Open-RCT; REGARD-VAP試験; Lancet Respir Med. 2024)
人工呼吸器関連肺炎(VAP)は、死亡率の増加、入院期間の延長、過剰な抗生物質の使用、ひいては抗菌薬耐性の増加と関連しています。しかし、抗生物質の短期間治療との比較は充分に行われていません。そこで今回は、VAPに対する実用的で個別化された…
強迫性障害の死亡リスクに影響する因子は?(コホート研究; BMJ. 2024)
強迫性障害(OCD)患者は、強迫観念として知られる、高レベルの不安やその他の苦痛な感情を引き起こす侵入的な思考、衝動、またはイメージによって特徴付けられ、人は強迫観念として知られる反復的な行動や儀式に従事することで、それを中和しようとしま…
2型糖尿病の血糖コントロール、体重、脂質プロファイルに対するGLP-1受容体作動薬の比較(ネットワークメタ解析; BMJ. 2024)
2型糖尿病の治療薬としてグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)が使用されています。しかし、血糖コントロール、体重、脂質プロファイルに対してどのGLP-1RAが優れているのかについては充分に検証されていません。そこで今回は、…
化学療法誘発性悪心・嘔吐に対する制吐薬3剤併用療法におけるオランザピン用量はどのくらいが良い?(単盲検RCT; Lancet Oncol. 2024)
オランザピンは有効な制吐薬として使用されていますが、標準用量で投与すると日中にかなりの傾眠を来すことが知られています。国内の制吐薬適正使用ガイドライン(2023年10月改訂 第3版)では投与用量として5mg(1日最大10mg)を設定してい…
COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンに対する一般市民の意識調査(米国の調査; JAMA Netw Open. 2023)
COVID-19パンデミックの緊急フェーズは収束し、Withコロナ時代と呼ばれる複雑で致命的となりうる呼吸器ウイルスのシーズンが続くという遺産が残されました。ウイルス情勢が変化する中、毎年接種されるワクチンを同様に認識しているのか、あるい…
急性脳損傷患者における人工呼吸器関連肺炎の早期予防のためのセフトリアキソンは有効ですか?(DB-RCT; Lancet Respir Med. 2024)
急性脳損傷患者は人工呼吸器関連肺炎(VAP)のリスクが高いことが報告されています。短期間の抗生物質による予防の有用性については議論が続いています。そこで今回は、人工呼吸を必要とする重症脳損傷患者において、抗生物質セフトリアキソンの早期単回…
軽症から中等症までの成人COVID-19患者に対するシムノトレルビル経口投与の効果は?(DB-RCT; N Engl J Med. 2024)
Simnotrelvir(シムノトレルビル)は経口の3-キモトリプシン様プロテアーゼ阻害剤(3-chymotrypsin-like protease inhibitor)であり、in vitroで重症急性呼吸器症群コロナウイルス2(SAR…
『The Great British Bake Off』のレシピに含まれるクリスマスデザート材料の健康上の有益性と有害性の関連は?(観察研究のメタ解析のアンブレラレビュー; BMJ. 2023)
ときに食材は薬剤と同様に患者転帰に影響することが報告されています。しかし、その影響については充分に検証されていません。そこで今回は、ザ・グレート・ブリティッシュ・ベイク・オフ(The Great British Bake Off)*のクリ…
エンテロバクター属菌による血流感染症患者に対する抗緑膿菌βラクタム薬の漸減と継続どちらが良い?(Open-RCT; SIMPLIFY試験; Lancet Infect Dis. 2024)
エンテロバクター属菌感染症に対する抗緑膿菌βラクタム薬 漸減 vs. 継続 広域スペクトルの抗生物質から狭域スペクトルの抗生物質への漸減は、抗生物質の選択圧を軽減するための重要な手段であると考えられていますが、適切なエビデンスが乏しいことが
駆出率が維持された心不全(HFpEF)と肥満を有する患者は、症状や機能障害の負担が大きく、QOLが低いことが報告されています。しかし、薬剤の使用によりQOLが改善するのかについて充分に検証されていません。STEP-HFpEF試験(Rese…
小児・青少年の感染症/重症疾患に対するBNT162b2ワクチンの有効性は?(コホート3件の比較有効性研究; Ann Intern Med. 2024)
小児科におけるBNT162b2ワクチン(Pfizer/BioNTech社製)の有効性は、オミクロンバリアント(変異株)の出現前にランダム化比較試験で評価されました。この集団におけるオミクロン期間中のワクチン防御の長期持続性はまだ限定的です。
ワクチン未接種と重症COVID-19の転帰との関連性は?(英国内コホート研究のメタ解析; HDR UK COALESCE Consortium; Lancet. 2024)
ワクチン接種不足(SARS-CoV-2ワクチンの接種回数が推奨回数に満たない)は、完全接種(SARS-CoV-2ワクチンの接種回数が推奨回数に達する)と比較して、重症COVID-19の転帰、すなわちCOVID-19による入院や死亡のリスク…
駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者に対する生活習慣ウォーキング介入の効果はどのくらい?(RCT; WATCHFUL試験; Circulation. 2024)
身体活動は駆出率が低下した心不全の管理において極めて重要であり、日常生活に組み込まれたウォーキング(歩行)は特に適した身体活動の形態とされています。そこで今回は、自己モニタリングと定期的な電話カウンセリングを組み合わせた6ヵ月間の生活習慣…
高齢女性透析依存患者におけるデノスマブ投与による重篤な低カルシウム血症の発生率はどのくらい?(後向きコホート研究; JAMA. 2024)
透析依存患者は骨折による罹患率が高いことが知られていますが、最適な治療戦略に関するエビデンスはほとんどありません。また、慢性腎臓病-ミネラルおよび骨障害は透析依存患者においてほぼ普遍的であり、骨格脆弱性の診断と治療を複雑にしています。そこ…
ヒスタミン1受容体拮抗薬エバスチンによる非便秘性過敏性腸症候群の治療効果はどのくらい?(DB-RCT; Gut. 2024)
過敏性腸症候群(IBS)は、特に消化器の疾患がないにも関わらず、腹痛と便秘、または下痢を慢性的に繰り返す慢性疾患です。便通異常のタイプから「便秘型」、「下痢型」、「混合型」、「分類不能型」の4つのタイプに分類されます。非便秘性IBS患者の…
高カリウム血症に関連したRAASi治療の減少は、その後の入院治療の増加と関連する?(データベース研究; Nephrol Dial Transplant. 2024)
高カリウム血症は、慢性腎臓病(CKD)および/または心不全(HF)患者において、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害薬(RAASi)による最適なガイドライン指示治療を達成するための障壁となっています。しかし、RAASiを継続した…
血液透析患者に対する認知行動療法、トラゾドンの有効性は?(小規模DB-RCT; Ann Intern Med. 2024)
慢性不眠症は血液透析を受けている患者によくみられるが、この集団に対する有効な治療法に関するエビデンスは限られています。そこで今回は、長期血液透析を受けている患者の不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)、トラゾドン、プラセボの有効性を比較…
駆出率が低下した心不全患者に対するベルイシグアトとサクビトリル/バルサルタンの有効性比較(メタ解析; Int J Cardiol. 2024)
プラセボと比較したベルイシグアトの有効性は確立されているものの、駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者に対するサクビトリル/バルサルタンとの比較有効性については不確実性が残っています。そこで今回は、システマティックレビュー、ネットワーク…
2型糖尿病患者におけるインクレチン系薬剤と糖尿病性網膜症リスクとの関連性は?(観察研究のメタ解析; Diabetes Obes Metab. 2024)
SUSTAIN-6試験の結果から、インクレチン系薬物[ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬およびグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)]と糖尿病性網膜症リスクとの関連について不確実性が生じました。そこで今回は…
2型糖尿病と最近の心筋梗塞を有する患者における低用量コルヒチンの効果はどのくらい?(DB-RCT; COLCOT試験; Diabetes Care. 2024)
低用量コルヒチンの心血管に対する有益性は冠動脈疾患患者において証明されていますが、2型糖尿病患者に対する効果については充分に検討されていません。そこで今回は、COLchicine Cardiovascular Outcomes Trial…
ピロリ除菌に優れているのは?10日間のボノプラザン-アモキシシリン二重療法 vs. 14日間のビスマスベース四重療法(RCT; Am J Gastroenterol. 2023)
ボノプラザン-アモキシシリン二剤併用療法の10日間短期投与(vonoprazan-amoxicillin, VA-dual)が、ビスマスベース四剤併用療法の14日間投与(B-quadruple)と比較して、Helicobacter pyl…
高齢の抗うつ薬使用と認知症の発症リスクとの関連性は?(前向きコホート研究; J Affect Disord. 2024)
抗コリン作用を有する抗うつ薬の使用は、認知症リスクの増加と関連する可能性が報告されています。しかし、これまでに発表されている結果は矛盾しています。そこで今回は、三環系抗うつ薬(TCA)を処方された高齢者と、選択的セロトニン再取り込み阻害薬…
妊娠中のカルシウム補充用量の適正はどのくらい?(RCT; N Engl J Med. 2024)
世界保健機関(WHO)は、子癇前症のリスクを軽減するため、食事からのカルシウム摂取量が少ない集団の妊娠者(妊婦)に対して、1日1,500~2,000mgのカルシウムを3回に分けて補給することを推奨しています。しかし、この用量・投与方法は複…
長期ベンゾジアゼピン治療を受けている患者におけるベンゾジアゼピンの中断と死亡率との関連性は?(試験エミュレーションアプローチ; JAMA Netw Open. 2023)
ベンゾジアゼピン系薬は、幅広い目的で使用されており、かつ使用期間が長期にわたります。ベンゾジアゼピン系薬の使用に伴う有害性を考慮し、長期処方を減らすことが注目されていますが、使用中止による累積リスクや利益は不明です。試験エミュレーションア…
PCI後1年以降のSAPTは、クロピドグレルとアスピリンどちらが良い?(PROBE法、STOPDAPT-2の5年追跡結果; J Am Coll Cardiol. 2024)
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の二重抗血小板療法(DAPT)後の長期間にわたる抗血小板単剤療法としてクロピドグレルがアスピリンよりも適しているかどうかは依然として不明です。そこで今回は、PCI後の1ヵ月DAPT後のクロピドグレ…
2型糖尿病における高強度スタチン単剤療法 vs. エゼチミブ併用療法(韓国データベース研究; J Clin Endocrinol Metab. 2024)
低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)低下療法は、糖尿病患者の心血管疾患(CVD)予防において重要であるとされています。しかし、糖尿病患者における低強度または中強度スタチンとエゼチミブ併用療法および高強度スタチン単剤療法のCVD、脳卒・・・
米国における年末年始の緊急避妊需要はどのくらいか?(時系列研究; BMJ 2023)
年末年始などの大型連休において、無計画の妊娠リスク増加が懸念されます。しかし、充分に検証されていません。そこで今回は、無計画妊娠リスクについて大晦日と元旦の連休後の緊急避妊薬の売上増加を推定した時系列分析の結果をご紹介します。本試験は自己・・・
性腺機能低下症の男性におけるテストステロン補充療法中の安全性は?(DB-RCT; JAMA Netw Open. 2023)
テストステロン補充療法(TRT)が前立腺がんおよびその他の前立腺有害事象のリスクに及ぼす影響は不明です。そこで今回は、性腺機能低下症の男性において、高悪性度前立腺がん(グリソンスコア4以上 + 3)、あらゆる前立腺がん、急性尿閉、侵襲的前・・・
母親の血清葉酸濃度と乳児の川崎病発症リスクとの関連性は?(日本のコホート研究; JAMA Netw Open. 2023)
川崎病は、主に乳幼児が罹患する急性の全身性血管炎です。再現性のある危険因子はまだ同定されていませんが、感染症に続発する可能性が報告されています。また、以前の報告で母親の葉酸補給と川崎病との関連性について言及されていますが、充分に検証されて…
COVID-19と季節性インフルエンザによる入院後の患者転帰への影響は?(コホート研究; Lancet Infect Dis. 2023)
COVID-19とインフルエンザで入院した患者のこれまでの比較解析では、死亡、再入院、感染後6ヵ月までの狭い範囲の健康転帰のリスクを評価していました。そのため、より長期間の影響や、より多くのアウトカム評価が求められています。そこで今回は、…
毎日の歯磨きと院内肺炎発生との関連性は?(SR&MA; JAMA Intern Med. 2023)
院内肺炎(Hospital-acquired pneumonia, HAP)は最も一般的で病的な医療関連感染症ですが、有効な予防戦略に関するデータは限られています。そこで今回は、毎日の歯磨きがHAPの発生率の低下および他の患者関連転帰と関…
6-MSITC(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート)含有わさびサプリメントの60歳以上の健康成人における記憶機能への有益性は?(DB-RCT; Nutrients. 2023)
認知機能は加齢とともに低下することが報告されています。認知機能の低下は日常生活に悪影響を及ぼします。これまでの研究で、香辛料やハーブが認知機能に良い影響を与えることが示されていますが、日本の伝統的な香辛料である "わさび" が認知機能に及…
多併存疾患とポリファーマシーを有する高齢者における処方中止で求められることは?(レビュー; TAILOR試験; Health Technol Assess. 2022)
問題となるポリファーマシーに対処するためには、個々のニーズや状況に合わせて医薬品を使用する必要があります。そのためには薬の服用を中止する(deprescribing)ことが必要ですが、患者や臨床家はどのようにするのが最善なのかが不明と報告…
高齢者におけるRSウイルスに対するmRNAワクチンの有効性と安全性はどのくらい?(DB-RCT; ConquerRSV試験; N Engl J Med. 2023)
呼吸器合胞体(RS)ウイルスは、高齢者においてかなりの罹患率と死亡率を引き起こす可能性があります。これまでに高齢者を対象としたRSウイルスワクチンは上市されていません。現在、安定化RSウイルスプレフュージョンF糖蛋白をコードするmRNAベ…
虚血性脳卒中後72時間までの二重抗血小板療法の効果はどのくらい?(DB-RCT; INSPIRES試験; N Engl J Med. 2023)
抗血小板薬2剤併用療法は、急性軽症脳梗塞発症後早期(24時間以内)に治療を開始した場合、アスピリン単独療法と比較して脳卒中再発リスクを低下させることが示されています。一方、動脈硬化による急性脳虚血発症後72時間以内にクロピドグレル+アスピ…
多併存疾患・ポリファーマシーの高齢者は減処方についてどう考えているか?(LESS試験; BMC Geriatr. 2020)
プライマリ・ケアにおける高齢者の多併存疾患とポリファーマシーは非常に一般的です。理想的には、一般開業医(GP)は定期的に薬剤リストを見直し、不適切な薬剤を特定し、適切な場合には処方中止を行うべきです。しかし、時間的な制約や診療ガイドライン…
電動歯ブラシと手動歯ブラシ、口腔衛生に優れるのはどちらか?(SR&MA; CDSR; Cochrane Database Syst Rev. 2014)
歯垢の除去は口腔の健康維持に重要な役割を果たす可能性があります。これを達成するための手動歯ブラシと電動歯ブラシの相対的な利点については、相反するエビデンスがあることから更なる検証が求められています。そこで今回は、年齢を問わず日常的に使用さ…
非心臓手術を受けた高齢成人患者における術後早期の認知機能障害に対するネオスチグミンの効果は?(DB-RCT; Anesth Analg. 2023)
高齢者において、加齢に伴い認知症リスクが増加することが知られています。また、手術後におこる可能性があるものに「術後せん妄」と「術後認知機能障害」があります。「術後せん妄」は、手術後に意識・注意・知覚障害が出現し、1日のうちでも症状の波(日…
インフルエンザ外来患者におけるオセルタミビルの使用は入院を予防できますか?(SR&MA; JAMA Intern Med. 2024)
オセルタミビルは広く使用されているにもかかわらず、外来患者に投与した場合に入院リスクが低下するかどうかについては、先行するメタ解析による要約エビデンスでは矛盾した結論が得られています。また、医師主導の大規模ランダム化臨床試験のいくつかは、…
SGLT-2阻害薬の心筋梗塞発症率に対する効果はどのくらい?(SR&MA; Diabetes Obes Metab. 2023)
SGLT-2阻害薬による心筋梗塞の発症予防効果はどのような患者集団で認められるのか? ナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬は、2型糖尿病治療薬として開発されましたが、その後、心不全や腎臓病にも適応を拡大しました。これらの疾
乳児のRSウイルスによる入院予防にニルセビマブは有効ですか?(実用的試験; HARMONIE試験; N Engl J Med. 2023)
呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory syncytial virus, RSV)は年齢を問わず、顕性感染を引き起こすことが知られています。特に乳幼児期においては非常に重要な病原ウイルスであり、生後数週〜数ヵ月の期間にもっとも重症な…
SARS-CoV-2持続感染は心不全の発症リスクになる?(基礎研究; 3次元心臓モデルを用いたリスク予測; Cell. 2023)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の累積感染者数は7億5,400万人を超え、死亡者数は2023年2月時点で680万人に達しています。SARS-CoV-2の変異株は引き続きBA.5株(オミクロン株)が支配的であるとされています。 心…
減処方に対する患者の嗜好は?(横断研究; 日本のアンケート調査; Int J Clin Pharm. 2019)
デプレスクリプション(deprescribing; 脱処方、減処方)は患者中心の介入ですが、不確実性を内在しているため、意思決定の共有と患者の関与が必要です。そこで今回は、日本の代表的なサンプルにおいて、減処方に対する患者の嗜好に関連する…
うつ病の症状、訓練動機、視覚空間記憶に対するビデオゲーム介入の効果はどのくらい?(オープンRCT; Front Psychiatry. 2023)
大うつ病性障害患者に対するビデオゲームの効果は? 大うつ病性障害(MDD)の患者は、感情や気分の低下、記憶障害などの認知障害をしばしば経験します。MDDにはさまざまな治療法がありますが、その多くはMDDに伴う認知障害には対処していません。3
誤った情報を評価するためのオンライン検索は、誤報の信憑性を高める可能性がある?(Nature. 2023)
ソーシャルネットワークを中心に、ネット上の誤情報に対する理解には、学術的にかなりの注意が払われてきました。しかし、情報の信憑性を評価するためにオンライン検索を利用することは、メディアリテラシー介入の中心的な要素であるにもかかわらず、情報環…
学生における携帯電話依存症と先延ばしの関連性はどのくらい?(メタ解析; J Affect Disord. 2024)
携帯電話依存症(Mobile phone addiction, MPA)は、学生の先延ばしの重要な要因として広く研究されている。しかし、MPAと先延ばしとの相関の方向性や大きさについては不明な点が多い。そこで本メタ分析では、学生におけるM…
妊娠初期におけるGLP-1受容体作動薬および他のセカンドライン抗糖尿病薬の安全性はどのくらい?(メタ解析; JAMA Intern Med. 2023)
2型糖尿病の妊婦における非インスリン系糖尿病薬の安全性評価 妊娠中の2型糖尿病(T2DM)患者において、治療のファーストライン(第一選択)はインスリンです。一方、セカンドライン(第二選択)の非インスリン系抗糖尿病薬(ADM)の使用が近年増加
サイアザイド誘発性低ナトリウム血症の累積発生率はどのくらいか?(集団ベースのコホート研究; Ann Intern Med. 2023)
医薬品の添付文書によると、サイアザイド誘発性低ナトリウム血症の頻度は不明、またはまれから非常にまれ(すなわち、1万人に1人未満から100人に1人未満)であるが、正確な負担は不明なままです。そこで今回は、日常臨床において、非サイアザイド系降…
猫の飼育と統合失調症関連障害および精神病症状様体験との関連性は?(SR&MA; Schizophr Bull. 2023)
猫の飼育は統合失調症関連障害や精神病症状様体験(psychotic-like experiences, PLE)のリスク修飾因子である可能性が提唱されている。本研究では、猫の飼育と統合失調症関連の転帰との関係を報告した文献を系統的にレビュ…
食べ物による完全食道閉塞患者に対してコーラは有効ですか?(Open-RCT; BMJ. 2023)
食べ物(食塊)による完全食道閉塞の解消におけるコーラの効果については不明です。そこで今回は、食塊による食道閉塞に対するコーラの有効性・安全性を検検証した小規模なランダム化比較試験の結果をご紹介します。本研究は、オープンラベル、多施設、ラン…
看護師主導のセルフケア介入が心不全患者の健康転帰に及ぼす効果は?(RCTのメタ解析; J Clin Nurs. 2023)
心不全(HF)患者に対する看護師主導のセルフケア介入への効果について、患者の転帰に及ぼす効果に関する研究エビデンスは乏しく、充分に検証されていません。そこで今回は、ランダム化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ解析により、看護師主導の…
妊娠初期の既往糖尿病または妊娠糖尿病に対するメトホルミン+インスリン併用療法の効果は?(RCT; MOMPOD試験; JAMA. 2023)
既存の2型糖尿病または妊娠初期に糖尿病と診断された妊婦には、インスリンの投与が推奨されています。インスリンにメトホルミンを追加することで、新生児の予後が改善する可能性があるものの、充分に検証されていません。そこで今回は、既存の2型糖尿病ま…
椅子の配置が医師の行動と患者の満足度に及ぼす影響はどのくらいですか?(DB-RDT; BMJ. 2023)
ベッドサイドでの診察中に医師が座っている時間の長さと患者の満足度に及ぼす椅子の配置の影響については充分に検証されていません。そこで今回は、椅子を配置する位置により患者との面会中に医師が椅子に座る頻度に変化があるのか、患者満足度にどのような…
米国における小児および青年の外来での抗インフルエンザウイルス剤使用の傾向は?(横断研究; Pediatrics. 2023)
インフルエンザ抗ウイルス薬は、症状持続期間が2日未満の小児やインフルエンザ合併症のリスクが高い小児の転帰を改善することが報告されています。しかし、小児集団におけるインフルエンザ抗ウイルス薬の実際の処方傾向は不明です。そこで今回は、2010…
利尿薬、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬を投与された高血圧患者の死亡率と罹患率に差はあるのか?(ALLHAT試験の二次解析; JAMA Netw Open. 2023)
高血圧は一般的な疾患であり、脳卒中などの心血管リスクの一因です。高血圧に対しては高圧薬による血圧コントロールが行われますが、治療の目標は将来にわたる心血管イベントの発生抑制(イベントの先送り)です。しかし、死亡率と罹患率に関する降圧治療の…
高コレステロール血症治療薬インクリシランの安全性と忍容性はどのくらい?(臨床試験7件の併合解析; J Am Coll Cardiol. 2023)
インクリシラン(商品名:レクビオ)は低比重リポ蛋白コレステロールを低下させる低分子干渉RNA製剤(RNAi)です。日本では2023年11月22日の薬価収載と同時に発売されました。しかし、安全性情報が限られていることから、継続的なモニタリン…
救急外来を受診した成人におけるSARS-CoV-2オミクロン変異株感染の転帰と季節性インフルエンザおよびRSウイルス感染との比較(多施設コホート研究; Clin Infect Dis. 2023)
SARS-CoV-2感染による人類への影響度はどのくらいか? SARS-CoV-2感染の影響については、病原性の低い亜種が出現し、集団免疫力が増加している時代において議論が残っています。 そこで今回は、オミクロン、インフルエンザ、または呼吸
週末の寝溜めと心血管疾患との関連性はどのくらいですか?(米国の横断研究; Sleep Health. 2023)
平日の睡眠が6時間未満で週末に寝溜めする集団の特徴とは? 現代の社会人は多忙であり、睡眠時間が短いことが社会的問題となっています。睡眠時間の短さと心血管疾患との発症リスク増加との関連性が報告されています。一方、このような集団の一部で週末に寝
アトピー性皮膚炎(湿疹)の局所外用治療で優れるものは?(RCTのNMA; J Allergy Clin Immunol. 2023)
アトピー性皮膚炎に対する局所外用治療薬として優れているものはどれか? アトピー性皮膚炎(AD)は一般的な皮膚疾患であり、複数の外用療法があるものの、効果比較は充分に行われていません。 そこで今回は、アトピー性皮膚炎に対する処方外用療法の有益
COVID-19迅速抗原検査の検体採取として最適な方法は?(RCT; JAMA Netw Open. 2023)
COVID-19の迅速抗原検査を実施するためには、自己採取または医療従事者(HCW)採取の鼻腔スワブ検体が望ましいサンプリング方法とされていますが、咽頭検体が検査感度を向上させることができるかどうかについては議論の余地があります。そこで今・・・
急性虚血性脳卒中に対する血管内治療後の血圧管理はどのくらいが良いのか?(Open RCT; BEST-II試験; JAMA. 2023)
血管内治療後の血圧管理における最適な目標値は? 急性虚血性脳卒中に対する血管内治療による再灌流成功後の血圧コントロールについては議論が分かれています。特に収縮期血圧(SBP)コントロールの目標値として、中等度低下の効果は不明です。 そこで今
滑膜炎を伴う変形性手関節症に対するメトトレキサートの効果は?(DB-RCT; METHODS試験; Lancet 2023)
変形性手関節症に対するメトトレキサートの効果はどのくらいか? 変形性手関節症は、有効な治療法がほとんどなく、患者に障害をもたらす疾患です。滑膜炎を伴う変形性手関節症は、疼痛を伴う一般的な炎症表現型であることから、メトトレキサートが有効である
ココア抽出物サプリメントと2型糖尿病の発症リスクとの関連性は?(RCT; COSMOS試験; Diabetes Care. 2023)
これまでに実施された観察研究の結果、ココアフラバノールの補給が2型糖尿病(T2D)予防の有望な戦略である可能性が示されています。しかし、より大規模で質の高い研究については実施されていません。そこで今回は、大規模ランダム化臨床試験(RCT)・・・
米国退役軍人におけるCOVID-19後遺症の発症に対するニルマトレルビル-リトナビルの有効性はどのくらい?(標的試験エミュレーション; Ann Intern Med. 2023)
これまでの研究結果から、COVID-19は急性感染後の多くのCOVID-19後遺症の発症に関連していることが示されています。一方で、急性COVID-19の治療に用いられる経口抗ウイルス薬のCOVID-19後遺症の発症予防効果に関する情報は・・・
メトホルミン投与中止と認知症発症率との関連性は?(米国データベース研究; JAMA Netw Open. 2023)
先行研究では、メトホルミンは認知症発症率の低下と関連する可能性が示唆されていますが、その関連は疾患の重症度や処方傾向によって混同される可能性があります。また、糖尿病患者におけるメトホルミン治療の中止は、一般的には腎機能障害の徴候により起こ・・・
サクビトリル/バルサルタンの関連有害事象と投与中止との関連性は?(日本コホート研究; REVIEW-HF登録; J Cardiol. 2023)
サクビトリル/バルサルタンを投与された心不全患者の特徴、忍容性、転帰について、日本人におけるデータは不充分であり、未だ不明な点が多い。そこで今回は、サクビトリル/バルサルタンを心不全治療薬として新規に処方された患者の特徴と転帰を評価するこ・・・
SGLT2阻害薬服用中にアルコール検知器反応陽性を示した正常血糖ケトーシス症例(症例報告; 糖尿病 2019)
アルコールを摂取していないのにも関わらずアルコール検知器で陽性? Sodium-glucose cotransporter 2(SGLT2)阻害薬は、近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑制することで尿糖排泄を促進し、血糖および体重を減少させる
軽度認知障害におけるシロスタゾールの有効性と安全性は?(DB-RCT; COMCID試験; JAMA Netw Open. 2023)
これまでに報告されたエビデンスでは、アルツハイマー病の治療におけるβアミロイド免疫療法の有効性が強調されていますが、実臨床における効果は依然として不明です。脳からのβアミロイド除去を促進する作用については、選択的ホスホジエステラーゼ-3阻…
安定狭心症に対する経皮的冠動脈インターベンション vs. プラセボ(DB-RCT; ORBITA-2試験; )
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は安定狭心症の症状を軽減するために頻繁に施行されています。しかし、抗狭心症薬の投与を受けていない患者において、PCIがプラセボよりも狭心症を緩和するかどうかは明らかとなっていません。そこで今回は、安…
「ブログリーダー」を活用して、猫になりたい薬剤師ver3.0さんをフォローしませんか?
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)と非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)を含む急性心筋梗塞(AMI)を発症した患者は、心不全(HF)、冠動脈イベント、死亡のリスクが高いことが報告されています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬はSTEMI、NS…
手足症候群(HFS)はカペシタビンの用量制限的副作用です。セレコキシブは、関連する炎症のために発現が増加するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を阻害することにより、HFSを予防することが報告されています。しかし、セレコキシブの全身的副…
食事パターンには、炎症を引き起こすものもあれば、炎症を抑えて健康を増進させるものもあります。しかし、多くの人は完全で健康的な食生活を送ることはできません。したがって、より予後改善に影響する食品の特定が求められています。そこで今回は、慢性炎…
糖尿病は、血管内皮細胞の機能低下に続く種々の血管合併症の発症により、健常人と比較して寿命が短くなることが知られています。糖尿病治療における血糖コントロールは、目標範囲に収まるように行われますが、これはあくまでも手段です。本来の目的は、健常…
変形性膝関節症は、多額の医療費を伴う身体障害の主要な原因であり、効率的な非外科的治療法が依然として必要とされています。多血小板血漿(PRP)注射と運動療法は米国や英国では臨床で頻繁に用いられていますが、PRPまたはPRPと運動の併用が運動…
SARS-CoV-2感染流行は収束せず、Withコロナ時代に突入しています。日本では5類感染症に分類され、かつ全数報告ではなく定点報告に移行しています。つまり、季節性インフルエンザのように、基本的な感染予防対策の実施が求められます。基本的…
核因子κBリガンド活性化因子(RANKL)に対するヒト化モノクローナル抗体であるデノスマブは、骨粗鬆症治療に広く用いられている抗骨吸収薬です。前臨床研究において、RANKLシグナル伝達の阻害がインスリン感受性、耐糖能、β細胞増殖を改善する…
妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象に関する知識を深めることは、ワクチンの安全性に関する懸念に対処するのに役立つ可能性があります。しかし、倫理的側面からランダム化比較試験の実施は困難です。そこで今回は、妊娠中のCOVID…
ブレクスピプラゾールは、脳内の神経伝達物質のセロトニン・ドパミンの働きを調整し、統合失調症による幻覚、妄想、意欲の減退などの症状を改善する薬剤です。日本では2023年12月22日に「うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合…
代謝性アシドーシスはCKDの一般的な合併症であり、腎機能の急速な低下と関連していますが、代謝性アシドーシスの治療がCKDの進行を遅らせる効果を検証するための、充分なパワーを有する対照ランダム化試験は実施されていません。ベベリマーは消化管か…
2型糖尿病(T2D)における集中的な血糖降下戦略と標準的な血糖降下戦略が、大血管および細小血管の転帰を改善するのかについては充分に検証されていません。そこで今回は、上記の血管関連転帰と試験群の糖化ヘモグロビン(HbA1c)低下との関係を検…
高リスク集団における健康診断後の患者転帰については充分に検証されていません。そこで今回は、健診後の病院への受診時期と心血管イベントによる入院および全死亡リスクとの関連を検討することを目的に実施したデータベース研究の結果をご紹介します。本研…
薬剤溶出ステント留置後1ヵ月以内にアスピリンを中止してチカグレロル単剤療法を行うことは、広く心疾患を有する患者を対象に行われてきました。したがって、急性冠症候群患者を対象としてのみ評価されてきたわけではありません。そこで今回は、急性冠症候…
嚥下障害は、脳卒中、認知症、パーキンソン病、虚弱(フレイル)などの長期疾患と関連しています。嚥下障害は65歳以上の人口の30~40%にみられます。嚥下障害のある成人は、多くの場合、複数の薬剤(しばしば5種類以上:ポリファーマシー)を必要と…
祝祭日はCOVID-19患者数の増加と関連するのか? 特定の祝日が感染症の伝播動態を変化させる役割についての研究が注目されていますが、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)の伝播に対する祝日の疫学的影響については不明な点が多いこと
原発性胆汁性胆管炎患者に対するセラデルパーの効果は? 原発性胆汁性胆管炎患者に対する有効な治療法は限られており、ウルソデオキシコール酸が使用されています。しかし、アンメットニーズの分野であることから更なる治療法の確立が求められています。ペル
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に代わって上部消化管障害の治療に使用されるようになってきています。PPIはHelicobacter pylori(Hp)除菌後の胃癌リスク上昇と関連して…
SARS-CoV-2 mRNAワクチンは心筋炎のリスク上昇と関連しています。この関連は、思春期の男性や若年男性、2回目の接種後に最も強い可能性が報告されていますが、更なる検証が求められています。そこで今回は、12~39歳のSARS-CoV…
心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)患者における脳卒中発症を防ぐ方法は? 心房性心疾患(Atrial Cardiopathy)は臨床的に明らかな心房細動がなくても脳卒中と関連していることが報告されています。左房のリモデリング
食物繊維や数種類の抗酸化物質を豊富に含むキノコ類の食事摂取が、認知症リスクの低下と関連しているかどうかは不明です。そこで今回は、キノコの摂取と認知症リスクとの関連を前向きに検討した日本のコホート研究の結果をご紹介します。1985〜1999…
PPI使用は薬剤耐性腸内細菌の獲得リスクと関連しているのか?プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、薬剤耐性菌のコロニー形成リスクと関連していることが報告されています。しかし、生活習慣関連因子や疾患の重症度による交絡の可能性があり、この関連性に疑
冠動脈疾患患者では、LDL-Cを少なくとも50%減少させるために、高強度スタチン系薬による初期スタチン治療を推奨する診療ガイドラインがあります(Fire and Forget)。別のアプローチとしては、中強度のスタチンから開始し、特定のL…
心不全を伴う心房細動に対してジゴキシンが使用されますが、死亡リスクが増加する報告もあることから、さらなる検証が求められています。そこで今回は、心不全(HF)の有無にかかわらず、心房細動(AF)患者におけるジゴキシン使用に伴う死亡リスクに関…
腎結石症は、腎臓に影響を及ぼす最も一般的な疾患の一つであり、再発のリスクが高いことが特徴です。腎結石の再発予防にはサイアザイド系(チアジド系)利尿薬が広く使われていますが、プラセボと比較した有効性に関するデータは限られています。さらに、用…
2件の初期プラセボ対照試験により、軽度から中等度の高血圧および治療抵抗性の高血圧患者において、超音波腎除神経(Endovascular Ultrasound Renal Denervation、腎デナベーション)が血圧(BP)を低下させる…
ATPクエン酸リアーゼ阻害剤であるBempedoic acid(ベンペド酸)は、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値を低下させること、筋肉関連の有害事象の発生率が低いことが示されています。しかし、心血管アウトカムへの影響は不明です。そこで今回は、スタチン系薬剤を服用できない、または服用し…
メタボリックシンドロームはいくつかの疾患のリスクファクターです。なかでもメタボリックシンドロームと性腺機能低下症との関係はよく知られています。過去の報告で、テストステロン低下と炭水化物または脂質の摂取量について検証されています。この結果に…
アスピリンは、子癇(しかん)前症のリスクが高い妊婦において、早発子癇の発生率を62%減少させることが示されています。しかし、アスピリンは周産期出血のリスク上昇と関連する可能性があります。このリスクは、妊娠期(妊娠37週)前にアスピリン…
高所得国および低・中所得国(LMIC)における大うつ病性障害(MDD)患者の研究では、最大で3分の1が第一選択薬物療法および第二選択薬物療法に反応しないことが示唆されています(PMID: 17074942、PMID: 34463905)。治療抵抗性うつ病(TRD)に対する現在の薬物療法は、高い確率…
慢性特発性蕁麻疹に対するビラスチン vs. フェキソフェナジン vs. レボセチリジン国内外の診療ガイドラインにおいて、第二世代抗ヒスタミン薬は慢性特発性蕁麻疹(CSU)の第一選択薬とされています。しかし、患者の50%は第二世代抗ヒスタミン
アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)などのレニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAS)系阻害薬の使用により血管浮腫が報告されていますが、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるサクビトリル-バルサルタン使用者における血管浮腫リス…
ChatGPTと呼ばれる大規模言語モデルの性能を、3つの試験からなるUSMLE(United States Medical Licensing Exam)において評価した。USMLEは、ステップ1、ステップ2CK、ステップ3の3つの試験から構成されている。ChatGPTは、特別なトレーニングや強化…
妊娠中の抗うつ薬の使用は、いくつかの研究において、小児の神経発達障害と関連していることが報告されています。しかし、その結果は、親の精神的健康状態、遺伝、および環境因子による制御不能な交絡によって説明されるかもしれません。つまり、妊娠中の抗うつ薬使用が、小児の神経発達障害リスクの直接的な原因かどうか…
2022年9月1日、CDCは、12歳以上(※その後、生後6ヵ月以上まで拡大)の患者に対して、前回のワクチン接種により低下した予防効果を回復させ、出現した変異株に対する予防効果を拡大するために、最新の二価COVID-19ワクチンのブースターを推奨しました。これはワクチン承認時の臨床試験やリアルワール…
慢性蕁麻疹は、患者にとっても治療する医師にとっても悩ましい問題です。やや古いですが、海外の診療ガイドラインであるEAACI/GA[2]LEN/EDF/WAOガイドラインでは、ロイコトリエン受容体拮抗薬を追加する前に、抗ヒスタミン薬を標準量の4倍まで増量するよう提唱しています。しかし、このような高用…
出血性消化潰瘍に対する内視鏡治療は、病勢の持続・再出血を予防し、緊急手術への移行や死亡リスクを低減させるために有用であることが報告されています。また、再出血予防のために内視鏡治療後に高用量プロトンポンプ阻害薬(PPI)(80mgボーラス投与後、8mg/hを72時間持続点滴)が行われます。高用量PP…
オミクロン変異株の流行時におけるニルマトレルビルの効果はどのくらい?ニルマトルビルはSARS-CoV-2に対してin vitro活性を有するプロテアーゼ阻害剤であり、リトナビルでブーストしたニルマトレルビルは、デルタおよび初期のオミクロン変
就寝中に頭部を支えているのは枕のみです。枕の高さを調節することで身体にどのように影響するのかについては充分に影響されていません。そこで今回は、Set-up for Spinal Sleep法を用いて枕の高さを厳密に調整することで、首の痛みや身体症状などの臨床転帰が改善されるかどうかを確認した非対照…
チェックの回数を増やすとエラーは減るのか?薬剤師業務としての調剤・監査・鑑査では、正しい患者に、正しい薬剤が、正しい目的で、正しい用量、処方されていることを確認しています。その他に薬物相互作用などの安全性評価も行っています。これにより期待す
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)感染によるCOVID-19患者は世界中から報告されており、感染流行が終息する未来は一向に見えてきません。妊婦などの特定の背景を有する患者におけるエビデンスは限られていますが、非妊婦と比較して、SARS-CoV-2感染により重症化・重篤化…